「こちら葛飾区亀有公園前派出所」38巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1986年1月発売)
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●たまらんワン!の巻
ストーリー
派出所に出勤すると麗子の飼い犬・ルルがいた。
麗子が旅行に出かけるため、1日5000円で3日間ルルを預かるバイトを両さんは受ける。
日頃は麗子の元で豪華な食事などで甘やかされているルルだったが、犬嫌いの両さんは、麗子の目が離れた途端、まったく甘やかさず、厳しく鍛える。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、戸塚金次、ルル
麗子のペットの犬を預かる話。
麗子は元々犬嫌いで克服した設定だったが、ここではペットとして飼うまでになっている。
ルルは、小説家・遠藤周作の顔マネ、水泳選手の前畑秀子の泳ぎのマネ、絵やジェスチャーを使って会話するなど、意外に多芸(遠藤周作の顔マネは、37巻「病は気から!?の巻」の医者もしている)。ただ、ルルの出番はこの回のみで、以降の登場はない。
129巻「両さんの「犬の生活」!の巻」では、両さん自身が着ぐるみで麗子のペットの犬のフリをして豪華な生活を送る。このときの犬は、もっと大型の犬でルルではない。
この回の派出所への出前は「はりま屋」という店からの出前で、店員は歌舞伎役者のような見得を切って入ってくる。
合間のコマでは、朝ドラ「おしん」(1983年~1984年)の銅像が描かれている。
前巻から引き続き、中川は短髪、茶色のジャンパー姿になったまま。
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●両さんのジンジロゲの巻
ストーリー
新聞でボーナス交渉の記事を読み、会社勤めの友人から組合の交渉でボーナスが倍増したことを聞いた両さんは、公務員には組合がないことを知り驚愕する。
署長に直談判するが、当然ながら効果はない。
納得のいかない両さんだったが、部長から、人事院などを通じ、日ごろの働きぶりを評価してボーナスが査定されていると説明を受ける。
日常の業務が、歩合制の収入につながると異なる理解をした両さんは、勤勉に猛烈に仕事をしまくり、ボーナスの額を上げようとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
ボーナスの査定についての話。
タイトルの「ジンジロゲ」は、公務員の給与等の制度の説明で部長が「組合がないかわりに 人事院や人事委員会の勧告制度があり…」と言ったのを「なんすか? そのジンジロゲのカンクローってのは?」と返したことによる。「じんじろげ」は森山加代子の歌にもある。
冒頭で両さんが競馬ではない新聞を読んでいるが、お金を崩すのが目的で駅で購入したもの。読まずに捨てるのがもったいないので、記事を熟読していた。「60円分の元をとるつもりね」と麗子が発言しているので、当時新聞が60円だったようだ。
葛飾署の入り口には、「警視庁 今月のおすすめバイク」としてKR250、CX-EUROが紹介されている。
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●マイベストカーの巻
ストーリー
両さんが「走るシーラカンス」「60年代の生き証人」「現代の反逆児」と評する自動車・三菱デボネア。
そのデボネアを「動く美術品」と偏愛するオーナーは、宿敵マツダ・ロードペーサーの不遜な態度の運転に対し煽り運転を仕掛けるなど、危険な「しかえし」をしていた。
このデボネアのオーナーの「しかえし」はエスカレート。デボネアに幅寄せしてきたり、クラクションを鳴らしてきたりしたベンツ、BMW、リンカーンのガレージを突き止め、破壊行為に及ぶのだった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一
行動が暴走するデボネアのオーナーの話。
冒頭では、中川の運転するマセラティ・ブーメランが、両さんにアクセルを踏み込まれ、プールに飛び込んでしまっている。
扉絵では、最高出力31馬力のカワサキA1-サムライ(バイク)、最高出力130馬力の日野サムライ(自動車)と並びサムライ姿の両さんが描かれ、両さんの最高出力は100万馬力となっている。
37巻「ニュー中川!の巻」以来、短髪・ジャンパー姿だった中川だが、この回からいつもの長髪・ストライプの制服姿に戻り、両さんにそのことをツッコまれると「連載始めの時から このスタイルですよ」と、短髪時代をなかったことにしていた。
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●両さんのホワイトクリスマスの巻
ストーリー
町会の子供会でプレゼントを配るサンタがいないので、町会長が部長に相談に来たところ、部長は両さんに白羽の矢を立てる。
12月24日クリスマスイブ、文句を言いながらも両さんはサンタの恰好でプレゼントを配って回る。
配布先のひとつの時計工場を訪れたとき、同じようなサンタの恰好の男と遭遇。同じ境遇かと思ったら、その男はドロボウだった。
ドロボウは両さんを振り切って逃走。逃げ込んだのはサンタの仮装大会の会場。
似たようなサンタが大量にいる中、ドロボウを見つけなければならなくなる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、寺井洋一
サンタの恰好のドロボウと遭遇する話。
両さんにサンタ役を押し付けた部長だったが、自分は非番で休日。しかも、中川の家のクリスマスパーティーに参加していた。
両さんがサンタ姿で回った先にいたのは、無精ヒゲの受験生だったり、時計工場だったり。せっかくのサンタ姿なのに、子供とまったく触れあっている描写がなく、サンタの意味が良く分からない。
ドロボウが盗んだのは、六研のモデルガン、フライシュマンのNゲージとかなりマニアックなものだった。
この回のラストは、両さんが体力ではなく頭脳を使って手柄を挙げる珍しい展開。
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●わたしが直す!の巻
ストーリー
仕事に厳格な部長は、中川や両さんに今日もカミナリを落としていた。
そんな部長を友人の山田が訪ねてくる。山田は、元々俳優養成所をやっていたが、そこから派生して「貸しおとうさん」を派遣する人材リース会社を経営していた。
1日3万円で「こわい貸しおとうさん」になってくれないかと依頼するが、公務員のバイトは禁止と部長は断る。しかし、バイト代を聞いた両さんが代わりに「貸しおとうさん」となる。
「貸しおとうさん」として派遣された家族は、息子たちは車でガラス戸を破って帰宅、ライフルや金棒で父に金をねだる荒くれ者、母は両さんと互角以上に格闘できる巨体の豪傑だった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、山田一郎、星本岩鉄、山下元三郎
「貸しおとうさん」になる話。
「レンタル家族」サービスは現在では実際に存在するサービス。
部長が「こわいおとうさん」に適任の人物と描くために、冒頭では両さんではなく珍しく中川の方が部長に仕事のことで怒鳴られている。
扉絵と次ページの2ページに渡って、山田が愛車のランチア・ストラトスで派出所までドライブする様子が描かれており、その間、ドラマや映画のように出演者とスタッフの字幕表示がされている。
ラストのオチはかなり強引。「なんと乱暴で強引なたたきこみのオチだ!」と部長がツッコんんでいる。
さらにラストのページの下半分は、次回「必殺正月カットの巻」の次回予告となっていて、冒頭の字幕と合わせてドラマや映画のような構成になっている。
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●必殺正月カットの巻
ストーリー
昭和59年(1984年)正月、本田が両さんの寮を訪ねると、金欠で死んだように横たわっている両さんの姿があった。
髪の毛も伸び放題になっていたので、本田がカットすることに。
ところが、不器用な本田の腕により、ところどころに刈り残しのある坊主頭、眉毛も短く剃られてしまう。
両さんは変な髪型にされた腹いせに、本田も同じような髪型にさせる。
お金のない二人は、正月料理を求めてカツラをかぶり、部長宅を訪問する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、本田速人、大原良子
変な髪型になって正月の部長宅を訪れる話。
年末の12月26日にお金を使い果たした両さんは、27日~1月4日まで9日間飲まず食わずで寝ていた。
空腹の両さんに本田が買って来たのはタコ焼き。正月だからこれくらいしか買えなかったとのこと。現在のようにコンビニ・スーパー等が正月営業していなかった。
本田にされたムチャクチャな髪型について、「(真田十勇士の)三好清海入道みたいなバカづら」と評している。いつものつながり眉毛がなくなっているので、両さんだと分かりづらいデザインになっているが、部長は両さんだとすぐにわかっていた。
両さんに刈り上げられた本田の後頭部には「本田」と文字になるよう毛が残されて刈られていた。
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●人形道入門の巻
ストーリー
新しいGIジョーのシリーズ、タカラの「コンバットジョー」のサンプルをもらった両さん。
中川はGIジョーを知らなかったので、両さんは熱弁をふるって解説。一方、意外にも部長はGIジョーを知っていた。
人形作りで有名な作家が近くにおり、それで知っていたのだ。
MHKの人形製作を請け負い、人間国宝とも言われるその作家を両さんは中川と訪れる。
作家の元から帰った両さんは、子供相手に人形劇の商売を始める。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
GIジョーなどの人形の話。
過去にGIジョーを扱ったことより、読者からGIジョーをゆずってくれとの手紙が秋本先生の元に来ていたらしく、〇〇県の××と複数の読者を名指しで「私のところへ(中略)手紙ださないように」と注意するセリフがある。(33巻「温故知新!?の巻」か?)
人形作家の家までの道中の看板は「香山リカ」「ピエール香山」などリカちゃん人形の家族の名前になっており、通行人もリカちゃんっぽい人。
人形作家はこだわりが強い人物で、農家の「ファーマー田吾作くん」などの作品を作っていた。
GIジョーについては66巻「ザ・人形道大鑑!の巻」でも語られている。
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価格:15000円 |
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●両津鍋!?の巻
ストーリー
部長の目を盗んで戸塚と花札に興じながら、両さんは昼間の勤務を終える。
引継ぎをして帰宅しようとしていたが、引継ぎの二人が急病のため、両さん一人でそのまま夜勤をすることに。
一人、不貞腐れて勤務していた両さんは、仲間を増やそうと電話をかける。
寺井と中川には緊急事態発生を告げ、麗子には部長が急死し告別式が行われるとウソを吐き、みんなを呼び出す。その際、特級酒、牛肉2kg、ナベを持ってくるよう伝え、豪華なナベ料理を画策する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、戸塚金次
ウソ電話で豪華なナベ料理を作ろうとする話。
部長が班長会議で留守にしている間、勤務そっちのけで戸塚と賭け花札をやっている。その間、自転車が盗まれたと被害届を出しに来た市民を追い返そうとして「税金ドロボウ」と非難され、「返してやるよ 税金で作った鉛ダマをな…… 頭の中に5発!」と銃口を向ける。この頃の両さんは一般市民にもまだ過激だった。
両さんからの電話を受け、寺井はタクシーで、中川はヘリで、麗子は喪服姿で駆け付ける。夜勤を部長に押し付けられたのは確かにヒドいが、だからといって部長を死んだことにするのは、さすがに今だと炎上しそう。
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●ひまわりクンの巻
ストーリー
警視庁が9000万円の費用をかけて完成したのは、VIP用強化特別仕様車「ひまわり」。
V8エンジン、最高巡航速度220km/h、ガラスダイヤの防弾ボディ、さらにミサイルや機関銃など戦車以上の攻撃能力を有した最新鋭車だった。
用事で本庁を訪れた両さんと中川だったが、両さんの行動のせいで中川の車が壊れてしまう。
「ひまわり」をキャンピングカーだと思った二人は勝手に拝借して、派出所に戻ろうとする。
良く分からない車内のボタンを適当に押すと、ミサイルなどが発射。二人の乗った「ひまわり」を追って、警視庁は大騒動になる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子
最新鋭の車両で大騒ぎになる話。
両さんが中川に向かい、本庁に行くのをサボって浦安のディズニーランドに行こうと提案する。東京ディズニーランドが開業したのは前年の1983年。
「ひまわり」で暴走する前でも、長官の車に中川の車を衝突させ、そこで騒ぎになったところで静まるように発砲するなどして、テロと間違われていた。
「ひまわり」の追跡を命じるシーンでは、七色仮面など、懐かしの特撮ヒーローたちがなぜか警視庁にそろっている。
「ひまわり」の装備は、ミサイルなど本格的なものだが、追跡車両に対しては大量のバナナの皮を投下するといったマリオカートみたいな装備もある。
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●敬老旅行(ツアー)の巻
ストーリー
鎌倉の大仏を見たいと99歳になる住職の祖父が言い出したので、忙しい住職に代わって両さんが鎌倉に連れていくことに。
鎌倉駅から江ノ電に乗って、江ノ島駅に向かう。
しかし、江ノ島に大仏があると両さんは勘違いしていたが、江ノ島には大仏はない(長谷駅が最寄駅)。両さんはお土産品の大仏像で誤魔化すのだった。
さらに観光は続き、住職の祖父は江ノ島エスカーで頂上に行きたいと言い出す。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、住職、住職の祖父
住職の祖父を連れて鎌倉観光をする話。
この住職は19巻「み仏の心!?の巻」、22巻「備えあれば…の巻」にも登場している人物。
住職の祖父が鎌倉に来たのは80年ぶり。
血圧や心臓の薬など6種類の薬を常用しているが、電車では若い女性の隣に座ったり、僧侶なのにかつ丼を食べたりと、割りと煩悩にまみれている。
年寄りであることを盾に、ワガママ放題の住職の祖父だが、両さんはキレることなく、要求に従っている。なんだかんだ面倒見は良い。
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前の37巻から引き続き、中川が短髪スタイルにイメチェンしているので、違和感を覚えるが、「マイベストカーの巻」ではいつもの長髪・制服姿に戻っている。
短髪姿の中川が見られるのは、この巻では「たまらんワン!の巻」「両さんのジンジロゲの巻」。
個人的オススメは「必殺正月カットの巻」「ひまわりクンの巻」。