「こちら葛飾区亀有公園前派出所」121巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2000年9月発売）
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●コンビニエンスな警察官!!の巻
ストーリー
東京23区は土地が高く、交番は増やせない。一方、夜中も営業するコンビニは警備がほしい。両さんの提案で、コンビニに警官が派遣されることになる。
派遣された先のコンビニで、部長は若者に注意や説教をしまくる。そのコンビニの売り上げはいったんは下がるのだが、説教により更生する者や人生相談に訪れる者が増え、売り上げも上向きに。
コンビニを愛用する両さんは、客目線でどんどん店にアドバイスをするが、売り上げは落ちるばかり。しまいには、部長を真似て客への説教を始める。
主な登場人物
警官がコンビニに派遣される話。
両さんの発案で、警官を派遣するアイデアが実現された流れになっているが、誰をどう説得したかは不明。
途中からは、コンビニの売り上げを気にする内容になっていくのだが、警官が気にすることではないような気がする。
作中「FF10発売」との記載があるが、ファイナルファンタジーXの発売は翌年の2001年。
話の発端として、コンビニ内にATMが設置され出したことが話題に出されている。（コンビニATMは1998年開始）
106巻「派出所コンビニ化計画!!の巻」では派出所がコンビニ化していた。
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●ローラースポーツでGO！GO!!の巻
ストーリー
本田にもらったキックボードと、中川の会社で大量に余ったスキー板から、両さんはスキー板にインラインスケートのようなローラーを装着したローラースキーを考案。
渋谷や原宿の坂道でデモンストレーションを行うと、ローラースキーは若者の間で大流行。販売している両さんも大儲けするが、部長が旅行から帰ってくると面倒になるため、早めに売り切ってしまおうと考える。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
スキーにローラーをつけたローラースキーの話。
デモンストレーションで、両さんはカタパルト射出でスキージャンプのようなエアリアルを決め、階段の手すりでスケボーのようなレールトリックを決める。
ローラースキーを移動させるトラックには「モーレツ娘」というモーニング娘。が元ネタと思われるポスターが貼ってある。
タイトルの元ネタはおそらく「ローラースルーGOGO」。
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●聖橋白線流しの巻
ストーリー
神田の祭りに来ていた両さんたち。聖橋で休んでいると纏が通っていた桜稟大学付属高校の後輩から声をかけられる。
大学付属の高校なので、卒業後はエスカレーター式に大学進学も可能だったが、纏は進学せず、警察官の道を選ぶ。
そのきっかけになったのが、卒業時にセーラー服のスカーフを結んで川に流す白線流しをやっていたときのことだった。
勝手に進学拒否をしたことで、母・桔梗に怒られるが、纏の背中を押したのは夏春都だった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠纏、擬宝珠夏春都、擬宝珠桔梗
纏が大学進学せずに警察官を選んだときの思い出の話。
白線流しは東京での風習ではないが、纏は中学の時にテレビドラマで見ていたので、クラスでマネしたと語っている。テレビドラマ「白線流し」は1996年の放送。
ラストに高校卒業時に中断した白線流しを、祭りの際に頭に巻いていた手ぬぐいで代用してやり直す展開となる。その際に両さんも仲間に入れてもらおうとするが、「男が入ると汚れる」と拒否され、「逆日本相撲協会みたい」と落ち込む。
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●男の編み物ブーム！の巻
ストーリー
マリアに時期が遅れてしまったものの、誕生日プレゼントとしてサマーセーターをもらった両さん。そのセーターを着用して署内を歩くと、婦警に囲まれ、編み物にみんな興味があることを知る。
本田から賞金三億円の男性だけの編み物イベント大会があることを聞かされた両さんは、麗子に一週間の特訓を受けると優勝目指して出場。
当日、「強い男のあみもの決戦」には屈強な男たちが集結。強い男の条件として、瓦10枚割りを課せられる他、創作編み物の課題が出される。
意外に手先が器用な漁師の二徹が活躍する一方、短期な両さんは編み物にイライラしてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、本田速人、寺井洋一、左近寺竜之介、早乙女リカ、飛鷹二徹
男の編み物大会の話。
二徹は漁で使う網を繕うだけでなく、娘たちのセーターを毎冬10枚ずつ編むというほど、編み物を嗜む設定。
この時点で、二徹には右京・左京の二人の娘がいることになっているのだが、後にその下に日光・月光もいて娘が計四人いることが明かされる。（130巻「飛鷹日光・月光登場！の巻」）娘四人に毎冬10枚ずつセーターは、相当多い。
二徹はこの回の賞金で船を買っている。122巻「決死！カニ取り物語の巻」に登場した船がそれと思われる。
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●いつ…どこで…何をする!?の巻
ストーリー
派出所でトランプに緊張感を持たせるために、敗者への罰ゲームを追加。「いつ」「どこで」「誰と」「誰が」「何をした」と書かれたカードを引き、その指令に従うというものだ。
昼休みも終わったところで、仕事にも緊張感を持たせるために仕事のミスでも罰ゲームをすることにする。
カードは両さんも書いているため、中川はパンツ一枚でパラパラを踊らされたり、麗子が裸にラップを巻いただけの恰好で走らされたりなどの過激な指令が出される。
みんな罰ゲームが嫌なため、互いのミスを指摘し合う展開に。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、屯田五目須（署長）
カードを引く罰ゲームの話。
この罰ゲームの話は本編の後半で、前半はパトロール中に立ちションをしていた両さんが路線バスの女性客に見られてしまう話、鯛の良い物が手に入ったので派出所に届けに来た板前から夏春都がプレステ2をやるようになったと聞かされる話、両さんがもらった鯛で鯛茶漬けを作る話と、細かな話が続く構成になっている。
この回では、罰ゲーム回避のために正式な制服を着ていたり、自転車でパトロールしたりする少し珍しい中川が見られる。
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●両さんの財政指南!?の巻
ストーリー
亀有の町会長が大工の仕事中に落ちてケガをしたため、両さんは見舞いに。
町会の財源不足が悩みの種だという町会長に代わって、両さんは町会長代理として財源を増やそうとする。両さんが考えたのは、「町会費」ではなく「町会税」として強制的に徴収する仕組み。
「町会税」の内容は、住宅にかかる「住宅税」、ペットにかかる「ペット税」、テレビゲームのハードとソフトにかかる「ゲーム遊戯税」、容姿の良い者は良い思いをしているから「美男美女税」などと、様々な理由をつけて課税し、しかも無断で引っ越しして逃げても税を取るという強引さだった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、早乙女リカ、法条正義
町会の財政を課税により賄う話。
いろいろな税を課し、両さんはマルサのように住民を調べていくようになる。理由を付けて課税をする様を風刺する話がメインになっているためか、今回は両さんが集めたお金を着服している様子は見られない。（金持ちっぽいスーツは着ているが）
町会長は、財源不足を解消したら町会長を引退、と語っていたが、その後、連載終了まで約16年町会長の引退の回はなかった。
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●亀有撞球倶楽部？の巻
ストーリー
倒産したビリヤード場から、複数のビリヤード台やキューなどを引き取って、派出所と公園に運び込む両さん。自分が遊ぶためでもあるが、住民用のビリヤード場として開放する。
セクシーな衣装を着せた麗子を講師に任命して客寄せに使い、公園内ビリヤード場は盛況。
テレビの取材も受けるが、うっかりビリヤードで賭けをしていることを漏らしてしまい、ビリヤード場は廃止。ビリヤード台は爆竜大佐に引き取ってもらうことになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、爆竜大佐
ビリヤード台を引き取る話。
部長の怒りをそらせるために市民へのビリヤード場の開放のアイデアを伝えるが、一人一時間500円、講習料一人2000円としっかり商売にしていた。
爆竜大佐は、手榴弾をボールに使い、衝撃で安全ピンが抜けてレバーが外れたボール（手榴弾）を爆発する10秒以内に穴に落とすというイカれた「ロシアンビリヤード」をやっていた。ラストのオチは、両さんより爆竜大佐のせいな気がする。
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●壮絶！“なんでも”ホテルの巻
ストーリー
葛飾署地域課の旅行は、「秘境の温泉」「新幹線」「蒸気機関」「テニスコート」「東京タワーが見える」「海が見える」など、みんなの希望がバラバラなため条件にあう場所がなかなか見つからない。
ネットの検索でようやく見つけるが、そこはミニ東京タワーが近くにあり、和洋折衷、様々な要素を詰め込んだホテルだった。
“なんでもあり”なホテルはペットも宿泊可。「巨大ヘビ愛好会」「サソリ放し飼い友の会」などの団体も一緒になり、ホテル内には色んな動物であふれていく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛、擬宝珠纏、ボルボ西郷、左近寺竜之介、磯鷲早矢、乙姫菜々、早乙女リカ、ジョディー・爆竜・カレン
“なんでもあり”なホテルの話。
主に猛獣や危険生物の類が話の中心となっている。宿泊客のペットの持ち込み以外に、ホテルでもカンガルーを飼っており、卓球の相手をこなす。
地域課の旅行のはずだが、交通課の本田と乙姫、署員でないジョディーがいるなどメンバーはおかしい。
寺井は「船で行きたい」とリクエストを出しており、そのため、目的地までの間に横浜から伊豆に船で移動するという行程が入る。しかし、なぜか作中のどこにも寺井の姿は見られない。
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●超興奮!?麗子ウォッチング！の巻
ストーリー
最新のカメラ付きケータイが中川の会社で実用化され、両さんたちがモニターに。
パトロール中の部長からの電話で、パチンコ店にいることを誤魔化せないなど、マイナス面もあるが、便利さに両さんたちは驚く。
ある日、麗子に電話をかけると、自動着信機能により本人が気づかないのに電話がつながり、麗子の私生活が丸見えとなる。
両さんは金になるとみて、本格的に麗子の家や生活圏にカメラを仕掛ける。さらに、ネットのリクエストにより、ハプニングを演出するように。
主な登場人物
ケータイのカメラから麗子の私生活を覗き見る話。
後年、スマホやPCのカメラからプライバシーが侵されるリスクが問題となることを考えると、カメラ付きケータイの出現直後に予見していた秋本先生の先見性は高い。
後半はケータイではないカメラを仕掛けていき、麗子の生活を演出していく。この辺りは、1998年の映画「トゥルーマン・ショー」がアイデア元か。
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「両さんの財政指南!?の巻」は、なんでもかんでも課税する様子を皮肉った内容。
美男美女にはそれだけで課税されるが、不細工は逆に還付金がもらえる仕組み。
現実にあったら、確実に問題。
「超興奮!?麗子ウォッチング！の巻」はカメラ付きケータイがまだ新しかった頃の話。
