キャプテン翼は、とても交通事故が多いマンガである。
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〇事故1
まず第1話で主人公・翼がトラックにひかれる。
(ただしサッカーボールがクッションになり無傷)
〇事故2
ライバルチームのキーパー・若島津が小学生時代に、チームへの合流が遅れた理由が、犬を助けようとして、トラックにひかれ、肩と足の骨を折って1か月近く入院したため、と明かされる。
〇事故3
フランスで行われる国際Jr.ユース大会の直前、西ドイツで全日本チームに合流しようとした翼が車に乗っていると、車の前でシュナイダーの妹が転倒してしまい、車にひかれそうになる。
そこを間一髪、通りがかったヘルナンデスがシュナイダーの妹を抱え上げ助ける。
正確なところをいえば事故は回避されたのだが、この事故の関連人物が興味深い。
車に乗っていたのが、後に大会優勝のチームのキャプテンであり、大会MVPを獲得する大空翼。
事故に会いそうになったのが、大会準優勝の西ドイツのキャプテンでヨーロッパNo.1ストライカー・シュナイダーの妹マリー。
マリーを助けたのが、大会優勝候補のイタリアのキャプテンでヨーロッパNo.1キーパーのヘルナンデス。
つまり、この後の大会の主要人物とその家族が関わった事故なのである。
ところが、こんな主要人物総登場の事故にも関わらず、以降のストーリーにこの事故のことは一切触れられない。
翼とヘルナンデスが遠目に、「あいつ、あのときの」と心中で思うだけである。
この事故が、ヘルナンデスのキーパーとしての能力の高さを示すでもなく(妹を抱える際のキャッチングの確実さを示すとか)、ヘルナンデス攻略の糸口になるでもなく、何の伏線にもならずに終わるのだ。
ヘルナンデスとシュナイダーに至っては、妹の命の恩人なのに、何の絡みもない。
一体、この事故は物語の構成上、必要だったのか、甚だ疑問である。
〇事故4
ワールドユース編のライバル・サンターナの養父母の死因が交通事故。
〇事故5
日本のエースストライカー日向の父親の死因が、トラック運転をしていて無理な割込みの乗用車を避けようとして事故を起こしたためと明かされる。
〇事故6
ワールドユース直前に母の再婚相手との子である妹・美子がトラックにひかれそうになったのを救おうとして、翼のパートナー・岬は左足に大ケガを負う。
〇事故7
ワールドユース本選、決勝トーナメント初戦の相手、スウェーデンのキャプテン・レヴィンは、1年前に交通事故で幼なじみでフィアンセのカレンを失っていることが明かされる。
〇事故8
ワールドユース本選、決勝トーナメント初戦スウェーデン戦の直前、日本の守備の要・松山の恋人、美子が交通事故にあって危篤状態となる。
事故7と8はセット。
フィアンセを事故で亡くしたレヴィンと、恋人が事故に遭った松山とが対比されているので、ここは物語上事故が連続するのは仕方のないところか。
しかし、事故6の岬の妹の名前が美子で、事故8の松山の恋人の名前も美子。
女性キャラの少ないキャプテン翼で名前がカブっているだけでなく、どちらも交通事故に遭ってしまうのは、高橋陽一先生は「美子」という名前によっぽどの思い入れがあるのではないだろうか?
〇事故9
オリンピックで対戦したオランダU-23キャプテンのクライフォートの兄が、20台以上の玉突き事故に巻き込まれ死亡。
交通ルールの大切さを学ばせてくれるマンガ、それがキャプテン翼。