「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス16巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
新入部員が増えて大所帯となったキッカーズ。
しかし、練習ばかりで、いつまでも試合に出れないことで、新入部員の不満はたまってきていた。
不満の新入部員のうち、退部を申し出る者もあらわれて来た。
退部するメンバーを止めようとする栗田(どんぐり)だったが、逆に「おまえといっしょにするな! おまえのようなへたじゃないんだからな。」と暴言を吐かれてしまう。
この暴言に、どんぐりが頑張っていることを知っている金時が激怒。
どんぐりとサッカーで勝負をつけるように迫る。
翔・どんぐり・金時の三人と退部希望の三人との3vs3で、先に1点を取った方が勝ちとなるルールの勝負が始まる。
退部希望の三人は、翔と金時だけが強敵でどんぐりはものの数ではないと侮っていたが、どんぐりの実家のラーメン屋の出前で鍛えたステップで、フェイントを交えたドリブルがさく裂。
どんぐりたちのチームの勝利が決まった。
下手と侮っていたどんぐりのサッカーが上手くなっていた事実に打ちのめされた退部希望者たちは、再びキッカーズの練習に加わるのだった。
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やっぱり、何でもサッカー勝負でもめ事を解決してしまう「がんばれ!キッカーズ」。
「キャプテン翼」では、「中学生編」で全国三連覇を目指す南葛中のメンバーに、キャプテンの翼くんが、厳しい練習を課して喝を入れるシーンがあるが、退部うんぬんでもめることはない。
しかし、作中でどのくらいの時間が流れているのかは不明だが(日めくりが破られて時間の経過を示す演出はあるものの、4日分しかない)、入ったばかりで試合に出られないくらいで辞めようとするのは、キッカーズの姿勢に問題があるというより、新入部員の方に問題があるように思う。
「塾に通う時間がなくなった」「試合に出られない」「練習がきつい」というのが、新入部員たちの言い分だけど、新入部員たちはキッカーズをどのくらい楽な部だと思っていたのか。
ちなみに、キッカーズのレギュラーメンバーは、新入部員の面倒を見て、新入部員を返した後で、自分たちの練習をこなしている。
このマンガは1980年代に連載された30年以上前の作品だけど、新人が組織内に所属した後に、入る前のイメージとのギャップを感じるのは、今も当時も、学校の部活での会社でも、いずれも変わらないのかもしれない。
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ちなみに、キッカーズの新キーパー・金時くんも、前キーパーの本郷くんと同じく、被っている帽子は、「アディダス」。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:サッカーを辞めようとするメンバーはいない。
キッカーズ:新入部員がチームを辞めようとする。
次回は、新チームでの初試合。