「銀河英雄伝説」の自分用のあらすじの覚書。
野望篇の第二章。
第二章 発火点
アーサー・リンチ、捕虜交換の行われる前年二月に銀河帝国宇宙艦隊司令長官ラインハルト・フォン・ローエングラム侯爵に呼ばれる。
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リンチは、ヤン・ウェンリーがその名を知らしめたエル・ファシル星域の戦いで民間人を見捨てて逃亡したところを銀河帝国軍につかまり、以後、辺境の星の矯正区で生活していた。
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銀河帝国の首都星オーディンで、ラインハルトはリンチに、帝国軍少将の身分を約束に、自由惑星同盟に戻ってクーデターを起こすよう任務とその計画書を与える。
ラインハルト
「いまのお前に、生きる価値があると思っているのか。お前は卑怯者だ」
リンチ
「そうだ、おれは卑怯者だ……(中略)
だとすれば、徹底的に卑怯に、恥知らずに生きてやるか……」
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リンチ、ラインハルトからの任務を受諾。同盟の平和を乱すクーデターへ。
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ラインハルト
「平和というのはな、キルヒアイス。
無能が最大の悪徳とされないような幸福な時代を指して言うのだ」
銀河帝国は先帝フリードリヒ四世の崩御により、五歳のエルウィン・ヨーゼフが新しい皇帝に即位したが、そのことで二人の大貴族・ブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯が激怒。
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激怒の理由は、ブラウンシュバイク公オットーとリッテンハイム侯ウィルヘルムは、いずれもフリードリヒ四世の息女と結婚、それぞれ息女をもうけており、娘に帝位を継ぐ資格があったため。
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ブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯は秘密の同盟を結び、幼帝ヨーゼフを擁したラインハルトと帝国宰相リヒテンラーデ公クラウスの派閥と対立することに。
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ヒルダ(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ伯爵令嬢)、中立を望む父のマリーンドルフ伯フランツにラインハルトとリヒテンラーデ公の側につくよう進言。
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ヒルダ、ラインハルトを訪ね、マリーンドルフ家は味方につくことを告げる。
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ブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯は、リップシュタットの森で盟約を結ぶ。
盟主はブラウンシュバイク公、副盟主はリッテンハイム侯、参加貴族は三七四〇名、兵力二五六〇万人。(リップシュタット貴族連合)
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ブラウンシュバイク公、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ上級大将に貴族連合軍の実戦総司令官となるよう懇請。
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メルカッツ、ブラウンシュバイク公の話を断るが、公が引き下がらず、メルカッツの家族の安全をおびやかすような発言に及んだため、メルカッツが折れて総司令官の立場を受ける。
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ブラウンシュバイク公の部下のシュトライト准将、フェルナー大佐、それぞれがラインハルトの暗殺と少数でのテロリズムをブラウンシュバイク公に具申するが、却下される。
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フェルナー、ラインハルトの姉・アンネローゼ(グリューネワルト伯爵夫人)を人質にする作戦を直属の部下のみで決行しようとするも、キルヒアイスが武装兵で厳重に警備していたため、断念。
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ブラウンシュバイク公ら、リップシュタット貴族連合、首都星オーディンを脱出。ラインハルトとの対決に備える。
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ビッテンフェルト、ラインハルトの命により、武装兵を率いて軍務省ビルを占拠。軍務尚書エーレンベルク元帥を拘禁し、帝国全土の指揮文書発送機能をおさえる。
統帥本部も占拠、本部総長シュタインホフ元帥も拘禁。
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ラインハルト、オーディンを制圧。
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シュトライト准将とフェルナー大佐、ラインハルトと面会し、ラインハルトの部下となる。
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皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世、ラインハルトに帝国軍最高司令官の称号とリップシュタット貴族連合を討伐するよう勅命をくだす。
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ラインハルト
「もうすぐだ、キルヒアイス。
もうすぐ、宇宙はおれたちのものになる」
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ラインハルトと門閥貴族連合との戦争が決定的に。
オーディンの制圧の際、エーレンベルク元帥に
「なりあがりの青二才が、誰の許可をえてはいってきたか。
なにをもとめてのことか知らぬが、まもるべき礼節の心得もないとみえるな」
と言われ、ビッテンフェルトが敬礼して
「失礼しました。
私がもとめておりますのは、元帥閣下、時代が変化しているという認識を、すべての人がもつことです」
と、礼を尽くした返答をしているのが、個人的に意外だった。
前作の黎明篇から、ビッテンフェルトはもっと猪武者的なキャラクターかと思っていたので。
あと、意外というか違和感を覚えたのは、メルカッツが妻子に手紙を書くシーンの
「不器用そうにワード・プロセッサーを操作しはじめた。」
という一文。
「ワード・プロセッサー」という語が時代を感じさせる。
はるかに未来の物語なんだけど。
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次回は、野望篇の第三章、「ヤン艦隊出動」。