「こちら葛飾区亀有公園前派出所」130巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2002年6月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 130【電子書籍】[ 秋本治 ]
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●飛鷹日光・月光登場!の巻
ストーリー
右京・左京姉妹の妹もまた双子の姉妹。その双子の姉妹・日光と月光は高校一年生でお笑いが大好き。千葉から出たことがないのに漫才番組に影響を受けすぎて関西弁になるほど。
プロの漫才師を目指す二人の希望で、大阪に赴き漫才師・スチャラカ鼻子に会いに行く。鼻子の弟子となった二人は、本場の大阪で漫才のストリートライブを始める。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、飛鷹右京、飛鷹左京、飛鷹日光、飛鷹月光、飛鷹二徹、スチャラカ鼻子
飛鷹日光・月光姉妹が初登場の回。二人が漫才好きになったのは、父・二徹の影響なのだが、回想のコマで漫才をテレビで流しているシーンでも二徹はピクリとも笑っていない。
日光・月光は、使い勝手がイマイチだったのか、この後も出番はそれほど多くない。漁師の父・二徹の方が登場回数が多い。
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●携帯パニックの巻
ストーリー
ケータイ電話がどんどん便利になり、派出所の面々もスケジュール管理や電車の乗り換え検索などに利用していた。
電極スパークの運転する電気自動車の実用化最終走行につきあっていた両さんだったが、カーナビが突如故障し、何も表示しなくなる。パニックになったスパークは、うっかり自分のケータイも壊してしまう。
二人は帰り道も分からなくなり、スパークは大事なスケジュールのことも分からなくなる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、寺井洋一、電極スパーク
ケータイ電話の故障でスパークがパニックになる話。
2002年当時の話なので、まだスマホではなくガラケーだったが、「駅すぱあと」などが使えるようになっていた頃。
スパークの会社に電話しようとするも、電話番号を覚えておらず、番号案内の局番(104)も分からなくなっていた。今となっては、現実でも104の番号案内だけでなく、117の時報や177の天気予報も使わなくなっている。
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●ギャグで世の中明るくの巻
ストーリー
冬休みの間、大阪で漫才修行をしていた日光と月光が帰ってきた。過激などつき漫才を派出所で繰り広げると、二人は嵐のように去っていった。
二人の勢いには圧倒されたが、ギャグは世の中を明るくするということで、葛飾署内で「一日一ギャグ」が採用される。署員のギャグで雰囲気は明るくなるも、署長・部長のオヤジギャグは滑りまくる。二人はお笑いビデオを大量に見て、最近のギャグを学ぶ。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛、左近寺竜之介、屯田五目須(署長)、飛鷹日光、飛鷹月光
葛飾署内でギャグが繰り広げられる話。
部長のダジャレはシラケてしまうが、中川たちのギャグは大受け。世代差が如実に出ているという場面だが、「量産型ザク」「矢吹丈」「星明子」といった一発ギャグは、1960年代~1970年代のマンガ・アニメが元ネタなので、2002年の若者にも実はちょっときつい。
中川が両さんの末路の新聞記事を読み、後ろ姿の部長が呆れて一言、というのが、定番のオチだが、この回では珍しく署長・部長の末路を両さんの後ろ姿で締めるという、いつもと立場が反対のオチになっている。
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●出撃ラジコン刑事の巻
ストーリー
特殊刑事課から陸海空のすべてを制圧する史上最強の刑事として、ラジコン刑事(ラジ野 コン太郎)が現れる。
戦車、ヘリ、戦艦などを自由に駆使するが、両さんからは良い歳をしてラジコンで遊んで子供みたいな「アダルトチルドレン」と揶揄されてしまう。ビルの隙間に入った指輪を取ったり、川に流された子犬を助けたりと意外に活躍するラジコン刑事。そんなラジコン刑事の前に銀行強盗の車が現れる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ラジコン刑事
ラジコン刑事登場の回。名前の通りラジコンを駆使する刑事なのだが、帽子と前髪や出っ歯のデザイン、技を使う際のポージングなど、なぜか「ゲームセンターあらし」に似ている。
一度の登場で終了する特殊刑事課の刑事も少なくないが、ラジコン刑事は172巻「3Dヘリ大作戦の巻」、200巻「ドローンバトルの巻」などにも登場する。
物語冒頭には、実際にフジミ模型から発売された派出所の1/24模型が紹介されている。
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●マルチスポーツ対決の巻
ストーリー
葛飾署のスポーツ大会で、みんなの希望のスポーツがバラバラのため競技が決まらない。そこで両さんの発案により、複数のスポーツを組み合わせたマルチスポーツ対決になる。ボウリングの玉でゴルフをしたり、逆にゴルフボールでボウリングをしたり、といった感じだ。
野球のバットでのテニス、囲碁柔道、水泳剣道、冬山登山将棋などのマルチスポーツが繰り広げられる。トーナメント制の対決で両さんは次々勝ち上がり、賞金50万円を賭けて乙姫菜々と対決する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、乙姫菜々、擬宝珠纏、左近寺竜之介、早乙女リカ、剣零、屯田五目須(署長)
複数のスポーツを組み合わせた対決をする話。「冬山登山将棋」対決は、対決だけのために冬山に向かっているかと思うとムダが多い。
決勝の相手が乙姫となるが、彼女がどうしてこの過酷な対決に勝ちあがってきたのかは謎だった。
冒頭では、自転車で猛スピード爆走していた両さんがパトカーに激突する様子がスローモーションっぽく描かれる。
なお、作中には登場しないが、チェスとボクシングを合わせたチェスボクシングは実在する。
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●がんばれたいやきくんの巻
ストーリー
バイトでたいやきを焼いていたことのある両さんは、道具をそろえてたいやき屋の屋台を始める。
商売は順調だったが、両さんの屋台の好調を見て向かいのタコ焼き屋がたいやき屋に商売替えをして対抗。女性受けしそうなバリエーションのメニューで挑んでくる。
両さんは、たいやきの形をしたキッチンカーに豊富なメニューでさらに対抗する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
たいやき屋の屋台で、向かいの屋台との勝負がエスカレートしていく話。97巻「焼き物天国(パラダイス)!!の巻」の時のタコ焼き屋と再び屋台商売の対決となる。
タイトルはヒット曲「およげ!たいやきくん」のパロディだが、同曲の「たいやきくん」の両さんバージョンの絵が冒頭に掲載されている。
両さんと本田がヒドい目にあうオチが良くあるパターンだが、今回は両さんと中川のパターン。
麗子はしっぽまであんこ入りが本道だと主張していたが、両さんはあんこは少な目でしっぽのカリカリを食べるべきと反論していた。
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●3月3日はわしの誕生日の巻
ストーリー
葛飾署で実物大のお雛様を作る企画の責任者となった両さん。テレビで全国放送されるとあって両さんははりきっていた。
最上段のお雛様役は麗子、お内裏様役は中川の美男美女コンビが務める予定となっていたが、3月3日は両さんの誕生日ということで、中川はお内裏様の役を両さんに譲る気でいた。しかし、そのことを知らない婦警たちからお内裏様を両さんにやらせるわけがないと罵倒されてしまう。
怒った両さんは、テレビ中継の最中に裸の男だらけの「漢雛(おとこびな)」をぶつけて、お雛様中継をぶち壊す計画を立てる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ボルボ西郷、左近寺竜之介、早乙女リカ、屯田五目須(署長)、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、擬宝珠夏春都、擬宝珠夜婁紫喰、擬宝珠桔梗、擬宝珠蜜柑
実物大のお雛様を巡る話。
婦警たちに罵倒された後、両さんは公園の砂場でイジけていた。左近寺いわく「拗ねるといつも公園に」ということなので、これまでも本編中に描かれてないだけでイジけていたことがあったのかもしれない。
冒頭では、擬宝珠家で両さんが誕生日を祝われるが、こちらは普通に服などのプレゼントをもらっている。
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●両さんvsお犬様の巻
ストーリー
中川の研究所で犬と話せる機械を開発。そんな折、署長が家族旅行の間、愛犬のペスを部長が預かることになり、派出所に連れてくる。犬の翻訳機で会話できるようにすると、なぜかペスは両さんに当たりがきつい。
翻訳機は音声でしゃべらせる以外に、遠隔でも通話できるようにデータを文字にしてメールをやりとりする機能もあった。両さんはこの機能を悪用し、自分の作ったメール文面をペスの発言のように偽装し、中川たちからお金をせびろうとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、左近寺竜之介、屯田五目須(署長)
犬の翻訳機の話。タカラからの「バウリンガル」発売が話題になった頃に掲載の話。
両さんは、犬の翻訳機の前に人間同士の英語の翻訳機を開発するのが先だろう、と主張。英語翻訳機があると、日本中にある英会話業者が潰れるため、英会話業者が開発メーカーに圧力をかけて開発をストップさせたり、学校の授業も役に立ちにくい教え方にさせていると邪推していた。現在の言語翻訳アプリの開発状況を見ると、両さんの推理は外れていたように思う。
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●東京銭湯絵巻の巻
ストーリー
昭和20~30年代は東京の銭湯の数が最高に多かった頃。勘吉少年たちにとっても銭湯は遊び場だった。
桶を並べてミニプールを作り、浴槽のお湯をそちらに移動させて遊んでいたが、浴槽の湯が足りなくなって釜が壊れてしまったため、勘吉たちは春休み中、銭湯で手伝いをすることになる。薪割りや煙突掃除までこなす勘吉たち。
ある日、美大に通うお姉さんが銭湯の背景画を描きたいと松之湯を訪ねてくる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸田豚平、千田珍吉、折原美樹
銭湯にまつわる思い出の話。全裸でタイルの床をすべったり、タオルを使って泡を吹かせる勝負をしたりといった銭湯での遊び方は、秋本先生の実体験なのだろうか?
手伝いの小学生に煙突掃除をさせるのは、さすがにマズい気がする。この時におばけ煙突に登った話題が出てくるので、時系列としては、59巻「おばけ煙突が消えた日の巻」より後となる。
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飛鷹日光・月光姉妹がこの巻から登場。
しかし、二人が通うSt.フェアリー女学園が舞台の話のときに、ちょっと出てくるくらいしか出番がない。
「べしゃり暮らし」などでもそうだが、漫才ネタをマンガで表現すると、「間」や声色などが表現できていないためか、面白さが充分伝わらないように思う。
ギャグマンガとは、また表現が異なるのだろう。
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