「こちら葛飾区亀有公園前派出所」114巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1999年6月発売）
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●トロバス物語の巻
ストーリー
昭和30年代、東京オリンピックに向けて開発の進む東京を、線路のいらない架線だけのトロリーバスが走っていた。
トロリーバスの運転手で江戸っ子の健さんは、気が短くせっかちな性格だが、勘吉たちを映画に連れて行ってくれたりと優しい一面もあった。
日本が好景気に向かい、マイカーブームで公共交通機関が減少していく中、トロリーバスも人員削減となる。健さんはその件で偉い人を殴ってしまいクビに。
勘吉たちは偉い人に健さんを許してくれるようお願いに行くが、聞く耳を持ってくれない。勘吉たちはトロリーバスを暴走させ、仕返しに出る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸田豚平、千田珍吉
トロリーバスの思い出の話。
子供ながらにトロリーバスを運転した話を現代の両さんが中川たちに語る構成になっている。
トロリーバスの「偉い人」（どういう立場か詳細不明）は、勘吉少年たちに「赤嶋だァ もんくあっか‼」とタンカを切るが、おそらく元ネタは連載当時に東京都知事だった青島幸男の「青島だァ」。
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●ＣＭアイドル麗子!!の巻
ストーリー
葛飾署で麗子を使ったCMを制作。ケーブルTVとCS放送でしか使われていなかったが、雑誌で取り上げられ大反響。署に広告代理店が何軒も押しかけ、CMの依頼が殺到する。
警察のPR活動となるため、署はこの依頼を受ける。公務員の仕事の一環として受けるので、ギャラは無しのはずだったが、マネージャーとして同行した両さんは、代理店にこっそり「お礼」を要求。
「お礼」を受け取った両さんは、麗子に過酷な撮影を要求する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須（署長）、下巣良平八
麗子をCMに起用し両さんがマネージャーとなる話。
受けた仕事は地方のCMも多く、部長らの目が届かないので、両さんはやりたい放題になる。
食用ガエルやマムシを食べさせたり、カレーのCMでは肥溜めのようなカレー風呂に入れたりと麗子にとって過酷なCM撮影になる。
110巻「体を張ったアルバイト!!の巻」に登場した鬼プロデューサー下巣良平八（げすら へいはち）が再登場し、CM演出をする。
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●署長と部長 感傷旅行（センチメンタルジャーニー）!?の巻
ストーリー
葛飾署員一同の気持ちとして、署長と部長に温泉旅行がプレゼントされる。しかし、その料金30万円を預かった両さんは競馬でスってしまう。
お金がなくなった両さんは、格安のスキーツアーのバスチケットで誤魔化そうとする。
若者ばかりのバスの補助席でのバス泊、現地の部屋は寒々しい倉庫と貧しい旅行で、署長と部長はちっとも旅行を楽しめない。
そんな中、雪崩が発生。若者の一人が行方不明となる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、屯田五目須（署長）
署長と部長を貧乏旅行に招待する話。本来は、ハイヤーで送迎する超一流温泉ホテル3泊４日のはずだった。
署長と部長は、両さん相手にはパワハラじみた行動を取ることが多いが、署員たちからは慕われているらしい。
署長と部長のちょっとカッコ良い姿が見られる回。二人の若いころの血気盛んな様子も描かれる。
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●フリマでひと儲け!!の巻
ストーリー
地元の老人会の予算を捻出するため、葛飾署でフリーマーケットをすることに。
署長は石鹸の詰め合わせを出そうとするが、両さんに高級ワインや愛車のクラウンを強引に徴収されてしまう。婦警たちからはブランド品の提供があった。麗子からはさらに家具の提供の約束をするが、誤って別人の引っ越しの荷物を持って行くことに。
ブランド服をさらに売るため、両さんはマリアに服を着せると野球拳方式で脱がせて販売する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛、磯鷲早矢、早乙女リカ、屯田五目須（署長）
署でフリーマーケットをする話。ひとつの大きな話題をするというよりは、フリマに関わる小ネタをたくさんやっているような構成の回。
婦警の制服を販売したり、マリアを野球拳で裸にしたりと、結構やっていることはあくどい。マリアがこれで両さんを嫌いにならないのが不思議だ。
冒頭3ページで、葛飾伊勢屋の「両さんどら焼」を購入するシーンが描かれている。この「両さんどら焼」は実際に販売されている。
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●警視庁“体力”代表!!の巻
ストーリー
「各官庁対抗体力選手権」というテレビの企画に両さんたちが参加。20メートルのロープ登りの際には、オイルの染みたロープに下から火を点けるという過激さ。
40メートル竹馬、手榴弾けん玉と危険な競技が続く。両さんたち警視庁チームの他、米軍特殊部隊などの強豪チームが多く参加しているため、体力自慢の両さんもさすがに苦戦。部長たちは両さんにドーピングをし、ボロボロになるまで酷使する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、ボルボ西郷、屯田五目須（署長）
過激な体力選手権の番組に出る話。中川や麗子も同じチームだが、過酷な競技は両さんばかりの担当になっている。
投与されると急にシャッキリする謎のドーピング薬の正体は謎のままだった。
ライバルには、米軍特殊部隊（SOCOM）、ドイツ特殊部隊（GSG-9）、英国特殊部隊（SAS）、イスラエル特殊部隊がいた。どこが「官庁対抗」なんだろうか……？
こういうテレビ番組に参加する回は他にもあるが、他では架空のテレビ局のパターンが多い。だが、この回でははっきり「フジテレビ」と明言されている。
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●両さん京都訪問記 GO!!GO!!玉の輿!!の巻
ストーリー
実家に帰る早矢に招待され、両さんも京都へ。時代がかった格好の彦兵衛が馬で迎えに来たことに面喰らうと、磯鷲家の屋敷は超巨大でさらに驚く。
父・剣之介の威厳に恐縮する両さん。ウソの嫌いな剣之介の前ではあったが、以前に実家が呉服屋と早矢に言ったことを告げられ、後に引けなくなった両さんは呉服屋の息子だとウソをついてしまう。
通し矢が行われる三十三間堂に早矢と訪れると、そこには左京の双子の妹・右京がいた。
主な登場人物
両津勘吉、磯鷲早矢、磯鷲剣之介、彦兵衛、飛鷹右京
全三話構成の京都訪問記の一話目。
磯鷲家は非常に広大で、敷地内を馬で移動する必要があるほど。
京都駅まで彦兵衛が馬で迎えに来るが、両さんたちは自動車で磯鷲家に向かうことになっていた。歩く馬の速度に並んで自動車を走らせていたら、渋滞の原因になってしまいそう。
両さんが磯鷲家への手土産に持って行ったのは「両さんどら焼」。
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●両さん京都訪問記 妹・飛鷹右京登場!!の巻
ストーリー
左京の妹・右京は、京都で大学生をしており、家庭教師のアルバイトで生計を立てていた。苦学生の上、動物にも心優しい右京に両さんは心惹かれていく。
莫大な財産を持つ早矢と純粋な心の持ち主の右京との間で、揺れ動く両さんは、頭を丸めて反省する。
主な登場人物
両津勘吉、磯鷲早矢、磯鷲剣之介、彦兵衛、飛鷹右京
京都訪問記の二話目。
前回最後のページだけの登場だった右京が本格的に登場する回。
右京と早矢の間で揺れる両さんだが、早矢と異なり、右京はあまり両さんに好意を持っていなさそうなので、二択ではないような気がする。
この京都訪問の間には、両さんは右京にだいぶ惹かれているように描かれているも、その後、右京の出番はそれほど多くない。
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●両さん京都訪問記 早矢と右京 恋の苦悩!?の巻
ストーリー
磯鷲流派の古武道全国大会で早矢と右京は流鏑馬（やぶさめ）に出場。流儀は違うも、二人とも見事な腕前を見せる。
両さんが二人から流鏑馬の指導を受けていると、馬の運搬車に当て逃げする車が現れる。右京は両さんを乗せたまま、愛馬の琴姫で追跡し、犯人逮捕に貢献する。
その夜、両さんは磯鷲家にて、早矢と剣之介との露天風呂での混浴に誘われる。
主な登場人物
両津勘吉、磯鷲早矢、磯鷲剣之介、彦兵衛、飛鷹右京
京都訪問記の三話目。
前回に続いて両さんの頭は坊主頭のままだった。右京と早矢の間で揺れているのも前回からのまま。
この回で登場した右京の愛馬の琴姫は、116巻「人馬一体・右京と琴姫の巻」で再登場。琴姫の体が弱いという設定は、この「人馬一体・右京と琴姫の巻」でも出てくる。
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●駄菓子ニューウェイブの巻
ストーリー
京都から帰ってきた両さん。
早矢と二人で実家に行き、混浴もした話を派出所でしているとマリアがヤキモチを焼く。マリアの機嫌を取り戻そうと両さんは、早矢の実家は和風ではなく洋風のジャグジーのようになっており、水着着用だったとウソを重ねる。
子供会で使う景品の購入のため、駄菓子の問屋を両さんたちは訪れる。駄菓子の製造元が中川の会社だと知った両さんは、巨大な駄菓子を開発する。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、磯鷲早矢、磯鷲剣之介
前半はヤキモチを焼くマリアにウソを重ねる話で、後半は駄菓子の話。
前回まで坊主だった両さんの髪は元に戻っている。
早矢には三人の兄がいる設定が、この回でも話題にされる。実際に三人の兄が登場するのは、134巻「磯鷲一族東京進出の巻」。
駄菓子の問屋を訪れた両さんは、ソースせんべいに梅ジャムで絵を描いて「ピカチュー」を披露するも、中川と麗子の反応はイマイチ。「世代のギャップ」と両さんは言っていたが、両さんの子供時代にポケモンがあったとは思えない。（ウサギにはしていたのだろうけど）
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両さんが早矢の実家訪問する京都訪問記の三部作の回。
この回から右京が初登場。
ただ京都住まいの苦学生という設定上、東京に出て来づらかったのか、今後の出番はそれほど。
右京と早矢の間で両さんが苦悩したり、マリアが嫉妬したりと、この頃の「こち亀」はラブコメ路線。
