「こちら葛飾区亀有公園前派出所」147巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2005年11月発売)
●ロボット大戦争の巻
ストーリー
佃島の祖父・勘兵衛に連絡がつかなくなったため、会いに行くと株で大当たりして自社ビルを建てていた。勘兵衛が作った新会社は、人間のような姿をした介護ロボットの会社。さらに勘兵衛は、売れ線の新製品として、ガンダム以上のサイズの超巨大介護ロボを開発する。ライバル社の電極スパークも同じく巨大介護ロボを開発。勘兵衛はさらに巨大な上にナース姿の介護ロボを出してくる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、両津勘兵衛、電極スパーク
勘兵衛とスパークの開発した巨大ロボ同士が戦う話。勘兵衛の開発したロボットは、146巻「超高性能(?)ロボット大集合の巻」のスパークのロボットと同じく、マンション並みの大きさをした巨大ロボで介護用なのに、家には入れることができない。しかも、「振込め詐欺」から守ってくれる電話番機能といった巨大さをまったく必要としない機能がついている。
●桜戦線異状無し!?の巻
ストーリー
例年、新葛飾署は上野で花見をしているが、京都の早矢の実家の敷地にも見事な桜が咲いていることから、婦警たちは京都での花見を提案。両さんは上野での花見を譲らず、結果、2班に分かれて上野と京都と時期を分けて開催することに。京都が人気エリアであることに加えて、先に桜が咲くことから、女性陣の京都班の方が人気。両さんはより早く咲く岡山での花見に変更。しかし、婦警たちも計画を変更。両者、どんどん花見予定会場を南下させていく。さらに桜の時期になると、見ごろを求めて今度は両班とも桜前線を追って北上していく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、磯鷲早矢、早乙女リカ、麻里愛、屯田五目須(署長)、警視総監
桜が咲く最南端の島から北海道まで桜前線を追っていく話。両さん率いる男性陣と麗子たち婦警陣とで張り合っているうちに、都合30日間、花見をすることに。その間、新葛飾署は不在になっていたので、なかなか危険な状態。
最初、両さんが上野での花見を譲ろうとしなかったのは「裸踊りで1000メートルダッシュ出来る所は上野の山しかない!」との理由だが、上野の山でも全裸ダッシュはダメだろう。
●忠臣蔵はワシのもの!!の巻
ストーリー
千葉県の日光月光江戸村で映画メイキングのフェアをやっており、新葛飾署でも創立100年突破記念に映画製作をすることに。内容は「忠臣蔵」。署長が大石内蔵助、両さんが吉良のキャスティングで進んでいく。一方、ヤクザの魔瑠貌組(まるぼうぐみ)の組長も「忠臣蔵」が大好き。魔瑠貌組も同じ江戸村、同じ日時に撮影の予定。警察とヤクザの2組が「忠臣蔵」を同時に撮影することになり、キャストが入り乱れてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、寺井洋一、法条正義、戸塚金次、恵比須海老茶、本田速人、忘田、無加月、板池、後流悟十三、ボルボ西郷、目太門比科忠、田中、坊那須課長、屯田五目須(署長)、魔瑠貌組組長
警察とヤクザの2組が同時に映画撮影をする話。「忠臣蔵」の赤穂四十七士+吉良上野介の計48人分のキャストが、新葛飾署側、魔瑠貌組と両方一覧(2組で96人分)で示されている。新葛飾署の側のキャスト表は、「国家老」「足軽頭」といった役の方の役職が記されているが、魔瑠貌組の方は「前科144犯」「ヒットマン」「コソ泥」と役の方ではなく、本人の肩書(?)が記されている。
魔瑠貌組組長は、野球好き、忠臣蔵好きと好きなものにこだわるキャラとして登場したが、以降は野球好き一本になる。
●拾得物一兆円の巻
ストーリー
川沿いを歩いていた寺井に遭遇した両さん。両さんは寺井を追い抜いて派出所に出勤するのだが、寺井が川に流れていた現金一兆円を拾ったことを後で知る。一兆円のチャンスをみすみす逃した両さんは悔しがって、時間を戻してくれるよう神頼み。以前に両さんをサンプルとして観察していた宇宙治安維持パトロール隊が偶然、その場にいたことから両さんに時間を操る能力を与える。しかし、公務員は拾得物を自分の物にできないと知った両さんは、警察を退職する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、屯田五目須(署長)、尾崎(プラモ屋)
139巻の「地球の運命を託された男の巻」に登場した宇宙治安維持パトロール隊に再び時間操作能力を与えられ、現金一兆円の拾得に挑む話。
一万円札は一枚で1gなので、1000万円で1kg、100億円で1トン、1兆円で100トンにもなる。それだけの札束が小さな川を流れてくるのはなかなか難しい気がする。
●おとしの両津!!の巻
ストーリー
警視庁より海パン刑事が突如現れ、ガンダムに詳しいからという理由で両さんを本庁に連れていく。口を割らない窃盗団の一人がガンダム好きだと思われるので、同好の両さんに白羽の矢を立てたのだった。ガンダムで意気投合した両さんは、口を割らせることに成功。元・暴走族に対しては、永ちゃんとバイクで心をつかむ。ケーキ作りが趣味の犯人には麗子、クラシックが趣味の犯人には中川がそれぞれ尋問をする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、海パン刑事
マニアックな趣味をきっかけにして犯人に自白させようとする話。タイトルは「おとしの」とひらがな表記だが漢字表記にすると「落としの」となる。
警視庁の取調室の内装は、保育園風、西洋館風、中華料理店風となぜか変わったデザインになっている。
この回では海パン刑事の要請ということで、両さんは服を脱がされるが、海パンがないため、フェルトペンで海パンの絵を肌に描くというムチャな恰好をさせられる。さらに取り調べ時には上にシャツだけ羽織るので、彼氏のシャツを借りた女子みたいな服装になってしまう。
●トウキョウセレブ時代の巻
ストーリー
中川、麗子とプライベートの食事に来た両さんだったが、渋谷は混んでいたため銀座に場所を変更。銀座のレストランでは、両さんたちの感想と同じく渋谷は子供の街で銀座が落ち着くと話している女子の一団の会話が聞こえてきたので、マダムの会話だと思うが、なんと会話の主は女子小学生。彼女らはお嬢様学園のSt.フェアリー学園の小学部の生徒だった。極端にセレブな生活をしている彼女たちに庶民の生活を見せるため、両さんの実家を見学させる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、飛鷹日光、飛鷹月光
セレブなSt.フェアリー学園に通う小学生の話。飛鷹日光・月光が通う学校が舞台ながら、二人の出番は四コマしかない。学園の送迎バスは、レーダー機関砲を装備した迎撃装甲車のような姿をしている。幼稚園の送迎バスも、幼稚園らしい動物キャラが描かれているが、正面には12.7mm機銃が装備されている。
ここで登場した小学生たちは152巻「平成セレブ学園の巻」にも登場する。
●厳戒護衛指令の巻
ストーリー
国宝の千手観音像を京都から東京の国立博物館に輸送する間、特別警備として通称「C」と呼ばれるスナイパーを警視庁は呼び出す。しかし、その「C」の正体は後流悟十三だった。後流悟は余裕タップリに葉巻をくゆらせるなどゴルゴ13気取りだが、任務の説明中やトラックへの積み込み時に居眠りし役に立たない。それどころか国宝を積み込み中のトラックを誤射してしまい、窃盗団の襲撃と勘違いされ、大騒動になってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)、後流悟十三、警視総監
後流悟十三が久々にまともな登場をする話。開始3ページは、「PART1」とサブタイトル出すなどゴルゴ13を意識する作りになっているが、「PART2」はない。
後流悟が「C」と呼ばれる真の理由は明かされないが、両さんからはクレイジーの「C」と言われる。(超C級スナイパーの意味か?)
後流悟は小学生向けのエアガン、ボーイズM4で練習して、世界スナイパー選手権で優勝した実績があるという設定。
そもそも東京-京都間の長距離の輸送で、襲撃予想ポイントがあるわけでもないのに、なぜ警備にスナイパーが必要なのか……?
【90日 付】【4点セット】 東京マルイ VSR-10 リアルショックバージョン+(マウントベース) (マウントリングM)+(プロスコープズーム) 18歳以上用 |
●記憶にないわしの誕生日の巻
ストーリー
4月30日は纏の誕生日。超神田寿司で誕生日を祝っていると、両さんは3月3日の自分の誕生日に何もやっていなかったことに気づく。部長、中川、麗子とそれぞれ誕生日の約束をしていたのに、みんなすっかり忘れていたのだった。中川たちも忘れていた事実に気付くと、両さんが酒に酔って記憶を無くしてしまったことにしようと細工をする。合成画像を作り、口裏を合わせ、存在しない記憶を捏造する中川たちだったが、当日は署の仲間たちと競馬に行っていたアリバイが判明。両さんは反対に存在しない記憶で仕返しに出る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、擬宝珠夏春都、擬宝珠夜婁紫喰
両さんの誕生日をすっぽかしたことを中川たちがごまかそうとする話。派出所メンバーが両さんの誕生日を祝っていなかったとしても、超神田寿司や署の他のメンバー(マリア、他)が誕生日を祝ってくれそうなものなのだが、そこには触れられない。
誕生日プレゼントの約束は、それぞれ部長が焼肉10kg、中川がフェラーリのモデナのプレゼント、麗子がモデルたちとの合コンだった。
この反動で翌年の誕生日152巻「超豪華わしの誕生日!!の巻」は豪華なものとなる。
●南海のアルバイトの巻
ストーリー
金欠の両さんは、二徹の船に乗って一攫千金を狙いマグロ漁の長期バイトに向かう。マラッカ海峡の辺りで、海賊に襲われていた日本船籍の船を助けた両さん。その船が中川の会社の所属だったことから、両さんは船のガードマンのバイトをすることになる。海賊を追い払い続ける日々にキリがないと思った両さんは、海峡を通過する複数の船舶会社と月100万円で安全保証の契約を結ぶ一方、契約の半分を海賊に渡すことで襲撃を止めさせる。しかし、海賊の襲撃が止んだことで、船舶会社との契約を切られそうになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、飛鷹二徹
海賊から輸送船を守る話。海賊と話をつけるまでは有能なのだが、結局はうまくいかなくなる。21世紀の現代が舞台の話だが、海賊船のデザインや海賊の服装は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のようなオールドスタイル。
マグロ漁に行くからと3か月休んでいても、警察も寿司屋もクビにはならないらしい。
オススメは「拾得物一兆円の巻」。
現金一兆円を拾うために何度もタイムリープを繰り返すが、毎回上手くいかない。
「記憶にないわしの誕生日の巻」は、両さんではなく中川たちが色々と偽装する少し珍しいパターン。