「こちら葛飾区亀有公園前派出所」146巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2005年8月発売)
![]() |
●新年かるた取り大会の巻
ストーリー
2005年、夏春都とケンカして正月に行くところのない両さんは、星逃田の家での鍋パーティーを提案。だが、磯鷲赤坂武道館での新年会のことを思い出すと、そちらに向かう。超一流の料理と酒に舌鼓を打つ両さんは、磯鷲家での恒例行事「カルタまき」を命じられる。これは賞金2005万円を巡って、巨大なカルタ取りをするので、そのカルタを地面にまくことだった。麻里晩が率いる翻堕羅拳の一行、爆竜大佐が率いる米軍部隊と、両さんは過酷なカルタ取りで鎬を削る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、磯鷲早矢、磯鷲剣之介、爆竜大佐、麻里晩、星逃田、擬宝珠夏春都
磯鷲家の正月に巨大カルタ取りをする話。冒頭の1ページ目では、星逃田がアップで登場するが、本編での出番はほぼ無い。
この回では、早矢の父・磯鷲剣之介、ジョディーの父・爆竜大佐、マリアの父・麻里晩と「こち亀」のヒロインのパパ三人が勢ぞろいする。
![]() |
●大阪の笑いは厳しいで~の巻
ストーリー
大阪の春から通天閣署の新年会に誘われた中川。春から両さんは連れてくるな、と言われるが、中川の怪しい行動を嗅ぎつけた両さんは、勝手にフェラーリに乗り込み、大阪についていく。新年会ではギャグをやらねばならないと言われ、両さんは中川と裸同然の恰好で漫才をするが、笑いに厳しい大阪人の前ではスベってしまう。両さんはピン芸に切り替えるが、どれも受けず困ってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、御堂春、芦原レイ、浪花署長
通天閣署の新年会でギャグを披露する話。中川の方は春を相方とした漫才で受け入れられるが、両さんはピン芸で苦しむことになる。両さんが得意の落語は東西で文化が違うため通用しなかった。(東京の「時そば」は関西では「時うどん」)他に両さんは、月亭可朝、ギター侍・羽田陽区、「ヒロシです」のヒロシのパクリ芸を披露する。当時は「エンタの神様」が人気の頃だった。
![]() |
●超高性能(?)ロボット大集合の巻
ストーリー
電極スパークは、老人を交通事故から守るための老人装甲ウェポン「シルバーアーマーZ」を開発。電子見本市で中川や両さんたちにプレゼンするが、過激なため中川の会社で採用されそうにない。他には犬の形をしたシルバー向けのロボット犬もあるも、過剰な装備や電池が30分しかもたないなど、欠点が多い。さらに将棋や麻雀をするロボット犬や、家に入らないほどの巨大福祉ロボなどもスパークは紹介するが、どれもイマイチ。中でシンプルな人型で忠実に人の命令を聞くロボットは使えそうだったので、両さんがモニターすることに。両さんは様々な雑用をロボに押し付けていく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠夏春都、擬宝珠夜婁紫喰、擬宝珠纏、電極スパーク
電極スパークが様々なロボットをプレゼンする話。どれも超高性能だが、実用向きではない。
巨大福祉ロボについては、147巻「ロボット大戦争の巻」で勘兵衛の似たような開発品と競い合うことになる。
一番最初に登場する老人装甲ウェポン「シルバーアーマーZ」は、老人が背負って装備し、自動車の接近を感知すると0.8秒で無反動ミニミサイルを発射するという過激なもの。無表情のおばあさんの背中からミサイルが現れ、トラックを撃破する絵面は面白すぎる。
![]() |
●日英弓勝負!!の巻(前編)
ストーリー
アーチェリーの国際大会が東京で開催され、麗子の友人エヴァが来日。エヴァはロンドン警視庁の刑事で、日本の和弓に興味を持っていたので、ロンドン警視庁アーチェリー部の一行と、早矢のいる署の弓道場の見学に連れて行く。アーチェリーと和弓の違いに一行が驚いていると、近くで強盗人質事件があったとの報告が入る。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、磯鷲早矢、エヴァ・マリー・フィールド
ロンドンから来た麗子の友人でアーチェリーの達人のエヴァの回の前編。アーチェリーと和弓のそれぞれの射ち方の違いなどをじっくり描いているので、笑いはほぼない。
![]() |
●日英弓勝負!!の巻(後編)
ストーリー
前回の強盗人質事件の報から現場に向かう両さんたち。人質がいるためSATも手出しができなかったが、人質が署員の法条と恵比須と知った両さんは、二人の命を顧みずに現場に突入。見事に犯人を逮捕する。しかし、犯人は時限式の爆弾を仕掛けていた。五重塔の軒下に仕掛けた爆弾は爆発までわずか1分。エヴァと早矢は、アーチェリーと弓で爆弾のコード切断に挑む。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、磯鷲早矢、法条正義、恵比須海老茶、屯田五目須(署長)、エヴァ・マリー・フィールド、両津銀次、両津よね
前回に続き、エヴァの回の後編。犯人はローン会社の入っているビルに立てこもっており、恵比須はお金を借りに客としていたところを人質にされたのだった。法条がなぜいたのかは不明。
「人質がどうなってもいいのか!」との犯人の問いかけに「いいよ 別に」とドライに応える両さんが面白い。二人とも警官なので覚悟はできている、という理屈だったが、法条も恵比須もとてもそうは見えなかった。
![]() |
●擬宝珠家温泉スキー旅行の巻
ストーリー
擬宝珠家は一家そろって、日本海側に温泉スキー旅行に行く。暖冬で雪がないかと思われたが、トンネルを抜けるとそこは雪国。両さんは纏とスキー競争をしたり、蜜柑をスノースクートに乗せたりとスキー場を満喫。夜は雪を見ながらの露天風呂と旅行を楽しむ。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、擬宝珠夏春都、擬宝珠夜婁紫喰、擬宝珠桔梗、擬宝珠蜜柑
擬宝珠家で温泉スキー旅行に行く話。署の旅行と違って、あまり大きなトラブルはおきない。とはいえ、列車の窓から顔を出して頭をぶつける、オート三輪にひかれる、落ちてきた氷柱が刺さる、といった常人なら大ケガの小(?)トラブルは起きる。
中川たちへのスキー土産は、「根性」と書かれたキーホルダーだった。
![]() |
●極めろ!謝り道!!の巻
ストーリー
部長に対しての日頃の謝りっぷりが見事だと、「日本謝ろう協会」にスカウトされる両さん。彼らの仕事は、クレーマーからの苦情を企業に代わって謝るというものだった。金のためなら土下座でも何でもする両さんの営業成績はトップに。ある日、新葛飾署に議員のドラ息子がレッカー移動についてクレームをつけてきたので、謝り道十段の両さんが対応することに。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
謝罪を代行する会社の話。「日本謝ろう協会」は別名「遺憾の意の字はイロハのイの字協会」で、両さんがスカウトされた会社は「日本謝り道株式会社」。そこのスカウト部の担当者名は「土下座四郎」だった。
謝り道十五段の先生の謝罪は見事なものだったが、どこの記者会見にも同じ先生が出張ってきたら、さすがにバレてしまう気がする。
![]() |
●世界の川はワシのものの巻
ストーリー
イギリスの大学スカルチームが参加する「東京神奈川横断レガッタ」が開催され、新葛飾署もエントリー。英国特殊部隊SAS、日本のSATも参加。地元の隅田川での開催のため江戸っ子の面子をかけて負けられない両さんはボルボ・左近寺をメンバーに勧誘。SATを力づくで沈めたり、付近の中川の会社から大量の排水をさせて激流に変えたりと、手段を問わない両さんのやり方で上位に。しかし、英国のSASもしつこく食い下がってくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、法条正義、ボルボ西郷、左近寺竜之介、屯田五目須(署長)
隅田川でレガッタの競争をする話。舵係(コックス)に中川、漕ぎ手には両さん、ボルボ、左近寺と肉体派チームと、そこまでは理解できるチーム編成なのだが、漕ぎ手になぜか東大出の法条が含まれている。
序盤の署長の顔の作画が少しおかしい気がする。
![]() |
●出会いの橋の巻
ストーリー
勘吉、豚平、珍吉の三人は、吾妻橋の上で一人の少女と出会う。彼女は初対面なのに三人のことを知っていた。その少女・祭は的屋の娘で、あちこちの縁日で三人を見かけていたのだった。三人は祭と仲良くなるが、その後、祭は突然引っ越してしまう。しかし、以降も数年おきに各地の祭り会場で勘吉と顔を合わせるのだった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸田豚平、千田珍吉、鮫島祭
子供時代に吾妻橋で出会った的屋の娘の話。両さんの子供時代の思い出の話だが、終盤数ページは現在の両さんが吾妻橋で当時のことを中川たちに語り、祭と再会する構成になっている。
的屋の裏話を聞いてショックを受ける勘吉少年たちのシーンでは、たびたび両さんの思い出に現れるカタ屋のおじさんも登場している。
148巻「出会いの橋ふたたびの巻」では、この続編が描かれる。
![]() |
オススメは「超高性能(?)ロボット大集合の巻」。
老人装甲ウェポンが個人的なツボ。
「日英弓勝負!!の巻」ではロンドン警視庁の刑事と、
「世界の川はワシのものの巻」ではSASと勝負となり、イギリスとの勝負をする話が2本も収録されている。