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【ONE OUTS】オススメ神マンガ紹介  ギャンブル×プロ野球! オーナー相手に100億円規模の大博打! LIAR GAME作者の描くギャンブラー投手の奇策に驚嘆!

 

●野球マンガは斬新な切り口が出づらいジャンル

野球マンガは、スポーツマンガの中でも古いジャンルだ。

そのため、あらゆる角度で描き尽くされており、新しい切り口が出づらくなっている。

 

さて、そんな野球マンガで今回、紹介したいのは甲斐谷忍先生の「ONE OUTS」だ。

1998年~2006年(番外編が2008~2009年)にビジネスジャンプに連載された作品のため、新しいマンガではない。

 

しかし、他にはない唯一無二の設定であり「主人公のピッチャーが豪速球を投げない」「努力根性が必ずしも勝利に結びつくとは限らない」「主人公が悪党である」と、他の野球マンガと一線を画す魅力があるマンガなのだ。

 

それでは、「ONE OUTS」の概要から説明していこう。

 

 

●「ONE OUTS」の概要

主人公は、沖縄で賭け野球をしていた謎の投手・渡久地東亜

彼はプロ野球・埼京彩珠リカオンズ(モデル:西武ライオンズ)の打者・児島に、その実力を見込まれ、リカオンズ入りすることになる。

 

しかし、チームの主力打者・児島が連れてきたとはいえ、アマチュア実績のない渡久地と契約をする気はない。

そこで渡久地がオーナーに持ち掛けたのは、「1アウト取ったらプラス500万円、1失点したらマイナス5000万円」の完全出来高制の「ワンナウツ契約」だった。

 

現実的には渡久地に不利な条件に、オーナーは軽く考え、「ワンナウツ契約」を締結。

ここから、渡久地とオーナーの「ワンナウツ契約」を巡る戦いが始まる。

 

というのが、「ONE OUTS」の概要。

「1アウトプラス500万円、1失点マイナス5000万円」という条件にピンと来ないと思うが、甲斐谷先生が実際のプロ野球投手に当てはめてシミュレーションしてみたところ、大魔神こと佐々木主浩投手(当時:横浜ベイスターズ)一人が黒字になるだけで、他の投手はマイナスの赤字になるという投手に厳しい契約なのだ。

 

そして、この主人公と「ワンナウツ契約」で争うことになるオーナーは、チーム愛のまったくない人物であり、儲かるのならチームが敗けても一向に気にしないキャラとして描かれている。

 

そのため、オーナーはチームの勝敗に関係なく、渡久地が失点するように仕掛けてくるのである。

 

また、「ワンナウツ契約」のような完全出来高制は現実のプロ野球では禁止されているため、この契約のことを知っているのは、渡久地とオーナー、オーナーの秘書と広報部長の四名だけとなっている。

 

この設定のバランス感覚が絶妙で、チームの監督、コーチ、他の選手たちは契約は知らず、世間に契約のことをバレないようにしなければならないので、オーナーは監督にムチャクチャな命令をすることはできない。

 

例えば、渡久地に休みなく全試合先発完投させて、潰すことは不可能である。

(後述するが、3連投まではさせている。しかし、マスコミからは叩かれることになる)

 

オーナーが圧倒的に有利な契約ながら、渡久地に少しは勝ち目のある設定になっているのだ。

 

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●「ONE OUTS」の魅力

さて、今度は「ONE OUTS」の魅力を見て行こう。

 

上述したように、「ワンナウツ契約」を巡り、主人公の投手・渡久地とオーナーとのギャンブル的な駆け引きが行われるのが、「ONE OUTS」のメインストーリーとなる。

 

つまり、渡久地は野球の試合で、相手チームと戦いながら、同時にオーナーとも駆け引きをすることになる。

 

単に野球の試合をするだけなら、大量リードをしているときに、1失点、2失点をするのは、何の問題もない。

しかし、「ワンナウツ契約」で1失点マイナス5000万円としている渡久地にとっては、1失点でも大きな損失となってしまう。

 

その失点できないというヒリヒリした緊張感が、他の野球マンガにはない「ONE OUTS」の魅力だと思う。

 

そして、悪党の主人公が策略を巡らし、絶対的に不利な状況から大逆転の一手を放つカタルシスも面白い。

 

「ONE OUTS」は全20巻だが、特に2~10巻は神がかった面白さだと思う。

 

次からは、その2~10巻を中心に内容を解説していこうと思う。

 

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●1~2巻(沖縄での賭け野球)

 

ストーリー:

リカオンズの児島は、シーズン前の自主トレーニングに訪れた沖縄で、一打席勝負の賭け野球で活躍する渡久地と出会い、勝負をすることに。

 

 

物語全体としてはプロローグに当たるパート。

渡久地という異能の投手と、彼がリカオンズに入団する過程が描かれる。

 

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●2~3巻(イーグルス(モデル:ダイエーホークス)戦)

 

ストーリー:

開幕から連敗続きのリカオンズは、オープン戦で新人ながら結果を残した渡久地を登板させる。

しかし、「ワンナウツ契約」で渡久地を失点させたいオーナーは、内野手の一人にわざとエラーして足を引っ張るように指示する。

 

 

渡久地の公式戦のデビュー戦。

渡久地のハッタリと考え、軽い気持ちで「ワンナウツ契約」を結んだオーナーが、オープン戦の結果を見て、本格的に渡久地を潰そうとしてくる

 

味方が足を引っ張る中で、渡久地がどう切り抜けるのかが見どころ。

また、プロ野球選手の仕事を「野球をすること」ではなく「野球に勝つこと」と考える渡久地は、投手としての仕事だけでなく、相手投手を打ち崩すための策をリカオンズナインに授けるなど、「ワンナウツ契約」外の活躍も見せる。

 

この頃は、まだ「ワンナウツ契約」に詳細な条件がつけられてない。

 

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●3~4巻(マリナーズ(モデル:千葉ロッテマリーンズ)戦)

 

ストーリー:

球界を代表する天才打者:高見を始め、強力クリーンナップを擁するマリナーズは首位を独走。

そんな首位マリナーズとの3連戦対策に、オーナーは渡久地に3連投をさせることをマスコミに公言。

球界屈指の打撃陣を相手に、連投で疲弊する渡久地が挑む。

 

このマリナーズ戦の見どころは、下記の2点だ。

 

・渡久地の投球の秘密

 

渡久地の投球の最高速度は、せいぜい130km/h程度でプロでは決して速くない。

その上、変化球もなく、ストレート一本しか球種がない。

なのに、なぜか打ち崩すことができない。

そこにはギャンブラーとしての勝負強さ以外の投球の秘密があった。

 

その渡久地の投球の秘密を相手打者の高見が解明。

渡久地vs天才打者・高見の勝負が見どころの一つだ。

 

・レート変動のルールを利用してくるオーナー

 

前回のイーグルス戦で「ワンナウツ契約」の穴をつかれたオーナーは、契約にいくつか細かな条件をつける。

そのうちの一つが、オーナー側にレートを決める権限があるというものだ。

 

長いシーズンの中では、天王山と呼ばれる重大な試合もあれば、消化試合と呼ばれる重要度の低い試合もある。

そのため試合の重要度に合わせてレートの変更が必要というのがオーナーの主張だ。

 

オーナーは、このルールを利用しマリナーズ3連戦の3戦目に通常の20倍(1アウト1億円、1失点10億円)で、一気にこれまでの負け分を取り戻そうと仕掛けてくる。

 

2連続完投で疲弊により通常の投球ができない渡久地は、強力マリナーズ打線に捕まってしまう。

 

この3戦目は、渡久地の奇策で意外な決着を見ることになる。

意外な結末が二つ目の見どころだ。

 

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●4~7巻(バガブーズ(モデル:近鉄バファローズ)戦)

 

ストーリー:

「一三塁の魔術師」と呼ばれるバガブーズの城丘監督が連れてきた助っ人外国人は、短距離陸上選手のジョンソン。

野球経験はないが、「塁間世界最速の足」を持つジョンソンは、三塁にいるとき2.6秒でホームスチールが可能。

一方、球速の遅い渡久地が投げた球を捕手が受けてタッチするのに要するのは2.8秒。

ジョンソンの足をいかに防げるかの勝負となる。

 

 

ジョンソンのホームスチールが勝負のカギになるバガブーズ戦。

陸上選手としてのジョンソンは、世界陸上には出られるが、決勝まで進出はできないほどの実力。

 

しかし、100mでは決勝に残れないものの、スタートから最初の30mに限定すれば、金メダリストよりも速い。

そして、野球の塁と塁の間の距離は約30m。

そのため、ジョンソンは「塁間世界最速」なのだ。

 

「2.6秒でホームスチールできるランナー」「タッチまでに2.8秒かかるバッテリー」の勝負が見どころ。

 

ジョンソンを三塁まで進塁させないという対策もあるのだが、リカオンズのオーナーは渡久地を一塁の守備に置き、バガブーズが走者三塁になったときだけ登板させるよう監督に指示しているので、渡久地は走者三塁の場面で勝負せざるを得ない

 

このオーナーとの駆け引きも勝負の一環になる。

 

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●7~10巻(ブルーマーズ(モデル:オリックス ブルーウェーブ)戦)

 

ストーリー:

ブルーマーズはホーム球場で高い勝率を誇るチーム。

しかし、それはサイン盗みのイカサマとインチキ変化球によるものだった。

渡久地たちリカオンズナインは、ブルーマーズのイカサマを暴こうとする。

一方、リカオンズオーナーは、渡久地を出場できなくする渡久地潰しを仕掛けてくる。

 

イカサマをしてくる悪党vs悪党(渡久地)の勝負が見どころ。

イカサマを暴くだけでなく、そのイカサマを逆に利用し相手をハメようとするのが悪党の渡久地らしい。

 

このブルーマーズ戦を境に「ワンナウツ契約」は次の展開を迎えることになる。

 

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●10~14巻(新・ワンナウツ契約とフィンガース(モデル:日本ハムファイターズ)戦

 

ストーリー:

渡久地の出場停止による契約不履行のペナルティを目論むオーナーを封じるため、渡久地は「新・ワンナウツ契約」をオーナーに持ち掛ける。

「新・ワンナウツ契約」は渡久地に三人のポンコツ二軍選手を加えた四人のうち二人以上を一試合で出場させなければならない契約。

二軍で雑用ばかりの投手、まったく打てない外国人選手、ピークを過ぎた落ち目のベテラン選手の三人が契約の対象とみて、オーナーは「新・ワンナウツ契約」を快諾する。

 

ここからオーナーとの契約が「新・ワンナウツ契約」に切り替わる。

しかしながら、これまでの勝負が「どうやって勝つんだ!?」という絶望的な状況から「そんな手があったのか!?」と渡久地が予想外の方法で切り抜ける展開だったのに対し、この「新・ワンナウツ契約」は「どうせこのポンコツ三人が覚醒するんだろうな」と展開が読めてしまう。

 

そのため、これまでほどのカタルシスは感じない気がする。

 

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●14~19巻(球界再編問題とペナントレースの行方)

 

ストーリー:

リカオンズの経営は行き詰り、売却先が見つからないと球団は無くなることに。

プロ野球界は、ガラリアンズ(モデル:読売ジャイアンツ)オーナー・田辺常行の意向で、10球団1リーグ制に進もうとしていた。

渡久地は田辺に勝負を持ち掛ける。

グラウンド外で経営を巡る攻防が行われる一方、マリナーズの高見を中心に投手・渡久地の対策が行われる。

ペナントレースは、リカオンズとマリナーズの優勝争いになる。

 

 

ここからは、これまでのリカオンズオーナーとの「ワンナウツ」勝負とはまったく異なる方向に進む展開となる。

 

連載当時は、プロ野球の再編問題が野球関係者・ファン以外にも話題になっていた頃だった。

プロ野球再編問題 (2004年) - Wikipedia

近鉄とオリックスの合併の発表。

ライブドア堀江貴文社長の近鉄の買収申し入れ。

ジャイアンツの渡邉恒雄オーナーの「たかが選手」発言。

古田敦也選手会長の団体交渉とストライキ決行。

 

と、大きな話題になっていて「ONE OUTS」作中でも上記の中で「たかが選手」発言などが取り入れられている。

 

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●20巻(疑惑のオールスター戦)

本編は19巻で完結しているのだが、連載終了後に短期集中連載でオールスター戦が描かれた。

 

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●アニメ

「ONE OUTS」は日本テレビ系列でアニメ化もされている。(2008~2009年)

 

ストーリーとしては10巻のブルーマーズ戦までが描かれている。

 

これは放送枠や尺の問題もあっただろうが、やはり10巻までが出色の出来ということだろうということだろう。

 

もしかしたら日本テレビ系列なので、ナベツネをモデルとした人物に反旗を翻す終盤の展開はNGだったのかもしれない。

 

アニメ「ONE OUTS」U-NEXTで観る

 

 

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以上、「ONE OUTS」について紹介させてもらった。

10巻までが面白いと書いたが、11巻以降も面白くないわけではない。

 

ベタな野球マンガに飽きた人に、ぜひ読んでいただきたい。