「こちら葛飾区亀有公園前派出所」105巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1997年12月発売)
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●超育てゲー『モンちっち』の巻
ストーリー
両さんは、中川のゲーム会社で「ポケモン」と「たまごっち」を合わせた携帯ゲーム「モンちっち」を開発する。
中川や麗子からはパクリ製品と言われるが、その評価とは裏腹に大ヒットする。しかし、ヒットに伴いニセ物のコピー製品も発売されてしまう。
両さんはコピー品対策に、コピー解析も間に合わないくらい大量の新機種、新キャラを発売していく。
主な登場人物
両さんが携帯ゲーム機を開発する話。
「ポケモン」や「たまぴっち(PHS用のたまごっち)」がベースなのだが、麗子は「ポケモン」を知らず「ポケットモンスターとは?」と説明のコマが入っている。「ポケモン」が国民的ゲーム・アニメになった今となっては逆に新鮮。
他製品からのパクリについて、「サザエさん」と「天才バカボン」を合わせた「サザエボン」みたいと言われていた。
冒頭では、日本紙業や三菱製紙の工場が見える中川(キャラ名ではなく河川のこと)沿いの思い出の話が描かれる。
価格:2970円 |
●シルバー雇用おまかせ!!の巻
ストーリー
老人の多い地区の巡回を命じられた両さん。スケボーやゲームなどを教えるが、部長から働けるところを世話しろ、と説教され、祖父・勘兵衛のゲーム会社で雇用させる。
老人向けの格闘ゲームや恋愛シミュレーションゲームをヒットさせ、さらには老人向けのSFロボアニメもヒットさせる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、両津勘兵衛
老人たちを勘兵衛の会社で働かせる話。
ヒット作を連発させたことで、老人たちの雇用を生み出していた。
ヒットさせた老人向けゲームは「銀河お婆さま伝説ヌエ」(銀河お嬢様伝説ユナ)、「婆茶ロン」(電脳戦機バーチャロン)、「婆ちゃんふぁいたー3」(バーチャファイター3)など。
SFアニメは「高血圧オバンゲリヨン」(新世紀エヴァンゲリオン)。西洋から侵入してくる黒船に対抗するべく平賀源内の作った巨大からくり人形「御婆下利(おばげり)」に114歳の「よね」が乗り込むという内容。エヴァンゲリオンはカプセル型のコクピット容器に入って操縦するが、「よね」のコクピット容器はモロに棺桶なのが面白い。
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●超美少女SLG(シミュレーションゲーム)!!の巻
ストーリー
両さんが本田たちとゲームセンターで遊んでいると、中川と左近寺も来ていた。二人はゲームの市場調査に来ていたのだった。
左近寺は新製品の美少女育成シミュレーションゲームをプレイ。美少女キャラに名前を付け、赤ちゃんから育成していくが、所々でゲームが途切れ、コンティニューには追加の課金が必要。左近寺はどんどん課金していく。
一方、このシステムに目を付けた両さんは、自分でも育成ゲーム機を開発する。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、乙姫菜々、左近寺竜之介
アーケード版の美少女育成ゲームの話。
ゲーム途中のエロい選択肢が現れると、両さんと左近寺は「男として当然の選択だ」とエロい選択肢を選んでいた。
数人の女性キャラから一人を選択するときに、中川だけはブスキャラを推しており、中川の美的センスが疑われてしまう。
最終的に両さんが開発した育成ゲームは、小銭を連投させるような可愛いものではなく、催眠ガスで催眠状態にし、通販ショップで大量購入させるという悪どいものだった。
冒頭では、写真シールが出てくるプリクラではなく、スタンプが出てくるスタンプ倶楽部が登場しており、当時の流行が垣間見れる。
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●「大貧民」バトル!!の巻
ストーリー
派出所でトランプをしていた両さんたちは、「大貧民」をすることに。
現実と同じく、中川と麗子が富豪になり、寺井と両さんが貧民争いをする展開に両さんのストレスは溜まってくる。ちょうど麗子に電話をかけてきた白鳥麗次も加え、仕切り直すがそれでも結局両さんが大貧民に。
しかし、両さんは麻雀牌の積み込みのように、自分に有利なようにカードを配り出し、大富豪に成り上がる。
主な登場人物
トランプの「大貧民」の話。
「大貧民」だけで丸々一話を使っている。
白鳥麗次からデートの誘いの電話に「お仕事中だし…」と断る麗子。確かに派出所での勤務時間中なんだろうけど、ずっとトランプで遊んでいるだけで、どこが「お仕事中」なんだか……
この「大貧民」バトルは、次の106巻「トランプバトル再び!!の巻」に続くことになる。
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●㊙麗子フィギュア発売中!?の巻
ストーリー
以前に製作した1/1サイズの麗子フィギュアが4倍の価格(20万円)に上がったことを知った両さんと仲間たち。両さんが原型師となり、よりクオリティの高い完全版を作る事を計画する。
両さんは、派出所での勤務中に睡眠薬で麗子を眠らせると、服を脱がせ、正確な麗子の身体のデータを計測する。
完全版1/1麗子フィギュアは、本人に見つからないよう闇でこっそり販売されるが、大ヒット。しかし、雑誌に掲載されたため、麗子の知るところとなる。
主な登場人物
1/1麗子フィギュアを作る話。
前回作ったのは102巻「ついに出た!!アクションドールの巻」。
眠った麗子の服を脱がせながらも、エロ心ではなく熱心にデータ測定する両さんの様は職人のよう。
計測したデータから、コンピュータ制御で成形するのだが、3Dプリンタではなく、3Dスライス盤で削って成形している。
販売は麗子本人にバレないように、マニア誌に「1/1 RA DOLL」というスパイの暗号のような三行広告を掲載しただけだが、2000体のオーダーが来る。
108巻「麗子ドール ついに完成!!の巻」では、1/6サイズのフィギュアが現実に作製される。
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●両さんの超合金講座の巻
ストーリー
懐かしい物が出てきたと、本田が「超合金」のおもちゃを持ってくる。両さんとは話が盛り上がるも、中川と麗子は「超合金」が分からない。両さんは二人に「超合金」について解説する。
両さんは仲間たちと「超合金」を作ることに。安室奈美恵やタイガー・ウッズなど有名人の「超合金」を作ろうと企画するも、版権が高く暗礁に乗り上げる。仕方なく版権がタダの両さんをモデルに、グレートマジンガーやライディーンなどと両さんを合体させた「超合金」を発売する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、太田健介
「超合金」のおもちゃの話。
マジンガーZから始まる「超合金」の歴史を2ページにも渡って説明するだけでなく、両さんの「超合金」化をバンダイ社内で熱弁するバンダイ玩具第一事業部開発課・太田健介氏の様子は3ページに渡って語られる。
両さんの「超合金」は1996年に実際に発売された。
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●怒鳴り屋両さんの巻
ストーリー
政治のことがチンプンカンプンの両さんだったが、部長にゼネコン汚職について説明されてようやく理解すると、政治に対して怒り出す。
両さんは国会議事堂や東京都庁に向かうと、大声で怒りを爆発させる。
その怒鳴る様子を見ていた人たちから、両さんはお金をもらって怒鳴ることを依頼されるようになる。両さんは「怒鳴り屋」という会社を立ち上げ、商売として様々な企業に怒鳴りつけるようになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
政治や企業を怒鳴りつける話。
政治のことが分からない両さんに説明するため、部長は絵本を使って説明するのだが「両津のバカ用 絵本集」という絵本を使用している。
国会議事堂などで威圧的なスタイルで怒鳴ることに対しては、あくまでジョギングスタイル(?)でたまたま立ち寄ったところで大声で独り言を叫んでいるだけ、という名目。
当時は消費税が5%、都知事が青島幸男の時代だった。都庁の前では「こら青島!」と名指しで文句を言う。
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●超リアル釣りゲーム!!の巻
ストーリー
体感型のフィッシングゲーム「バスマスターズ」を購入した両さんは本田とプレイを楽しむ。釣り場の湖の状態やルアーの種類などの選択だけでなく、ヒットしたときの振動がリアルで、部長までが夢中になってしまう。
一方、両さんのエロ仲間の藤田は、かわいいギャルをブランド品などのルアーで釣り上げる「ギャルマスターズ」を持ってくる。
このゲームは、既存のキャラだけでなく、内蔵カメラで実在の女性を撮ると、その女性もゲーム内で釣れる仕組みになっていた。両さんと藤田は葛飾署の婦警たちをゲーム内で次々に釣りあげていく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、早乙女リカ、藤田
体感型フィッシングゲームの話。
「バスマスターズ」はタカラから実際に発売されたおもちゃで、作中ではそれをヒントにした「ギャルマスターズ」が存在する設定。藤田はそれを秋葉原の専門店で入手していた。
「ギャルマスターズ」は撮影し、データを取り込んだ女性の美人度を測り、大物か判定することができる。麗子は美人度100%で、リカは78%だった。
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●やったぜ!ゲーム化の巻
ストーリー
派出所にやって来たバンダイの太田氏は、フィギュア化に続き、今度は両さんのTVゲームが発売することになったと報告。
「テレビテニス」「ブロックくずし」から始まり、家庭用ゲーム機も網羅している生粋のゲーマーでもある両さんは感無量。
だが、両さんの出したアイデアは、お金がかかり過ぎてどれも却下。バンダイでは独自にゲーム制作をすることになる。
ところが、両さんの出したスーパーロボットがメンコやベーゴマで戦うアイデアを買ってくれる企業が現れる。喜ぶ両さんだったが、そこは聞いたことのない新機種ハードの企業だった。
主な登場人物
「こち亀」がゲームになる話。
といっても、両さんからアイデアが出されるだけで、実際発売になった「こち亀」ゲームの内容については触れられていない。
この回では、アーケードゲームから家庭用ゲームまでをすべてプレイしてきた両さんのゲーム愛が語られており、ちょっとしたゲームの歴史が分かる内容になっている。
両さんの登場したゲームとして、ジャンプキャラが総出演していた「ファミコンジャンプ」についても言及される。しかし、言っている内容的にはちょっとグチっぽい。
107巻「大混戦「こち亀」ゲームの巻」では、実際に発売されたプレイステーション版の「ハイテクビル侵攻阻止作戦!の巻」とセガサターン版の「中川ランド大レース!の巻」のうち、セガサターン版の方をプレイする様子が描かれる。
価格:1320円 |
価格:1375円 |
●<特別読切>ロボット三太平
ストーリー
突飛(とっぴ)博士は、人間の感情を持つスーパーロボット・ロボット三太平を開発する。
世の中の役に立つためという使命を持って生みだされたロボット三太平だが、どうにも頼りない。強盗を捕まえようとするが、少し走っただけで内部から発煙してしまう始末。
博士はさらに改造を加え、重装備の「スーパーウエポン ロボット三太平 改」を作り出す。
主な登場人物
ロボット三太平、突飛博士、秋本カトリーヌ麗子
6ページの特別読切。
「こち亀」とは内容的に関連はないが、一コマだけ麗子らしきキャラが登場する。
前谷惟光の「ロボット三等兵」が元ネタ。突飛博士が「私のひいおじいさんも有名な発明家でロボットを作り戦争へ参加させお国の為に戦った」と説明するコマでは、ロボット三等兵とトッピ博士の絵(写真?)が壁に飾られている。
価格:330円 |
「超育てゲー『モンちっち』の巻」「シルバー雇用おまかせ!!の巻」「超美少女SLG(シミュレーションゲーム)!!の巻」「超リアル釣りゲーム!!の巻」「やったぜ!ゲーム化の巻」と、やたらとゲーム関連のネタが多い巻。
それらを除いても「「大貧民」バトル!!の巻」「㊙麗子フィギュア発売中!?の巻」「両さんの超合金講座の巻」と、トランプ、フィギュア、超合金とサブカル的なネタが多い。