「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス16巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
新年度になり、キッカーズも新チームに。
新入部員を募集するキッカーズだったが、前年に地区予選で準優勝の結果を残したキッカーズは、かつてのおんぼろチームのイメージを払拭しており、大ぜいの入部希望者を迎えることになった。
本郷キャプテンの後を継いで、新キャプテンに就任した健太は、入部希望者はすべて受け入れる方針とする。
その理由は、自分たちも優れた選手ではなかったが、懸命な練習で結果を残すことができたからで、能力による選別は行わない、というものだった。
ひとまず、全員でのランニングを始めると、一着は新入部員の少年。
少年は、北原小の五年生の一ノ瀬金時、強豪・最上イーグルスでキーパーの経験があり、
「本郷の抜けたキッカーズのゴールを守れるのは自分しかいない」「ついでにキャプテンも任せてくれたら まちがいなく全国大会へいける」と豪語する金時。
大きな口を叩く金時に、キッカーズのメンバーは反感を覚えるが、健太の蹴ったシュートがゴール枠を外すことを瞬時に見抜き、高い能力を示す。
次に、エースの翔が金時と勝負をすることに。
翔のシュートをパンチング、キッキングではじく金時。
負けじと翔も弾かれたボールを何度も蹴り返す。
最終的には、翔のバナナシュートが決まり、翔の勝利となるが、ゴールを決められた後に、悔し涙をながした金時をキャプテンの健太が気に入り、キッカーズに新キーパーの入部が決まるのだった。
![]() |
がんばれ!キッカーズ(16)【電子書籍】[ ながいのりあき ] 価格:462円 |
年度が改まり、二年目のシーズンがスタート。
生意気な新入部員が入ってくるというのが、今回のエピソード。
上の学年のメンバーが卒業で去ったといっても、「テニスの王子様」の青春学園のようにレギュラーメンバーの過半数が最高学年という編成ではないため、キッカーズの場合、本郷くん、直人くんの二人しか去っておらず、卒業生の影響はあまり大きくない。
![]() |
価格:408円 |
さて、「キャプテン翼」を見てみると、「小学生編」で主人公の翼くんは六年生、「中学生編」でも三年生と、どちらも最高学年のため、大会後、二年目のシーズンが始まることはない。
さらにいうと、沢田タケシ(明和FC・東邦学園)、佐野満(比良戸中)のように、下級生キャラは対戦相手チームにしか登場せず、主人公チームのレギュラーに下級生は出てこない。
「キャプテン翼」で、主人公に生意気な態度の下級生キャラといえば、新田瞬くらい。
新田くんは小学生時代は南葛SCで全国優勝、高校時代は南葛高校なので、主人公・翼くんの後輩の印象もある。
しかし、翼くんは中学卒業後、ブラジルに渡ったため、南葛高校には進学しておらず、南葛高校で同じチームにいたことはない。
小学生時代の南葛SCにしても、南葛SCは南葛市の各小学校から選手を選抜したチームのため、同じ南葛SCでも年が変われば別チームであり、同時期にチームに在籍した描写はない。
(翼くんの時代の南葛SCのメンバー15名のうち、最初のスタメン11名+石崎、森崎と13名が判明しているが、残り2名は不明。
この2名に新田くんが含まれていた可能性も考えられるが、それだと大友中との対戦前に翼くんが南葛SCの監督の元に新田くんのことを聞きに行く展開が不自然になるため、同じチームではなかったと考える方が自然)
![]() |
価格:669円 |
さて、新キャプテンの健太くんに、悔し涙を気に入られキッカーズへの入部が決まった金時くんだが、実は悔し涙ではなく、シュートを取ろうとしてバック転をしたときに頭を打ち付けた時の痛みの涙だった、というのがこのエピソードのオチ。
それにしても、金時くんに栗田くん(通称:どんぐりくん)、と新入部員が栗にちなんだ名前ばっかりなのは、どういう意図があったのか不明。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:二年目はない。
キッカーズ:二年目がある。
キャプテン翼:主人公チームに下級生キャラはいない。(小学生編、中学生編)
キッカーズ:主人公チームに生意気な新入部員が入ってくる。
次回は、「金時くんのひみつの巻」。