「こちら葛飾区亀有公園前派出所」74巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1992年3月発売）
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 74【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●迷子象の休日の巻
ストーリー
法条と夜勤をしていると、野生の象がコンビニを荒らしているとの通報が入る。象は動物園を抜け出していた子象だった。
両さんは象を保護。夕方に動物園から迎えが来ると言われ、派出所に預けて夜勤明けの両さんは帰宅しようとするが、象のトントは両さんにすっかり懐いてしまい、離れようとしない。
仕方なく、象を連れて電車に乗り、競馬場に行くと、寮の自室に泊めて休日を過ごす。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、法条正義、吉原トメ（白浜カトリーヌ）（寮母）
迷子の象を保護する話。
両さんと動物というと、動物を利用して両さんが一儲けを企むパターンが少なくないが、今回は純粋に保護して一緒に休日を過ごす話になっている。
夜に保護し、翌日の夕方に動物園が引き取りに来る手はずだったのだが、派出所で一晩、寮で一晩と、どういうわけか合計二晩預かっている。
電車で競馬場に連れていくくらいなら、その足で動物園に連れて行けば良さそうなものだが、なぜかそうはしない。
登場したコンビニの名前は「KOSAKIN24」。元ネタはおそらく、小堺一機と関根勤のラジオ番組。
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価格:4136円 |
●JUMP！STEP!!ホッピング!!!の巻
ストーリー
派出所にトイレを貸してもらいたいと、ホッピングに乗った男が訪ねてくる。男は、日本ホッピングスポーツ協会会長の志賀右京ノ介。ホッピングの普及のためにホッピングに乗ったまま日本一周していたのだった。
両さんは志賀に協力。テレビ局のプロデューサーに紹介し、ホッピングは大ブームとなる。
ブームの末、賞金1億円のスピードホッピング日本一グランプリが開かれることになり、優勝目指して両さんも参加する。
主な登場人物
前半は、ホッピングスポーツ協会の志賀の話、後半はスピードホッピング日本一グランプリの話の展開になっている。
志賀右京ノ介には、同じ門下に日本フラフープスポーツ協会を作った志賀左京ノ介がいる。同じく日本一周をしているらしい。
ホッピンググランプリでは、両さんは勝利のため、ホッピングのバネを最大にして高所から勢いをつけて飛び降りるが、そのせいでコントロール不能になり、肥溜めに落ちたりと大騒動となる。
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●人気漫画家を目指せ！の巻
ストーリー
知り合いの小さな出版社は、扱っている本が全然売れなくて倒産寸前。
両さんは漫画雑誌に方針転換すべきだとアドバイスする。
漫画の制作を安易に考えていた両さんだったが、有名漫画家に仕事を発注することなどできず、素人の漫画マニアを集めても費用がかかり過ぎる。
両さんは、漫画スクールを開校。生徒からは授業料を取り、その生徒の課題作品を授業料から捻出したお金で雑誌として出版する方式を考案する。
主な登場人物
漫画スクールを開校し、漫画雑誌を出版する話。
両さんの開校した漫画スクールは、授業料は安い（年間（2年間？）1万円）のだが、指定の原稿用紙や執筆に使う用具（鉛筆、T定規、他）を高額で買わせるという悪どさ。
59巻「両さんの漫画修業の巻」で、漫画家のアシスタントをしたり、自分でもカラー原稿を描いたりした経験がある割に、両さんは漫画制作を安易に考えており、20分で原稿1枚が描けると思っている。
作中、少年ジャンプらしき雑誌（ジャプン表記になっている）が出てくる。表紙は当時連載していた「ダイの大冒険」。
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●謎の発掘胸像Ｘの巻
ストーリー
署で勤続35周年の賞をもらっていた部長に、派出所メンバーからもプレゼントを贈ることに。
話し合いの結果、贈るのは部長をかたどったブロンズの胸像になる。真面目な表情、警察官の制服で発注するが、両さんはそれでは面白くないと、怒りの表情で威厳に満ちた服に勝手に変更してしまう。
完成したものの、中川たちの猛反対に遭い、胸像は作り直すことになり、怒り顔の胸像は両さんが引き取る。
引き取って自室に置くが、終始、部長に見られている気分のため、胸像を山奥に埋めて処分する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、本田速人、吉原トメ（白浜カトリーヌ）（寮母）
部長の胸像を作る話。
今回は勤続35年だが、部長の勤続30年時にはハワイに旅行している（51巻「ハワイアンパラダイスの巻（前編）（後編）」）。
技術を持った両さんが、プラ版で銅像風に作ったり、部長の顔から直で石膏の型を取ったりする案を提案するが、中川と麗子から却下された。
怒り顔の部長像の服は、沢田研二のTOKIOの時の衣装にちょっと似てる。
両さんが部長像と一緒に暮らす様子が面白い。
作中、肥溜めが出てくるが、亀有から自転車で行ける範囲に肥溜めが当時あったのだろうか？
オチは、いつもの部長の激怒・派出所突撃オチではないが、「とても絵では描き表せないほど」らしい。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 51【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●翻堕羅拳スキー合宿（前編）の巻
ストーリー
翻堕羅拳の冬季合宿で雪山に。両さんも下町支部長として参加することになるが、スキー場の予約は取れない。
そこで、中川の系列のスキー場なら予約が取れるというので、東京駅の地下から発着する中川鉄道の特別列車で、スキー場へ向かう。
合宿と言いながら、スキ―場にはしゃぐホンダラ親父。
麗子を追って、白鳥麗次もポルシェでスキー場に現れる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、麻里晩、白鳥麗次
翻堕羅拳の合宿でスキー場に行く話の前編。
拳法の合宿のはずだが、特に拳法の修行をしている様子はない。中川鉄道の特別列車は、最大速度300km/hで巡行、東京駅からわずか30分でスキー場に着くことができる。座席にはテレビや電話が装備され、窓ガラスには現在の速度などのインフォメーションが表示される。
ホテルの部屋の電話は、英の人形劇「サンダーバード」のような写真（？）を通じて使うことができる。
白鳥麗次のポルシェには、73巻「続・白鳥麗次再登場！の巻」でつけられた「バカ」「うんこ」の傷がついたままだった。
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●翻堕羅拳スキー合宿（後編）の巻
ストーリー
翻堕羅拳の合宿で中川の人工スキー場に来ていた両さんたち。
白鳥麗次も加えて、スキーを楽しむ。スキー場には、スキーと遊園地の施設を合わせたようなスキーコースターがあり、翻堕羅拳の一行は強制的に滑らせられる。
スキー場に併設された温泉につかっていた両さん、ホンダラ親父、白鳥の三人は、近くに女性用温泉があることを知ると、海パンだけのほぼ裸の状態でスキーに乗って女性用温泉に向かう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、麻里晩、白鳥麗次
翻堕羅拳の合宿でスキー場に行く話の後編。
白鳥は自動車の運転だけでなくスキーにも自信がないらしく、ヘリからワイヤーで吊るされスキーをしていた。白鳥よりもヘリ操縦の技術の方がスゴい。
ラストの女性用温泉に向かう前に入っている温泉には、水着着用の麗子も一緒に入っている。こちらは水着着用なので男女の別はないらしい。
扉絵は、前編と後編の扉絵を合わせる大パノラマ扉絵になっている。
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価格:3139円 |
●バッカス両津！の巻
ストーリー
花見のシーズン。都内の花見の名所では場所取りが大変なのだが、両さんの「両津花見企画社」では1メートル四方1000円の料金で場所取りを請け負っていた。
両さん一人では場所取りができないので、新人警官に私服で泊まり込みの場所取りを命じているのだった。
派出所メンバーの花見当日、部長が持ってきて楽しみにしていた幻の銘酒をうっかり割ってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人、戸塚金次
花見の場所取りの話。
新人警官を5日間も泊まり込みさせて、その間の勤務がどのようになっていたかは不明。場所取りしていた新人に寿司は奢っているようだが、報酬はおそらく支払っていない。
部長が持ち込んだ幻の銘酒は「腰の寒梅」。元ネタは「越乃寒梅」。
両津花見企画社は、場所取り以外に両さんの楽しいトークと裸おどり付き。ポリバケツやドラム缶の酒を一気飲みするパフォーマンスも付いており、それでタイトルがバッカス（酒の神）となっている。
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●南千住に吹く風はの巻
ストーリー
本田が風邪をひいて5日も休んでいると聞き、両さんは中川の車で南千住の本田の実家・本田輪業に向かう。
しかし、南千住の下町エリアは路地が入り組んでおり、下町エキスパートの両さんでも迷うほど。
何とかたどり着くと、本田は失恋のショックもあって寝込んでいた。本田の親父さんと下町の話で盛り上がる両さん。
両さんは風を切って走れば風邪が治ると、本田をバイクに乗せる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、本田伊歩、本田改造
お見舞いのため本田の実家を訪れる話。
本田の失恋の詳細は不明。
千住の入り組んだ路地について、千住にある巨大迷路の遊園地「アメージングスクエア」を例えに出す。アメージングスクエアは2000年に閉園している。
本田の親父さんとは、南千住にあった東京スタジアムの話題で盛り上がる。東京スタジアムについては、82巻「光の球場！の巻」で描かれる。
本田の親父さんに中川が売りつけられたバイクは、1950年代に製造されたメグロジュニア。本田はその様子を見て10年ぶりに一台売れるかもと発言。そんな売れ行きで、本田輪業がどのように生計を立てているかは謎。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 82【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●クレーンゲーム チャンピオン大会！の巻
ストーリー
以前に出演したテレビ番組の人間クレーンのチャンピオン大会が開かれる。
不透明な上にピラニアが放たれる水槽の底に、高額な家電などが沈められた水中クレーン、新宿の高層ビルの地上50メートルから吊り下げられるクレーンなど、過酷な人間クレーンゲームが行われるが、両さんは高額商品を次々ゲットしていく。
最終コースは、猛獣のいるサファリランドに設置された金庫を、ヘリから吊り下げられた人間クレーンで持ち上げるのだが、欲張った両さんを吊り下げていたロープが切れてしまう。
主な登場人物
73巻「突撃！クレーンゲームの巻」の続きとなる人間クレーンゲームの話。
高額商品がかかったときの両さんの規格外のパワーが、相変わらずスゴい。
不透明な水の中の高額商品の位置をピタリと当てる両さんの様子について「カモメなどが乱反射の水面から魚をとるように先輩の眼にある偏光フィルターが可変するんでしょう」と、冷静に解説する中川も異常。
しかも5分以上、余裕で素潜りしており、筋力だけでなく両さんの肺活量もかなりのモノ。
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価格:6980円 |
●銭湯レジャーランド化計画！の巻
ストーリー
松ノ湯の主人から改装の相談を受けた両さん。両さんが考案したのは、お城の天守閣などを模した7つの風呂と観覧車などのアトラクションを備えた松ノ湯ランド。
しかし、敷地の狭さと資金の都合から断念。
今度は現実的に、防水型のテレビや公衆電話を浴室に設置、コンビニ商品も買えるようにすると、松ノ湯は大人気になる。
ヒットに乗じ、松ノ湯をどんどん増築する。
主な登場人物
銭湯の改装をする話。
常磐ハワイアンセンターや健康ランドなどは、当時からあったが、いわゆるスーパー銭湯が増加するのは、これより後の1990年代後半頃。大江戸温泉物語ができるのは、さらに後年の21世紀になってから。
連載当時、銭湯の入浴料は310円となっている。
両さんが改装のアイデア出しを手伝ったのは、銭湯の番台に座れることが条件。ただ、両さんが番台に座っている描写はなく、約束が履行されたかは不明。
冒頭、十円玉の平等院鳳凰堂の鳳凰のオスとメスのデザインの違い、コーラの瓶の下部の穴の形が〇と□での甘口、辛口の違い（実際は出荷工場の違いで味に違いはない）について語られている。
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個人的オススメは、両さんの驚異的な身体能力が光る「クレーンゲーム チャンピオン大会！の巻」と部長の胸像を作る「謎の発掘胸像Ｘの巻」。
「人気漫画家を目指せ！の巻」では、漫画スクールを開校。漫画を描くことを簡単に考えている両さんだが、それを描いているのが漫画制作の苦労を知る本物の漫画家の秋本先生なのが興味深い。
「迷子象の休日の巻」は、ダイナミックな話だが、割りと優しい雰囲気の話。
