「こちら葛飾区亀有公園前派出所」159巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2008年4月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 159【電子書籍】[ 秋本治 ]
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●トラップゲームの巻
ストーリー
超神田寿司の大部屋でのゲームを夏春都に禁じられた両さんは、ニコニコ寮に戻ってくるが、以前の部屋には既に他の入居者が三人いた。そこで、巡査部長の昇進試験を受けるために一人部屋を使っていた法条の部屋に転がり込むと、両さんはゲーム三昧。巨大な魔神になって街を作る「魔神ハイド」というゲームで、助けを求める小さな妖精キャラ「ピクモン」を情け容赦なく、踏みつけにする両さん。ピクモンを哀れに思った法条は、両さんがいない隙に、魔神を操りピクモンを助ける。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、法条正義、擬宝珠夏春都、白浜カトリーヌ(寮母)
可愛い妖精キャラを助けると、後に本性を現し、ヒドい目に遭わされるというトラップのあるゲームの話。この話から、両さんは寮で法条と同室となるが、この後は超神田寿司で生活していることもあり、話によって生活拠点がどちらかに変わっている様子。
法条は東大出なのに、キャリア試験での採用ではなく、巡査から巡査部長の昇進を狙うルートを選んでいる。両さんは階級的には巡査部長ではなく、その下位の巡査長。
ピクミン3 デラックス オフィシャルガイド [ 電撃ゲーム書籍編集部 ]
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●Keep on Runningの巻
ストーリー
本田の族仲間だった鮫島丈は、就職し社会人マラソンランナーになっていた。しかし、かつてはオリンピック候補にもなったほどだったが、事故の負傷から会社を退職し、マラソンから離れていた。その鮫島が、2年ぶりに東京都の都市マラソンに出場。本田はその大会で先導の白バイを務める。鮫島は一時、トップに立つも、古傷の痛みで倒れ込む。本田は鮫島に駆け寄り、バイクを止める。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、擬宝珠纏、麻里愛、磯鷲早矢、鮫島丈
本田の昔の族仲間、マラソン選手の話。このレースには両さんの他、麗子ら新葛飾署のメンバーも選手として出場している。両さんは、全身にスポンサーの広告が入った衣装を着て、「走る広告塔」として広告料をせしめようとする。
両さんが広告塔になっているのと、本田が先導なのに爆走してしまうところを除けば、本田と鮫島の友情話。
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●夢の宝くじの巻
ストーリー
派出所の四人で米国の宝くじを購入。そのうち部長の買ったものが当選。その金額はなんと一兆四億四千万円(連邦税が引かれ手に入れたのは4500億円)。米国で当選の手続きを行い、帰国すると史上最高の一兆円当選にマスコミが殺到する。マスコミに追いまくられ、妬みで家や職場に嫌がらせが続いたことで部長はノイローゼ気味になり、全額両さんに寄付することにする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、大原良子
部長が宝くじの高額当選者になる話。両さん個人に寄付するのではなく、インチキ事業会社・スーダラ商事に全額寄付することになる。両さんは、その金でハリウッド映画を10本作り、1円も残さず使い切った。その際、作った映画は「エイリアンvsゲゲゲのゲタ太郎」、「パイレーツ オブ だっちゅーの」、「ニューヨーク 三十丁目の夕日」、バイクに乗った「ハーレーポッター」など。
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●将棋刑事(デカ)の巻
ストーリー
マシンガン10丁で武装した2人組が駄菓子屋に立てこもり。警視庁から将棋刑事・居飛車 駒損ノ介(いびしゃ こまぞんのすけ)がやってくる。署員たちは全身タイツに将棋の駒の着ぐるみスタイルに着替えさせられる。部長は角行、中川は飛車、麗子は金将なのに、両さんは歩兵。将棋刑事の指揮で、駒になった一同は進軍するが、マシンガンで武装した立てこもり犯にはなかなか近づけない。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、屯田五目須(署長)、将棋刑事
特殊刑事課の将棋刑事の話。将棋刑事の用意した将棋の駒の形の制服は、金属とケプラー繊維の五重構造で7.62ミリ弾も通用しない完全防弾仕様だが、歩兵の駒は背中の部分しか防弾になっていない。
立てこもり犯は、ドイツ製のラインメタルM3で武装しているのだが、なぜか人質もいないのに、駄菓子屋に立てこもっている。理由は不明。
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●貯金王両さんの巻
ストーリー
夏春都の厳しい目のある超神田寿司から、ニコニコ寮に戻った両さんは自堕落な生活に。金と時間にルーズな生活から、せめて貯金をさせようと、中川の協力で両さんの部屋を強制的に貯金するシステムに改造。部屋の出入りや、テレビの電源、ケータイのロック解除など、何か動くたびに貯金箱にお金を入れなければならないシステムだ。貯金箱の現金は回収されるのだが、その金額は月に40万円以上。どんどん貯まっていく両さんの貯金に出来心から部長は手をつけてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、法条正義、大原良子、白浜カトリーヌ(寮母)、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、擬宝珠夏春都
両さんが貯金をし、それを部長が横領する話。強制貯金システムによる両さんの貯金額は、警官の一か月の給料を超えているのだが、それは情報誌のネット配信による収入のためだった。
両さんがお金を横領するのはいつものことながら、今回は反対に部長が横領をする。バレないようにいくつもの銀行口座を経由するやり方は、両さんの手口っぽい。両さんとの長年の付き合いで部長も両さんっぽい思考になってしまったか。
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●都会に暮らすの巻
ストーリー
本屋で、都会に疲れた人向けの田舎暮らしの本を見かけるが、東京の下町育ちの両さんと本田にはピンとこない。よく見ると「都会で暮らす」という本もあった。上京する人用の本だ。派出所で、その話をすると、中川や麗子は都心に住んでおり都会暮らし派、部長や寺井は田舎に住みたい派だった。両さんは、一つのビル内に都会と田舎の要素が合わさったハイブリッドの建物をプロデュースする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、寺井洋一、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬
田舎暮らしブームを話題にした回。作中の「都会で暮らす」の都会とは東京全体ではなく、千代田区、中央区、港区、渋谷区の四区のみを指しており、両さんが憤慨していた。
この回には、都会生活に自分が合うかどうかを診断できる「都会暮らし試験」が掲載されている。
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●最新おたく事情の巻
ストーリー
中野ブロードウェイに店を出している本田の友人から、両さんは赤字の商売についてアドバイスを求められる。最新アニメ最新アイドル未来志向のアキバ系と異なりノスタルジー文化のナカノ系ではレトロ系が良いと提案する両さんは、自身がコレクターカウンセラーの商売を始める。コレクションを買うのに悩んでいる客に勇気を与える役割だ。両さんは中野以外に巣鴨でも老人にコレクションを買わせようとする。
主な登場人物
中野でコレクターに勇気を与えるカウンセラーになる話。後に客の話を聞くカウンセラーから効率を求めて占い師に商売替えをする。
悩めるコレクターへの「楽しむ道と書いて『道楽』‼楽しまないといかん!」のアドバイスはなかなかの名言。
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●両津ブレンドコーヒーの巻
ストーリー
親睦会で両さんが新人の山田のび太にムリヤリ飲酒をさせ酔い潰してしまったことから、署長より3か月間の禁酒令が出された新葛飾署。酒はコミュニケーションツールと主張する両さんだったが、署長からは代わりにコーヒーで代用するように言われる。不満の溜まる両さん。しかし、ウイスキーを入れるアイリッシュコーヒーの存在を知ると、禁酒中の署員にコーヒーとして酒を販売するようになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)、山田のび太、目太門比科忠、法条正義、恵比須海老茶
禁酒中の署内で、ウイスキーを入れたアイリッシュコーヒーを販売する話。アルコールが入っていることについては、「ウイスキーボンボンとか奈良漬けレベルのアルコール度だ」と言い張るが、作中の描写はそれどころではなさそう。始めはちゃんとしたコーヒー豆を使っていたが、両さんはコーヒーの味には関心がないので、途中からは業務用インスタントコーヒーを使うなどの経費削減をしていく。
COFFEE STAND 開業と経営、スタイルとノウハウ [ 「カフェ&レストラン」編集部 ]
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●セレブコーヒーの巻
ストーリー
前回、ジャマイカのコーヒー農園に飛ばされた両さんは、ブルーマウンテン山脈で実際に働いていた。コーヒー豆の品質管理、取引状況などを現地で学んだ両さん。帰国すると、中川の子会社を預かり、プレミア1000円のチルドカップコーヒーを販売。高級コーヒーは業界に激震をもたらす。両さんは次なる策として、「10円コーヒー」を販売し、高級路線と激安路線の両方で販路を広げようとする。
主な登場人物
前回のオチでジャマイカに飛ばされたが、そこからコーヒー事業を立ち上げる話。「こち亀」のオチは、両さんが逮捕されたり、遠くに飛ばされたりしても、次の回には何もなかったことになることが多いが、珍しくオチが次の回につながっているパターン。
コーヒー事業については「女なんかどうせコーヒーの味もわからん」と缶タイプで販売する予定だったが、説得を受けて女性に評判の良いチルドカップで販売することになる。
後に197巻「TOKYO COFFEE NO MAKI」では、両さんはコーヒー豆を国内で生産する。
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「夢の宝くじの巻」「貯金王両さんの巻」と部長がお金に振り回される巻。
「夢の宝くじの巻」では、自分の心身の平穏のためといえ、4500億円を簡単に手放した部長だったのに、「貯金王両さんの巻」では、欲に目がくらんで数十万円のお金を横領してしまう。
同じ巻の中で、振れ幅が大きすぎる。