「こちら葛飾区亀有公園前派出所」117巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1999年12月発売）
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 117【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●両さんの亀有歴史散歩の巻
ストーリー
小学生たちが「ぼくらの住む街」という夏休みの宿題のため、派出所に相談にやってくる。
小学生たちとともに、地元の風土記の研究家である四丁目の伝衛門を訪問する両さんと麗子。両さんがインターホンを押しても取りつく島もないのに、美人の麗子だと研究家は鼻の下を伸ばして、招き入れる。
スキあらば、麗子にセクハラを働こうとする研究家だが、亀有の歴史については、弥生時代の古墳から江戸時代の街道、明治以降の発展など、真面目に説明する。
主な登場人物
亀有の歴史を巡る話。
元は「亀無」という地名だったという話や、大きな城もあったという意外な歴史が語られる。
扉絵には亀有散策に使える「亀有歴史マップ」が掲載されている。
ラストでは、1999年7~8月に公演された舞台版「こち亀」が、かめありリリオホールで上演されている様子が一コマだけ描かれる。
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●超!!警察犬ロボット誕生の巻
ストーリー
ロボット犬のAIBOなどの技術から、新たなロボットの開発の可能性を感じた両さんは、四足歩行のロボットを開発したが、全然売れずに終わる。
今度は犬型のセキュリティドッグを開発。中川の会社の技術と警視庁のブランドにより、防犯用に大ヒット。だが、防犯のために戦闘力が高いことから賭博闘犬に使われるようになってしまう。
闘犬用に様々な改造パーツが売られるようになり、最強のロボット犬が続々と誕生する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須（署長）
警察犬ロボットを開発する話。
カメラも内蔵していて、テレビ電話機能のあるケータイで映像も確認できるという機能もある。ケータイでの動画視聴がまだ当たり前ではない時代に、この発想は先進的。
ソニーのペットロボット・AIBO、トミー（日本版）のペットロボット・ファービーなどが、話の導入として紹介される。
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●目隠し将棋名人!?両さんの巻
ストーリー
派出所で寺井と将棋を指す両さん。寺井があまりにも長考なので、両さんは途中からTVゲームを始め、ゲームしながら盤面も見ずに口答のみで指すようになる。
両さんの目隠し将棋の腕前は相当なもので、目隠し状態で寺井と将棋をしながら、中川、麗子とチェスをし、同時進行で三人に勝利するほど。
将棋の得意な部長にも目隠し将棋で勝利。しかし、後日、特訓してきた部長が目隠し将棋を挑んでくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人、左近寺竜之介、角田大介
目隠し将棋の話。
将棋だけでなく左近寺とは、格闘ゲームを目隠し状態（というよりゲーム機を使わずエアーで）で対戦する。
目隠し将棋が強いことに対し、寺井は素直に「頭がいい」と褒めるが、麗子は「でも知能指数低い」と煽る。この麗子の知能指数イジリはこの話の全編を通じて使われており、ちょっとしつこい。
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●南国タヒチで夏休み!!の巻
ストーリー
誕生日にパパからのプレゼントで、麗子が島の別荘とクルーザーをもらったとのことから、みんなでタヒチ島の隣のファヒネ島に旅行に行くことに。
６億円はするであろう豪華クルーザーで、麗子や婦警たちは出発するのだが、両さん、ボルボ、左近寺の三人は一週間貸し切りにした屋形船で合流してくる。
娘の右京を送りに来た漁師の二徹もさらに合流。豪華なクルージングを楽しむ女性陣と対照的に、二徹も加えた両さんたち男性陣はワイルドな船旅でタヒチを目指す。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、磯鷲早矢、飛鷹右京、早乙女リカ、ボルボ西郷、左近寺竜之介、飛鷹二徹
南国へクルージングに行く話。次回にも続くので、実質、前後編の前編。
両さんが麗子のクルーザーでなく屋形船を選んだのは、日本人は畳の方が寝るのは楽、という理由。
屋形船の主人は、南太平洋どころか外洋に出るとも知らされておらず、両さんに縛り上げられ「船宿の主人と穏やかに話がついた」と断言されてしまう。どの辺が穏やかなのだろうか？
両さんたちは屋形船で長距離を進むために、大型タンカーから石油を盗んだり、軍用艦から食糧を奪ったりと海賊のような船旅をする。
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価格:770円 |
●ファヒネ島の休日!!の巻
ストーリー
麗子たちはクルーザーで目的地タヒチのファヒネ島に予定通りたどり着いていたが、米海軍に追われた両さんたちの屋形船は、東太平洋のガラパゴスの方までさまよっていた。
屋形船は沈没するも、中川の用意したヘリで両さんたちもファヒネ島に到着。二徹の漁船も島にやって来る。
マリンスポーツやショッピングなどのリゾートを女性陣が楽しんでいる一方、男性陣は捕まえたクジラをさばいて食べたり、獲った魚を売ったりとたくましく生きていた。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、磯鷲早矢、飛鷹右京、早乙女リカ、ボルボ西郷、左近寺竜之介、飛鷹二徹
南国クルージングの後編。
中川がヘリを手配してくれたから助かったのに、その中川をジェットスキーから突き落とすといった両さんの行動がヒドい。
漁師の二徹は、許可もなく捕鯨をしたりと、この人もなかなかヤバい人物だという描写が出てくる。
屋形船の主人は、元々の船を失うことになるが、魚を売って儲けたお金で24金の屋形船を両さんに買ってもらう（中川の資金が入っているかは不明）。24金の船が浮くかは知らないけど。
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●海の男!!寺井巡査の巻
ストーリー
子供と接する機会の少ない寺井はクルーザーを買うことを決意。中川や麗子に相談し、それほど高くないと言われるも、二人との金銭感覚が違うので、あまり参考にはならない。
それでも40年の長期ローンを組み、船舶免許も取得し、念願のクルーザーを手に入れる。
両さんの命名で「人生送りバント号」と名付けられた船は無事に進水式を終え、いよいよ出航。寺井は船長権限で、子供に少しだけ操縦させたり、釣った魚で船上バーベキューをしたり、と思い出を作っていく。
主な登場人物
庶民の寺井がクルーザーを買う話。
少し良い船だと一億円はくだらないのだが、寺井の購入した船がいくらだったかは不明。係留しておくマリーナの使用料もかかるので、家のローンもある寺井には相当な負担のはず。
釣りでたくさん魚が釣れたりするのは、中川が裏で手を回していたため。他にも、アンカーが緩んでいたのをフォローされており、中川のフォローがなく、寺井一人では無事にクルージングできていなかったっぽい。
118巻「水の都・TOKYO!!の巻」、126巻「“泳ぐダイヤ”を捕まえろ！の巻」でも寺井の船が出てくる。（2代目、3代目？）
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●カリスマ床屋登場!!の巻
ストーリー
カリスマ美容師MAKKYの手によりイメチェンした麗子。
そこから、各々の散髪事情の話題になり、本田は深川にある族専用の床屋を行きつけにしていた。
本田の行きつけの床屋バーバーシバタは、暴走族だけでなくヤクザの客も集まる、その道ではカリスマ床屋だった。
バーバーシバタを気に入った両さんは、中川がスポンサーのカリスマ美容師のドラマを二話目から急に床屋に変更させる。ドラマの舞台になったバーバーシバタは話題になる。
ブームに乗って葛飾署員も角刈りに。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、ボルボ西郷、左近寺竜之介、寺井洋一、法条正義、屯田五目須（署長）、御所河原組長、シバタ鉄男
暴走族やヤクザ御用達で、ソリ込みや角刈りばかりをやっているカリスマ床屋の話。
御所河原組長もこの床屋の常連で、店には髪型見本として御所河原組長の写真が飾られている。両さんの写真も一緒に並べてもらうのだが、暴走族やヤクザの写真に並んで、警察官の写真が並んでいたらマズい気がする。
冒頭、カリスマ美容師によりイメチェンした麗子は、服装も帰るのだが、イブニングドレスのような服でとても警察官の服装には見えず、両さんに「キャバクラポリス」と言われていた。まぁ、普段のピンクの服も警察官ぽくはないが。
この頃、カリスマ美容師がブームだった。
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価格:891円 |
●カリスマヘアモデル両さん!!の巻
ストーリー
理容師・美容師が対決をするテレビ番組「シザーキング」に、本田行きつけの床屋バーバーシバタが出場することとなり、角刈りのモデルとして両さんに声がかかる。
バーバーシバタを挑戦者、麗子の友人のカリスマ美容師MAKKYをチャンピオンとした角刈り対決が開始。毛生え薬をかけて強引に髪を伸ばした両さんが、どちらに対してもモデルを務める。
テレビの演出により、巨大バリカンで刈られたり、投げ縄のように電動バリカンを振り回したりと、勝負はメチャクチャ。
しかし、この大会で新しい角刈りとなった両さんの写真は世界中で有名になり、TIME誌の表紙にまでなる。その結果、両さんは世界中からヘアモデルのオファーを受けることになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、寺井洋一、シバタ鉄男、海パン刑事、ドルフィン刑事、月光刑事、美茄子刑事、タイガー刑事
角刈りの対決のモデルに両さんがなる話。髪を刈られるたびに、毛生え薬を頭にかけられた両さんの髪はすぐに元通りになってしまう。毛生え薬もスゴいのだが、両さんの髪の毛根の生命力が異常に強いため可能なことらしい。
カリスマ美容師MAKKYが両さんにした髪型は、後頭部に「チ〇コ」の文字の形に髪を残して他を剃り上げるという斬新なもの。どの辺がカリスマなのか……
物語冒頭、猛暑の中での、海パン刑事ら、特殊刑事課の面々の活動状況について語られている。
61巻「あわてどこ屋！の巻」など、「こち亀」に床屋のネタはいくつかあるのだが、この話以降は登場しない。
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●舞台はつらいよの巻
ストーリー
舞台版「こち亀」が好評のため、全国展開へ。しかし、ラサール石井ら役者のスケジュールを押さえることができなかったため、両さんたち本人が舞台に出演することになる。
北海道から沖縄までの全55か所公演と聞き、全国のご馳走で打ち上げができると考えた両さんは快諾。
だが、演出家の演出には両さんは合わせられず、次々に変わる台本にも対応できず両さんは四苦八苦する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、ボルボ西郷、左近寺竜之介、寺井洋一、早乙女リカ、屯田五目須（署長）、海パン刑事
舞台版の「こち亀」に本物の両さんたちが出演する話。
1999年に上演された舞台が元ネタ。「こち亀」の舞台は、その後、2003年、2006年、2016年でも上演された。（もちろん、今回のように本物の両さんたちが出るわけではない）
公演の途中から過労で部長が倒れたとのことから、ブタを代役に立てるが、オチのコマでは部長は普通に登場している。
ツアーの途中からサンバダンサーやサーカスなどを勝手に両さんが組み入れる展開となる。その際、共演した「グレエ」「歌田光」の元ネタはGLAYと宇多田ヒカル。
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前編・後編と銘打ってはいないが、
「南国タヒチで夏休み!!の巻」「ファヒネ島の休日!!の巻」、
「カリスマ床屋登場!!の巻」「カリスマヘアモデル両さん!!の巻」がそれぞれ前後編になっている構成。
個人的にはメチャクチャな髪型になる「カリスマヘアモデル両さん!!の巻」がオススメ。
この頃は舞台版の「こち亀」が上演されていたので、「両さんの亀有歴史散歩の巻」「舞台はつらいよの巻」と、舞台にちなんだ話が収録されている。
