「こちら葛飾区亀有公園前派出所」101巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1997年3月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 101【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●両さんのパソコンツアーの巻
ストーリー
中川電工でパソコンの在庫が数百台余っていると聞いた両さん。
麗子から提案された中高年向けのパソコン本体付きのセミナーの企画に対し、両さんは憤慨するが、商売になると判断すると自分でもセミナーの開催を計画する。
知り合いの旅行会社と協力し、一年半前の型落ちパソコンを言葉巧みに買わせるツアーを開催。
客の知識不足を良いことに、サギに近いやり方で荒稼ぎする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
パソコン教室も兼ねた合宿ツアーの話。
この頃は、Windows95が出て、急速にパソコンが普及した時期だった。
30万円のノートパソコン(モバイルコンピューター)のメモリが8メガというのが隔世の感がある。
ノートパソコンを持っているのが当時のステータスだった。
両さんは、本屋で教習本を立ち読み(椅子まで持ち込むから座り読み?)し、スーパーの展示品のパソコンを毎日6時間いじってパソコンの操作を覚えていたので、高額なセミナーに最初憤慨していた。
Microsoft Windows 95 - Wikipedia
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●目覚しパニック!?の巻
ストーリー
寝つきの良さと寝起きの悪さから、両さんは様々な目覚まし時計のモニターのアルバイトをしていた。
止めようとすると逃げる目覚まし、スロットルを揃えないと止まらない目覚まし、電流が流れる目覚まし、寝袋を揺らす目覚まし、格闘ゲームに勝利しないと止まらない目覚ましなど、色々な目覚まし時計を両さんはモニターする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、戸塚金次
色々な目覚まし時計のモニターになる話。
時間になると空気で膨らみ身体を起こす仕組みの目覚ましは現実に存在。音が出ないので鉄道会社の職員が使用しているらしい。
両さんの制服は、うっかり燃やしてしまったとの理由で旧型制服を着用している。4週間前から着ていたとのことだが、コミックスだと連載順の収録ではないので確認は困難。
久々に戸塚が一コマだけ登場している。
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●両さん亀現る!?の巻
ストーリー
子ども会で葛飾署員が劇を行うことに。演目は浦島太郎。
浦島役は中川、乙姫役はマリア、亀役は両さんの配役。衣装は各自で用意しなければならず、浦島太郎などのレンタル衣装はあるが亀の衣装はない。
両さんは日本有数の亀コレクターを訪れ、庭のゾウガメから甲羅の型を取り、石膏で甲羅を作成する。
甲羅はリアルなのだが、石膏のため30kgの重量で重い。
会場に向かう途中、もよおした両さんは、川原で小用を足そうとするが、甲羅の衣装の構造上、チャックに手が届かず大苦戦。
もがいていると、川に転落してしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛
浦島太郎の亀の衣装を着る話。
浦島と乙姫の衣装があるのなら、亀もレンタル衣装でありそうなものなのに、話の都合上ないことになっている。
この話では麗子はオチのコマのみに登場し、代わりにマリアの出番が多い。乙姫役にはマリアの方が適しているからだと思われる。
川に転落してからの勢いのある展開は単純に面白い。
物語冒頭では、五円玉とヒモで両さんが「銭亀」を作っている。
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●対婦警 全面戦争!?の巻
ストーリー
交通課新聞のアンケートで、結婚したくない男性1位になってしまった両さん。アンケートがインチキだと交通課の早乙女リカに文句を言いに行くが、反論で返り討ちにあってしまう。
葛飾署の納涼大会の準備をしていると、早乙女たちのミニパトがいないことに気づく。暴走族の車を没収したことで、逆恨みに遭い、襲撃されていたのだった。両さんは左近寺を伴って、救出に向かう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、左近寺竜之介、早乙女リカ
交通課の早乙女との因縁の話。
早乙女リカは両さんと対立する婦警たちのリーダー格として、その後もレギュラーで登場する。
早乙女たちを救助し、一度は見直されるも、納涼大会で両さんが用意するはずだったホタルの件で、結局、両さんの株は暴落する。
この回では、左近寺が珍しくミニパトを運転するシーンがある。
●真夏のリゾート計画!!の巻
ストーリー
中川たちと夏休みにタヒチのケレル島に行く予定だった両さんは、都合でチケットが取れなかったため、ステルス戦闘機を旅客機にした飛行機で非常脱出装置(十分な距離の滑走路がなかったため)から島に到着する。
水上コテージでくつろぎ、ボディーボードを楽しんでいると、ジョディー、爆竜大佐が軍人たちとともにバカンスにやって来る。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、爆竜大佐、ジョディー・爆竜・カレン、ボーダーキング
南国で夏休みを楽しむ話。この後の話に続くため、実質前後編の前編。
本田は派出所で寝ていたはずなのに、気づいたらステルス戦闘機の中にいて驚く。
98巻「スキーヤーV.S.スノーボーダー!?の巻」に登場したボーダーキングがスノーボードではなく、「全日本ボディボード愛好連合協同組合向上委員会」として再登場。キングと名乗る割に初歩的なミスを連発していた。
ジョディーの三番目の兄はボディボードの世界チャンピオンの設定。しかし、ジョディーの兄弟は兄2人に弟1人だった気が……
こちら葛飾区亀有公園前派出所 98【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●ビーチバレーでGO GO!の巻
ストーリー
前話より、タヒチに来ていた両さんたち。麗子とジョディーの出場するボディーボード大会でビーチは大盛り上がりだが、爆竜大佐が連れてきた米兵たちと両さんが小競り合いに。
スポーツで決着をつけることになり、米兵とビーチバレー対決。米兵には馴染みのビーチバレーに両さんは苦戦するも、手段を問わない両さんのやり口で盛り返す。
対決の競技は、ビーチ剣道、ビーチゴルフ、ビーチ卓球と変わっていく。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、ボルボ西郷、爆竜大佐、ジョディー・爆竜・カレン
ビーチスポーツで米兵と勝負する話。前の話の続きになる。
前話では登場しなかったボルボは、この回では合流している。
タイトルはビーチバレーだが、ビーチバレーは全体の三分の一くらい。
最初、ビーチバレーを両さんは舐めていたのか、ペアの相方は「いいよ 本田で」と言っていたが、結局ボルボと組むことになる。
●両さん 夏の一日の巻
ストーリー
38度の気温の中、中川のオープンカーでドライブしていた両さんは直売所で四角い形のスイカを購入。
3000円の値段がしたが、中身は真っ白でまるでキュウリ。派出所のみんなは誰も食べてくれなかった。
両さんは小学生のセミ採りを手伝い、周囲のセミを採りつくす。
夜になり、部長命令で、屋形船での隅田川花火大会に出席できないと知った両さんは、部長たちに仕返しを謀る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、ボルボ西郷、屯田五目須(署長)
ある夏の一日の話。
四角いスイカの話、セミ採りの話、花火大会の話と三つの話の構成になっている。
四角いスイカは全然甘くなかったものの、ミソを付けるとそれなりに合うらしい。
セミ採りが得意な両さんは、業者に売ることができるからと小学生の頃、セミを採りまくっていた。ひと夏で東京の4割くらいのセミを採り、昭和30年頃にセミの鳴き声が少ないとニュースになったほどだった。
屋形船に両さんが乗れなかった理由は、第八方面の署長の面々が急に出席することになり、問題を起こしそうな両さんは外されたのだった。
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●佃島本祭り取材!の巻
ストーリー
マンガのため神輿の取材をしたいという乙姫菜々のため、両さんは佃島祭りに連れていくことに。
佃島には祖父・勘兵衛がいるので、案内させようとするが、まったく協力してくれない。
編集者の竜千士は写真を少し撮っただけで取材を切り上げようとするが、三年に一度の佃島祭りなので、宮神輿も取材するように両さんは説得。
半纏も借り受け、みんなで神輿体験をする。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、乙姫菜々、竜千士氷、両津勘兵衛
少女マンガの取材で佃島本祭りに行く話。
黒塗りのハイヤーで現地に現れた竜千士は、車の窓越しの内と外で両さんと会話する。両さんはケータイだが竜千士は車載電話なのが当時っぽい。
半纏を着慣れない竜千士は、帯を高い位置で結んでしまう。このネタは中川で既にやったことがあるためか、両さんは特にツッコまない。
ラストの少女マンガタッチで描かれた祭りの様子が見どころ。
住吉神社オフィシャルサイト | 例祭 (sumiyoshijinja.or.jp)
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●コンビニゲームバトル!!の巻
ストーリー
コンビニの経営者になるパソコンのリアルシミュレーションゲームを派出所のみんなでプレイ。
素人の部長は何も分からず田舎の土地に出店してしまい、序盤は苦戦するが、近くに地下鉄の駅が開通。一転して売り上げを上げる。
それを見た両さんは、部長のすぐ近くに出店し、部長を潰しにかかる。
汚い手で、みんなを潰していく両さんだったが、パソコンの通信で外部から両さんに挑んでくるプレイヤーが出現。両さん以上のエゲつない手で両さんはピンチに。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
パソコンゲームでコンビニ経営者になる話。
家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機ではなく、パソコン4台で電話回線を通じて対戦をしている。
コンビニ経営がメインのゲームだが、マカオのカジノで稼いだり、鉄道を引いてビルを建てたりと、都市開発もできるなどのコンビニ以外の要素も多い。「A列車で行こう」シリーズの影響もあるのかもしれない。
この「コンビニバトル」のゲームの自由度が高くて、裏要素が強いのは、製作者があの人なせい。
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「両さんのパソコンツアーの巻」を読むと、パソコンの流行り始めで、現在と感覚が違うことに気づく巻。
個人的オススメは、亀になってからのドタバタが激しい「両さん亀現る!?の巻」。
全般的に、祭りやビーチ、花火と「夏」がテーマの話が多い。