「こちら葛飾区亀有公園前派出所」66巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1990年10月発売)
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●ザ・人形道大鑑!の巻
ストーリー
リカちゃん人形のパパ・香山ピエールの人形が発売される。
そこから両さんの友人のGIジョーマニアとGIジョーのマニアックな話題になる。
両さんはGIジョーの鑑定家として、古いおもちゃ屋や個人宅のGIジョーを鑑定する。鑑定のために、とあるマニアの家を訪ねると、そのマニアの兄もフィギュアのコレクターだと紹介される。
しかし、その兄の専門フィギュアはGIジョーではなかった。
主な登場人物
GIジョーの話。
マニアックなGIジョーの話題が展開されるため、情報量は多いが、マンガとしてのストーリーの展開はあまりない。
GIジョーに関しては読者から質問の手紙が多かったため、「GIジョーの発展と現在まで GIジョーのすべて」というGIジョーの系統をまとめた一覧が掲載されている。
この回のラストで、美少女フィギュアとは「わしらとは方向性がちがう」と両さんは叫んでいる。
しかし、99巻「あなたのフィギュア作ります!の巻」、102巻「美少女フィギュアに超夢中♡の巻」など、後に美少女フィギュアも作中に取り上げるようになる。
リカちゃん人形のパパ・ピエールについては、49巻「なんてたって愛ドールの巻」で俳優・大泉滉のような外見の試作が登場する。
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●爆走メッサー男!の巻
ストーリー
BMWのイセッタのマニアである中川の友人・伊勢田は、コレクションの車が多くなりすぎて欧州の軽自動車の博物館を開設する。
両さんは中川とその博物館を訪れると、イセッタの保有台数世界一という数に圧倒される。
両さんの好きなメッサーシュミットKR200もあり、試乗させてもらう。オーナーの伊勢田は、シートに座る程度の意味で試乗をOKしたが、両さんは運転して外に出て行ってしまう。中川と伊勢田は慌てて追いかけるが、小型の三輪のメッサーは軽快に街を爆走する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、戸塚金次、伊勢田
メッサーシュミットで爆走する話。
冒頭では、両さんが派出所で古いインスタントコーヒーの残りを集めてアイスコーヒーを作ったり、道を訊きに来たピザ屋を怒鳴りつけたりしている。
博物館での見開き2ページに渡って、イセッタらが30台以上並んでいるシーンは圧巻。
メッサーシュミットにはバックギアがなく、エンジンの逆回転でバック走行ができるといったマニアならではのシーンが描かれる。
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●100万円イートハンターの巻
ストーリー
昼食に出前を取る派出所一同。お金が入ったからと、両さんは大量の料理を注文していた。
あまりの量から食べきれないのでは、という麗子と言い争いになり、10分で食べきれたら100万円を麗子が払うという約束を取り付ける。
勢いで約束してしまったものの、不安になった麗子は、ラーメンのひとつにコショウを一瓶入れる。
何も知らない両さんは、大量コショウ入りのラーメンを一気にかき込んでしまう。
主な登場人物
100万円を賭けて大食いチャレンジする話。
両さんが出前で頼んだのは、もやしそば(大盛り)、ぎょうざ、みそラーメン(後にコショウを入れられる)、野菜炒め、やきそば、チャーハン、ワンタン、カレーライス。
中川は「(先輩はお金がかかれば)たとえ自転車でもたべてしまう人だよ!」と安易に100万円の約束をした麗子に忠告する。
途中からは、盗難自転車の件で住民がお礼に持ってきた高級チョコと、部長の相撲観戦のお土産の相撲チョコの比較の話題になる。食べ物がらみではあるものの、大食いの件と話としてのつながりは薄い。
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●怪重隕石襲来!の巻
ストーリー
派出所のすぐ隣に隕石が落下。派出所の窓ガラスが割れたくらいで、大きな被害はなく、隕石からは放射能なども検出されず、特に問題はないように思われた。
しかし、げんこつせんべいと間違えて、両さんが隕石を食べていた。
放射能などはないものの、隕石には地球の物質の100倍の重量があり、両さんの体重も異常に重くなる。
そんな中、指名手配犯が近くに逃げ込み、両さんたちも応援に駆け付ける。
民家の屋根の上を逃げる身軽な指名手配犯を、両さんは追いかけるが、重さで身体が自由に動かない。
主な登場人物
重くなる隕石を飲み込む話。
タイトルは「怪獣隕石」ではなく「怪重隕石」。
重量が重くなった両さんが、犯人を追ってドタバタするのがメインのストーリー。
隕石は当然、硬いのだが、両さんは岩のように硬いげんこつせんべいだと思って、自慢の歯で噛み砕いていた。
げんこつせんべいを食べながら、両さんがテレビで見ていたのは「マキシンのバーゲンセール」(連載当時には放送していない)。
隕石は常に重いわけではなく、時間によって重量が変化する。法則性は不明。分子構造が地球の物質とは違うらしい。
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●両津怪談の巻
ストーリー
町会の納涼お化け大会を手伝うことになった派出所一行。
お化け役になった両さんは、ハリウッド仕込みの麗子の腕により、シリコン製のリアルな特殊メイクを施される。
中川のフェラーリで会場となっている寺に送ってもらうはずが、両さんを乗せたフェラーリが車泥棒に盗まれてしまう。
車泥棒は特殊メイクの両さんの姿を見て、車を諦め逃げるが、両さんはそこから歩いて向かわなければならなくなる。
両さんは会場の寺で、他のお化けたちと合流するが、両さんの行った寺は会場の満福寺ではなく福満寺だった。
主な登場人物
お化け大会で特殊メイクをする話。
両さんは口の大きく裂けた一つ目小僧の扮装をする。
部長は、特殊メイクをした両さんの姿にもまったく動じず、剣道仕込みの腕で警棒を打ち込んでいた。部長の肝の据わり方は堂に入っている。
車泥棒は、途中で中川がコンビニに寄った隙にフェラーリを盗んだ。泥棒は逃げる際、キーを持って行ったので、両さんはフェラーリを動かせなかった。車の後部座席から、突如お化けが出てきたら、「水曜日のダウンタウン」の企画みたいで相当怖い。
扉絵では、両さんが珍しくシェーバーを使ってヒゲ剃りをしている。
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●追跡200キロ!の巻
ストーリー
エロ仲間の藤田から多量のエロ写真をもらった両さん。藤田はカムフラージュのため、エロ写真を和菓子の包みに入れていた。
ところが、定年退職した上司に会うために手土産を用意していた部長が、間違えてエロ写真の包みを持って、新幹線で名古屋に向かってしまう。
入れ替わりに気づいた両さんは、中川の協力で軍用ヘリ・ミルMi-24ハインドを使って新幹線に追いつき、部長に気付かれないように包みを取り換えようと試みる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、藤田
部長からエロ写真を取り返すため、軍用ヘリから新幹線に乗り移るミッションを行う話。
作中でも「007並み」と言っている通り、007やミッション・インポッシブル(スパイ大作戦)のようなスパイアクションが繰り広げられる。
当時は、まだ東海道新幹線に「のぞみ号」はなく(1992年~)、「ひかり707号博多行き」で部長は名古屋に向かう。作中の都合上、東京駅から名古屋駅まで直通となっている。(クライマックスの場所は豊橋辺り)
作中に登場するミルMi-24ハインドに関しての紹介が、マンガの間に入っている。扉絵のハインドは対地・対空戦闘能力を持つDタイプ、本編に登場するのは対地攻撃強化のEタイプになっているとのこと。
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●柴又の思い出の巻
ストーリー
帝釈天を一度見てみたいという麗子を連れて、両さんは勤務後に柴又に向かう。
京成金町線の柴又駅で降りて思い出話をしながら帝釈天を見学していると、総菜屋を営んでいる親戚のおじさんを発見。
おじさんの総菜屋について行き、そこで商売を手伝う。両さんは勝手に半額サービスを始めてしまい、店は大繁盛に。
両さんと麗子は、総菜屋に泊まり、銭湯と花火大会を楽しむのだった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
麗子と柴又を訪れる話。
柴又は署長の家が近くにあり、署長が孫を連れて総菜屋に買い物に来ていた。娘夫婦がハワイに遊びに行って、その間、孫を預かっているとのこと。(赤ん坊を背負い、もう一人の手を引いて連れていた)
半額サービスをしたため、総菜屋は大赤字だったが、翌日からも大繁盛だったので、トータル損はしなかったらしい。
145巻「わし達の寅さんの巻」では、纏を柴又に連れていくことになるが、ここでもプライベートの署長に遭遇する。
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●トビます!香港珍道中の巻
ストーリー
本田と一緒に出場したクイズ番組に優勝した両さん。見事、香港3泊4日のペア旅行を入手する。
署員たちから免税品のお土産を買って帰る約束を大量にし、現金140万円を集める。
ところが、出発当日、両さんは前日から酔って遅刻。大急ぎで成田空港に向かうが、出発はそこではなく竹芝桟橋。
桟橋には飛行艇が停泊しており、それで香港まで向かう格安旅行だった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
本田との香港旅行の前編。
クイズ番組は「公務員特集」で、「お巡りさんチーム」として参加。他には「先生チーム」「郵便屋さんチーム」が参加していた。
飛行艇はガソリン節約のため、飛んだり降りたり浮かんだりを繰り返して、香港まで移動。さらに香港国際空港への着陸は認められず、広さのある競馬場に停めようとした挙句、スターフェリー乗り場に停まることになる。
まともな入国審査があった描写がなかったので、たぶん審査されてない。だからなのか、両さんはいつもの制服姿で香港に来ており、装備の拳銃もそのまま持ち込んでしまっている。
価格:1980円 |
●香港大チェイスの巻
ストーリー
香港に着いたものの、お金とパスポートの入ったバッグを盗まれてしまった両さんと本田。ツアーの添乗員ともケンカして、泊まれるはずのホテルにも泊まれなくなってしまう。
それでも、たくましくインチキまがいの商売をしてお金を稼ぐ二人。
そんな中、バッグを盗んだ泥棒を発見。バイクモードの本田と香港の街中で犯人を追って大活劇が繰り広げられる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
本田との香港旅行の後編。
ツアーの食事はアンパンと牛乳だけという質素なもの。前話での飛行艇の件もあり、インチキ旅行だと、添乗員とケンカになった。
この回の本田は、髪型を整えている余裕がないらしく、いつものリーゼントスタイルではない。
本田の乗ったバイクは、バイクでリヤカーを引いていた老人から買ったものだが、両さんの拳銃はたぶん、通常の装備の持ち込み(制服のまま来たので)。
ラストの両さんと本田の出演の映画はブルース・チャンの「野性二人組壮烈活劇」。
週末香港・マカオでちょっとエキゾチック (朝日文庫) [ 下川裕治 ] 価格:748円 |
●空白の10秒スプリント警官(ポリス)の巻
ストーリー
寺井が盲腸で入院。欠員補充で派出所にやってきたのは、五輪候補に何度も選ばれ100mを10秒12で走ることのできる軽田塁巣(かるた るいす)だった。
俊足の軽田だが、しゃがむとクラウチングスタートの姿勢をとってしまい、拳銃の音のようなスタートの合図を聞くと、スイッチが入って100mを全力疾走。その間の記憶は抜けているのだった。
軽田を連れて街中を歩くと、音で暴走してしまい、両さんも四苦八苦。
そんな折、ビルで拳銃を持った人質立てこもり犯が現れる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、軽田塁巣
100m暴走する警官の話。
軽田塁巣(かるた るいす)の名前の元ネタは、五輪金メダリストのカール・ルイス。
100mきっかり暴走する軽田だが、フライングの合図をすると止まることができる。
立てこもり事件のあったビルは、丸井の「OIOI」ではなく「CICI」。なぜか「第一回おげれつビデオ展」の垂れ幕がかかっている。
寺井の盲腸の件は、その後特に触れられることはない。
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個人的オススメは、エロ写真を取り返すためにスパイ並みの活躍をする「追跡200キロ!の巻」、本田と香港に行く「トビます!香港珍道中の巻」「香港大チェイスの巻」。
ダイナミックな話もある中、GIジョーを語る「ザ・人形道大鑑!の巻」、欧州の軽自動車が多く登場の「爆走メッサー男!の巻」といったマニアックな話もあるのが特徴の巻。