「こちら葛飾区亀有公園前派出所」123巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2001年1月発売）
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 123【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●2000年9月 4年ぶりにあいつが登場する!!の巻
ストーリー
世間はシドニーオリンピックに大熱狂。
両さんは日暮を起こさなければならないことを思い出す。警察寮には日暮の部屋はもうなくなっているはず。前回、水泳でプールに行った後、両さんがゲームセンターに連れて行き、それから長期冬眠できるという人間カプセルの会社に預けたのだった。
日暮を預けた新宿歌舞伎町のカプセル会社は、インチキな会社だったため、預けた直後に潰れ、会社保有のカプセルは産業廃棄物として処分。東南アジアのゴミ処理業者に送られ、オホーツクの海底に不法投棄されていたのだった。中川の会社の力を使い、20億円の費用をかけて日暮を捜索する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、日暮熟睡男
日暮の入ったカプセルの行方を追う話。
前回登場は100巻「日暮巡査の潜在能力!?の巻」。
日暮を預けた人間カプセル会社が潰れた後、そのテナントはキャバクラ、学習塾、SMクラブ、弁護士事務所、100円ショップ、フランス料理店などと節操なく変わっていたため捜索は難航した。
日暮を探し回る話なので、肝心の日暮は最後の2ページしか登場しない。
双子の弟・日暮起男について言及されるが、1000話記念（「こちら葛飾区亀有公園前派出所（別注）」に収録）だけの設定ということになっている。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 100【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●檸檬が泣いた日…の巻
ストーリー
しっかり者の檸檬は幼稚園でも張り切って過ごしていた。年少組で飼育しているハムスターをお泊り旅行の間、檸檬たちの年中組で預かることになり、生きもの係の檸檬が飼育の担当となる。
預かった6匹のうち1匹の元気がないため、檸檬が心配して獣医を呼ぶと、その1匹の妊娠が判明。
新しい生命の誕生の予兆に喜ぶ檸檬だったが、夜中、幼稚園に強盗目的の少年グループが侵入。翌朝、幼稚園には警察がやってきていた。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠檸檬、擬宝珠纏、擬宝珠夏春都
読者トラウマの檸檬のハムスター回。
少年強盗たちは、ハムスターを単に殺すだけでなく、潰して刃物でバラバラにするという残忍な手口を行っていた。（セリフでの説明のみで絵としては描かれない）
犯行についてシラを切る少年たちを相手に、両さんは「クビで上等！」と警察手帳を放り棄てて、「親も教師も見はなしたこいつらを だれが目を覚まさせるんだ！」と鉄拳を喰らわせる。
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●両津サイクルカンパニー！の巻
ストーリー
ハムスター事件で落ち込んでいる檸檬を元気づけようと、欲しがっていた子供用自転車を両さんたちは買いに行く。女児向けの可愛らしい装飾のついた自転車は檸檬の好みではなさそうなので、大人用の高級パーツを組み合わせたオーダーメイドの自転車を作る。
檸檬は自転車を気に入り、幼稚園までそれで通うようになる。高級パーツを使った檸檬の自転車は雑誌に掲載され評判になり、両さんは自転車のカスタム店を開く。
両さん開発の金属をいっさい使わない木製自転車は、ツール・ド・フランスでも使われ、世界中から大量注文がくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬
自転車のカスタム店を作る話。
檸檬の自転車のフレームはコルナゴのカーボンとアルミを使い、前後ディスクブレーキに自動変速、ホイールは14インチのマグネシウム、補助輪は2.5インチのドイツ製メッツラーとパーツだけで100万円を超える高級品。なのに普通の子供用自転車と同じ28,000円で両さんは自転車屋に作らせる。
次に両さんが開発した木製自転車は、フレームは竹、ホイールは桶、チェーンの代わりに皮製のベルトなど金属をまったく使わない天然素材の自転車で、雷の天候でも走れる仕様になっている。
両さんは他にも、自転車泥棒対策にサドルにスタンガンを仕込む、オープンカーのような幌が雨天時に出てくる、といったアイデア自転車を考案する。
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●炎の麗子争奪バトル！の巻
ストーリー
両さんの製作ではない、麗子本人の全面協力による麗子ドールが発売されると知り、両さんは仰天。サイズ感だけでなく胸部にABS樹脂を使ってバストの柔らかさを再現していると聞き、両さんはプロデューサーの左近のことを変態と言うが、美の追求と反論されてしまう。
両さんは麗子ドールを500体予約し、麗子のトレカを付けて販売しようとするも、本家の麗子に企画をつぶされてしまう。
後日、1/1サイズの麗子のマリオロイドが発売されると知ると、両さんはそれを型取りして、作成した海賊版ドールの販売を試みる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
麗子ドール販売の話。
両さんが作った麗子ドールの話は108巻「麗子ドール ついに完成!!の巻」。
今回は麗子本人が協力しているという設定になっている。実際に麗子ドールは販売されたのだが、作中の設定はフィクション交じりになっているため、コマの欄外に本当の麗子ドールのデータが記載されている。
オチで両さんが麗子ドールの販売を断念した理由が予想外。だが、その設定が後に生きることはなかった。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 108【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●本田君のお見合い！の巻
ストーリー
本田は乙姫菜々と付き合っているが、交通課長の薦めでお見合いをすることに。
そんな本田が暴走族を取り締まっている様子がテレビに映ってしまう。走行中の暴走族の単車を蹴り飛ばすという本田のやり方は問題になるかと思われたが、意外にも世間には好評。本田は一躍、時の人となる。
一方、本田にお見合いの話が来ていることから乙姫はマンガの原稿が書けなくなる。さらに、時の人の本田に少女マンガ家の恋人の噂があるとマスコミにスクープされたことから、編集者の竜千士は本田と乙姫の関係を断つように動き出す。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、乙姫菜々、早乙女リカ、屯田五目須（署長）、竜千士氷、本田伊歩
本田のお見合い話と、マスコミに取り上げられて時の人となる話。
本田のお見合い相手の写真を見た両さんは、開口一番「妖怪のトレカか？」と感想を漏らす。しかし、実際この女性とお見合いすることはなかったので、「ブス山ブス子（両さん名付け）」の実物は未登場のまま。
この回で、本田の妹の伊歩が久々の登場をし、大学の通学が片道3時間と語っているが、このくだりは次の回につながっていく。
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●本田の幸せ…の巻
ストーリー
本田の妹・伊歩が一人暮らしをしたいと言い出す。
大学の通学に片道3時間かかっているためなのだが、本田は最高速度300km/hを超えるハヤブサを購入し、3時間の道のりを40分で送り迎えするようになる。
しかし、伊歩の自立は通学時間だけが要因ではなく、恋人の川崎にプロポーズされたことにもあった。伊歩は両さんにやんわり本田にそのことを伝えるよう依頼するも、両さんはうっかりバラしてしまう。
傷心の本田は暴走族に復帰。地域の暴走族を統合し、本田を総長とする「関東男連合」は一大勢力となる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、屯田五目須（署長）、本田伊歩、本田改造、本田門樹、川崎瀬刃
伊歩のプロポーズに対する兄・本田の反応の話。
プロポーズの件を聞いた本田は、両さんに結婚の阻止を依頼するが、相手の川崎が好青年だったため、両さんは結婚を祝福する側にころっと変節してしまう。
本田が購入したハヤブサはスズキのバイクだが、カワサキ党の本田がスズキの購入を決意するというのは、妹思いの現れだと思う。
本田は快速電車で3時間の道のりを40分で爆走したり、暴走族の総長として暴走行為を行ったりしているが、特にお咎めはない。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 116【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●伊歩の結婚の巻
ストーリー
伊歩と川崎の結婚式の日取りが決まる。
学生結婚でお金がないために、両さんが見つけてきた結婚式場は、モニターになれば式費用が無料になるというもの。しかし、両さんの提案する新しい結婚式は、招待客もチョンマゲ姿になり、新郎の殿様が襲ってくる侍と大立ち回りを演じるコマ劇場の演劇のような式や、チアガールやサンバ隊、サッカーフーリガンが乱入するエキストラ5000人の式など変な物ばかり。
結局、舟で渓流下りをしながらの式を選択するが、思っていたよりも流れが急で神主と巫女が舟から振り落とされてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、本田伊歩、本田改造、本田門樹、川崎瀬刃
前回のプロポーズから引き続き、伊歩の結婚式の話。
前半は両さんの提案するメチャクチャな結婚式のアイデアの話で、後半は実際の結婚式の話の構成になっている。
指輪交換のシーンは、116巻「本田くんの宝探し!?の巻」に登場した指輪が用いられている。
学生結婚した川崎・伊歩夫妻のその後は137巻「本田くん川崎くんの巻」で描かれる。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 137【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●第１回省エネエコロジー我慢大会！の巻
ストーリー
十一月十一日は電池の日。ということで、電気のムダをなくすキャンペーンに葛飾署も協力することになり、三人一組で一人生活費1000円（計3000円）の一か月節約生活を競うイベントを開催。
優勝者は本庁より豪華ラスベガス旅行が当たると聞いて、両さんは必死に。同じ組の中川と麗子に過酷な我慢を強いる。
一方、ボルボ、左近寺、ジョディー組は軍人二人がいるため、モニターハウス内でもサバイバル生活で強敵。
一か月近くが経ち、あまりの我慢生活に耐えられなくなった麗子がキレる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、ボルボ西郷、左近寺竜之介、屯田五目須（署長）、ジョディー・爆竜・カレン
水道代、光熱費、食費などを含めて一人1000円（三人で計3000円）の一か月節約生活をする話。
警察署のイベントなのに、実況がいたりとテレビ番組の企画のようなノリになっている。この間、警察官の仕事をしている様子は特にない。
三人一組での参加にも関わらず、寺井は一家で参加。署員ではないジョディーが参加しているなど、冷静に見るとおかしなイベント。
節約のために、中川と麗子に当身を喰らわせてずっと気絶したままにさせるという両さんの作戦が鬼畜。
129巻「現代モデルハウス事情！の巻」では、電力に特化した同じようなイベントが行われる。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 129【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
ストーリー
絵崎教授が葛飾区で地ビールを作るプロジェクトを始め、お酒に詳しい中川と麗子にテイスティングを依頼。極秘の計画だったのだが、両さんが署内で呼びかけてしまったので、署員が大勢試飲に押しかける。
中川と麗子が真面目に味を分析し、改善点を考える一方、タダ酒をガブガブ飲むだけの両さんは仲間外れにされる。
ビール開発は改良を重ねるうちに、60度の高アルコール度数に。試飲している署員たちは、高いアルコール濃度に酔っ払ってしまう。高アルコールビールを飲んでなくて、比較的シラフの両さんは酔っぱらいたちに囲まれ難儀するが、次第にその悪酔いを利用しようと考える。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ボルボ西郷、左近寺竜之介、磯鷲早矢、早乙女リカ、屯田五目須（署長）、絵崎コロ助
地ビール開発でみんなが酔っ払う話。
早矢は服を脱ぎたがり、麗子は両さんの角刈り頭をガリガリし、中川はビール瓶で両さんを殴りながら「高学歴は犯罪ですか～（中略） 女にもてるのは非国民ですかァ！」とブチ切れると、みんなそれぞれの酔い方をする。
このビール工場は128巻「ああ！ウォーターパラダイス！の巻」で再登場し、絵崎教授はビール開発を続けている。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 128【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
「こち亀」史上でもっとも後味が悪いと言われる「檸檬が泣いた日…の巻」収録の巻。
一方で、本田の兄妹愛が描かれる「本田の幸せ…の巻」「伊歩の結婚の巻」も収録されているので、良い話でバランスを取っているような気はする。
「第１回省エネエコロジー我慢大会！の巻」「葛飾地ビール物語の巻」はどちらも、中川・麗子がぶっ壊れる回。
こういう回があるので、ハムスター回の暗さは中和されている。
