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ドラゴンクエスト ダイの大冒険 1【電子書籍】[ 三条陸 ]
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「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」は、週刊少年ジャンプで1989年から1996年に連載された作品で、2021年の現在からすると、連載終了から四半世紀が過ぎたことになる。
そんな連載終了から時間の経った作品ではあるが、2020年からTVアニメが放送開始(2度目のアニメ化、1度目は原作ラストまでアニメ化できず）、主人公ダイの師匠アバンの若き日を描いたスピンオフ作品「勇者アバンと獄炎の魔王」の連載が開始と、再び脚光を浴びている。
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ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王 1【電子書籍】[ 三条陸 ]
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国民的TVゲームシリーズ「DRAGON QUEST」の世界観をベースにしているため、二次創作的な印象を持っている人も少なくないかもしれないが、ストーリーやキャラクターは完全なオリジナルである。
二次創作的な印象で正当な評価が得られていないかもしれないが、個人的には以下の理由から「ダイの大冒険」は間違いなく傑作だと思う。
・RPGのシステムを利用しながらも、世界を破壊しようとしている大魔王の野望を砕くべく主人公の少年・少女が戦いを通じて成長していく少年マンガの王道を押さえたストーリー。
・当時人気の「DRAGONBALL」が主人公の孫悟空がどんどん強くなっていく一方で、初期の仲間たちがその強さのインフレについていけなくなっていく展開だったのに対し、「フリーザを倒せるクリリン」というコンセプトで普通の人間ながら成長していくもう一人の主人公ポップの存在や、強さは大したことないが強大な敵でも臆することなく立ち向かう空手ねずみのチウの存在など、単に強いだけではない魅力的なキャラクター。
・軍団長と呼ばれる敵方の幹部が次々撃破されていくにも関わらず、終盤に進むにつれ盛り上がっていく構成。
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ドラゴンクエスト ダイの大冒険 5【電子書籍】[ 三条陸 ]
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さて、そんな傑作の「ダイの大冒険」だが、コミックスを通して読むと気になるのは、主人公パーティーがピンチになったときに、その場にいなかったはずの助っ人が駆け付け、主人公を救うパターンがあまりにも多すぎることである。
そういうと、「少年マンガで、ピンチに助っ人が駆け付けるのはありがちなパターンなんじゃないの？」と思う人もいるかもしれない。
しかし、例えば「魁‼男塾」は、1対1や2対2の試合形式で戦っていることが多いので、第三者の助っ人が乱入することはほぼないし、「ジョジョの奇妙な冒険」はピンチに陥った当人が逆転の一手を思いつくパターンが多く、こちらも助っ人乱入は少ない。（第三部の「審判」戦のアヴドゥルなどまれにはある）
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「聖闘士星矢」も、フェニックス一輝が弟・アンドロメダ瞬をたびたび助けるものの、基本的には1対1が多い。
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そして問題の「ダイの大冒険」だが、ブログ管理人が思い出せる限りで助っ人乱入パターンを以下に記してみる。
・獣王クロコダインに苦戦するダイとマァム ← ポップ乱入。
・魔剣戦士ヒュンケルがダイにとどめを刺そうとする ← クロコダイン乱入。
・ダイたちの気球が氷炎魔団の追撃に ← 大魔導士マトリフ乱入。
・塔を破壊しようとするダイたちにハドラー、ザボエラらが全軍投入 ← クロコダイン、ヒュンケル乱入。
・竜騎衆に一人で立ち向かうポップ ← ヒュンケル乱入。
・バランとの戦いで消耗したポップたちにハドラー、ザボエラが奇襲 ← 大魔導士マトリフ乱入。
・魔影参謀ミストバーンの闘魔滅砕陣に苦戦するヒュンケルたち ← ダイ乱入。
・超魔生物ハドラーとの激闘後、極寒の海で消耗したダイとポップにザボエラの呪文 ← ヒム乱入。
・ハドラー親衛騎団フェンブレンにいたぶられるチウ ← バラン乱入。
・大魔王バーンとの最初の戦いでダイたち全滅の危機 ← ハドラー乱入。
・死神キルバーンの罠にポップとハドラー絶体絶命 ← アバン乱入。
・残りHP1のヒュンケルにキング・マキシマムの攻撃が迫る ← ラーハルト乱入。
・黒の核晶により地上は消滅の危機 ← ニセ勇者一行登場
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ドラゴンクエスト ダイの大冒険 12【電子書籍】[ 三条陸 ]
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主人公パーティーのピンチ → 助っ人乱入 → 次週に続く という引きが週刊連載ではとても盛り上がる手段なのは分かるが、ちょっと助っ人が多すぎる気がする。
しかも、このマンガはRPG「DRAGON QUEST」をベースにした作品なのである。
「DRAGON QUEST」を始めとした多くのRPGでプレイヤーは孤独だ。
あらかじめ集めたパーティーのメンバーと揃えた装備、ボスにたどり着くまでにザコとの激闘を潜り抜け、残存のHP・MP、手持ちのアイテムだけで強力なボスに挑まなければならない。
そして、イベントバトルでない限り、ピンチになっても助っ人は決して現れない。
プレイヤーは強大なボスを相手にただただ歯を食いしばるしかないのである。
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「ダイの大冒険」は、“天地魔闘の構え”で魔王の1ターン3回攻撃をマンガで表現するなど、ゲームの要素をマンガ表現に落とし込む様々な工夫をしてきたが、RPGプレイヤーの孤独だけはマンガにすることができなかったようだ。
