「こちら葛飾区亀有公園前派出所」71巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1991年9月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 71【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●最新歯医者事情の巻
ストーリー
部長が怖い顔をして派出所に入ってきたので、日ごろの悪事がバレたのではないかと探りを入れるが、そうではなく虫歯が痛くて顔が強張っているだけだった。
中川の知り合いの歯医者を訪れる部長。両さんは部長に同行し、歯医者の治療に不安になる部長をからかって遊ぶのだった。
部長がトイレで席を外した隙に、白衣とマスクで歯医者のフリをする両さん。空いている処置室に部長を呼び込みインチキな治療を始める。
主な登場人物
ニセ歯医者のフリをして部長にイタズラする話。
白衣などは近くの処置室にかかっていたので、両さんが利用するのは分かるのだが、部長の大嫌いなセロリとそれをジュースにするミキサー、抱えるほどの巨大な注射器など、一体どうやって調達したのか分からないアイテムが次々出てくる。
中川の紹介で訪れた成増デンタルクリニックは、ビルの屋上に巨大な入れ歯のオブジェがあり、ダラっと伸びた舌には「いらっしゃい」と文字が記載されているというアグレッシブな外観。
価格:990円 |
●無加月くんのツキだめし!の巻
ストーリー
無加月(むかつき)巡査は、華奢な体型で気弱な見た目。
無加月は、カセットデッキを買えばエルカセット、ビデオデッキを買えばドカベンカセット(U規格)、やっとお金を貯めて買った自動車は欠陥が発見され回収と、ことごとくマイナーなものやハズレのものばかりを買ってしまう。
株を買ったときは大暴落するなど、ツキのない無加月だが、怒ると気弱な見た目の人格が変わるほど激しくぶちギレる。
両さんは、無加月の運を試すため、競馬や宝くじに挑戦させてみる。
主な登場人物
ツキがなくて、ムカついてしまう警官の話。
冒頭、両さんが無加月のエルカセットデッキを修理しているところから話が展開していく。
ビデオデッキに話題が移った際、中川はVHSではなくベータを買ったのでは? と予想するが、まさかのU規格と想像の上を行くマニアックさだった。
両さんは「今ビデオカメラが8ミリかVHS-Cで戦ってるだろ!」と語り、無加月が選んだ方が廃れるのではないかと予想していた(実際の結果は、8ミリが優勢になった)。
価格:660円 |
●それゆけ香港!の巻
ストーリー
用事でマリアに会いに翻堕羅拳道場を訪れるが、妹のマリリンのいる香港に一週間いるとのこと。
道場備え付けの大陸間弾道有人ロケットで香港に飛ばされると、マリアはマリリンと映画の撮影をしていた。
撮影を見学していた両さんは、ギックリ腰で出られなくなった日本人俳優の代わりに出演することになる。日本に行ったことのない香港のスタッフの演出で、メガネとネクタイを着用し、名刺交換と記念撮影をする忍者の役でメチャクチャな撮影に挑む。
主な登場人物
香港映画に出演する話。
66巻「香港大チェイス」で本田と香港映画に出演したことがあるので、すんなりと代役が決まった。
香港のスタッフの考える日本家屋は、見た目ほぼ金閣寺で、庭には新幹線と東京タワーがあるというおかしな日本観だった。
また、日本人らしさということで、高額な絵画を背負わせ、土地の権利書を持たせられる。日本人に金持ちのイメージが強かった頃。
マリアに会いに翻堕羅拳道場を訪れるのが冒頭の流れなのだが、そもそも両さんはマリアと寮の同室で住んでいるのだから、わざわざ会いに行く必要がない気がする。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 66【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●ポリスマンの条件の巻
ストーリー
中川とラーメン屋で昼食を取ろうとした最中、銀行強盗が発生。中川のパトカー仕様ディアボロで追跡する。車を置いて逃げる強盗を追う両さん。レスラー崩れの強盗を、大捕り物の末に捕まえるのだった。
強盗犯との捕り物でカーディーラーにあった新車を破壊したので、怒られるかと思いきや、体力を見込まれ、両さんは新人警官の体力指導教官に任命される。
虚弱な新人警官たちは、両さんの指導でも結果が伸びない。両さんは装備などで強そうに見せようとする。
主な登場人物
前半はガタイの良い強盗犯と大捕り物になる話、後半は、ひ弱な新人警官を鍛える話。
両さんが指導する新人たちはかなりの虚弱で、腕立て伏せをしているだけで骨折するほど。警察官の採用試験に一応、体力検査もあるはずながら、どうして受かったのだろうか?
オチでは、とある技術で新人たちは100メートル11秒で走り、100kgを軽々持ち上げられるようになる。両さんが、どういったツテでそのオチにたどり着けたのかは不明。また、中川頼みなのかもしれない。
MODEROID 『ロボコップ』 ロボコップ ノンスケール (組み立て式プラモデル) 価格:5423円 |
●痛い恩返しの巻
ストーリー
公園で子供たちが落とし穴を作って両さんをハメようとするが、両さんは即座に見破る。落とし方の見本を子供たちに見せようと、中川をターゲットにするも、タイミング悪く老人がハマって腰を痛めてしまう。両さんは自分の悪事を誤魔化し、老人を病院へ連れていく。
一方、住民からの要望で、民家の軒先にできた巨大なハチの巣を駆除することになった両さん。
ビニール袋に包んでハチの巣を持ち帰ると、派出所内で袋に穴が開いてしまい、派出所の中は地獄絵図になる。
主な登場人物
ハチの巣駆除をしたため、ハチの大群と格闘する話。
前半の落とし穴の話とハチの話は一見つながっていないようだが、オチでつながっている構成。
ハチに対抗するため、両さんを盾に使ったり、ハチミツを両さんの身体に塗ってハチを集中させたり、部屋に両さんとハチを閉じ込めたりと、部長、中川、麗子の行動が鬼畜。
ハチに刺され、両さんの顔は瞼や鼻が腫れ、まるで別人に。
価格:704円 |
●レジャーランドツアー(前編)の巻
ストーリー
暑い夏、連休にみんなで世界一広いマンモスプールのスーパー船橋ヘルスセンターランドに遊びに行く。
巨大なレジャーランドの中には多種多様なプールがあり、相当高いところからのウォータースライダーなどを楽しむ。
金・銀・パールがプレゼントされるイベントでは、プールに落ちた金・銀を探したり、イルカと計算問題対決や鬼ごっこで勝負することに。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛
レジャーランドに行く話の前編。
両さんたちが行ったレジャーランドは「スーパー船橋ヘルスセンターランド」。元ネタは1977年まで実在した船橋ヘルスセンター。
スーパー船橋ヘルスセンターランドは、プールが1360か所、ホテルが15軒、総面積が世田谷区とほぼ同じ面積という設定。船橋市(85.62km2)の中に世田谷区(58.05km2)並みのレジャーランドがあったら、船橋市の大半がレジャーランドになってしまう。
レジャーランドには中川の車で行くが、8人乗りカウンタックという2列×4の妙に縦長のスポーツカーに6人乗車している。
価格:594円 |
●レジャーランドツアー(後編)の巻
ストーリー
スーパー船橋ヘルスセンターランドのホテルで目覚めた両さんたち。
ホテルの中も含めて水着で過ごすことができるのだが、サイフを持ち歩かないので、ホテルの部屋のキーを持っていないとランド内で食事をすることができない。昼食代を稼ぐため、両さんはマリアをギャルコンテストに出場させ、賞金20万円を手に入れる。
ジェットコースターのようなボートコースター、モーターボートなどを楽しむが、両さんはモーターボートのリミッターを解除し暴走させる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛
レジャーランドに行く話の後編。
マリア(当時、男性)の参加したギャルコンテストの審査員の一人は、伊集院光。
他の審査員はゲリベン番長、朝やけ番長。朝やけ番長の元ネタはたぶん「夕やけ番長」。
扉絵は前編と後編を上下合わせると、一枚のサマーポスターになるようになっている。
価格:440円 |
●生意気CD機(キャッシュディスペンサー)の巻
ストーリー
葛飾署の署員の給料が実験的に現金ではなく、口座振り込みに変更。
銀行に行って自動支払い機(キャッシュディスペンサー)を使おうとするが、機械は妙に生意気な態度で、現金を引き出すことができない。
両さんが激怒していると、行員が現れて機械をチェックしてくれるが故障はない。しかし、両さんが操作すると機械は生意気な態度を取ってくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛
銀行のキャッシュディスペンサーの話。
今から見ると、当時は口座振り込みがまだ一般的ではなかったのかと驚く。
キャッシュディスペンサー(Cash Dispenser)は、現金自動支払機(作中では自動支払い機となっている)で、ATM(Automatic Teller Machine)現金自動預払機とは厳密には区別される場合がある。
作中では、まだ機械に頼るのは危ないという論調で、「どっかの会社みたいになん十億とっても だれ一人気づかない時代だからな」と言われている。
冒頭、派出所のコードレス電話の受話器が2つ使用不能となり、70巻「コードレス・パニックの巻」と合わせて受話器のない電話機が計4台になっている。
【楽天ランキング1位入賞】貯金箱 お札 子供 小銭 ダイヤルロック ATM 仕分け 自動 おもしろ(ブルー) 価格:2880円 |
●勝鬨橋ひらけ!の巻
ストーリー
勝鬨橋は船が通るたびに中央部が開閉する可動橋。しかし、時代が海運から陸運に変わっていったことで、橋の跳開はなくなっていた。
昭和40年代、勘吉少年たちの中学の同級生、白鳥純はお金持ちで頭が良かったが、身体が弱く体育はいつも見学していた。
身体の弱い純は、空気の良い北海道に転校することに。可動橋が好きだが、勝鬨橋の開いたところを見たことのない純のために、勘吉たちは操作室に忍び込み、勝鬨橋を開けようとする。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸田豚平、千田珍吉、白鳥純
開くことを止めた勝鬨橋を開く話。
両さんの思い出話は、昭和30年代の小学生時代のパターンが多いが、今回は昭和40年代で中学生時代の話。
この辺りの設定は昭和27年(1952年)生まれの秋本先生ご自身と重ねているところだろうか。
通航のための勝鬨橋の最後の跳開は昭和42年(1967年)。純は昭和45年(1970年)の大阪万博に行ったことになっているのに、昨日まで勝鬨橋が開いていたとの言及が作中でされている。(1970年の最後の開閉が作中の時間軸か?)
純はその後、工学博士となり、北海道大学の名誉教授になっていた。
181巻「勝鬨橋、再び開く!!の巻」では、純と再会し大人になった両さんたちが、再び勝鬨橋を開こうとする。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE〜勝どき橋を封鎖せよ!〜 DVD豪華版 [ 香取慎吾 ] 価格:5104円 |
●ホンモノは誰だ!?の巻
ストーリー
同じ警察寮に住む一色はビデオマニアで映画などのビデオを5000本所蔵しており、両さんも一色からビデオをよく借りていた。
そんな一色が100インチのプロジェクションテレビの試作機を、電機メーカーの友人からモニターとして借りてくる。そのあまりの迫力と画質に両さんも驚くのだった。
派出所に両さんの警察学校時代の恩師・宮地先生が訪ねてくることに。しかし、その日は少年サッカーの試合の指導をしなければならない。
苦肉の策で、一色のプロジェクションテレビを派出所の奥の通路に仕掛け、遠隔からの映像で両さんが派出所にいるように見せかける。
主な登場人物
巨大で高画質なテレビを使って、アリバイを作る話。
テレビは、派出所の奥の台所などに向かう通路(少し薄暗い)に仕掛けていた。部長や宮地先生が少しでも近づいたらバレそうなものだが、風邪をひいていて近づいてはいけないと誤魔化していた。
音声に関しては、電話を繋ぎっぱなしにして乗り切っている。
現在ならネット経由でリモートが可能だが、当時の技術力としては有線で派出所とサッカー場を繋げなければならず、「接続コードだけでも えらい出費だぞ」とボヤいている。
【楽天1位受賞】プロジェクタースクリーン 吊り下げ 100インチ 4:3 天吊 壁固定 プルダウン式 会議室 プレゼン 学校 ホームシアター 手動 EEX-PST1-100 価格:13800円 |
オススメは、歯医者のフリをして部長にインチキ治療をする「最新歯医者事情の巻」、デタラメな日本イメージの香港映画撮影の「それゆけ香港!の巻」。
リモートでアリバイを作る「ホンモノは誰だ!?の巻」は、30年以上も前のアイデアとは思えない。