2026年6月18日「魔老紳士ビーティー」の単行本が発売となった。
「魔老紳士ビーティー」は、「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦先生の初連載作品「魔少年ビーティー」の主人公のその後を西尾維新先生と出水ぽすか先生が描いた作品だ。
本記事では、「魔老紳士ビーティー」の作品全体と収録された全話のあらすじについて紹介していく。
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●「魔少年ビーティ-」とは
まず、本作の元ネタである「魔少年ビーティー」について紹介しておこう。
「魔少年ビーティー」は、1983年に少年ジャンプで連載された作品で全1巻。
この作品が荒木先生にとっての初連載作品となる。
「魔少年」というワードから、未読の方は何らかの特殊能力を持った主人公をイメージするかもしれないが、ビーティーにはスタンド能力のような超能力は何もない。
彼が駆使するのは手品のようなトリックである。
「精神的貴族」を自認して常に自信タップリ、親友の公一からは「良心罪悪感ゼロ」と評される中学生ビーティーが、得意のトリックを使って悪だくみをしたり、悪人と戦ったりするのが「魔少年ビーティー」という作品なのだ。
また、主人公の名前は「ビューティー(beauty)」ではなく「ビーティー(B.T.)」である。
これは本作が、語り手・公一が読者にビーティーの逸話を語っている構成なのだが、関係者からの怒りを買うおそれから仮名のイニシャルにして語っているという設定になっている。
なお、B.T.のイニシャルの元ネタは「コブラ」の寺沢武一先生と言われている。
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●西尾維新先生、出水ぽすか先生の原作愛に満ちた作品
そんな「魔少年ビーティー」のビーティーと公一が年齢を重ねてからの物語を描いたのが今回紹介する「魔老紳士ビーティー」だ。
「JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN」の西尾維新先生、「約束のネバーランド」の出水ぽすか先生のコンビで描かれた本作だが、とにかく「ジョジョ」をはじめとした荒木作品への愛であふれている。
作中いたるところに、荒木作品を基にした小ネタが仕込まれており、それらをリストアップすると、おそらく一コマ一コマごとに小ネタを挙げなければならないのでは、と思えるほど小ネタだらけだ。
セリフに含まれるのはもちろんだが、擬音の使い方も荒木先生っぽいし、荒木先生のファンならニヤリとする小ネタが満載となっている。
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●「魔老紳士ビーティー」のあらすじ紹介
さて、前置きが長くなってしまったが、本作「魔老紳士ビーティー」に収録されたエピソードのあらすじを簡単に紹介していこう。
・「魔老紳士ビーティー / そばかすの不気味老害事件の巻」
ストーリー
70代になった公一は不動産サギに遭い、全財産を失ってしまう。
既に妻に先立たれており、息子夫妻、孫夫妻からも愛想をつかされた公一の前に現れたのは親友ビーティー。
「くらわしてやらねばならん! 然るべき報いを!」ビーティーは、サギグループに報復のワナを仕掛ける。
70代になったビーティーと公一がサギグループと対決する話。
サブタイトルに「そばかすの不気味老害」とあるが、彼は「魔少年ビーティー」の最終話でビーティーと対決した「そばかすの不気味少年」の老いた姿。
彼は、この「魔老紳士ビーティー」シリーズ内で後々も出てくる。
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・「魔老紳士ビーティー / 婆(バア)シニアによろしく事件の巻」
ストーリー
西暦2060年、90代になったビーティーと公一は、個人用宇宙旅行船「クールショック」号で、気ままな宇宙旅行に出かけていた。
二人だけの宇宙旅行に突如、通信が入り「爆弾ニ ヨロシク」と告げられる。
ビーティーと公一は、船内に仕掛けられた爆弾を解除するが、犯人の狙いはもうひとつの大型な爆弾だった。
宇宙船の爆弾を解除する話。
メインの元ネタは、荒木先生の読切「バージニアによろしく」。
元ネタも宇宙船の中の乗組員二人とロボット一台が、何者かに仕掛けられた爆弾を解除する話。
70代ではヒゲ面だった公一のヒゲがなくなって、頭髪もやや寂しくなってきている。
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・「魔好青年ビーティー / 武装スモーカー事件の巻」
ストーリー
202X年ラスベガス、ビーティーはラスベガスでショーを演じるマジシャンとなっていた。
だが、彼は純粋にマジシャンとしてホテルに雇われているわけではない。
ビーティーがショーを務めるホテルのカジノに、ガンマン風の恰好のギャンブラーが現れ、35回連続で1点賭けのルーレットを当てるという通常ではあり得ない勝ちをしていく。
ビーティーは彼のような異常な勝ち方をするギャンブラー対策に雇われているのだった。
ディーラーとなったビーティーは、ガンマン風のギャンブラーとルーレット対決に挑む。
青年時代のビーティーがイカサマギャンブラーと対決する話。
タイトルやガンマン風ギャンブラーのキャラデザの元ネタは、荒木先生のデビュー作「武装ポーカー」から。
「武装ポーカー」は、アメリカ西部の開拓時代、二人の無法者がポーカーで対決する話。
公一は旅行でラスベガスを訪れた設定になっている。
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・「魔高校生ビーティー / 魔少年vs化少女(けしょうじょ)事件の巻」
ストーリー
高校生のビーティーと公一は、学校の旅行で訪れた大英博物館に忍び込む。
ビーティーの目当ては博物館の展示品「シャーロック・ホームズの脳」の強奪だった。
首尾よく目当ての品を盗んだ二人だったが、同じ物を狙う謎の女性が博物館の警備員を一網打尽に倒していたところに出くわす。
彼女はメイクを変えることで自身の体型までも変化させることができ「ゴージャス・アイリン」と名乗る。
ビーティーとアイリンは「シャーロック・ホームズの脳」を賭けて、コイン勝負をすることに。
大英博物館でゴージャス・アイリンと対決する話。
夜中の建物に忍び込み展示品を狙うのは「魔少年ビーティー」の「恐竜化石泥棒事件の巻」でもあった展開。
そしてゴージャス・アイリンの元ネタは、化粧で変身する殺し屋「ゴージャス★アイリン」。
「ゴージャス★アイリン」の読切は2本発表されており、連載の話もあったそうだが、当時の荒木先生は闘う女性主人公に抵抗があったので、連載には至らなった。
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・「盤外戦 / ゴージャス★トレイン事件の巻」
ストーリー
アイリンが駅でキップを買うところ、「そばかすの不気味少年」が声をかけ、購入の手助けをする。
キップの料金にかこつけて大金をせしめようと「そばかすの不気味少年」は、アイリンにカードを使った賭けを持ち掛ける。
「そばかすの不気味少年」とアイリンが対決する盤外戦。
4ページの超短編なので、ビーティーと公一は出てこない。
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●本作の元ネタは短編集「ゴージャス★アイリン」に収録
本作「魔老紳士ビーティー」の元ネタのうち、「ゴージャス★アイリン」「武装ポーカー」「バージニアによろしく」はどれも短編集「ゴージャス★アイリン」に収録されている。
「ゴージャス★アイリン」には連載前の読切版「魔少年ビーティー」も収録されているので、「魔老紳士ビーティー」を読まれた方には合わせて読んでほしい。
