「こちら葛飾区亀有公園前派出所」69巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1991年4月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 69【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●超兵器部長センサーの巻
ストーリー
両さんは、大きな声を出すとシャッターが切れるサウンドセンサーの付いたコンパクトカメラを入手する。
このサウンドセンサーを応用し、大きな音を感知すると、締め付ける制帽を開発する。部長の制帽に首尾よく装置を付けた両さん。両さんを叱ろうと大声を出すたび、部長の頭が痛くなるのだった。
両さんはさらに制帽を改造し、大声で電気が流れるようにするが、記念アルバムの撮影のために、両さん自身が、その改造制帽をかぶるハメになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
サウンドセンサーを付けた制帽の話。
声でシャッターが切れるカメラについては、部長に大声で詰められたため、どアップの部長の顔の写真が大量に撮れてしまう。当時はデジカメではなく、フィルムカメラだったので、写真を消去できなかった。
終盤、電気が流れるようになった制帽は、サイズがきつくて外すことができなくなり、両さんはずっと電流を喰らい続けることになる。
書類の字が汚いと部長に注意された両さんは「早稲田速記のようなものです」と言い訳をしている。結局、両さん自身が、部長の声に反応するサウンドセンサーだった。
価格:8340円 |
●中川の父登場の巻
ストーリー
中川が警察官を辞めるかもしれないと言い出す。
父・龍一郎の命で「太平洋横断道路」という大型プロジェクトに強制参加させられたためだ。
両さんも含めて、プロジェクト参加について話し合おうと龍一郎にアポを取ろうとするが、秒単位で動く龍一郎はなかなか捕まらない。
ヘリ移動し、パラシュート降下するなど、アグレッシブに動き続ける龍一郎に強引なコンタクトを試みる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、中川龍一郎
中川の父・龍一郎の初登場の回。
ここで登場するまでは、中川の父はいい加減な経営者で、中川が尻ぬぐいをするという描き方だったが、ここでキャラがビジネスマンに固まった。
多忙過ぎて息子の中川ですら3回くらいしか会ったことがなく、3日で5分しか寝ないというスーパービジネスマン。
盗聴を警戒して携帯電話を使わず、周波数を毎回変える大きな無線機を龍一郎は担いでいる。
「母さんとは毎年こっそり会ってるんだ 兄弟たちには内緒だぞ」と、実は家族思いな一面も見せるが、中川には妹・登志恵しかおらず、兄弟はいないはず。
「今度日本にくる時は2001年だ!」との宣言通り、127巻「父をたずねて…21世紀!の巻」で、龍一郎は再登場する。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 127【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●魔法のやかんの巻
ストーリー
魔法使いのじいさんが下界に来てマリアを気に入ったため、天国の自宅に招待する。
マリアに同行した両さんは、派出所のが壊れたとの理由で、じいさんの家からやかんを持ち帰って来るが、それは魔法のやかんだった。
水を入れると喋り出し、現金を入れると2倍の金額が、石ころを入れるとダイヤが出てくる魔法のやかんの能力を見て、大儲けを確信する両さん。
石ころを大量に集めに行った隙に、部長がやかんを署に持って行ってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、花山理香、花山小梅
魔法のやかんの話。
冒頭、輸送車から逃げ出したライオン3頭を捕まえる仕事をしているところ、魔法使いのじいさんの孫娘の小梅に助けられる。
魔法使いのじいさんの家は、昔の一戸建て都営住宅のような平屋の日本家屋。天国は下界の日本と季節が逆になっており、冬ではなく夏だった。
魔法のやかんについては、勝手に持って行ったのではなく、一応、孫の小梅に許可をもらって持ち帰っている(小梅はやかんの能力を知らなかった)。
価格:1540円 |
●ザ・留守録パニック!の巻
ストーリー
部長の自宅のビデオデッキが故障したので、夜勤の寺井が派出所のビデオで部長の楽しみにしている時代劇の録画を頼まれる。
しかし、両さんが内職で電力を使い過ぎたため、放送直前に派出所のブレーカーが焼けて電気が使用不能に。
両さんはビデオデッキを持ち出し、自動販売機用のコンセントから電力を入手、手製の針金アンテナで地上波を受信し、録画を試みるが失敗に終わる。
両さんは誤魔化そうとするが、部長にバレて叱られる。
叱られた腹いせに両さんは、部長宅のアンテナをジャックし復讐を果たす。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、大原良子
ビデオの留守録を頼まれる話。
部長は出張のため、オンタイムで放送を見ることはできなかったので、録画を依頼していた。
部長が録画を頼んだのは、MHK大河ドラマ「幕末の春」。実際のNHK大河ドラマとは異なり深夜12時15分からの放送で、両さんからは超ドマイナーなドラマと言われてしまう。
派出所のブレーカーの故障については、夜が明けてから電気屋に修理してもらったので、他の者にはバレていない。
なぜか最後の部長への復讐には、寺井も一緒に参加している。
価格:9500円 |
●麗子メモリアル
ストーリー
麗子は196X年にフランス・パリで出生。幼少からモデルとして活躍し、5歳のころには誘拐犯人を捕らえる大手柄を挙げ、15歳のときにはスイスの名門女子学校で泥棒を捕まえるという正義感の強い少女に育つ。
17歳で日本に帰国し大学卒業後、警察官になっていた。
銀座で麗子を見かけた自称“スーパー金持ち”白鳥麗次は、愛車のポルシェで麗子をデートに誘う。
白鳥鉄工所という麗子の会社の下請け会社の御曹司だったため、仕事の関係を考慮し、麗子は白鳥の誘いに応じ、横浜の高級レストランに向かう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、白鳥麗次、秋本飛飛丸、秋本フランソワーズ(マリイ・ローラン)、秋本優
前半は麗子の半生の紹介、後半は白鳥麗次の初登場とデートの話。
この回で一コマだけ登場する麗子の母・フランソワーズだが、ちゃんとした登場は129巻「謎のデザイナー・マリイ・ローラン!の巻」まで待たなければならない。
6歳の麗子がパリからベルギー、西ドイツまで一人旅をしたエピソードが出てくる。当時、ドイツはまだ東西に分かれていた(1990年10月に統一)。
麗子の出身大学は「港区上品大学」となっている。
後に準レギュラーとなる白鳥麗次。そのキャラは初登場時から確立されており、金持ちを鼻にかけるが車の運転は下手くそ。田園調布に150坪の家があり、慶王大学出身の設定。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 129【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●中川メモリアル
ストーリー
中川は196X年に東京都千代田区一番町で生まれた。ニューヨーク郊外で様々な家庭教師から英才教育を受け、7歳でハイスクール教科をすべて修了。大学からは日本に帰国し、警察官になっていた。
箱根に車とミリタリーの博物館が開館。それは、コレクターの多い中川の親戚たちが道楽でやっている博物館だった。
車とミリタリーは両さんの守備範囲でもあるので、中川と一緒に両さんも開館イベントに参加。
しかし、その会場でフェラーリF40を盗む者が現れる。ミリタリーマニアの中川の親戚たちと両さんたちは、ドロボウを箱根江戸村に追い詰める。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、中川龍一郎、中川三亀松
前半は中川の半生の紹介、後半は中川の親戚の博物館の開館イベントからの大捕り物の話。
「中川の父登場の巻」では、中川は父・龍一郎に3回くらいしか会っていないと語っていたが、この回では3回以上会っているように読み取れる。
この回で、中川は日本の大学を出ていることになっている。しかし、84巻「絵崎教授の哲学の巻」では英国ケンブリッジ大学で絵崎教授に師事したことになっている。
両さんや部長たちが話題にする博物館、ハリウッド映画の製作、銀座の映画館開業、デパート新設、地下鉄の延伸と、どれも中川の系列会社が関わっており、「お前が日本を支えてるのかよ!」とツッコまれている。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 84【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●両さんメモリアル
ストーリー
両津勘吉は台東区千束で昭和20年代に、佃煮屋の長男として生まれた。
人並外れて元気だったが、落ち着きがなく、幼稚園の入園式を脱走。小学校に上がると、数々の事件を引き起こす問題児に成長していた。
手先の器用さもあるものの、飽きっぽく、将来の目標は大工、パイロット、漫画家とコロコロ変わる移り気だった。
そんな勘吉少年は、たびたび警察沙汰も起こしていたことから、有り余る体力を見込まれ、親と警察に警察官採用試験を受けさせられ、気付いたら警察官になっていた。
そして現在。両さんは世話になった人たちを集め、大切にしていたNゲージやカメラのコレクションをプレゼントし日頃のお礼を伝える。
両さんは「長い旅にでる」と派出所を去るのだった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人、戸塚金次、星逃田、両津銀次、両津よね、両津金次郎、戸田豚平、千田珍吉
伝説のニセ最終回。
両さんを取り上げた産婆さんは、126巻「擬宝珠家の新しい息吹の巻」で、纏と檸檬の妹・蜜柑を取り上げた産婆さんと同じ人。
不忍ノ池の弁天堂の焼失未遂事件(63巻「わが町・上野の巻」)、千住のおばけ煙突事件(59巻「おばけ煙突が消えた日の巻」)は、これまでにも語られてきたエピソード。
ラストは見開き2ページで
「長い間ご愛読ありがとうございました。
両津勘吉巡査は派出所を去り、旅立ちました。
13年間の長期にわたり
読み続けてくださった
読者の方々に
お礼を申し上げます。
また会う日まで さようなら」とそれっぽくシメられている。
13年間の連載というのもかなりの長期連載だが、最終的には40年もの連載となる。最終的な連載期間からすると、この時点で全体の1/3くらい。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 126【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
こちら葛飾区亀有公園前派出所 63【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
こちら葛飾区亀有公園前派出所 59【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●新たなる旅立ちの巻
ストーリー
派出所を去った両さん。
だが、次ページですぐに「長い旅から よりパワーアップして帰ってきました!」と派出所に戻ってきてしまう。
「パチンコ屋の新装開店みたいなもんだ!」と、のんきに笑う両さんだが、部長たちは激怒。
「ほかの漫画にいっちまえ!」と両さんを放り出す。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人、戸塚金次、星逃田、フリーザ、ザーボン、アプール
伝説のニセ最終回のネタバラシ回。
といっても、「両さんメモリアル」17ページ、「新たなる旅立ちの巻」2ページで同じ号に掲載されていた。
「ほかの漫画」として「DRAGON BALL」の世界に行き、フリーザたちと共演。当時、ナメック星編であったことが分かる。
タイトルは「新こちら葛飾区亀有公園前派出所」と「新」の字が入っており、ロゴもいつものタイトルロゴとデザインが異なっている。
「ニューパワー爆発 新連載‼」「あの両さんが帰ってきた‼」とそれっぽいアオリが入っている。
価格:1760円 |
●本田メモリアル
本田くんのアルバイトの巻
ストーリー
本田速人は東京都荒川区のバイク店の長男として生まれ、平凡な人生を送っていた。
そんな本田がニューモデルのバイクが欲しいとバイトを始める。
高額のバイト希望とのことで、両さんがいくつか紹介するも、力仕事や高所作業はできず、ビル建設の現場では役に立たない。
時給は下がるが、ハンバーガーショップにバイトを変えるも、接客が向いていないため、こちらも仕事にならない。
最終的にバイクの腕を活かし、ピザ屋のデリバリーを始める
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、本田改造
序盤は本田の半生の紹介(1/2ページで終了)、途中からは本田のバイトの話になっている。
ジャンプ掲載時、この回の作品名のタイトルロゴは、前回に続き「新こちら葛飾区亀有公園前派出所」となっていた。
「ごく平凡な人生」とわずか1/2ページで語られる本田の人生。しかし、関東に伝説を残す暴走族の総長から白バイ隊員への変遷、「本田川崎」→「本田鈴木」→「本田ヤマハ」→「本田本田」→「本田速人」の改名遍歴(170巻「「改名くん」の巻」)と、どの辺りが平凡なのかと疑問を感じる。
両さんの曽祖父の人生はかなり壮絶で、上海生まれのボルネオ育ち、イタリア語を話す台東区民で、8回結婚して7回離婚、17歳で会社の社長に就任し潰してから様々な職業(やくざ、弁護士、銀行員、寺の住職、他)を転々とし、10年間外国を逃げ回り、最後は作曲家という怒涛の人生を送っている。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 170【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●家電恐怖症の巻
ストーリー
物持ちの良い部長の家の電話は未だに黒電話。CDプレイヤーではなくレコードプレイヤーしかないなど、家電を買い替えることがあまりない。
そんな部長が娘夫婦が外出する間、孫二人の面倒を見ることに。
しかし、若夫婦の家で、留守録機能付きのコードレスホン、FAX、リモコン操作のビデオデッキ、孫のファミコン、タイマーセットの洗濯機、孫娘のミルクを温めるための電子レンジと、最新家電に囲まれ、部長はパニックになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、大原良子、角田(大原)ひろみ、角田英男、角田大介、角田桜
部長が最新家電でパニックになる話。
パニックになって全部のコンセントを抜くという暴挙に出て、助けに来た両さんに呆れられる。
部長宅のレコードプレイヤーは、娘のひろみの中学入学の記念に買ったものを未だに使っている。
両さんがメチャクチャなことを教えて、部長激怒オチとかも予想される流れだが、意外にもこの回のオチは、ほのぼのとした感じで終わる。
部長のメカ音痴の話は、その後も何度か出てくるが、190巻「スマホ競争の巻」では部長はスマホデビューするまでになる。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 190【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●突撃!ゴキブリ館の巻
ストーリー
新しくできたアスレチック会館を体験する中川と両さん。「30分間ゴキブリ体験」と銘打ったイベントは、ゴキブリの羽根などのユニフォームを着用し、約20倍スケールの台所を模したジオラマの中をゴールまで走るというもの。
ゴキブリホイホイや殺虫剤といった障害を乗り越えゴールした両さん。想定外に発生した地震にも適切に対応し、体力と決断力から、イベント会社のイメージキャラクターを打診される。
両さんの演じるゴキブリのキャラは大ヒット。引き続き、アリ、クモ、金魚と様々なキャラを演じる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛
巨大なジオラマの中でゴキブリ体験できる施設の話。
両さんが実物のゴキブリと絡む話は他にもいくつかあるが、今回は自身がゴキブリのキャラになる。
巨大な台所のジオラマ内に出てくる殺虫剤は「ルーチョンキ」、台所用洗剤は「ママハハレモン」。
イベント会社のイメージキャラクターの契約は年間300万円。公務員の副業は禁止されているので、両さんは一瞬だけ耐えたものの、すぐに契約した。
両さんの頑丈さについて「生命力は人間の数百倍ですから!」と断言する部長。両さんは人間じゃないのか……
【楽天1位!】ドライマギア社カードゲームごきぶりポーカー日本語版(カーケラーケンポーカー) 価格:1800円 |
伝説のニセ最終回の巻。
「中川の父登場の巻」で、中川の父を登場させ、中川の幼少期を描けるようにし、
「麗子メモリアル」「中川メモリアル」と、二話続けて、いつもと違う感じを演出したところで、
ニセ最終回「両さんメモリアル」に繋げる構成になっている。
自称“スーパー金持ち”白鳥麗次も、この巻で初登場。
再登場は73巻「白鳥麗次再登場!の巻」。