「こちら葛飾区亀有公園前派出所」36巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1985年8月発売)
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●ノガミブルースの巻
ストーリー
上野の名物を作ろうと、2階建てバスを作ったバス運転手の熊田だが、あまり受けが良くない。
そこで、熊田は両さんに相談。
両さんは2階建てどころか4階建てのバスを考案。1階はビデオ視聴ができるシート、2階は東京土産が買える売店、3階は世界の料理が食べられる食堂、4階は豪華な岩風呂となっていた。
部長たちを試乗させていたところ、運転の荒いドライバーに熊田が激昂。4階建てバスで暴走車を追いかける。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、熊田
4階建てバスが上野を爆走する話。
20巻「ノンストップ!の巻」に初登場の「天才無暴ドライバー」熊田が、22巻「ハッピーバースデー!?の巻」以来の登場。
走行中に売店、食堂、風呂を移動することになるが、その間、シートベルトをするわけでも、つり革につかまるわけでもないので、このアイデアの実現はムリっぽい。
岩風呂は「バスの中でバス」というシャレの意味もある。とはいえ、そんな重いものを最上階に持ってくるのはバランスが悪い。
2階の売店では芸能人のサイン色紙も売られている「なかもりあきな」はともかく「すち~ぶまっくいん」はどう見てもニセモノ。
3階の食堂は、ムッシュ塩浦というシェフが一人で各国の料理を作っている。
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価格:4840円 |
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価格:4108円 |
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●ポルシェ一代男の巻
ストーリー
両さんと中川は、道端でポルシェが止まって困っていた男・山田を助ける。
ポルシェはガス欠なだけで問題はなかったが、山田の要望で彼のアパートまで送っていく。
山田はお金持ちではない庶民だが、ポルシェに並々ならぬ執着を持っており、二十年かけてポルシェを購入した男だった。
駐車場ではなく、アパートの部屋にポルシェを収め、室内で洗車し、ポルシェ用にパジャマを作るなど、偏愛を見せる山田。
ある日、山田の住むアパートが火事になってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一
ポルシェに執拗な愛情を見せる男の話。
20年間貯めたお金を持って、山田がポルシェを買いに行くところから話が始まっており、両さんたちが登場するのは始まって7ページ目(扉絵除く)とかなり遅い。
山田が購入したのは、ポルシェ911SC。ポルシェの車体とは異なり、ポルシェのキーについての参考資料がなかったらしく、キーは想像で描いたもの。「お金持」と書かれたゴテゴテしたキーのデザインになっている。
52巻「我が夢フェラーリの巻」には念願のフェラーリを購入し、一家四人で住む男が描かれる。こちらも苗字は山田だが、別人。
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●署長の息子の巻
ストーリー
署長から両さんへ直々の重要命令が下る。
重要な仕事を任されたと期待する両さんだったが、内容は署長の息子を遊園地に連れていくというものでガッカリ。
当日、息子はディズニーランドを希望するが、両さんは地元の浅草花やしきへ連れていく。
ワガママな息子は不満を抱えながらも、それなりに楽しんでいると、ガラの悪いチンピラにぶつかって、因縁をつけられてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、屯田五目須(署長)
署長の息子を花やしきに連れていく話。
署長からは費用として2万円を預かっており、それが両さんのモチベーションになった。
息子の希望した東京ディズニーランドは、この年(1983年)の開園。
花やしきは入るのがタダだから、という理由で両さんが選んだと語られている。花やしきが入園料を徴収するようになったのは1985年。
この話に出てくる署長の息子は小学生くらい。84巻「ファミコン攻略法教えます!の巻」では、署長の孫にファミコンを教えることになるが、今回登場の息子に子供ができたのか関係性は不明。
葛飾署の入り口には「バイクより安い スズキのマーボー」と書かれている。マーボーはマイティ・ボーイのこと。
タコヤキが1箱250円だが、5年前は1箱100円だったと描かれている。当時は5年で物価の変動があったことが分かる。
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●ロボットくん2号の巻
ストーリー
交通機動隊用開発002号が完成。
前回の001号は開発費用一億円だったが、今回は30万円と安価。プラモデルのような形で納品され、自前で組み立てが必要だった。
完成した002号はモッサリしたデザインで、しゃべりもゆっくり。
オートバイに変形する機能を持つが、電動のパワーが弱く、本田が乗っても全然スピードが出ない。
事故の多い交差点での交通整理をするも、002号はノロくパワーも弱いので、役に立たない。
ところが、両さんがトラック用のバッテリーに入れ替えると、ハイパワーのロボットに変貌する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、本田速人、開発002号
35巻「オマワリクン!の巻」の開発001号に続く002号の話。
喋り方が「ボ ボ ボクは〇〇だな」とドラマ「裸の大将」の山下清に似ている。
002号は、3V(単三電池2本分)のバッテリーで動いていた。両さんがトラック用のバッテリー(24V)に変えると、動きが機敏になり、運転者が乗った自動車を持ち上げるほどのパワーを出していた。
52巻「ロボットおまわりさん登場の巻」では開発003号が登場する。
開発4号こと丸出ダメ太郎が出るのは53巻「両さん新人研修の巻」。
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●マナ板のゴキブリの巻
ストーリー
アイドルにドハマりしている本田だったが、「芸能界なんて作られた世界」と、両さんの発言でぶち壊しにされる。
一方、署内スポーツレクリエーション大会の種目がボウリングに決定。10数年前に流行った種目といったんはバカにするも、両さんはボウリングが得意と豪語。かなりやる気になる。
しかし、対戦する駅前派出所チームは、元プロボウラーやセミプロが集まっていて、中川、麗子をもってしても差が埋められそうにない。
両さんはレーンの裏に隠れて、インチキを始める。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
署内ボウリング大会の話。
冒頭、3ページに渡って、アイドルにハマる本田を両さんが冷ややかに相手する様子が描かれる。
当時は、大の大人がアイドルにハマっているのは、今よりもみっともないこととの風潮があった。
だが、かく言う両さんも若いころは吉永小百合にハマっていたらしい。
ボウリングについて、両さんは10数年前に流行ったと語っている。日本のボウリング場の数が最多だったのは1972年。
タイトルの「マナ板のゴキブリ」については、ボウリングのインチキがバレたときの「こうなりゃマナ板のゴキブリ!」という開き直った両さんのセリフから。
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●両さんの長崎旅行①の巻
ストーリー
両さんが先日逮捕したコソドロは、長崎で手配されていた人物。
そこで長崎の警察署から逮捕者としての証言をして欲しいと、長崎に呼び出される。
県警から、長崎までの汽車賃が支給されたが、両さんはうっかり飲み代に使い果たしてしまう。
部長から有休をもらい、早めに出立し、自転車で長崎に向かうが、地理に疎い両さんは、迷子になってなかなか進まない。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
仕事で長崎に行く話の1話目。
ここから5話かけたシリーズになる。
両さんは地元の下町エリアなら、細かい路地まで詳しいのだが、日本地図レベルになると地理はさっぱり。
長崎どころか、生まれ育った現住の東京の場所も定かではなく、部長に東京の場所を問われて北海道を指さしそうになっていた。
出張費用を使い切った両さんは、中川にお金を借りようとするが、「自業自得」と麗子に厳しく言われて、自力で行くことになる。
ところが、強い口調で両さんを突き放した割に、こっそり自転車移動する両さんのことを、麗子は自動車で追いかけて様子を見守る。意外に麗子は優しい。
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価格:1210円 |
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●両さんの長崎旅行②の巻
ストーリー
長崎に向かっている両さんは、横浜での米兵との大ゲンカで自転車を壊してしまい、通りがかった麗子の車で大阪まで送ってもらう。
大阪では顔見知りの警官・梅田を訪ね食事を御馳走になる。
だが、パトカーで長崎まで送ってくれるよう頼むが断られ、東京から本田を呼び出す。
大阪人の梅田とは東京・大阪の意地の張り合いになり、そこで現地のチンピラにからまれ、ケンカに。
主な登場人物
両津勘吉、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、梅田鉄五郎
長崎に行く話の2話目。
といっても、この話では大阪までしか行かない。
麗子は横浜へショッピングに来ていたと、とっさに言い訳をしていて、両さんが心配で追ってきたことは隠していた。
大阪府警の梅田とはたった一回会っただけの関係(梅田が出張していた)なのに、両さんは「友だち」と言って世話になる。
梅田と野球の話になり、その話題で出てくるのは岡田彰布(阪神)と江川卓(巨人)。梅田が江川について皮肉っているのは、1978年ドラフトの「空白の一日(江川事件)」の件。
この回では、両さんの腕っぷしがあまり活躍せず「主役だから いつも勝つと思ったら 大まちがいやで!」とやられっ放しになる。
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価格:990円 |
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●両さんの長崎旅行③の巻
ストーリー
本田のバイクで長崎に向かう途中の両さんは、広島の辺りまで来ていた。
警官の立場を利用して、スピード違反の車からガソリンを調達したり、本田の白バイを売って旅費を工面しようとしたり(結局、買い戻し)と、相変わらずムチャな旅行をしていた。
神社で夜明かしをすることを嫌がる本田のため、両さんは見知らぬ老夫婦の家に久しぶりに訪ねてきた遠い親戚のフリをして上がり込む。
主な登場人物
両津勘吉、本田速人
長崎に行く話の3話目。
「こち亀」では、大阪・京都が舞台になる話はいくつもあるが、この回では珍しく広島が舞台になる。
街の中には、広島の自動車メーカー・マツダの看板や、広島県比婆郡で目撃されたとされるUMA・ヒバゴン(1970年代に話題)の探検隊募集の看板が見られる。
「両さんの長崎旅行①の巻」では、船以外で関門海峡をどうやって渡るのか知らなった両さんだが、特に関門トンネルの描写はなく、北九州に着いたところでこの回は終わる。
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●両さんの長崎旅行④の巻
ストーリー
本田とともにようやく長崎に着いた両さん。
羽を伸ばしていたところ、部長から県警への手配書が回っていたため、強制的に署に連行される。
用事の済んだ両さんは、長崎名物の卓袱料理を御馳走になり、観光して回る。
観光中、長崎を案内してくれた婦警・島原のサイフがスリに盗まれてしまう。両さんは、路面電車で逃げるスリを追跡する。
主な登場人物
両津勘吉、本田速人、島原
長崎に行く話の4話目。
ここで、ようやく長崎に到着。用事自体はあっさり終了する。
(東京と違い)長崎ではバイクのヘッドライトを常時点灯しなければならないと本田は語っている。現在は、長崎に限らずヘッドライトは常時点灯。
長崎では、平和祈念像、グラバー邸、崇福寺を見て回る。
時代的にハウステンボスはまだない。(1992年開園)
県警からは、両さんと本田の二人分の航空機のチケットを手配されるが、本田はバイクのため、来た道を陸路で帰ることになる。
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価格:1210円 |
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●さよなら両さん?の巻
ストーリー
バイクで本田が長崎から戻ってきたが、先に飛行機で戻っているはずの両さんが行方不明。
両さんがいなくなり、気がかりが無くなったと上機嫌の部長。
ところが、日が立つに連れ、怒りの矛先を失ったことで、部長の調子が狂ってくる。
一方、飛行機のチケットを失くした両さんは、たまたま同郷出身(浅草吉原)のタクシー運転手と意気投合し、あちこちを観光しながら、東京に戻ってきていた。
部長が心配しているのに、遊びまわっていたと言えない両さんは、一芝居うって苦労して帰京したフリをする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、戸塚金次、本田速人
長崎から両さんが戻ってくる話。
両さんが行方不明と聞いて、部長は「警視庁の悪魔」がいなくなって実にめでたいと、派出所メンバーを集めてお祝いの席を設けていた。その席で、両さんの写真を遺影のように飾るなど、やっていることがなかなか陰湿。
長崎行きに関して、両さんは有休を事前にとっていた(おそらく超過はしている)が、本田は急遽呼び出されていたはず。しかし、本田の勤怠については特に描かれていない。
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両さんが長崎に行くシリーズが5話に渡って描かれる巻。
長崎が舞台になっているのは、そのうちの1話だけ。
以前のアメリカ研修のとき(26~27巻)は、コミックスをまたいだ構成になっていたが、この長崎のシリーズはこの巻だけで完結するようになっている。
以降は、前後編などの複数話の構成でも、コミックスをまたがないように収録されている。
個人的オススメは、4階建てバスの「ノガミブルースの巻」。