「こちら葛飾区亀有公園前派出所」80巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1993年4月発売）
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 80【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●野性へ帰れ！の巻
ストーリー
マリアとの同居による清潔な環境、バランスの取れた食生活で、両さんの体内の抗体はむしろ弱まっていた。
そんな折、上層部の命令でマリアは女子寮に移ることになる。両さんの部屋はわずか３日で元通り。野性的な暮らしで、大量のゴキブリも住み着くようになる。
ゴキブリとの同居に苦闘しながら生活する両さん。
マリアが去ったことで生活費も少なくなったので、寮の後輩たちを招いた食事会を連日開催。後輩たちに食費を強制カンパさせる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛
マリアとの同居が終わり一人暮らしに戻る話。
ゴキブリの群れが「トモダチ」の文字を作ってバルザン（作中名）攻撃を拒否することで有名な回。
過酷な環境で強化され常人離れした両さんの抗体の話は70巻「秘薬リョーツＧＰＸの巻」に出てきた設定。
後に本物の女性となる（111巻「ニュー麻里愛誕生!?の巻」）が、この時点でマリアは男性。女子寮の中でトイレやお風呂はどうしていたのか気になる所。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 70【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 111【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●肉体派マジシャン!?の巻
ストーリー
巷で話題のマジシャン、ピエール西川口のショーを見に行った両さんたち。
観客の中から選ばれ、催眠術をかけられる両さんだったが、その催眠術はインチキ。それでも術にかかったフリをする両さんは、楽屋でピエールと口論になるも、結局、怪力男としてスカウトされる。
ブラジルから来た怪力男、モガンボ・両津として、ピエールの助手になった両さん。種も仕掛けもない壁抜けマジックを怪力で成功させる。
その後も身体の頑丈さを活かしたマジックをさせられる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ピエール西川口
インチキ臭いマジシャンの助手になる話。
ピエールの催眠術は耳元で「お金あげます」とささやくというもの。これで両さんはその気になって鳥になったフリをするが、楽屋に行くと、あれが催眠術の呪文だからと支払いを拒否された。
ピエール本人が行う壁抜けマジックは仕切りで隠している中で、穴を掘って反対側に回り込むという仕掛け。しかし、両さんは仕切りなしで壁抜けをやって見せた。壁を怪力で崩しながら通り、通った跡の穴を手動で塞ぐという文字通りの力業だった。
電話で「ハロー ダーリン」と呼びかけるのは、フィンガー5の「恋のダイヤル6700」が元ネタか。
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●両津リサーチ会社の巻
ストーリー
何か面白いビデオがないかと、同じ警察寮の法条の部屋を訪れると、テレビに見慣れない怪しい機械が。口ごもる法条の口を強引に割らせると、それは視聴率のモニターの機械だった。
関東地区では300世帯がサンプルモニターとなっていると知った両さんは、リサーチの会社が中川の系列会社であることから、リストを見せてもらい、東大出で暗記が得意な法条にリストを記憶させる。
一都七県の300世帯のサンプル家庭のテレビに、窓の外からリモコン操作できる仕組みを作り、テレビ局に視聴率を売り込む。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、法条正義
テレビの視聴率をジャックする話。
関東地方1300万世帯のサンプルとして300世帯が選ばれ、3年間の契約で少しずつ世帯が入れ替わっていると説明されている。
現代だと、システム的なハッキングになると思われるが、この回での方法は、サンプル家庭の近くの電信柱に同型のテレビのリモコンを縛り付け、地下ケーブルを通じてニコニコ寮の両さんの部屋で一括操作するというアナログな方法。現実にやろうとすると、各家庭のテレビ状況を調査し、リモコンを揃え、関東地方中からケーブルをつなぐという、相当な大事業になってしまう。多分、視聴率1%あたり1万円の販売では、大赤字になる。
この方法で手始めにNHKのゲートボール番組を視聴率67.5%に操作するが、リサーチ会社が他2社あるため、1社だけの不自然な結果になってしまう。そのため、他2社の分も仕組みを作るハメになった。
中川系列のリサーチ会社、マーケットリサーチ社の社屋は、上空から見ると「MR中川」の文字の形になっている。
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●マグロ・パニック!?の巻
ストーリー
中川の系列会社の芝水族館がオープン。
魚は基本食べる物と考えている両さんは水族館に行くことにあまり乗り気ではなかったが、巨大なナガスクジラから、金魚やメダカといった小型魚類、深海魚まで備えた水族館に驚く。
水族館からの帰り、水産会社のトラックが事故を起こしている現場に遭遇。200kgの冷凍マグロの大群が、弾丸のごとく坂道を滑り落ちて行き、街中がパニックになる。
主な登場人物
タイトルは「マグロ・パニック!?の巻」だが、冷凍マグロがバラ撒かれる展開は後半の話で、前半は水族館の話。
水族館には中川のジャガーと麗子のポルシェで向かうのだが、車載電話（ハンズフリーの車内モード）で通話している。携帯電話ではなく車載電話というのが時代を感じさせる。
マグロがバラ撒かれる展開は、珍しく両さんがトラブルの中心ではなく、巻き込まれた形。
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●発見！最強のバーコードの巻
ストーリー
バーコードを読み取り、その読み取った数値で競うゲーム機「バーコードバトラー」が人気。
両さんは類似の「バーコードファイター」を購入して、派出所内で遊ぶ。昼食代を賭けてバーコードファイターで中川たちと勝負するが、中川や麗子の私物は高級品ばかりなためか強い。
悔しがる両さんは、最強のバーコードを探しに街に出る。高級女性用下着のバーコードが最強という情報を得た両さんは、恥を忍んで下着店を訪れる。
主な登場人物
バーコードを読み取るゲームの話。
作中で主に扱われる「バーコードファイター」は架空のゲーム機だが、冒頭に出てくる「バーコードバトラー」は1991年に発売された実在のゲーム機。
コンビニに現れたバーコードにやたら詳しいバーコード親父は、87巻「ボクシング無頼!?の巻」にも登場する。
当時はコンビニにエロ雑誌が普通に売られていた。エロ雑誌の生命力値は高かった。
ラストの昼食代を賭けての勝負は1食5万円までで1年分を賭ける。1年分で総額1825万円（部長、中川、麗子の三人分で合計5475万円）と言っているが、それだと365日分。派出所自体は年中無休だろうが、個人個人は365日勤務はしないだろう。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 87【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●野性の証明!?の巻
ストーリー
派出所で部長が新聞社の取材を受けていると、休憩場所に散乱している両さんのアダルトビデオを見られてしまう。
このことで部長から大目玉を喰らった両さんは、仕返しに部長がエロビデオを見る所を映像に収めるトラップを仕掛けるがあえなく失敗。
数日後、エロ仲間の藤田が人気テレビドラマのビデオに偽装したエロビデオシリーズを持ってくる。パッケージ通り話題のドラマだと思った麗子は、女子寮に持って行って婦警たちみんなで観ようとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、藤田
エロビデオを巡る話。
両さんのトラップで部長もエロビデオを見ようとするが、中川に声をかけられたため未遂に終わる。部長もエロビデオに関心はあるらしい。
藤田が偽装したビデオのタイトルは「ツインピッグス」（豚が描かれている）。元ネタは米国ドラマ「ツイン・ピークス」。
両さんに無断でビデオを借りて持っていく麗子の行動にも問題がある。
タイトルの元ネタは映画などにもなった小説「野生の証明」。意味合いとしては、ラストの「獣(けだもの)の恐ろしさを教えてやる」という両さんのセリフと行動、それと部長にも性欲があることを指していると思われる。
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●麗子の大胆写真集!?の巻
ストーリー
雑誌のコンテストに応募するなど写真が両さんの趣味。
カメラ担当の巡査が他の署に配属になったことから、両さんが葛飾署の機関紙のカメラマンに就任する。しかし、美人婦警ばかりの両さんの写真は編集長に全ボツにされてしまう。機関紙の編集長が急遽腹痛で入院したことから両さんが編集長代理に。
機関紙は、両さんの方針で美女の写真、競馬予想などスポーツ新聞の様な内容に。
麗子の特集について読者の反響が高いことから、両さんは麗子のヌード写真集を撮ることを読者に確約する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須（署長）
両さんが葛飾署内の機関紙の編集長になる話。
機関紙の編集長が腹痛で入院したのは、出前のラーメンに両さんが頭のフケを大量に混ぜたため。
白黒だった機関紙は、両さんがスポンサーを見つけてきたことで、広告を掲載し全面カラーとなる。広告の中には「プラモ尾崎」の名前がある。プラモ屋の尾崎とはボーナス争奪戦で敵対している割には、協力的でもあるらしい。
両さんが機関紙内で約束した麗子の写真集のタイトルは「ヨンタフェ」。元ネタは1991年発売の宮沢りえの写真集「サンタフェ」。
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●両津ストアーは年中無休!?の巻
ストーリー
駄菓子屋のおばあさんが事情により商売を辞めることに。ライフワークだった仕事をなくしたおばあさんのことを、両さんは中川鉄道の駅の売店に紹介する。
おばあさんの付き添いで駅の売店の仕事を研修を受ける両さんは、狭いスペースで効率よく商売する方法に驚く。
駄菓子屋のおばあさんの仕事を手伝ううち、両さんは勝手に販売スペースを増やし、個人的な商売を広げていく。
しかし、それは中川の知るところとなり、中止。代わりに両さんだけの独立店舗、両津ストアーをホームに開業することになる。
主な登場人物
駅の売店の話。
駅前のコンビニも今ほど店舗数がなく、駅の売店が乗降客にとって不可欠だった時代の話で、今とは事情が異なっている。
今ではホームの売店も、コンビニに置き換わっているところが多い。
スマホもなく、通勤客が売店で新聞、雑誌を購入して電車内で情報収集している頃だった。
両さんが駄菓子屋のおばあさんを手伝って商売を広げていた時には、ホームの端いっぱいにまで広げていた。
中川鉄道の略称は「JR」ではなく「NR（ナカガワ レールウェイライン）」。今回の舞台はNRのニュー新宿駅という設定。
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価格:1047円 |
●鳩の恩返し!?の巻
ストーリー
ケガをして飛べなくなった鳩を派出所で保護。弟・金次郎と一緒に鳩を飼っていたことのある両さんは、手慣れた様子で手当てする。
ケガが治るまで、と派出所で世話をしていたが、集団性の強い鳩は仲間を集めていき、集団の鳩を世話することになる。
両さんは鳩たちを訓練し、競馬の裏情報や婦警たちの事情を鳩を使って情報収集するようになる。
競馬で連勝し好調の両さんの懐を狙い、借金の取り立てを目論む商店街の連中は、同じく鳩を使って両さんの足取りを追う。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須（署長）、両津金次郎、尾崎（プラモ屋）
鳩を使ってスパイをする話。
序盤は、傷ついた鳩を保護するほのぼのとした雰囲気で始まるのだが、途中からはそうでもなくなる。
鳩は言葉を喋れないが、ワードを書いたカードを利用することで複雑な情報のやり取りをしていた。
伝書鳩が活躍した例として、第一次世界大戦のベルダン要塞の戦いの話が出されている。
商店街のプラモ屋の尾崎は、鳩の飼育歴30年のベテランだった。
鳩については190巻「天翔る鳩たちの巻」にも出てくる。こちらはレース鳩の話。
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価格:814円 |
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 190【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●口は災いの元！の巻
ストーリー
中川の車で派出所まで送ってもらった部長は、まだ珍しい車載電話の機能に驚く。
その車載電話に両さんが電話をかけてくる。部長がいると知らない両さんは勤務をサボって競艇場にいると話してしまい、ギャンブル中止宣言を破った罰として今月の給料を没収される。
怒られた両さんだが、勤務中に部長の目を盗み、以前に掘った脱出用トンネルから派出所を脱走。タクシーを捕まえ競馬場へ向かう。
結局、競馬でスってしまった両さんだったが、帰り道にパンクで立ち往生している署長と部長を発見。タクシー運転手のフリをして、二人を乗せ、部長にイタズラする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須（署長）
序盤は車載電話の話、終盤はタクシーのフリをして署長と部長を乗せる話。
中川は普段乗る300台の車に電話を取り付けたので、基本料金などで月1000万円近くかかるとのこと。
両さんも携帯電話を持っていて、競馬場のトイレから電話しているが、この携帯電話は中川の提供。
派出所の脱出用トンネルは60巻「特別勤務を命ず！の巻」で掘ったもの。トンネルの中に「ハリー」の表示があるが、元ネタはおそらく映画「大脱走」。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 60【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●＜番外編＞SUPER POLICEWOMEN'S STORY
MARIA & REIKO
ストーリー
1991年11月、警視庁は婦人警察官のミニパトだけでなく大型パトカーへの乗務を認めるようになった。
麗子とマリアの乗る葛飾署0号車「宇宙（コスモ）」は人工衛星から画像を取得したり、警視庁のコンピュータと連携できるなどハイテクな改造を施されていた。
二人がパトロールをしていると、現金一兆円を奪って逃走中の銀行強盗の報告が入る。
主な登場人物
麗子とマリアの活躍を描いた5ページの番外編。
婦警の大型パトカーの乗務の設定についてはフィクションの断りが入っている。
銀行強盗の逃走車は日産フェアレディーZではなく、OSSAN フェアレディー乙。
二人の乗る「宇宙（コスモ）」のベースはマツダ・コスモスポーツ。ロータリーエンジンであることも作中で言及されている。本編では88巻「誕生！ＥＺＡＫＩ Ｚ１(ズイワン)の巻」、89巻「Ｚ１(ズイワン) V.S.コスモ！の巻」にも登場する。
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この巻は何といっても、ゴキブリが「トモダチ」の文字を描く「野性へ帰れ！の巻」が印象的。
他に個人的なオススメは、タネも仕掛けもないがパワーで乗り切る「肉体派マジシャン!?の巻」、テレビの視聴率を操作する「両津リサーチ会社の巻」。
