「こちら葛飾区亀有公園前派出所」24巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1982年12月発売）
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 24【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●正義の使者！の巻
ストーリー
亀有子供銀行に特撮ヒーロー「ウレタラキング」のコスチュームをまとった強盗が現れる。
ウレタラキングは仲間と車で逃走中、星逃田の車とぶつかりそうになって壁に激突。車は故障するが、ウレタラキングの姿を見て、撮影中と勘違いした星は、自分の車で犯人の車をけん引してしまう。
強盗を捜査中の両さんたちは、星と合流。
星の証言と聞き込みから、怪獣などのコスチュームを作っている工場が、犯人たちのアジトと突き止める。
彼らは自分たちの怪獣映画の制作資金のために銀行強盗をしたのだった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、星逃田
特撮ヒーロー姿の銀行強盗の話。
ウレタラキングはウレタラマン一族のキャラという設定。一族には、ウレタラの母がおり、ウレタラキングはナトリウム光線を放つとのこと。元ネタはお察し。
両さんと星はウレタラキングを知っていたが、中川は知らなかった。世代の差か、外国育ちのためかは不明。
犯人の車をけん引してたことを星と話していたところを部長に誤魔化すため、両さんの話した言い訳は「石油問題についてちょっと…」。1979年にイラン革命があり、原油価格が引き上げられていた頃。
ラストに星が北京原人の特撮映画を作ろうと持ち掛けてくる。映画「北京原人 Who are you?」の公開は、16年後の1997年。
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価格:2701円 |
●二輪戦争！の巻
ストーリー
亀町駅の駅前に駐輪される自転車の数は、身動きもできないほどの数。
区役所では整理できないと、両さんと中川が整理に向かう。
あまりの数に置く場所がないと、両さんは自転車を縦に積み重ねて整理するのだった。
いったんは、それで解消したものの、日を追うごとに自転車の数は増加。駅前から派出所の方まで、駐輪自転車の列は増殖していく。
両さんたちは自転車を強制撤去。住民たちと対立する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一
駅前の駐輪問題の話。
正規の駐輪場は他にあるそうなのだが、駅からは離れているので不便なので、駅前に違法駐輪しているとのこと。
「亀町駅」は架空の駅。実在する亀有駅の駐輪問題とすると差し障りがあるための措置か。
中盤のページでは、1ページ丸々使って、自転車がびっしり描かれている。相当な作画コストのはず。
この回の中川は、三輪のマイクロカーに乗っている。目立つ見た目なのだが、両さんに「それにしてもゆれる車だな」と言われる以外、特に言及されない。
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価格:7779円～ |
●ニューフェースの任務の巻
ストーリー
通称“G”と呼ばれる新人が、派出所に卒配になる。
彼は後流悟十三（ごるご じゅうぞう）19歳。常に葉巻をくゆらせ、他人が背後に立つ事ことを嫌い、渋い表情の後流悟だが、笑いの沸点は低く、ささいなことで笑いそうになってしまう。
近くで空き巣常習犯を追い詰めたため、応援の要請が派出所に入る。両さんは中川と後流悟を連れ、現場に向かう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、後流悟十三
ゴルゴ13をモデルにした後流悟十三の初登場回。
後流悟は、顔はゴルゴ13・デューク東郷に似ているが、頭身は低く、実力はたいしたことのないキャラ。
数ページごとに「PART1 ～」とサブタイトルが入ったり、場面転換のシーンで、街の様子が1ページに渡って描かれたりと、本家「ゴルゴ13」を彷彿とさせるコマ割りになっている。
後流悟の次回の登場は、81巻「ただ今スコープ調整中！の巻」で、同じくゴルゴ13がモデルのボルボ西郷と共演する。
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●老人天国!?の巻
ストーリー
一人で住民調査のため、住宅を回る両さんだが、年寄りは話が長いのでウンザリ。
新車で通りがかった知人に乗せてもらい、住民調査を楽に乗り切ろうとする。
途中、その新車は強引な運転のせいでスクラップになってしまったので、再び徒歩で回る両さん。
銭湯「ひまし湯」を訪れると、その日は65歳以上が無料のため、老人が多く客として来ていて、将棋を嗜んでいた。両さんもついでに一風呂浴びていると、「王将」の入れ墨をした将棋のプロが現れる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
老人の多い地区で住民調査をする話。
後半は住民調査より、風呂屋の話になっている。
将棋のプロが使っているシャンプーは、仮面ライダーのボトル。
派出所の横の掲示板には、マイクロステレオカセット（ウォークマンII）を秋本先生が購入したことが報告されている。
この回で両さんは風邪をひくことになる。両さんの免疫が強すぎて病気知らずの設定（70巻「秘薬リョーツＧＰＸの巻」）はこの頃はまだない。
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●暴走学園!?の巻
ストーリー
狭い住宅街の路地で危険な運転をする暴走ローレルを、白バイの爆走テクニックで検挙する本田。
近くの緑亀高校は、校長のやり方に反発する暴走族に占拠されていた。
両さんは、本田とともに高校に向かう。
両さんの腕っぷしと本田のバイクテクニックで、荒れ狂う暴走族と対峙する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、本田速人、交通課長
暴走族に占拠された高校で事態を鎮静化させる話。
当時は校内暴力などが問題になっていた頃。暴走族が高校を占拠していたのは、校長が生徒の何人かの免許証を取り上げたことが原因。暴走族には、この高校の生徒以外も含まれていた。
暴走族の対処には、「若者と同世代の私と本田が話しあいに～」と、両さんが部長に向かって志願する。本田は20代設定だと思うが、両さんは30代半ばの設定で、若者世代ではない気がする。
この回の本田は、ほとんどバイクモードでカッコ良い。
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●バーバーの恐怖の巻
ストーリー
金欠で理髪店に行ってなかった両さんの髪はだいぶ伸びていた。
麗子と中川が切ってあげようとするが、剛毛のためハサミやバリカンが上手く機能せず失敗。
散髪途中の状態のため、カットし直しに甲斐理髪店を訪れる両さん。
しかし、運悪く見習いの高中しかいない。
見習い理容師の練習台になることで、カット代をタダにさせる両さん。
だが、見習いの腕はポンコツで、両さんがカット中寝ている間に、後頭部を刈り上げられ、前髪は剃り込み、眉毛は剃り落される。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、高中
見習いの理容師に髪型をムチャクチャにされる話。
麗子がカットしようとする際、はずみで両さんの頭にハサミを突き立てる。その際の効果音が「ザク」なのだが、同時に「機動戦士ガンダム」のモビルスーツ・ザクも飛び出ている。
見習い理容師の高中は、角刈りまでは普通にできているのに、ついでに刈り上げの練習をしたり、モミアゲを落としたり、剃り込みを入れたりと、オリジナリティを出そうとして結果、変な髪型になる。
この見習い・高中については、強力な育毛剤の話、27巻「ストップ!!ヘアくん！の巻」でも再登場する。
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●ギャグエイジの巻
ストーリー
器用な両さんは壊れた腕時計を直して動くようにしたり、ナベやカマを修理したりと、副業をしていたが、部長に見つかりお叱りを受ける。
叱られた両さんはパトロールに向かう途中で、大人気のお笑いコンビ「スネイルマン」（サキサカとモモナイ）と出会う。
スネイルマンの二人は有名人だが、両さんはその存在を知らなかった。
二人のうちの片方サキサカの体調が悪くなったので、派出所で休ませることに。
そこでの部長と両さんの掛け合いを面白がったスネイルマンの二人は、警察官ギャグとしてネタに取り入れる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
お笑いコンビと出会う話。
当時（1981年）は漫才ブームの真っただ中。
お笑いコンビ「スネイルマン」の名前の元ネタは、「スネークマンショー」。「スネークマンショー」で演じられた、咲坂 守（さきさか まもる：小林克也）、畠山 桃内（はたけやま ももない：伊武雅刀）というキャラが、キャラ名の由来。
両さんにテープデッキや電機ガマの修理を依頼した人物の名前は、細野・坂本・高橋とイエロー・マジック・オーケストラ（YMO、細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏）のメンバー名になっている。YMOも「スネークマンショー」関連。他に作中では桑原（桑原茂一）の名前も出てきている。
今回は腕時計を修理しているが、149巻「めざせ!!独立時計師の巻」では、一から腕時計を作る職人になる。
いつもの「こち亀」は19ページだが、今回は17ページになっている。
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●サムライ！の巻
ストーリー
富士で合同演習帰りの米軍人たちが道に迷って派出所を訪れる。
軍人たちは、両さんのことを武道の達人の「サムライ」として気に入り、やたらと褒めちぎる。
気を良くした両さんは、軍人たちを寿司屋に連れて行って奢ったり、秋葉原の電気街を案内したりする。
しかし、軍人たちはやたらと発砲し、行く先々で問題を起こしまくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
米軍人たちと意気投合する話。
冒頭では、両さんは中川たちとトランプに興じている。やっていたのは「うすのろ」。
軍人たちは映画「ショーグン」を観て感動し、日本通になったと語っていた。真田広之の2024年版ドラマではなく1980年版の方。
秋葉原は、ラジカセを買いたいという軍人たちのリクエスト。当時の秋葉原はアニメやアイドルなどのオタクの街ではなく、電気の街だった。
オチは部長の激怒パターンだが、この頃は勢いよく派出所に突撃するのではなく、ハチマキでロウソクを頭に刺し、「ちょっと話したいことがある」とマシンガンを構え、恨みがましくヌ～っと現れる。この激怒パターンは、この回が初か？
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●白バイ魂！の巻
ストーリー
取り締まりが行き過ぎの本田は、交通課長から60日間の勤務停止と自宅謹慎を命じられ、バイクも取り上げられてしまう。
生き甲斐のバイクを取り上げられた本田は、精神的に不安定になり、水戸街道を走るバイクをぼんやり眺めては、独り言をつぶやくようになる。
本田にバイク以外の趣味を持たせようと、とりあえずテニスをさせてみたところ、近くでポルシェが自転車を当て逃げする事件が発生する。本田は通りすがりのスーパーカブを借り受け、追跡を開始。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、交通課長
本田がバイクを取り上げられる話。
マンガ本編では、両さんに巻き込まれて問題児扱いになっていることの多い本田だが、単独でも問題児らしい。
自宅謹慎の本田は、一人暮らしのアパートで謹慎することになる。この当時は、本田輪業での実家暮らしの設定ではない。
謹慎中の本田は、未練がましくバイクのハンドルだけ握って寝ていた。
この頃の本田は、バイク以外は無趣味の設定。後年の本田はロックやアイドルなどの音楽好きの他、マンガやアニメ、フィギュアなどのオタク趣味に詳しいキャラに変わっている。
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価格:502円 |
●親心…の巻
ストーリー
お酒を飲んで徹夜でプラモを組み立てるなど、両さんの生活は相変わらず不摂生。
そんな両さんが、部長の娘・ひろみ夫妻の新居に誘われる。
翌日、両さんは部長と一緒に、ひろみ夫妻のマンションを訪れる。
不動産に詳しく心配性の部長は、新居の壁や風呂場の様子をチェックする一方、両さんはご馳走に舌鼓を打つ。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、角田（大原）ひろみ、角田英男
部長と一緒に娘夫婦の新居を訪れる話。
ひろみ夫妻が結婚したのは22巻「花嫁の父の巻」。
冒頭、徹夜でプラモを作っていて、シンナーでヘロヘロになっている部分を除けば、全体的にギャグは少なめ。
ラストの新婚夫婦のマンションを出た帰り、部長が両さんをもう一軒誘うシーンは、何とも言えず良い雰囲気。
この回で、部長は英男にマンションの購入を勧めているが、60巻「さわやか五月晴れの巻」では、英男は千葉にマイホームを購入している。
二人の間に長男・大介が誕生するのは41巻「いないいないバアの巻」。
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家族脳 親心と子心は、なぜこうも厄介なのか （新潮文庫） [ 黒川伊保子 ] 価格:473円 |
「こち亀」の中でも名シーンと言われる「親心…の巻」が収録されている巻。
この巻が初登場の後流悟十三だが、次の登場は11年後。
同じゴルゴ13がモデルのキャラながら、ボルボ西郷に比べて出番がかなり少ない。
しかし、147巻「厳戒護衛指令の巻」、199巻「葛飾Walk 金町編」とわずかながら終盤でもメイン登場回がある。
