「こちら葛飾区亀有公園前派出所」70巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1991年7月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 70【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●ボルボ式射撃特訓の巻
ストーリー
元・軍人のボルボ西郷は異常に敵襲を警戒しており、自宅への新聞や牛乳の配達に対しても銃を乱射してしまうほど。
ある日、派出所を訪れたボルボだったが、拳法家のホンダラ親父の殺気を警戒し、派出所を爆破襲撃してしまう。
そんなボルボが、FBI射撃術をマスターしている経歴から、葛飾署の婦警の射撃コーチとなる。
手榴弾の扱い方など、警察官の射撃としては不適切な指導をするボルボにツッコみを入れる両さん。すぐ発砲して危険なため、両さんは最低限の装備以外を外させる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ボルボ西郷、麻里晩
ボルボが婦警の射撃コーチになる話。
この頃のボルボは、まだ過激で発砲の頻度が相当高い。
丸腰になると、とたんに不安になるキャラも93巻「ボルボのアフリカ・サバイバル!の巻」ではなくなっている。
拳法家・ホンダラ親父(マリアの父)vs傭兵・ボルボの対決が見られるが、決着はしない。
オチのニュースを伝えるキャスターの髪型がモヒカンと、かなりアグレッシブ。
ラストの「婦警には生身の銃で勝負するぞ‼」というコメントが今の少年誌では厳しいかもしれない。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 93【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●両津流身代わり拳法!の巻
ストーリー
中国から武道の神様・聴捻展(ちょうねんてん)老師が来日し、国際武道大会が開かれる。
マリアの父のホンダラ親父は、師範代として両さんに出場を打診しようと派出所にやってくるが、待ちくたびれて寝てしまい、両さんにイタズラで「幸福のヒゲ」をそり落とされてしまう。
大会当日、事故や天候による不運でホンダラ親父は会場にたどり着くことができない。
両さんは身代わりでホンダラ親父のフリをして、大会に出場する。
主な登場人物
ホンダラ親父の身代わりで武道大会に出場する話。
両さんがホンダラ親父のヒゲをそり落としたのは、「おそ松くん」のイヤミに似せるためのイタズラ。結果、想像以上に似ていた。
地下鉄がバナナの皮で脱線したり、武道大会で象やティラノザウルスと戦ったりと、ややあり得ないことが勢いで展開される回。
ホンダラ親父に見た目を似せるのに、マリアの髪を切ってカツラを両さんは自作する。そのため、この回では珍しくボブくらいの長さのマリアが見られる。
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●秘薬リョーツGPXの巻
ストーリー
昼寝起きでうっかり川に転落してしまった両さん。サイフを中で落としたので、再度川に飛び込む。
ところが、河川敷のゴルフ場の除草剤が大量に川に流出していたことが判明。両さんはその川でサイフを長時間探して潜っていたので、体調が不安視される。
念のため、病院で検査を受けることに。そこで判明したのは、両さんは異常に強力な抗体を有しており、風邪ひとつひかないのだった。
この抗体は「リョーツGPX型ワクチン」と名付けられ、人類から風邪をなくすことができるものと世界中の話題になった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、屯田五目須(署長)
両さんの常人離れした免疫機能の話。
両さんの飛び込んだ川に除草剤が流出していたのは確からしく「そういえば魚がプカプカ浮いてて」と両さん自身が証言している。
除草剤のことを聞いて、気分が悪くなった両さんだったが、何も異常は見られなかった。気分が悪くなったのは気のせいらしい。
人類を救うかもしれないという功績(本人は何もしていないが)から、警視庁より五階級昇進が内定する。五階級というと警視正になって、部長よりはるかに上。
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●花咲か両さんの巻
ストーリー
部長が自身で育てた胡蝶蘭の鉢を派出所に持ってくる。その価値が3万円と聞き、両さんは自分が3日間をかけて完成させたZゲージの機関車模型と同価値と知ってショックを受ける。
しかし、高値で売れると考えを改め、胡蝶蘭を100鉢買い込むと、部長に育て方を聞きながら栽培を始める。
猫やカラスに荒らされることを警戒し、24時間体制で鉢を見守る両さん。
その苦労の甲斐が実り、50鉢が花を咲かせ、出荷が決まる。
主な登場人物
胡蝶蘭を育てる話。
部長の接近を警戒する両さんは、派出所の前のガードレールに鏡を仕掛け、近づいて来る部長を派出所の中からチェックできるようにしていた。
部長から胡蝶蘭の育て方を教わりたい両さんは、部長に下手に出なければならず、非番の日でも部長に雑用をさせられていた。自身でも調べてはいるようながら、ネットのない時代では情報に限界があるよう。
胡蝶蘭一鉢一鉢に名前を付けて育てており、最初は「一郎」「二郎」とシンプルな名前だったが、「ヤポンスキー」「寿限無寿限無五劫のすり切れくん」「林家三等兵くん」と凝った名前になっていた。
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●暴走機関車の巻
ストーリー
両さんの模型仲間の丸山は、個人で実物のC11型機関車を買い取り、ビアガーデン「シーイレブン」を開く。タダのビール券をもらった両さんは勤務そっちのけでビアガーデンに行くと、そこは機関車を展示しているだけでなく、機関車の給水加熱器から冷えたビールが出る仕組みになっていた。
上機嫌でビールを飲んでいた両さんだったが、ビールの炭酸で蒸気機関車が走り出す。
機関車は暴走し、署長と部長が出席している「星と宇宙の博覧会」会場に突っ込んでいく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
炭酸で蒸気機関車が暴走する話。
水の代わりにビールをタンクに入れ、石炭の代わりにドリアアイスを火室に入れ、冷えたビールを提供できる仕組みになっている。
古い機関車(43年前のもの)を使っていたので、“蒸気だめ”が炭酸の圧力で破損、煙室に炭酸のガスが貯まり、シリンダーを動かして暴走したことになっている。
今回、勤務をサボってビアガーデンにいたことは悪いものの、機関車の暴走は両さんのせいではないので、オチは可哀そう。
オチで「日本人で最初に宇宙へ」となっている。日本人最初の宇宙飛行士・秋山豊寛の飛行は1990年12月。この回の掲載後の年末のことだった。
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●備えあれば憂いなし!?の巻
ストーリー
両さんは、ピザを食べている時に肥溜めの話、もんじゃの時にゲロの話、カレーの時に検便の話、ハンバーグのときに馬糞の話をされても動じることはない。
震災のときは、甘いことは言っていられないと主張する両さんは、麗子と婦警に「東京地震救出保険」を月1万円で売りつける。いざというとき、両さんがどこでも駆け付け、救出してくれるという保険だ。
本当に地震の時に両さんが助けてくれるのか、信じきれない麗子は、中川の協力を得、派出所の部屋で人工的な振動が起きるような装置を設置。両さんの反応をテストする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
地震保険の話。
冒頭、麗子たちのパトカーがマツダ・キャロル(2代目)ベースになっていることで、「まんまる」「初代のイメージがない」と評していた。
震災の話として、祖父・勘兵衛が関東大震災(1923年)に浅草十二階(凌雲閣)が崩れて落ち込んだときの話が出される。
両さんがもしもの時に助けてくれるか、という問題に対し、部長、寺井、戸塚、本田は助けないと予想。助けてくれると予想したのは中川一人だけだった。
価格:1100円 |
●コードレス・パニックの巻
ストーリー
派出所の電話2台が、受話器部分を本体から外せるコードレスホンに変わった。
しかし、1台は天ぷら油の中に落下させてしまい故障、1台は野良犬に持っていかれてしまう。
犬に持っていかれた方は、国際電話に繋がって後日42万円の電話料金の請求がくるといった受話器紛失以外の被害も出る始末。
ほどなく、受話器を持って逃げた犬を確保。この犬は他にも色々な物を盗んでは縄張りの地面に埋めて隠していた。
その隠されていた物の中に部長の警察手帳を見つけた両さん。このことをネタに部長にイヤミを言う。
主な登場人物
派出所の電話がコードレスホンになる話だが、途中からはイタズラをする犬の話になっていく。
コードレスホンになったことに対し、備品より人件費に回してほしいとボヤいていた両さんだったが、中川たちがコードレスホンのテストを始めると、嬉々として通話範囲の限界チャレンジをして一番楽しんでいた。
犬の操作で偶然電話が繋がるまでは良いとして、「ワンワン」と吠える声で「11111」の英語と聴き取るのはさすがにムリがある気がする。
なお、警察手帳を紛失すると、重大な処分の対象となる。
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●怪童・両津奮戦す!!の巻
ストーリー
麗子たち葛飾署婦警の野球チームの様子を見て、両さんはその程度なら3人で勝てると煽ったことから、両さんたち男子3人vs婦警チームで試合をすることに。
甲子園出場経験のある鐘田(かねだ)、大学野球で優勝経験のある否尾(いなお)と両さんチームは実力者揃いだが、さすがに3人では守備に穴がある。また、相手投手・麗子の色気にやられて、試合前の豪語に反して意外にも苦戦する。
婦警チームは、投手にマリアを起用。160km/hの剛速球でのデッドボール、マリアのピッチャー返しの打球直撃で、鐘田と否尾が負傷。
両さんはたった一人で奮闘する。
主な登場人物
両津勘吉、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛
婦警の野球チームと男子3人で試合をする話。
鐘田と否尾の元ネタはおそらく、金田正一と稲尾和久。
タイトルの「怪童」は尾崎行雄の異名。
一人になった両さんはランナーの代わりに、佐藤製薬のサトちゃん、コーワのケロちゃん、ケンタッキーのカーネルサンダースの人形で代用する。
この試合、男子チームが負けたら裸で町内一周、婦警チームが負けたらレオタード姿での勤務を賭けた勝負になっていた。
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●和服リバイバルの巻
ストーリー
部長のお遣いで地元の浅草に人形焼きを買いに行った両さん。幼馴染の店で安く購入し、お釣りを臨時収入として得られ上機嫌だったが、小学校の恩師・御曲(おまがり)先生に焼肉を奢らされてしまう。
帰りに同級生で呉服屋の立花に出会う。若い客層に和服が受けるアイデアを両さんが考案。
警察官の制服を和服にして、和服をPRする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、御曲先生、立花
前半が故郷に帰って、恩師にたかられる話、後半が和服をPRする話。
御曲先生は90歳を超える高齢ながら、お金のあまりない両さんに奢らせるなかなかのクセ者。
同級生の立花は、呉服屋ながら、サンバカーニバルで出会った外国人女性と結婚している。
立花は83巻「亀有結婚行進曲の巻(後編)」で再登場する。
両さんの考えるアイデアは、途中までは大成功するも、オチで大失敗、というパターンが多い。しかし、今回の和服PRはマスコミ受けはしたものの、同級生の店の売り上げにはつながらなかった。
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●激走!模名古村(もなこむら)三輪レース!!の巻
ストーリー
模名古村(もなこむら)でオート三輪のレースが開催される。
両さんと中川はマツダT600を入手し、二人で出場する予定だったが、社長業で中川はニューヨークから帰れなくなってしまう。
仕方なく、両さんは麗子を呼び出し、二人で出場。車の運転には自信のある麗子だが、初めてのオート三輪に大苦戦する。
それでも両さんとのコンビでトップを激走。しかし、前輪がパンクしてしまう。両さんはスケボーを前輪の代わりに装着する。
主な登場人物
オート三輪のレースの話。
中川は中古車センターで見つけたT600を、小切手500万円即決で購入。「まるで日本の企業のような買いっぷりだ」と言われる。当時はバブルで日本経済が好調だった頃。
優勝者には、家紋入りの純金のミゼットがもらえる。両さんはそれが目当てでの出場だった。
仕事で来れない中川に「遊びと仕事と どっちが大切なんだ! 何考えてんだ!」と両さんは理不尽にキレていた。
麗子に対しては、ケガをして動けないとウソをついてレース場に呼び出した。急いでポルシェを飛ばして駆け付けてくれる麗子は結構優しい。
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オススメは、両さんの強靭的な身体から生み出される抗体の話「秘薬リョーツGPXの巻」。
鋼鉄のような肉体を持つ両さんだが、筋力・骨格だけでなく、抗体まで人間離れしているのが驚き。
「両津流身代わり拳法!の巻」「暴走機関車の巻」「激走!模名古村(もなこむら)三輪レース!!の巻」など、ドタバタの勢いのある話もオススメ。