「こちら葛飾区亀有公園前派出所」14巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1980年8月発売)
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●おおティータイムの巻
ストーリー
京都で高級な黒楽茶碗を入手した部長は、麗子と中川を自宅での茶会に招く。
部長は両さんを誘うつもりはなかったものの、娘のひろみの和服姿が見たいと両さんもついて行くことに。
単にお茶を飲むだけと思っている両さんだが、堅苦しい茶道のマナーに四苦八苦。部長のイライラは募る。
そんな折、部長が中座した間に、両さんが部長の大切な黒楽茶碗をアクシデントで割ってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、大原ひろみ
部長宅での茶会の話。
39巻「部長邸お茶会事件の巻」でも茶会が開かれるが、こちらの話では黒楽茶碗は健在。
「麗子ちゃんは女性だからしっとるだろうが中川は茶の心得はあるのか?」という部長のセリフからは、茶道は女性のたしなみとして当然だったという時代性を感じる。
部長の月給より高いという黒楽茶碗の価格は40万円。部長の月給は40万円未満なのかと思うが、当時1979年の大卒初任給は11万円ほど。
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●ねんころりん!?の巻
ストーリー
夜勤で部長たちが外出している間、両さんは一人派出所で留守番。
うたた寝をしてた両さんが目覚めると、派出所には手紙を持った幼児の姿があった。
手紙は幼児の母の残したもので、捨てた子供の面倒を頼むという内容。幼児は母に捨てられたのだった。
署に届けを出すも、誰かが一晩預かることに。
麗子が面倒を買って出るも、幼児は両さんにしか懐いていない。
両さんは仕方なく、ニコニコ寮に連れて帰ると、風呂に入れたり、食事の世話をしたりと、何かと面倒を見るのだった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、股崎、吉原トメ(白浜カトリーヌ)(寮母)
両さんが幼児を一晩預かる話。
幼児の年齢は明らかにされていないが、片言で少ししゃべれる程度の年齢。
留守番をしている間、両さんが読んでいた雑誌は平凡パンチ。
幼児の母の手紙について、読み上げた両さんのセリフでは「この子をよろしくたのみます おろかな母親より」となっているが、絵で描かれている文面は「びっくり ねーちゃん かわいい つるこう」と書かれている。「つるこう」はおそらく笑福亭鶴光。
最終的には、両さんも幼児に愛着を示すようになり、ウルトラマンの人形をウキウキで買ってあげていた。ただ、愛着を持ったきっかけは、剣菱の酒を幼児が飲めると気付いたことという、真っ当な大人の感覚ではないものだった。
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●わがよき友よ!?の巻
ストーリー
大ファンの春日八郎のLPレコードを購入した両さんは、最近ハマり出した中川のオーディオで楽しんでいた。
春日八郎の特別公演が新宿コマ劇場であると知って、両さんは中川、麗子と新宿へ向かう。
憧れの春日八郎に会うとあって、ガラにもなくネクタイをし、緊張しまくる両さんだったが、公演が始まると充分に楽しむ。
公演後、上機嫌の両さんは行きつけの神田の寿司屋に入る。寿司屋に置いてあったカラオケで盛り上がる両さんだったが、店に入って来た客とケンカになってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
大ファンの春日八郎の特別公演に行く話。
麗子も音楽好きで、この年(1979年)の来日公演として、ロッド・スチュアート、リンダ・ロンシュタット、ジャパン、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、アバの名前を挙げている。
上記の公演に対し「お金が たりなくなるわけね」と麗子が語っている。この頃の麗子はお金持ち設定ではない模様。
アース・ウィンド・アンド・ファイアー - Wikipedia
一方、中川はロッド・スチュアートのチケットが取れなかったので、本人に来てもらい、中川一人のために演奏してもらうという富豪っぷり。中川の祖父はビートルズを3日間、家に泊めたことがあるらしい。
両さんの行きつけの寿司屋は神田にあるが、後に登場する超神田寿司ではない。
タイトルの「わがよき友よ!?」は、ラストの展開から。
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●本官は勤務中!の巻
ストーリー
麗子が東京見物をしたいというので、勤務中に中川・麗子と浅草・雷門にやってきた両さん。
次に麗子は遊郭のあった吉原見物を希望するが、吉原は実家の佃煮屋のあるところなので、「浅草へは二度とこない」と実家を飛び出してきた両さんは行きたがらない。
結局、吉原には行かずに浅草のウナギ屋に入ると、そこに偶然いたのは両さんの父・銀次。
疎遠だったのに、ばったり出会ってしまった父と子は、ぎこちない他人行儀な会話を交わす。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、両津銀次
父・銀次の初登場回。
両さんは競馬をやるが、銀次は「オートレースの鬼」と呼ばれるオートレース好き。
中川たちに、実の父と説明したくない両さんは「今の人の奥さんが…… 数十年前にわしを うんでくれたような気が……」と迂遠な説明をしている。
「六区の鉄砲玉」もしくは「六区の銀狐」と恐れられていた(自称)銀次の背中には「昇り龍」の入れ墨が入っている。しかし、入れ墨の痛さに耐えきれず、龍の目しか入っていないらしい。
登場はしないが、弟・金次郎も名前だけこの回で初登場。弁護士をしているという設定も、この回で言及されている。
金次郎については、少年時代の姿の初登場が20巻「ガキ大将!勘吉の巻」、現在の大人の姿での初登場が25巻「両津家の人びとの巻」。
タイトルの「本官は勤務中」は、銀次と飲みに入った行きつけの三吉の店を去る際の両さんのセリフから。そう言って母のいる実家に戻ることを拒んでいた。
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●ファイター!!の巻
ストーリー
金融機関への強盗が多発。
両さんは郵便局に切手を買いに行くついでに、郵便局の中を警戒するが、強盗と間違えられて騒動を起こしてしまう。
今度は事件が発生してからの訓練として、プレハブの中に立てこもった犯人を捕まえるシミュレーションを始める。
犯人役にはホームレスのフータロー、人質役には麗子を配し、モデルガンで武装したフータローに対峙する両さんたち。
しかし、人質役の麗子の的確なアドバイスで、意外にも素人のフータローに苦戦する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸塚金次、フータロー
前半は郵便局で強盗に間違われる話、後半は対強盗の訓練を行う話。
強盗多発のニュースを聞いて「はたらくより てっとりばやいからなあ」と両さんは感想を漏らす。
そんな発言をする割には、郵便局では強盗の警戒をしていて、警察官としてのやる気はある模様。
郵便局では制服姿だと犯人に警戒されるので、トレンチコートでサングラス姿で変装していた。そのせいで逆に怪しまれることになる。
火の中に飛び込む前に、水をかぶろうとして誤って石油をかぶるのは「こち亀」では、今後も良く見るパターン。
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●バイク男・本田!!の巻
ストーリー
白バイ警官の本田の取り締まりは過激。
暴走するバイクに追いついて、走行中に蹴飛ばして止めたり、信号無視の車のボンネットにバイクでボディープレスをかけてフロントガラスを蹴破ったりと、元暴走族の激しい取り締まりを見せていた。
そんな本田だが、バイクを降りると途端に気弱で臆病な青年に変貌。
元が気弱なのだが、バイクに乗っている間だけ強気になるのだった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、本田速人
ジキルとハイド的な性格の白バイ隊員・本田の初登場回。
本田のダイナミックなバイクアクションだけで、話の半分以上が埋められている。
初期の本田はアクション要員の要素が強い。
本田が走行中に歌っているのは矢沢永吉の「ライフ・イズ・ヴェイン」。
I LOVE YOU,OK (アルバム) - Wikipedia
この話での本田は、中川とは初対面だが、両さんとはすでに顔見知りの設定。そのため、両さんが本田の性質を中川に説明している。
本田は自分の上司について「さぼってるところみつかると うるさい」と語っている。しかし、その後も本田がサボっているのは常態化している。
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価格:1474円 |
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●ミスター・ズウの巻
ストーリー
子供と上野動物園に行く約束をしていたが、法事で行けなくなった寺井は、両さんに代わりに子供たちを動物園に連れていくことを頼む。
当日、寺井の息子の生意気さに手を焼いたり、サル山のサルとケンカになったりと、動物園でも両さんはトラブルになるのだった。
うっかり寺井の息子たちとはぐれた両さん。園内を歩き回っていると、警察官の制服を着ているためか、次々と他の迷子の面倒を引き受けることになる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸塚金次、寺井洋一
寺井の息子二人と動物園に行く話。
息子は、寺井にそっくりなメガネの大人しい兄と、生意気な弟と、兄弟なのに性格は違っている。
タイトルの「ミスター・ズウ」の元ネタは香港映画の「Mr.Boo!」か。
サル山のサルに向かって、両さんが投げつけている空き缶は、バヤリース・オレンジ。「バヤリース坊や」がデザインされた缶だった。
ナマケモノの檻には「なまけもの 日本産 マンガ科」と書かれている。
20巻「親をよべ!の巻」では、寺井の息子たちと今度は東京タワーに行っている。
冒頭、両さんは走行するトラックにつかまって、自転車を走らせて通勤しているが、猛スピードで派出所に突っ込むはめになる。
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●がんばれ!チャーリーの巻
ストーリー
チャーリー小林はCMソングが大ヒットし、今や時の人に。
派出所を訪れたチャーリーは、初めて会う麗子を気に入り、早速デートを申し込む。
麗子の趣味がバイクと聞き、ハーレーを購入しデートに現れるチャーリーだが、実は免許がない。
大型バイクを押して歩き、レストランまでたどり着くチャーリーと麗子。しかし、チャーリーはコンサートをすっぽかして来ていたのだった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、派出所の犬、本田速人、チャーリー小林
スターになったチャーリー小林が麗子とデートする話。
チャーリーにデートに誘われ、「光栄ですわ」「チャーリー小林さんとデートなんて楽しみだわ」と麗子は語っている。なお、チャーリーがスター扱いされるのは、この回だけ。
68巻「チャーリー小林有名(メジャー)化計画!の巻」では、すっかり落ちぶれている。1曲だけのヒットだったらしい。
チャーリーがCMソングを歌っているのは、大正製薬のビロン内服液(実際の製品名はビではなくピロン内服液)。眠気覚ましのアンプルで、よくマンガ家が飲んでいると作中で言及されている。
チャーリーのコンサート会場は、芝の郵便貯金ホール。後のメルパルク東京。
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●酒飲むべし!の巻
ストーリー
父の勧めるお見合い話のため、神戸に帰郷することになった麗子。
面倒くさがりで東京を出ることのない両さんの見聞を広めさせる目的で、部長の勧めで両さんも連れていくことに。
神戸の牛肉目当てについて来た両さんは、観光には興味がなかったが、神戸ポートタワーに大ハシャギ。
その神戸の地では、麗子は知らない人のいない大金持ちの娘だと知り、両さんは驚く。
タクシー運転手に、神戸は日本酒が有名と聞いた両さんは、剣菱酒造の酒蔵を見学させてもらう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、秋本カトリーヌ麗子、派出所の犬
麗子について神戸に行く話。
次の「ビーナスブリッジ!の巻」にも続くので実質、前後編の前編。
麗子が両さんを連れていく経緯はやや強引ながら、競馬場とパチンコしか知らない両さんの見聞を広めてやろうという部長の親心から。
ポートタワーの望遠鏡の使用料は50円と描かれている。麗子からもらった500円札を崩して、両さんは望遠鏡を使っていた。500円の硬貨が出るのは1982年からで、当時の500円は紙幣。
麗子が貿易商の娘で、大金持ちの設定が出てくるのは、この回が初。コーヒー代は顔パスのサービスでタダ、タクシーも「わたしの家まで」で通じてしまうお金持ちだった。
終盤、見学する剣菱酒造は実在の酒造会社。
タイトルの「酒飲むべし」は頼山陽の言葉から。
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価格:3115円 |
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価格:880円 |
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●ビーナスブリッジ!の巻
ストーリー
アラブの皇太子とのお見合いのために帰郷した麗子だが、お見合いはほったらかしで麗子は両さんと神戸の街にドライブに出てしまう。
両さんが神戸にいると派出所で聞いて、バイクで東名を飛ばしてきた本田も合流し、両さんたちはビーナスブリッジで神戸の景色を楽しむ。
三人が観光をしていると、暴走GT-Rが荒っぽい運転で子供をひきそうになる。
麗子はその暴走車に怒り心頭。麗子の車と本田の白バイで暴走車を追い詰める。
主な登場人物
両津勘吉、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
神戸に行く話の後編。
冒頭、「おやじさん 麗子のことよんでいたぞ」と両さんが言っているが、麗子の父は作中に登場しない。父・飛飛丸が登場するのは45巻「固い絆!?の巻」。このときも、麗子の見合いで神戸に帰郷するが、両さんとは手錠でつながっているという話。
両さんは32回見合いをして、ことごとくフラれていると言及されている。
本田は「バイク男・本田!!の巻」が初登場なので、麗子とはこの回が初対面。以降は、遠方であってもバイクでどこでもやってくるキャラとなる。
オチの本田は、バイクの乗降で性格が変わるだけでなく、記憶も別人格になっているかのような描写になっている。
三人は神戸を観光しているが、時代的にポートアイランドはまだない。
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本田と両さんの父・銀次が初登場となる巻。
麗子については大富豪の令嬢との設定が、この巻で判明する。
特に1期、2期という区分はないが、両さん、中川、戸塚、寺井の四人が基本だったのを1期とすると、麗子や本田が加わったこの頃から「こち亀」2期という感じがする。
「ねんころりん!?の巻」「ミスター・ズウの巻」と、この巻は両さんが子どもの面倒を見る話が二話も収録されている。