「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス12巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会地区予選の決勝戦。
キッカーズが先制するも、実力で勝る南陽SCが逆転に成功、差を2点に広げる。
エースストライカーの翔は、本郷キャプテンとの交錯で頭を負傷、一旦は意識を失うが、ライバルの上杉の檄を受けてグラウンドに復帰。
キッカーズは同点を目指して猛攻を見せる。
後半からDFの片山をFWに回しているため、バックスが手薄になった南陽SC陣を攻めるキッカーズ。
負傷した頭部での、痛みをこらえながらの翔のダイビングヘッドシュートは、ボールについた血で上杉の手を滑らせ、ゴール。
南陽SCとの差を1点につめる。
追加点で突き放そうとする南陽SCの攻めを、全員守備でしのぐキッカーズ。
ゴール前に高く上がったボールをキャッチするため、ゴールバーの上に登ってジャンプする本郷キャプテン。
試合は中盤でのボールの激しい奪い合いになる。
キッカーズは、キーパーの本郷キャプテンもボール争奪戦に加え、ついには翔と上杉の一対一に持ち込む。
キッカーズ全員の思いを乗せた翔のシュートは、上杉の手を弾き、ゴールに吸い込まれるが、試合終了を告げるホイッスルの方が早くノーゴール。
キッカーズの猛追は南陽SCをとらえきれず、南陽SCが二年連続の地区優勝を決めるのだった。
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負傷で流血した翔くんのヘディングシュートは、キーパー上杉くんのファンブルを誘い、1点差となるゴールを生む。
翔くんの必死さがゴールを生んだことが伝わる描写ではあるが、上杉くんの顔にかかったり、手が滑ったりするほどの出血を小学四年生の子がしていたら、たとえ本人が望んでも審判は試合を止めなきゃならないと思うけど。
さて、南陽SCの攻撃を防ぐシーンで、本郷キャプテンがゴールバーの上に立ってジャンプし、相手のセンタリングをキャッチするシーンがある。
ジャンプするだけでは足りない高さを補うためにゴールバーに登るプレーは、「キャプテン翼」でも存在する。
立花兄弟の合体技スカイラブ・ハリケーンに対抗するための南葛中のプレーだ。
ゴールバーの上に登るプレーは二回あり、一回目は翼くんがインプレー中に、ゴールポストとゴールバーをすばやく蹴って高くジャンプしたプレー。
二回目は、セットプレーのコーナーキックに対抗するために、来生くんと滝くんがあらかじめゴールバーに登った状態でコーナーキックのセンタリングを待ち構えたプレー。
いずれもゴールバーの上に立ったのは、フィールドプレーヤーである。
しかし、「がんばれ!キッカーズ」でゴールバーの上に登ったのは、フィールドプレーヤーではなくキーパーの本郷キャプテンなので、その点は違う。
また、ゴールバーの上への登り方だが、来生くん・滝くんの登り方は不明だが、翼くんの登り方は、ゴールポスト、ゴールバーを連続で蹴って登っているのに対し、「がんばれ!キッカーズ」の本郷キャプテンは、ゴールバーに両手でつかまって鉄棒の逆上がりの要領で登っているので、登り方も違う。
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最後の翔くんのシュートは、ゴールに入るがタイムアップのためにノーゴールの判定。
キッカーズは、決勝まで勝ち上がり、善戦はしたものの、優勝は逃し地区予選は終わる。
県予選を勝ち上がり、全国大会でも優勝する「キャプテン翼」とは違う。
「がんばれ!キッカーズ」は、おんぼろチームが懸命に努力する様子を描いたマンガであり、県予選、全国、世界大会、あるいは小学生、中学生、プロとカテゴリ内でトップの実力でステップアップを繰り返す「キャプテン翼」とは、根本的に違うのである。
ここが似てるぞ!
・主人公チームのメンバーが、守備のためにゴールバーの上に登ってジャンプするシーンがある。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:ゴールバーの上に登るのはフィールドプレーヤー。
キッカーズ:ゴールバーの上に登るのはキーパー。
キッカーズ:ゴールバーには、逆上がりの要領で登る。
キャプテン翼:県予選で優勝、全国大会で優勝。(小学生編、中学生編ともに)
キッカーズ:地区予選の決勝戦で敗退、全国大会には行けない。(一年目)
次回は、コミックス13巻の「新しいスタート!の巻」。