「機動戦士ガンダム」シリーズを観たことのないガンダムビギナーが、最新作「閃光のハサウェイ」に追いつけるためのまとめ。
前回までで、一作目「機動戦士ガンダム」(ファースト)について説明。
前回までの記事をさらにまとめると、
・戦争の原因は、地球に残った住民(アースノイド)と宇宙移民(スペースノイド)の格差。
・ジオン公国が地球連邦から独立のための戦争を仕掛け、新兵器モビルスーツで優位に立つが、地球連邦もガンダムなどの新型モビルスーツを開発。
・民間人アムロ・レイは成り行きでガンダムに乗り込み、戦争に巻き込まれていく。
・ジオン公国のトップのザビ家は、内紛とザビ家を父の仇と信じるシャアの暗殺により壊滅(ミネバ以外)。
本記事では、以降のシリーズについて解説していく。
・後のZガンダムにつながる「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」
「機動戦士ガンダム」(ファースト)で描かれた一年戦争(宇宙世紀0079.1.3~0080.1.1)から約3年後の宇宙世紀0083のデラーズ紛争を描いた作品。
ジオンの残党を率いるエギーユ・デラーズが引き起こした紛争で、南極条約で禁止されているはずの核兵器(連邦がこっそり運用しようとしていた)を奪ったり、こちらも南極条約で禁止のコロニー落としを仕掛けようとするのを、主人公コウ・ウラキらが阻止しようとするストーリー。
作品の時系列的には「機動戦士ガンダム」(ファースト)(0079)と「機動戦士Zガンダム」(0087)の間にあたるが、アニメ作品としては「機動戦士Zガンダム」のテレビ放映後の作品。
このデラーズ紛争があったことが、第二のジオンの出現を懸念するアースノイドにスペースノイドを危険視する風潮を加速させ、「機動戦士Zガンダム」で登場するティターンズを生み出すことにつながっていく。
最新作「閃光のハサウェイ」についていくためには、この作品は特に観なくても大丈夫だと思う。
しかし、ジオンに忠誠を誓い古武士のようなカッコよさのアナベル・ガトーや、美しくしたたかな強さを持ったシーマ・ガラハウといった魅力的なキャラも出ており、見どころは充分である。
なお、本作のヒロイン、ニナ・パープルトンは、ファンの間では“紫豚”と揶揄されるほど嫌われており、歴代ガンダムヒロインの中でもトップクラスの嫌われっぷりなのだが、その嫌われ度合いが妥当なものかは作品を観て確認してもらいたい。
本作は全13話のOVAとして発表されたが、再編集された劇場版も存在する。(劇場版の内容はOVA版をまとめたもの)
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・地球連邦が敵? 三つ巴の争い「機動戦士Zガンダム」
一作目の「機動戦士ガンダム」から約7年後の宇宙世紀0087のグリプス戦役を描いたテレビアニメ作品。
グリプス2というコロニーレーザーを巡った争いのためグリプス戦役と呼ばれている。
一年戦争(とデラーズ紛争)を経て、「地球至上主義」を提唱するエリート部隊ティターンズが結成される。
ティターンズはジオンの残党狩りを名目に、スペースコロニーに住むスペースノイドを弾圧するようになり、ついにはコロニーに毒ガスを使う虐殺に至る。(30バンチ事件)
ティターンズの圧政に対抗する組織として、反地球連邦組織エゥーゴが結成。
エゥーゴには、かつてジオンにいたシャア・アズナブル、ホワイトベースの艦長だったブライト・ノアらが参加。
ティターンズvsエゥーゴの抗争は激化していくが、そこにザビ家の遺児ミネバ・ザビを擁するジオンの残党が小惑星アクシズとともに地球圏に帰還。
ティターンズvsエゥーゴvsアクシズの三つ巴の争いになっていく。
前作では主人公陣営だった地球連邦が敵(正確にはティターンズは連邦の一組織)、前作では敵だったシャアが味方、そして主人公は前作のアムロ・レイではなくカミーユ・ビダンと、前作から大幅な変更を加えてきた「機動戦士Zガンダム」。
この作品で大幅な変更を行ったことが、一作目からの脱却をすることができ、後のシリーズにつながっていったのだと思う。
主人公カミーユ・ビダンは、ニュータイプ能力を持った民間人の少年。
ティターンズの開発したガンダムMk-Ⅱを強奪しエゥーゴに参加。
後にカミーユ自身が設計に加わったZガンダムに乗り、エゥーゴのエースパイロットとなっていく。
前作で主人公アムロのライバルだったシャア・アズナブルは、クワトロ・バジーナと名を変えて、エゥーゴに参加、カミーユを導く立場になっている。
今回も正体を隠しているのだけど、デカいサングラスに真っ赤なノースリーブと相変わらずハデな恰好を好んでいる。
この人は正体を隠す気があるんだろうか……
また、エゥーゴには物語の途中からアムロ・レイも参加するので、本作ではアムロとシャアは共闘することになる。
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最新作「閃光のハサウェイ」に追いつくためには、本作も観なくても大丈夫だと思う。
ただし、ブライト・ノアの家族として7歳のハサウェイは登場するので、全くの無関係ではない。
「機動戦士Zガンダム」は全50話のテレビアニメとして1985~1986年に放映されたが、2005~2006年にかけて三部作の劇場版も制作されている。
劇場版はテレビアニメの映像を再編集しているが、新撮カットも多く、何より結末が全く異なっているのが特徴である。
テレビアニメ版は悲劇的なラストだが、劇場版はそうはなっていない。
どちらがふさわしいラストかは、実際に観て確かめて欲しい。
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・ファンの評価はイマイチ「機動戦士ガンダムZZ」
「機動戦士ガンダム」、「機動戦士Zガンダム」に続くテレビアニメ三作目の本作。
「機動戦士ガンダム」(ファースト)が1979年、「機動戦士Zガンダム」が1985年に放送開始で、この2作の間には期間が空いているが、「機動戦士ガンダムZZ」は「機動戦士Zガンダム」の翌年1986年に放送開始している。
前作「機動戦士Zガンダム」で描かれたグリプス戦役において、ティターンズvsエゥーゴvsアクシズの三つ巴の争いだったのが、ラストでティターンズが壊滅。
「機動戦士ガンダムZZ」は、その直後のストーリーとなる。
ティターンズの壊滅後、小惑星アクシズを本拠とするジオンの残党はネオ・ジオンと名を変え、ザビ家の遺児、ミネバ・ザビを擁立しジオンの再興を試みる。
グリプス戦役で、シャア(クワトロ)は行方不明、カミーユは精神崩壊、と戦力が大幅ダウンとなったエゥーゴだったが、ジャンク屋を営む少年ジュドー・アーシタらを加え、ネオ・ジオンに立ち向かっていく。
というのが、「機動戦士ガンダムZZ」のストーリーだが、前2作に比べ明るくコメディ色の強い作風のためか、ファンの評価は低い……
「閃光のハサウェイ」の予習としては特に観る必要のない作品。
強くオススメはしないが、他のシリーズ作品を観て、「それでもやっぱりZZも観たい」と思ったら観るくらいの優先順位で充分だと思う。
本作は、テレビアニメ全47話のみで劇場版はない。
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