「こちら葛飾区亀有公園前派出所」31巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1984年6月発売)
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●バイク時代!の巻
ストーリー
やくざ志望者が減ってきていることを危惧した御所河原組は、イメージを刷新するため、事務所を原宿に移転。移動手段を、ベンツの代わりとして若者にブームのバイクに変える。
やくざが暴走族になっていると聞いて、両さんは本田と取り締まりに原宿へ。
若者に募集キャンペーンを行っている御所河原組を見つけるが、入会すれば5万円もらえると聞いて、本田と一緒に組に入会する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、本田速人、御所河原組長
御所河原組がバイクで若者にピーアールする話。
若者を取り込むための会議内で、やくざのイメージアップのために、さわやかな巨人の原辰徳をCMに起用したらとの案が出される。原は前年の1981年に新人王を獲っていた。
組長の一句「気をつけろ 極道小町 ドスッ」は、山下久美子の「赤道小町ドキッ」が元ネタ。
御所河原組の組員になると、給料20万円(1982年の大卒初任給が12~13万円くらい)、特殊作業手当の他、「小指保険」がついているらしい。
この回で、両さんは金融強盗犯を捕まえるという手柄を立てるが、やくざの組員になったことで、部長からお仕置きを受けることになる。
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●シェルター屋さんの巻
ストーリー
さおだけ屋のようなトラックとスピーカーで、街中で販売を行っていたのは「一般市民用 核シェルター屋」。
松・竹・梅のシェルターは、小部屋くらいの大きさだが、試しに乗った球体型の松シェルターは、街中を転がってしまう。
次に両さんが試乗したのは、先端のドリルで地中を進み、安全圏まで逃げるというコンセプトの機動型シェルター。両さんを乗せて、東京の地面を掘り進む。
一方、地下にトンネルを掘って、銀行の金庫室を下から狙おうとしている盗賊団も、地面の下にいた。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一
核シェルターの試作品の話。
当時は、東西冷戦の真っただ中だった。
核シェルターは、松が500万円で金属(材質不明)で球体型、竹がブリキベースで100万円の箱型、梅が杉の木材ベースにアルミを巻いた箱型で30万円だった。
地中を掘り進む機動型は、人形劇「サンダーバード」に登場するジェットモグラに似ており、両さんも「サンダーバードで見たようなやつだな」と語っている。
機動型は地中を進むのに、太陽電池で動くという破綻したコンセプトをしている。
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●親切ドロボウ!?の巻
ストーリー
青木は空き巣犯。
ある留守宅に窓から侵入すると、中には赤ちゃんが放ったらかし。
台所には洗い物が溜まっており、タンスの中も整理できていない。
几帳面な性格で根が優しい青木は、赤ん坊の世話、夕立が降る中での洗濯物の取り込み、掃除機、新聞代金集金の対応と、家事を一通り行うも、家人が帰ってきたので何も盗めなかった。
仲間の空き巣からノウハウを学んだ青木だったが、空き巣多発でパトロール強化中の両さんと出くわしてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、戸塚金次、青木
だらしない家に入るも、ガマンできずに家事をしてしまう空き巣の話。
青木は何も盗めなかったどころか、物色中に訪ねてきた新聞の集金の代金を4600円(2か月分)立て替えてしまったので、むしろマイナス。
青木の侵入した部屋の家人(山下)の姿は描かれなかったが、寝ている赤ん坊を放置して外出、玄関のカギは未施錠、新聞の料金は一月分滞納、クリーニングしていない衣類をタンスにしまう、割れた皿を放置と、相当だらしない人物らしい。
青木の仲間のプロの空き巣が入った家の表札には「うすね」(アシスタントのうすね正俊先生が由来か)と書かれており、アパート名は「ときわ荘」。
青木は何も盗んでいないが、窓ガラスを割っており、不法侵入もしているので、無罪ではない。
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価格:880円 |
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●全日本パチプロ大会!の巻
ストーリー
中川のオープンカーでドライブしていた両さんは、団地の近くで車にパチンコ台を複数乗せた移動パチンコ店を見つける。
そのパチンコ店にて、見事な腕前で次々と台を打ち止めにする両さん。
本店のマンモスパチンコセンターに場所を移しても、ドル箱を大量に積み上げる腕を買われ、両さんはパチプロ全日本大会への出場を勧められる。
大会当日、仕事を休んで東京代表として出場するが、テレビ中継もしており部長の知るところとなる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
パチプロ大会に出る話。
移動パチンコ店で客引きをしていた店員の顔のデザインは、「ゴルゴ13」のデューク東郷っぽいが、特にそのことは作中触れられない。
台の数が日本一との触れ込みのマンモスパチンコセンターの店内の様子が見開き2ページで描かれる。このシーンはなかなか壮観。
パチンコの大当たりで23万発を出し、景品に軽自動車を両さんは手に入れる。それだけの腕があれば、本当にパチプロだけでリッチな生活ができそうだが、作中の都合により両さんは大抵金欠に描かれる。
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価格:1540円 |
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●交通戦争!の巻
ストーリー
自動車の増加により、あちこちで交通渋滞や事故が起こり、警察も手を焼いていた。
本田が追いかけた車が事故ったことで信号が壊れてしまい、交差点はたちまち大渋滞。
見かねた両さんが交通整理を始めるも、なかなか上手くいかず、何度も車に撥ねられることに。
そこに“世直し巡査”石頭鉄岩(いしず てつお)が仲間と共に現れ、何とか事態は沈静化。
石頭と行動を共にしていると、悪質な割込みをする大型トラックが出現。パトカーを破壊された石頭と両さんは、本田のバイクで追跡する。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、本田速人、石頭鉄岩
交通戦争の話。
1980年代は、交通事故の死者数が増加し、昭和30年代に続き第二次交通戦争と言われていた。
石頭は「割り込みやクラクションで運転手が殺されるご時世だ」と安全運転が軽視される風潮を嘆いている。この頃から40年経過しているが、その問題はあまり解消した様子はない。
派出所の掲示板には「82年7月軽井沢ツーリングレポート」という秋本先生のレポートらしきものが書かれている。
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価格:1210円 |
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●金は天下の…の巻
ストーリー
日射病で道端に倒れていた老人を通報から助けた両さん。
道楽で絵を描いているという老人を家まで届け、その後も気が合った両さんは、絵を教えに何度も老人の家を訪ねるようになる。
後日、老人が死去。実はその老人は世界的に有名な画家の岡本元三朗(おかもと もとさぶろう)。
身寄りのなかった岡本画伯は、遺産は親切にしてくれた両さんに全額渡すよう遺言を残す。
その額はなんと200億円。画伯の遺言に従い、両さんは200億円を使い切ろうとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、岡本元三朗
画家の莫大な遺産を相続する話。
特に相続税の話は出てこず、この話では考慮されていない。
画伯はピカソのようなキュビズムっぽい画風をしており、両さんは「ひどい絵」「才能がない」と行っていた。
後半は、大金を使い切ろ世界的な画伯に絵を教えにうとする両さんと、それを止めようとする部長とのドタバタとなる。
しかし、両さんは「思った通り使い切ってください」との画伯の遺言に従って行動しているだけで、迷惑をかけていない。むしろ経済を回していて、部長の止めようとする行動の方が不自然な気がする。
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●夏便り…の巻
ストーリー
麗子の船に乗せてもらう約束をしていた両さんは、派出所の夜勤を電話で寺井に押し付けると、さっさと麗子と海に出かける。
二人が海にたどり着くころには、夜が明けていた。
食料を積み込み、沖に出て海を楽しんでいると、2頭のサメが出現。
麗子の方だけでなく海水浴客のいるビーチの方にサメが向かったため、両さんはジェットスキーでサメを捕まえに行く。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
麗子と二人で海に行く話。
海までの道中、23歳になったという麗子に「そろそろ嫁にいったほうが いいんじゃないか?」と両さんがガラに合わない発言で麗子を気遣うと、「(嫁に)いきそびれたら両ちゃんのところにでもいこうかしら」と麗子に返される。このシーンは有名で、この話を知らなくても、ここだけ知っている人も多いはず。
それにしても、23歳で嫁の行き遅れを心配されるというのは、2025年の価値観とかなり違う。
この回で初めてジェットスキーに乗る両さん。41巻「南の島のバカンスの巻」、91巻「海の守護神!の巻」、122巻「超神田寿司出前(ケータリング)大作戦!の巻」など、その後もちょくちょくジェットスキーに乗る様子が描かれている。
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●ホップ!ステップ!ジャンプ!!の巻
ストーリー
雰囲気の違う三部構成。
「アダルト編」Downtown Police Story
事件を求める両さんと中川の前に、銀行強盗発生の報が入る。カボチャを持って立てこもる犯人に、両さんはキュウリで対抗する。
「よいこむき」たこくんのまき
火星人のたこくんに出会った両さんは、たこくんに顔と身長をカッコよくしてもらう。しかし、変わり過ぎて、麗子と中川に気付かれなくなってしまう。
「オールマイティー」
産地直売で1個30円で売られていたスイカを50個買って来た両さん。一人で大量に食べたり、道行く人に売ったりと、買ったスイカを消費しようとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
画風も雰囲気も違う3パターンのマンガで構成された話。
「アダルト編」は6ページ。
ハードボイルドな劇画調タッチで、両さんと中川の服装もいつもの制服ではなく、刑事っぽくなっている。
通常よりリアルな劇画調タッチなのに、内容はシュールでナンセンスの意味不明(?)な展開。
「よいこむき」は5ページ。
2.5頭身くらいの子供向けのディフォルメの作風。セリフも全部平仮名(カタカナにも平仮名のルビ)。
「あきもとおさむくんと とみさわちなつちゃん」名義になっている。とみさわ千夏先生は当時のアシスタント。
「オールマイティー」は7ページ。
いつもの「こち亀」の作風。
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価格:693円 |
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●思い出写真の巻
ストーリー
派出所の大掃除で出てきたのは、髪を七三分けにし、ちゃんと制服を着ている派出所卒配当時の20年前の両さんの写真。
卒配当時の両さんは、初日に護送中の犯人とモメて発砲。いきなり始末書でのスタートになる。
当時の派出所の班長の岩田は両さんに目をかけるが、指導をする大原(後の部長)と両さんはソリが合わなかった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、岩田巡査部長
両さんの卒配当時の思い出が部長の口から語られる回。
思い出話は感動話が多いが、この回は若い両さんが大暴れをする話。
連載当時(1982年)から20年前ということで、派出所は木造、オート三輪が走り、地面はアスファルト舗装されていない土、という光景。
当時の葛飾署には「アベック歌合戦を見て安全運転 トニー谷」との標語が飾られている。アベック歌合戦は1960年代のテレビ番組。
クツずれをするとのことで、当時の両さんは大原部長にサンダルを買ってもらう。この頃から両さんはサンダル履きになる。
152巻「亀有に両津がやってきた!の巻」も、卒配当時の両さんの話だが、こちらとは話が全然違っている(両さんが東大卒のエリートと間違われる話)。
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価格:2241円 |
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●原始家族の巻
ストーリー
原始時代、父のBU(部長)とRYO(両さん)、KEI(中川)、REI(麗子)のきょうだいからなる家族は、村の自警団を務めていた。
隣の村から、嫌がらせでティラノサウルスが攻めてくるが、自警団の家族はこれを撃退。
隣の村のTONDEN(星逃田)は、HON(本田)に命じ、ボディービルで鍛えたゴルゴサウルス10頭で再度RYOたちの村を襲わせる。
HONは、村を守ると伝わる両津明神の像を破壊しようとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸塚金次、本田速人、星逃田
連載300回記念で原始時代の話。
原始時代だが、コーヒーやサラダがあり、新聞(石でできている)が毎日届いている。
ティラノサウルスについて、現在では突き出した頭部と跳ね上げたシッポとでバランスをとる「水平型」だった説が濃厚だが、作中ではゴジラのような「直立型」になっている。
ゴルゴサウルスはティラノサウルスに似ているが、目と眉毛が「ゴルゴ13」のデューク東郷っぽくて、恐竜なのにM16を撃ってくる。
両津明神の元ネタは、映画「大魔神」。
最初のページにキャスト一覧がある。その中に表記はないが、村人の一人は戸塚っぽい。
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個人的オススメは、卒配時代を描いた「思い出写真の巻」、核シェルターの話の「シェルター屋さんの巻」。
「原始家族の巻」は連載300回記念。
300回も連載が続くマンガは、かなりの長期連載のはずだが、「こち亀」に関しては全体のまだ1/6にも満たない。