「こちら葛飾区亀有公園前派出所」109巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1998年8月発売）
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 109【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●シルバーサバイバルチームの巻
ストーリー
両さんがサバイバルゲームの現場に行くと、その場には似つかわしくないおばあさんの姿が。自由な時間が多いため、カルチャースクールに通っているうちに詳しくなっていたのだった。
後日、平均年齢70歳のサバゲーチームから対戦の申し込みが来る。ハイテク装備に元・軍人を擁するシルバーサバゲーチームはなかなかの強敵。
補聴器の感度を上げての情報収集、定期預金解約を脅しに両さんチームの銀行員をスパイに仕立てるなど老獪なシルバーチーム。彼らのバックには祖父・勘兵衛の姿があった。
主な登場人物
老人ばかりのサバイバルゲームチームの話。老人の死んだふり戦法は卑怯過ぎる。
元・軍人がシルバーチームにいるという設定だが、連載当時は戦後50年余りのころなので、あり得ないことはない。
人の良さそうな着物姿のおばあさんが、アサルトライフルFA-MASのバレルやスプリングの話をしているのが何とも面白い。
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●香港 女の大バトル!!の巻（前編）
ストーリー
マリアの妹・マリリンがボルボに一目ぼれ。香港映画のスターのマリリンは強引にボルボとのデートの約束を取り付けるが、その日はジョディーの誕生日。
ダブルブッキングに悩むボルボ。中川のプランで、ジョディーとはフィットネスクラブでデート、マリリンとはそのすぐ隣の中華飯店でデートの予定とし、どちらも理由をつけて途中で抜け出しながら両方とデートをこなす。
しかし、その方法も限界を迎え、中華飯店の店内でジョディーとマリリンが対峙することになる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、ボルボ西郷、麻里愛、麻里稟、ジョディー・爆竜・カレン、麻里晩、麻里今日子
ボルボを巡ってジョディーとマリリンがバトルする話の前編。
ボルボは以前に男と知らずにマリアに求婚したことがあったので、同じ顔のマリリンはタイプ。だが、今回はマリリンの方が一目ぼれする展開になっている。
マリリンが香港にいるのは、翻堕羅拳のアジア支部が香港に作られたときに、中華料理の研究のために料理研究家の母がマリリンを連れて香港に渡ったからだと説明されている。
マリリンからのデートの誘いに、男のマリアだと思って最初は取り合わなかったボルボ。両さんは「パットマンのマリアはこっち」と言い、マリアとは別人だと説明するが、パットマンは結構な悪口な気がする。
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価格:477円 |
●香港 女の大バトル!!の巻（後編）
ストーリー
マリリンは、ほとんど拉致に近い形で一目ぼれしたボルボを香港に連れていく。ジョディーと爆竜大佐も香港に向かったという情報を得た両さんたちも香港へ。
マリリンの撮影現場に連れてこられたボルボは、体格の良さから映画のスタントに抜擢され、バイクアクションに苦しむ。
その撮影現場に、ジョディーたちと両さんたち一行が合流。ボルボを巡ってジョディーとマリリンの格闘が始まると、近くで檻に入れられていた虎が逃げ出すハプニングが起きる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、ボルボ西郷、麻里愛、麻里稟、ジョディー・爆竜・カレン、爆竜大佐
ボルボを巡ってジョディーとマリリンがバトルする話の後編。
といっても、すぐにバトルは始まらず、前半は香港映画の撮影をするマリリンの様子や、ボルボがスタントに挑む様子が描かれている。ジョディーたちが追い付いてくるのは物語後半から。
ラストで仲直りしたジョディーとマリリンの両方と付き合う形になったボルボだが、ボルボがマリリンと付き合っているような描写はその後見られない。対して、ジョディーと一緒にいる描写はその後も何度か見られる。
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●Progressive Linkの巻
ストーリー
警視庁で各署対抗のソシアルダンス大会があるため、葛飾署でも練習が行われる。
しかし、両さんとは誰も組んでくれない。そこで両さんはロボットパートナーを用意。さらに両さん自身にもステップのパターンを指示してくれるシークレットシューズを履き、賞金100万円をめざして大会に挑む。
実力の高い中川・麗子ペアや部長のペアとともに両さんも決勝の３組に残るも、長時間の使用にロボットの調子が悪くなる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、乙姫菜々、左近寺竜之介、屯田五目須（署長）、今村今日子
社交（ソシアル）ダンスの話。タイトルのProgressive Linkはタンゴのステップ。
部長や署長が社交ダンスを得意なのは、昭和二十年代の戦後第一期ダンスブーム世代のためと説明されている。
パートナーのいない両さんに向かって、「犬やネコなら嫌がらないんじゃない？」「手足が短すぎるよ！」と話している麗子と中川がヒドい。
なお、話の都合上、マリアは出てこない。
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●バトル列車でGO！の巻
ストーリー
「電車でGO！」の大ヒットにより、類似の電車ゲームがいくつも出される。
隣り合った路線の電車で競争できる「電車でバトル」をプレイするが、駅間が短くあんまり盛り上がらない。しかし、このゲームには裏モードがあり、電車がF1カーとレースしたり、軍用ヘリとミサイルの撃ち合いで戦ったりと通常の電車とは違うモードがあるのだった。
「電車でGO！」に似たゲーム「E電でGO‼」の大会で両さんは満点で優勝するも、もう一人満点の優勝者・目蒲東急之介がいた。二人の決着のため、両さんは中川鉄道の環状線を貸し切り、本物の電車での勝負を提案する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛、目蒲東急之介
電車の運転士の気分が味わえるゲーム「電車でGO！」の類似ゲームの話。
登場する架空ゲーム「電車でバトル」は通常モードより裏モードの方が充実している仕様となっていた。
裏モードの出現コマンド「右左右左AB」は、ファミコンの「グラディウス」などに使われた「上上下下左右左右BA」のいわゆるコナミコマンドが元ネタと思われる。プレイステーションにはAボタン、Bボタンがないので実際には入力不能。
オチで、中川鉄道の被害額は軽く見ても900億円と巨額になり、やつれた中川は頭痛薬を多量に飲むはめに。
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●革命刑事登場!!の巻
ストーリー
「交通社会を革命するためにやって来た」という革命刑事・伝嬢雨亭裸（でんじょう うてら）が相棒の〆宮庵水（しめみや あんすい）とともにやって来る。
マッチョな中年男性がミニスカートという恰好の革命刑事たちに圧倒される両さんたち。中川と麗子も制服（中川はスカートではなくズボン）に着替えさせられるが、両さんだけはなぜかネズミっぽい着ぐるみ姿。
暴走車を追って、革命刑事たちと両さんは追跡を開始する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、革命刑事、〆宮庵水
革命刑事登場の回。元ネタは、アニメ「少女革命ウテナ」の天上ウテナや姫宮アンシーなど。もちろん元ネタはおじさんではない。
中川と麗子には、隅田川喜竜（すみだがわ きりゅう）、高円寺今日市（こうえんじ きょういち）の名前が、両さんにはチュウ太の名前が与えられる。
冒頭では、両さんがケータイやG-SHOCK（正確には107巻「G-SHOCKパニック!!の巻」のニセモノG-SHOOK）を改造して、バックライト発光時に任意の文字やプリクラの写真を表示させる様子が描かれる。この手順が妙に具体的で詳細。
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●ハイテクベーゴマ大ブーム!?の巻
ストーリー
押したボタンと違う缶飲料が出てきて自動販売機に当たり散らしていた両さんは、その様子を部長に目撃され、今月の給料を全額寄付扱いにされてしまう。
落ち込んでいた両さんは、閉店予定の駄菓子屋の商品すべてを格安で買い取る。買った商品を署内で売りさばくも、ほとんど売れ残る。
特にベーゴマが大量に余っていたため、地球ゴマと合わせることで回しやすくした「ハイパーベーゴマ」を開発し、大ブームにする仕掛けに奔走する。
雑誌等に持ち込んだり、テレビドラマにムリヤリにベーゴマを入れたりと、メディアミックスの末、「ハイパーベーゴマ」は社会現象の大ヒットする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛
ベーゴマをヒットさせる話。
1998年発表の回だが、ベーゴマを現代版にしたベイブレードが発売となるのは翌1999年。関連は不明。
MDプレイヤーで音楽を聴きながら、「シンキングタイム20秒間だよ」と両さんに在庫買い取りを決意させる駄菓子屋のおばあさんが結構なやり手。
ハイパーベーゴマの企画をマンガ誌に持ち込むときの両さんのトークが、「葛飾有線TVで早朝5時にアニメ化」、「アタリのジャガーという世界的に不人気だったハードでのゲーム化」と詐欺のようなメディアミックス展開だった。
ベーゴマは葛飾区、足立区、荒川区、墨田区、台東区などの限定の遊びだと中川は語るが、さすがにそんなことはないと思う。
連載当時は缶飲料が110円、消費税が5%の時代だったことが描かれている。
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価格:3491円 |
●シルバーインターネットの巻
ストーリー
父・銀次がパソコンを始めたいというので、両さんが相談に乗る。
両さんは捨ててあったパソコンを再利用すると、葛飾署内のパソコンからモデムやメモリーを勝手に奪い、ハイスペックマシンをくみ上げる。
銀次は両さんのパソコンで、ネットのエロ画像を見るように。パソコンが両さんの格安で組んだものと聞いて、銀次の友達も両さんに製作を依頼。
両さんはジャンクパーツ屋巡り、パソコンの下取り、海外からの安い部品調達から格安パソコンを次々作って、3万円で販売。
その商売は好調だったが、ある日、両さんのクレジットカードに100万円以上の身に覚えのない高額請求が届く。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、両津銀次
父の要望でパソコンを組む話。
組んだパソコンについて、「HD（ハードディスク）4G（ギガ）メモリー512M（メガ）のモンスターマシン」と言っているところに時代を感じる。
テレビからインターネットに接続する「WebTV」「ピピンアットマーク」と言った当時の機器についても触れられている。
パソコンをネットに繋ぐのに、アナログ電話回線に接続するモデムが必要だった時代。
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●CIRCUS SYMPHONYの巻
ストーリー
キグレサーカスが本田の地元・南千住で公演をやるとのことで、みんなで見に行く。キグレサーカスには本田の同級生の竜平がおり、公演後に竜平と会い、綱渡りを体験させてもらう。
竜平には、本田と同じく同級生の恋人・咲愛がいて、結婚を考えているが、ロシアのボリショイサーカスに行って勉強したいとの夢もあり、ロシア行きの話を進めていた。
将来の話をするため、咲愛の厳しい父親に会う約束をしていた日、竜平は練習中のケガで意識を失い、約束をすっぽかせてしまう。
後日の公演後に咲愛が現れ、「3年間待てません」と竜平に告げに来る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、岩渕竜平、白百合咲愛
本田の同級生のサーカス団員の話。
この話は実在のキグレサーカスに取材して製作した話。キグレサーカスは残念ながら2010年に廃業となっている。
怖がりの本田は、高所の綱渡りを直視することもできなかったが、ショーで使うバイクのエンジン音を聞いたら、即座にバイクモードに変身していた。
本田は白バイの制服を着ていたのに、地元の南千住のおばあさんたちからは、「よく警察に捕まっていた子！？」と認識されていた。
ヒロイン咲愛の父は結局登場しないが、両さんを手こずらせるくらいなので、相当厳しそう。
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価格:330円 |
「シルバーサバイバルチームの巻」「Progressive Linkの巻」「シルバーインターネットの巻」と、年配の世代の活躍が見られる巻。
「香港 女の大バトル!!の巻（前編）」でジョディーとマリリンの板挟みになるボルボの様子を見て、麗子が「両ちゃんはそういう選択 一生無いわね！」と辛らつな一言を発する。
しかし、次の巻ではマリアと磯鷲早矢の二人が両さんを巡って争うことになる。
