「こちら葛飾区亀有公園前派出所」173巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2011年2月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 173【電子書籍】[ 秋本治 ]
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●クリスマスイルミネーションの巻
ストーリー
マリアのバイトしているケーキ店の集客が悪いことを相談された両さんは、店にLED電飾を設置、美しいイルミネーションで客数を増やすことに成功。それを聞いた麗子からも、クリスマスケーキを届ける施設にもイルミネーションをして欲しいと依頼される。施設20軒に電飾を設置するが、ケーキも含め署員のボランティアのため、賃金は出ずタダ働き。それでも面倒見の良い両さんは、電飾の設置以外にブランコの修理、テレビのアンテナの修正やトイレの排水の整備など、便利屋的に働いてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、凄苦残念(法条正義)、屯田五目須(署長)
クリスマスイルミネーションをボランティアで設置する話。マリアがケーキ屋でバイトしていることが物語の導入なのだが、「こち亀」世界では公務員が普通にバイトしてしまっているらしい。扉絵には、中川、麗子、両さんの3人のサンタからのプレゼントを選ぶことで運勢を占う「サンタうらない」がついている。
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●正月大阪駅でんの巻
ストーリー
正月の駅伝に両さん、中川、麗子の三人が出ることに。しかし、当然ながらそれは箱根の大学駅伝ではなく、通天閣署発案の大阪環状線を一周する「駅でん」だった。俊足の春に対抗心を燃やす両さんは、麗子、中川と交代せずに一人で走り切ろうとするも、途中で一発ギャグの関門があるなど、大阪ノリに苦戦する。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)、御堂春、浪花署長
通天閣署発案の駅伝に参加する話。どうして大阪のイベントに新葛飾署だけが参加しているのか、その説明はなかった。春がかつて陸上のオリンピック候補になったことのある「日本一速い婦警」との設定が明かされる。とはいえ、その設定が後に生きることはなかった。
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●両津仕分けの巻
ストーリー
亀有の町会長が風邪をひいて町会を欠席するので、代理で両さんに町会を仕切るよう依頼。町会の予算の話し合いが行われ、以前は総額数万円だったのが、高級マンション建設による住民の増加で1000万円近くに増加していることを知った両さんは不正搾取する方法を思いつく。収入は大幅に増加したものの、町会のイベントは少なく、繰越金が余っている状態。両さんは町会予算の仕分けを買って出ると、謎の行事を予算に組み込み、そのお金を自身の架空口座に入れる仕組みを構築。しかし、それが町会で怪しまれ、事業仕分けが実施される。
主な登場人物
町会の予算を横領しようとして作った架空の事業について、事業仕分けをする話。民主党政権時代の事業仕分けが話題になったことが反映されている。両さんは町会予算でベンツを購入したり、「行政科学忍者計画」「XGロケット計画」「人類RX-7計画支援財団」など架空の事業を立ち上げていた。
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●ケータイ小説家の巻
ストーリー
歴史小説が好きな檸檬は、自分の見方での歴史を文章にしたためていた。子供の檸檬が書く文章は、行間があって読みやすくケータイ小説に似ていることに気づいた両さんは、檸檬の文章を流用し時代小説でケータイ小説大賞に応募。見事に入選を果たし、一躍売れっ子ケータイ小説家になる。檸檬の文章を使って連載を始めるが、幼稚園の旅行で檸檬が不在。締め切りに間に合わなくなる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠檸檬、擬宝珠纏、擬宝珠夏春都、麻里愛
2000年代に流行したケータイ小説が、ガラケーからスマホへの移行を機に再び注目され出した頃の話。両さんは文豪気取りでホテルに缶詰めとなり、作家が原稿を破り捨てるのと同じノリでケータイを投げつけていた。編集者にワガママを言って最新の機種を用意するよう要望しており、その際の要望機種がiPhoneの3GSだった。(しかし、その後もなぜかガラケーで執筆のふりをしていた)
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●マリアのマイカーの巻
ストーリー
マリアは、故障した車の代わりの車を買ってくるように父から言われ、高級車のカーディーラーを訪れる。しかし、車の知識が皆無のマリアでは、店員とトンチンカンなやり取りしかできない。そこにたまたま電話をかけたことから両さんが合流。中川の会社のビンゴ大会で当たった車があるので、それをマリアに譲ることに。その車は、中川が趣味でチューンし1111馬力のモンスターマシンにした3億円は軽く越えるブガッティ・ヴェイロンだった。
主な登場人物
マリアが車を買いに来る話。最後は暴走運転をするならず者とカーチェイスをする展開になるが、その時の暴走車はフェラボルギーニという架空の車だった。マリアに応対したカーディーラーに「大人店長」というトヨタのCMの「こども店長」から名前を取ったであろうキャラが出てくるが、188巻の「車ディーラー対決の巻」でも再登場する。
最終的には、入手した車をマリア好みの外観にデコってしまうのだが、マリアの親父もあの車に乗るのだろうか?
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●女子カメラブームの巻
ストーリー
マリアからデジカメを買いたいと相談を受けた両さんは、一緒に買いに行くことに。カメラを入手したマリアは両さんの姿を撮りまくり、どんどんカメラの腕が上がっていく。マリアの撮った両さんの写真は雑誌の賞を受賞。その受賞が話題となり、両さんをモデルとした撮影依頼が有名カメラマンから来ることになる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、擬宝珠夏春都、擬宝珠桔梗、擬宝珠蜜柑、早乙女リカ
マリアがカメラを購入することから始まるカメラの話。前話ではマリアは自動車に疎い設定だったが、今回はカメラにも疎い。
マリアのデジカメだけでなく、中川購入のライカM9、麗子所有のローライフレックスの二眼タイプデジカメ、プロジェクター内蔵カメラといったカメラが紹介される。マリアのデジカメには、笑顔でシャッターを切れるスマイルシャッター機能があるのだが、なぜか両さんの顔面はカメラに顔として認識されなかった。
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●おいでよ萌風呂!の巻
ストーリー
銭湯亀乃湯が赤字のため廃業すると聞いた両さん。若い客を銭湯に集めるため、萌キャラを使った銭湯アニメ「愛ラブ♡湯♨(アイラブユー)」を制作。アニメの舞台となった亀乃湯を萌キャラ仕様に改装し、亀乃湯は大盛況。さらにアキバのメイドとのコラボ、声優兼歌手のイベントを銭湯で行うことになる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、凄苦残念(法条正義)
銭湯をテーマにしたアニメの制作により、銭湯を盛り上げる話。銭湯業界全体を盛り上げるというよりも、一か所の銭湯のためだけに話が展開される。アニメ制作やグッズ展開、銭湯のプロデュースを両さんが手がけるが、両さんの懐にお金が入っているかは明言されていない。
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●オヤジ小学生の巻
ストーリー
風邪で行けなくなったカメラマンの代理で、両さんが小学校の遠足に帯同することになった。だが、その小学校は電極プラスの通う私立電子小学校@。校長も教頭も子供が担っているというハイテク小学生の遠足の行先は箱根湯本。バスの中では株の動きをチェックしていたり、宴会では大人のような会話をしていたりと、小学生らしからぬ言動をしていた。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、電極+
ハイテク小学校の遠足についていく話。ハイテク小学校の女子は「私たち もうアラ10よー」とアラサー女子のような愚痴をこぼしていた。宴会場で、アルコール0%ビールを飲んでいたり、電子たばこを吸っていたが、さすがに小学生が口にするのはマズいと思われたのか「※未成年者にはお薦めできません」との注意書きがコマ外に書かれている。
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●武将ブームの巻
ストーリー
部長が若い婦警と談笑している光景に驚く両さん。ゲーム「戦国BASARA」などの影響で歴史好きの女子が増えたので、日本史に詳しい部長と話が合うのだった。一方、城のミニチュア模型を作ったりするのは得意だが、常識的な日本史についての知識すらない両さんはバカにされてしまう。悔しがる両さんは、檸檬に戦国時代の歴史を学ぶ。マンガ、アニメ、映画、ゲームを使って戦国時代に詳しくなった両さんは、部長に勝負を挑もうとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、擬宝珠夏春都、擬宝珠夜婁紫喰、擬宝珠桔梗、擬宝珠蜜柑
部長を見返すために両さんが戦国時代を学ぶ話。幼稚園児から学ぶことにテンションが下がる両さんだったが、真田十勇士や長篠の戦の三段撃ちが後世の創作だと聞いて、さらにやる気を失っていた。結局は最新ゲームソフトをエサに勉強することになるのだが、そのゲームタイトルは「こちら足立区駅前派出所 〇金バトルゲーム」という怪しげなものだった。
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マリアがスーパーカー、カメラに挑戦する「マリアのマイカーの巻」「女子カメラブームの巻」とマリアがメインの回の他、
「クリスマスイルミネーションの巻」「オヤジ小学生の巻」とマリアが登場する回が多い巻。