「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス16巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
卒業を控え、六年生の本郷キャプテンと直人の最後の日が近づいてきたが、キッカーズの時期キャプテンは決まっていなかった。
エースでチームの人望もある翔だが、新五年生のため、年齢的に不足。
新六年生の中では健太が順当だが、学らは納得がいかない。
本郷キャプテンは、新チームのためにあえて時期キャプテンを指名しない方針だったが、新キャプテンの座を巡ってチームがケンカをしていることに激怒。
雨の降る中、グラウンドに出て、サッカーの勝負で決めることに。
勝負は、一対一のPK対決。
キーパーを務める本郷キャプテンからゴールを割った者が、次期キャプテンとなるルール。
最初の健太、次の学のシュートは、どちらも本郷キャプテンにあえなくキャッチされてしまう。
次の挑戦者は翔。
翔の強烈シュートは、本郷キャプテンもキャッチには至らず、パンチングで弾くのみ。
弾かれたボールを再度、翔が繰り返しシュートを放つが、二人の勝負は互角、テニスのラリーのように翔のシュートと本郷キャプテンのパンチングが繰り返される。
ぬかるみに滑った本郷キャプテンのパンチングで、ボールがサイドを割りそうになるが、健太らキッカーズのメンバーがこのボールをヘディングで翔に戻す。
結局、翔のシュートはキャッチされてしまうが、泥まみれになりながら、チーム一丸になって二人の勝負を見守ることで、チームワークの大切さを思い出す。
卒業の日、キッカーズ在籍メンバーは12人全員が写った写真のパネルを渡し、卒業の二人からは激励の言葉が贈られ、本郷と直人はキッカーズを後にするのだった。
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キッカーズは、元々公式戦未勝利のおんぼろチームだったワケだけど、小学生で六年生が二人しかいないチームは、弱小でも仕方ないような気がする。
さて、今回のエピソードは、新チームのキャプテンを巡ってのもめ事を、サッカーで解決しようとする話である。
「がんばれ!キッカーズ」は、もめ事があるたびに、サッカーで決着をつけようとする展開が多すぎるように思う。
以下、これまでの事例。
弱小のキッカーズと強豪の南陽SCで試合をして欲しいけど、格が違う。
→サッカーで決着をつける。PK勝負で試合を受ける実力があるか判断。
朝練をしたい翔たちと、したくない健太たちが対立。
→サッカーで決着をつける。
海光学園にキッカーズを下手くその見本と侮辱される。
→サッカーで決着をつける。
藤村姉妹の末っ子ルミがキッカーズにいじめられたかもしれない。
→サッカーで決着をつける。負けたら廃部。
一匹狼の兵藤俊にキッカーズに入って欲しい。
→サッカーで決着をつける。ドリブルする俊からボールを奪えたら入部。
兵藤俊をエースと本郷キャプテンが認めない。
→サッカーで決着をつける。
健太と、いとこの健介がけんか。
→サッカーで決着をつける。リフティング勝負に。
たけし・きよしを芝浦FCからキッカーズに返して欲しいが、監督が拒否。
→サッカーで決着をつける。
青風クラブのマイクがキッカーズを侮辱。
→サッカーで決着をつける。
新キャプテンが決まらない。
→サッカーで決着をつける。
「キャプテン翼」でも、「小学生編」第一話でグラウンドの使用権を巡って翼くんと若林くんが対決したり、「中学生編」でチームを無断離脱した日向くんを決勝の南葛中戦に出場させるか、日向vs反町・タケシ・若島津の対決で決めたり、とサッカーで決着をつける場面が出て来る。
とはいえ、「小学生編」の食堂で小競り合いになった日向くんと松山くんが「表に出ろ。サッカーで勝負だ」とはなっていないし、
(その後、公式に試合で対戦はしたけど)
「Jr.ユース編」で合宿に参加していない翼くんを全日本Jr.ユースに入れるかどうかでもめた時も、サッカー勝負で決着はつけておらず、必ずしもサッカー勝負で決着をつけているワケではない。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:サッカーでもめ事の決着をする場合が何度かある。
キッカーズ:もめ事の決着は何でもサッカー勝負。
次回は、「ニューキッカーズの誕生の巻」。