「こちら葛飾区亀有公園前派出所」106巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1998年2月発売)
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●トランプバトル再び!!の巻
ストーリー
トランプゲーム「大貧民」に興じる派出所メンバー。さらに「スピード」「インディアンポーカー」「うすのろ」で勝負を繰り広げる。
負けた者には「徳川将軍十五代の暗記」「ピアスをする」といった罰ゲームが課されるが、罰ゲームが嫌な両さんはイカサマに走る。しかし、麗子に不正を疑われてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、法条正義、屯田五目須(署長)
トランプゲームの話。
105巻「「大貧民」バトル!!の巻」に続く話。前回ローカルルールを教えてほしいと募集したところ、100通くらい読者からの反響があったとのこと。秋本先生は、この読者からの手紙で数字の強さが逆になる「革命」ルールを知ったらしい。
罰ゲームにより部長と署長は茶髪にピアス、中川と麗子は黒髪に、両さんはモヒカンとなる。
オチでは、ちゃんと両さんは罰ゲームの日本史を勉強している。
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●派出所コンビニ化計画!!の巻
ストーリー
住民票がコンビニで発行できるサービスが千葉県で始まる。両さんは同じく24時間稼働しており、警察官が常駐している派出所でこそ、そういったサービスに向いていると力説。住民票以外にもATMの設置をする案が採用される。
さらに商品を販売しコンビニ化。両さんの経営手腕で着実に売り上げを上げる。
両さんは事業を拡大すべく、本来許可が必要な酒類、タバコ、医薬品などをあの手この手で販売する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、寺井洋一、屯田五目須(署長)
派出所がコンビニになる話。
商売があまりに繁盛したため、違法駐車について「そういう事は110番に電話しろ」と本来の業務そっちのけになる。
医薬品の販売に関しては、松本清彦という名の薬剤師免許保有の署員を配置し「マツモトキヨシコ」の看板を掲げていた。
冒頭で両さんがゲームしているところを麗子に咎められ、ゲーム機を「ゲームボーイ」と言われているが正しくはセガの「ゲームギア」。
限定販売のエア・マックスとエア・シェイクを買いに行く途中の本田は、珍しくバイク移動ではなく自転車移動。
121巻「コンビニエンスな警察官!!の巻」では、警官の方をコンビニに派遣している。
住民票に関し、IDとパスワードを決めて、データで送れば良いという後のマイナンバーのようなシステムについて、両さんが言及している。
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●浅草お盆グラフィティの巻
ストーリー
7月、東京では少し早いお盆の時期。両さんはマリアを伴って浅草に帰省。
実家には赤ん坊の娘を連れた弟・金次郎夫妻も来ていた。マリアとは初対面の金次郎夫妻は、兄が実家に女性を連れてきたのだから、結婚前提の付き合いだと、思い違いをしてしまう。
両さんの両親も含めてお盆の迎え火などをし、夕食を取るとせっかちな両さんは帰るが、マリアは両津家に引き留められる。以前の結婚騒動が破談になった理由をすっかり忘れてしまった銀次とよねは、両さんとマリアの結婚話を進めていく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、麻里晩、両津銀次、両津よね、両津金次郎、両津景子、両津京子
お盆に帰省する話。
マリアはお盆の風習をほとんど知らず、両さんにホンダラ親父の教育方針を疑われていた。
マリアが同行したのは、帰省のために中川が車を貸したが、両さんの運転が不安なのでマリアに運転を頼んだから。しかし、マリアは運転が苦手なので、5000万円のフェラーリF50は時速300キロでクラッシュの末、廃車となった。
マリアを実家に連れて帰っての結婚騒動は、83巻「亀有結婚行進曲の巻」に続くもの。銀次とよねは、マリアが男だったことを完全に忘れていた。それにしても前回の結婚騒動時に実弟の金次郎はどうして呼ばれなかったのだろうか?
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●超合金レア物選手権!!の巻
ストーリー
両さんと仲間たちは「スーパーロボット レア物対決」に出場するためのレアな超合金を吟味するが、麗子にはまったく理解されず、両さんは声を荒らげて力説。
当日、対決の際には、審査員がコギャルや主婦といった超合金に関心のない人選だったため苦戦するが、それでも何とか勝ち上がる。決勝では相手と同点になり、マニアックなクイズ対決になる。
主な登場人物
105巻「両さんの超合金講座の巻」に続く超合金のおもちゃの話。
コン・バトラーVに始まる超合金の合体ロボの歴史について、3ページに渡って解説される。
「こち亀MAX」本の企画で読者プレゼントされた両さんの可動フィギュアGI・RYO(ジーアイ リョー)も登場する。(アクションドール両津勘吉とは別物)
他にも懐かしのレアな超合金が次々登場する。
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●デジカメ大作戦!の巻
ストーリー
毎月開かれる盆栽の展示会の写真の整理と現像代に困っている部長。麗子からデジカメの使用を勧められる。
麗子のデジカメを借りて試しに使っていた部長だったが、バッテリー切れで液晶画面が消えてパニックに。相談を受けた両さんは、麗子の写真データが消えたので復旧に専用機が必要とウソをついて、部長からお金を巻き上げる。
一方、両さんのエロ仲間の藤田がやってきて、海外から大量のエロ写真の画像データを入手したと報告に来る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、早乙女リカ、藤田
デジカメの話。
当時のデジカメ事情について2ページ以上に渡って解説される。フィルムカメラからデジカメへの移行期の頃の掲載。
麗子のデジカメだと、60枚写せることに部長は驚いていた。(フィルムだと24枚撮り、36枚撮り)
エロ画像をメモリーカードで購入したり、ネットでデータ圧縮にMacLHA2.14を使うなど、今読むと時代を感じる。
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●懐かしのメロディー!?の巻
ストーリー
部長の孫の大介が終業式終わりに派出所にやってきた。大介の持っていたリコーダーを両さんが借りて吹いたことから、リコーダーの思い出話に。
しかし、海外育ちの中川と麗子は幼少期フルートを吹いていて、リコーダーの思い出はなく、部長も世代的に吹いたことがないため思い出を共有できなかった。
両さんは、ハーモニカやトランペットなどについても熱い思いを語る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、角田大介
リコーダーの思い出の話。
好きな女の子の笛を舐めるという思い出に中川と麗子はドン引きしていた。両さんはクラスのマドンナの笛を守るため、こっそり自分の笛と入れ替えていて、クラス中の男子が両さんの笛を舐めるという結果につながった。
フルートなどの笛についての思いをぶつける両さんだったが、ページが足りずに次回に続くことになる。しかし、この回の冒頭5ページは背中に指で書いた文字を当てる遊びの話だったので、冒頭の部分をカットすれば収まったはず。
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●お茶屋の藤田くんの巻
ストーリー
両さんはエロ仲間のお茶屋の藤田に、新たなエロビデオをダビングしてもらう。
帰りに高級なお茶をお土産にもらった両さんは派出所に持ち帰る。派出所内で高級な中国茶での和やかなティーパーティーが開かれるが、抹茶の知識がないことを部長たちに指摘され、両さんは立腹。藤田のお土産の玉露に異物を混ぜて仕返しを考える。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、藤田、藤田亜美
エロ仲間の藤田のお茶屋にまつわる話。
冒頭の3ページは前回「懐かしのメロディー!?の巻」に入りきらなかった笛についての両さんの力説が入っている。そのため「お茶屋の藤田くんの巻」は通常より3ページ少ない16ページ。
前半は家族のいる中でエロビデオを収集・視聴する藤田の話。藤田には、中学生だか高校生だかの娘・亜美がいる。娘にはエロの趣味はバレていない様子。
後半は藤田にもらった高級茶を派出所で飲む話。
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●スーパーリアルオーナーゲーム!!の巻
ストーリー
巨大な中川の豪邸の劇場画面で「スーパー リアルシミュレーション ゲーム」をする両さんたち。
オーナーになって野球チームを育成するゲームだが、両さんは打たれた投手を即交代させたり、逆に有力選手を休みなく酷使したりと選手起用がメチャクチャ。豊富な資金で助っ人を大量に入れる一方、寺井は対照的に地道なデータ収集と堅実な選手起用で両さんのチームは負けそうになってしまう。
ゲームではラチがあかないので、両さん率いる商店街チームと寺井率いる葛飾署チームでのリアルな野球勝負になるが、中川の助力で寺井には大リーグチームが助っ人にやって来る。
主な登場人物
野球チームのオーナーになるゲームの話。
ゲーム内での両さんは不動産で大量の資金を持っている。野球本編よりも財テクの要素の方が強そうなゲームに感じる。
劇場のスクリーンの大画面でプレイするなら、もっとアクション要素の強いゲームにしたら良いのに。
ゲーム内で両さんは絵部裸(エブラ)、模野(モノ)、ハチローという選手を獲得する。元ネタは伊良部、野茂、イチロー。
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●とってもお茶目な中川くんの巻
ストーリー
あまりにも暑いため、両さんは中川、麗子、ボルボ、ジョディーを連れてパトロールと称し、銭湯に行く。
銭湯に不慣れな中川はタオルを巻いて入るが、その入浴法に両さんから指導が入る。
電話があったことから本田と乙姫も途中から合流。両さんは、本田の持ってきたラジコンヘリを利用したり、ボイラー室を通ったりして、女湯を覗こうと試みる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、寺井洋一、ボルボ西郷、ジョディー・爆竜・カレン、乙姫菜々
みんなで銭湯に行く話。
冒頭では部長に隠れてかき氷を食べたのがバレて、両さんだけが叱られていた。
この回ではタイトル通り、ポコ〇ンを回転させなから男湯に入場したり、左右にポ〇チンを振って内ももに当ててピタピタと音を立てさせながら「一番風呂最高!」と叫ぶお茶目な中川の姿が見られる。
この姿は、「こち亀」ファンのPUFFY大貫亜美の知る所となる(107巻「大混戦「こち亀」ゲームの巻」より)。
ボルボは、湯でも錆びない全ステンレス製のリボルバーを何丁も装備して入浴していたが、ポコ〇ンは丸出しだった。
銭湯「亀の湯」の壁には両さんのエロ仲間の藤田のお茶屋「藤田園」の看板がある。
価格:1650円 |
オススメは「とってもお茶目な中川くんの巻」。
中川が壊れる話にほぼハズレはない。
この巻は「デジカメ大作戦!の巻」「お茶屋の藤田くんの巻」と、両さんのエロ仲間の藤田の印象が割と強い。
そういえば終盤の「こち亀」では、藤田の出番があまりなくなっていた。