「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス20巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会の地区予選決勝戦、前半は西山SSSの2点先取だったが、後半土壇場で同点に追いつくキッカーズ。
試合時間は残り2分、西山SSSも勝ち越し点を狙って最後の攻撃に打って出る。
西山SSSのエースストライカー水島亮の落ちる軌道のシュートが、キッカーズゴールを襲うが、学と金時がクリア。
こぼれ球を、さらに水島が曲がるシュートで勝ち越しを狙う。
今度は、太一が身体を投げうった飛び込みのフォローで、金時がボールのキャッチングに成功。
金時の掴んだボールを、信介、守、哲也、デコ、たけし、きよし、健太がつなぎ、試合時間残り30秒でエースの翔にボールが渡る。
しかし、水島と真行寺の二人が翔の前に立ちはだかる。
翔は止めに来た二人と激突寸前、スライディングシュートでボールを浮かせ、二人の頭を越させる。
ふわりと浮かんだボールを西山SSSのキーパー不破が前に出てキャッチングに向かうが、ボールにはバックスピンがかかっており、ボールは再び翔の元へ。
最後は、キッカーズみんなの想いを乗せたボールを、翔が西山SSSゴールに叩き込み、3-2でキッカーズが勝利。
キッカーズが地区予選で、初めての優勝を飾り、全国大会への出場を決めるのだった。
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公式戦未勝利で、人数もギリギリ、”おんぼろチーム”と呼ばれていたキッカーズが、地区優勝を果たし、全日本少年サッカー大会出場のキップを手に入れる。
ところが、全国大会は描かれず、この地区優勝をもって「がんばれ!キッカーズ」の物語は終わる。
「キャプテン翼」は、「小学生編」でも「中学生編」でも、県予選突破は通過点で、全国大会が始まってからが本編といっても良い構成になっており、「がんばれ!キッカーズ」とは違っている。
大空翼、若林源三、岬太郎という数十年に一人と言って良いレベルの天才たちが、ひとつのチームに集い、より高みを目指すのが「キャプテン翼」の物語だ。
しかし、「がんばれ!キッカーズ」のメンバーには天才はおらず、希望のポジションにつけなくて落ち込んだり、親からサッカーを辞めるように言われて悩んだり、双子の兄弟の存在を疎ましく感じたり、といった等身大のキャラクターたちが、くじけない心でがんばる物語だ。
だから、「がんばれ!キッカーズ」では、地区優勝という一つの結果を出したところで終わり、全国大会を描かないのは、正解なんだと思う。
「キャプテン翼」には「キャプテン翼」の良さが、「がんばれ!キッカーズ」には「がんばれ!キッカーズ」の良さが、それぞれあるのだ。
だから最後に言うけど、「がんばれ!キッカーズ」は「キャプテン翼」のパクリマンガではない。
ここが似てるぞ!
・主人公チームが地区予選(県予選)で優勝する。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:全国大会が物語の本番。
キッカーズ:全国大会は描かれない。