2022年6月17日に発売の「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ「クレイジー・Dの悪霊的失恋」1巻の内容紹介や感想など。
ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋 1【電子書籍】[ 上遠野浩平 ]
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作品の概要
荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフマンガ。
同シリーズのスピンオフ小説は何作か出ているし、「岸辺露伴は動かない」のように荒木先生自身の手によるスピンオフマンガもあるが、他のマンガ家によるマンガ作品は初。
原作は「恥知らずのパープルヘイズ」でジョジョのスピンオフ小説を出したことのある上遠野浩平先生、作画は「ノー・ガンズ・ライフ」のカラスマタスク先生。
第四部が始まる前月、1999年3月の杜王町を舞台に、第三部の敵キャラだったホル・ホース、第四部の主人公の東方仗助、第三部の主要キャラ花京院典明の従妹・花京院涼子の三人が活躍する物語。
1巻で完結はせず、以下続刊。
ウルトラジャンプに連載。
恥知らずのパープルヘイズージョジョの奇妙な冒険よりー【電子書籍】[ 上遠野浩平 ]
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ストーリー
1999年3月、DIOの死から10年が経ったエジプト、カイロ。
ホル・ホースは、DIOの館の門番ペット・ショップの調教師だった男の母から、オウムの捜索を依頼される。
“世界一 女を愛する男”(自称)ホル・ホースは老婆の頼みを受け、未来予知のトト神のボインゴを訪ねると、ボインゴの予言マンガに記されていたのは、ホル・ホースとボインゴが日本の杜王町に行く未来。
予言に従って、杜王町に着いたホル・ホースだったが、DIOの幻影を見た上、暴走車に襲われる。
ホル・ホースは暴走車から救ってくれたスタンド使い東方仗助と共に、謎のスタンド能力を持つオウムを追うことにする。
一方、10年前のエジプトでの従兄・花京院典明の死の真相を追う涼子は、ボインゴの予言マンガを偶然拾う。
涼子がマンガの予言に従って行動すると、ホル・ホースが従兄の死の真相に関連していることを知る。
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第一話は第三部の登場人物が何人も登場
第一話は、ホル・ホースがオウム捜索の依頼をカイロで受け、杜王町で仗助に出会うまでが描かれる。
カイロのシーンでは、ホル・ホース以外にホルス神のペット・ショップ(写真のみ)、磁力を操るバステト女神のマライア、DIOの館の幻覚を作ったティナー・サックスのケニーG(姿は見えない)、予言マンガのトト神のボインゴ、クヌム神のオインゴ(存在が示唆されるだけだが)のその後が描かれている。
逆に、物語は第四部の前日譚のため、第四部の登場人物はあまり出てこない。
ただ、暴走族の噴上裕也の存在はセリフでわずかに示唆されているし、仗助の祖父・良平がアンジェロに殺される前のため存命で、交番の警察官として勤務している。
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感想
荒木先生の絵柄が個性的過ぎるので、他のマンガ家が作画すると全然違う印象になるのではと思ったが、カラスマ先生の絵は予想よりも違和感を感じなかった。
「ノー・ガンズ・ライフ」から大きく変えているわけでもないので意外。
コマ割り、構図、ポージングについて、荒木先生ほどのクセはないが、個人的に“コレジャナイ”感は覚えなかった。
敵のスタンド能力も、DIOのエピソードを想起させるものなので、第三部を読んでいた読者としては嬉しい。
今後はホル・ホースの探しているオウム、ペットサウンズの能力と、それを操る謎の男との対決になってくると思われるが、それにボインゴの予言マンガを持った涼子がどのように絡んでくるのかが期待される。