「こちら葛飾区亀有公園前派出所」83巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1993年10月発売)
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●史上最大の宝クジ!の巻
ストーリー
みんなで買った宝くじで、部長は300万円を当てる。当選を隠そうとする部長に、両さんは外国人のように喜びを表現するべきだと苦言を呈する。
宝くじはギャンブルではないと豪語していた両さんだったが、部長の当選の姿を見て宗旨替え。宝くじを買いまくるようになる。
米国のロトくじで、両さんは155億円の高額当選を果たす。
両さんの希望で、当選金は小切手や振り込みではなく、現金での支給となる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
宝くじに当選する話。
部長には苦言を呈していたのに、いざ自分が当選したら急に不審な態度を取る両さんの姿が見もの。
結局、当選金が支払われないオチなのでは、と予想するが、ちゃんと当選金は支払われることになる。一応は。
沈没船の引き上げ費用というのは、41巻「海中散歩!?の巻」の話。
159巻「夢の宝くじの巻」では、部長は155億円どころか1兆円を当選させる。
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●クルシミマス・バザーの巻
ストーリー
葛飾署が主催の第一回クリスマスバザー。
バザーの品の集まりが悪いので、麗子から頼まれ両さんが回収係となる。タオルセットを出す予定だった署長は、ローレックスとコニャックなどを、次長はゴルフセットを強制的に徴収される。
白鳥麗次からはポルシェや着ていた高級スーツなどをムリヤリ取り上げ、バザーに出品する。
他にも、絵画や土地の権利書など、どこから手に入れたか不明な物が出品される。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)、白鳥麗次
クリスマスバザーの品物を徴収する話。
最初は、麗子からの報酬で銘酒をもらえるために回収を頑張っていたが、いつしか儲けのために懸命に回収に励むようになる。
両さん自身はエアガン30丁、中川はフェラーリF40、麗子は毛皮30着を出品している。
白鳥のポルシェはわずか5万円で落札される。
188巻「商店街バザーの巻」でも両さんの手腕で、高級品を強引に出品させる話がある。
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●両津流お正月の過ごし方!?の巻
ストーリー
ボルボとその祖父・小金丸と忍者漫画について語り明かし、寮の部屋で1993年の年明けを迎えた両さん。
目を覚まし空腹だったが、お金もなく空いている店も少ない。コンビニに向かうと、その店では本田がバイトをしていた。
店員が本田だけと見た両さんたちは、コンビニの店内の一角で、酒盛りを始める。
知り合いのホームレスたちも招き入れ、シャッターを閉めて店内の食品を食い散らかしていると、シャッターを見てパトロール中の部長が現れる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、ボルボ西郷、西郷小金丸、フータロー
正月のコンビニで酒盛りをする話。
本田はバイクのオーバーホールがしたくてバイトをしていた。年末、風邪をひいたと語られているが、おそらく82巻「真冬の水商売(ウォータービジネス)!?の巻」の遊園地の件。
両さんは、コンビニの商品のバーコードを爪で削って、故意に機械の誤作動を狙っていた。参照とするバーコードの一覧を手帳にメモっており、完全にやり口がプロ。
冒頭、両さんの部屋で巨大な手裏剣がテレビに刺さっているが、普通にテレビは映っていた。
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●亀有結婚行進曲の巻(前編)
ストーリー
マリアが今年、成人式を迎えた。振袖を着て両さんと二人で浅草神社に参拝。
参拝後、マリアの着物の着付けが苦しそうだったので、両さんの母に直してもらおうと実家の佃煮屋を訪れると、両さんが着物美女を連れてきたと勘違いした近所の人たちは、結婚の挨拶だと思い込む。
外出から戻ってきた両さんの両親・銀次とよねも、マリアの姿と両さんに接する様子を見て完全に信じ込み、両さんの知らぬうちに、浅草で結婚式の準備が着々と進む……
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、両津銀次、両津よね
両さんとマリアの結婚が疑われる話の前編。
銀次に日取りについて訊かれ、2月8日と答える両さん。銀次は結婚の日取りのつもりだったが、両さんは敬老会の旅行の日取りを答えていた。
銀次はマリアのことを相当気に入ったらしく、マリアが嫁に来た妄想を2ページに渡って考えていた。
マリアのキックボクサー時代は19歳の設定のはずながら、本当は当時17歳で若すぎたので年齢を偽ってデビューしていた、という設定になっていた。
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●亀有結婚行進曲の巻(後編)
ストーリー
浅草で両さんの結婚式の準備が進んでいるのが、部長を通じて両さんにようやく伝わる。
急いで両さんは止めようと銀次に勘違いを説明するも、浅草では街を挙げての大騒ぎで今更止めようがない。
意を決した両さんと銀次は、そのまま結婚式を強行し、祝儀だけはもらおうと画策する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、両津銀次、両津よね、両津勘兵衛、立花
両さんとマリアの結婚が疑われる話の後編。
銀次から部長に祝辞依頼の電話があったので、両さんの知る所となった。
途中で、結婚式の予算が1000万円を越えるが、1000人参列で1人3万円のご祝儀なら3000万円の収入があるとの皮算用から、より盛大な方向に進んでいく。
結婚式の会場は雅著無(がちょん)寺の雅著無会館の鳳凰の間。地区の有線放送で生中継、オープンカーのパレードで新郎が会場入りするという派手さだった。
両さんの実家の電話に出た同級生の立花は、70巻「和服リバイバルの巻」に登場する呉服屋。
両津家が勢ぞろいのはずだが、なぜか弟・金次郎の姿が見えない。
マリアとの結婚話はこれで終わりではなく、すっかり今回のことを忘れた両親のせいで106巻「浅草お盆グラフィティの巻」で再燃する。
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●第3の男・タイガー刑事の巻
ストーリー
本庁から新しい刑事が両さんとの合同捜査にやってくる。来たのは、海パン刑事、ムスタング刑事と同じ課のタイガー刑事。
ドイツのタイガー戦車に乗って現れたタイガー刑事。「外は寒いから」という理由で戦車から出てこないタイガー刑事に、両さんは小間使いのように使われる。
両さんが逃亡しようとしたところを追跡していたタイガー刑事だったが、近所で火災が発生。消火剤を仕込んだ弾丸でタイガー戦車が活躍する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、タイガー刑事
タイガー刑事登場の回。
この頃にはまだ特殊刑事課の名称はない。
両さんが逃亡したり、火事に対応したりとドタバタしていて、そもそも何の合同捜査でタイガー刑事が来たのか不明のままだった。
特殊刑事課の刑事は役に立たないパターンが少なくないが、今回は火事の現場で活躍。とはいえ、キャタピラで道路を傷つけたり、駅構内に戦車で乗り付けたりと、迷惑も多い。
この回では「タイガー戦車」と表記しているのだが、これより後では「ティガー戦車」と表記することが多くなる(161巻「ボトルカスタムの巻」184巻「コレクターお見合いの巻」など)。そのためかタイガー刑事の出番はあまりない。「ティガー刑事」だと何だか分からないだろうし。
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●この人は誰でしょう!の巻
ストーリー
両さんにテレビ番組出演の依頼が来る。大人気女優の白百合 小百合の初恋の相手が両さんだというのだ。しかし、小学生のとき、ラブレターを両さんに渡したというが、両さんにはそんな覚えなどない。
両さんは本人に確認した方が良いと提案するが、本人に内緒のまま「対面コーナー」にサプライズ出演する演出のため、確認ができない。
小百合のことが大ファンの部長から「記憶力は人1倍弱いからな 忘れてるんだ」と言われているうちに、両さんもだんだんその気になってくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)、白百合小百合
大女優の対面コーナーに出る話。
白百合 小百合は文京区が住まいながら、浅草の呉服屋の親戚のところに小学生の頃、よく遊びに来ていたのだった。
対面コーナーがあったのは、昼3時のワイドショーのような番組。合間には、三木のり平の桃屋のアニメCMが流れていた。
小百合は部長も署長も大ファンで、二人は両さんにサインをねだっていた。
両さんの当時のあだ名「ふんころがし」は76巻「浅草七ツ星物語の巻」で花やしきのゴンドラを転がして運んでいたことから。
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●はっけよいは待ったナシ!?の巻
ストーリー
相撲好きの部長だが、相撲ブームで人気のため、チケットを取るのは難しい。
そんな中、両さんは商店街の福引きで、気合で特等を引き、初場所の升席のチケットを入手する。
升席は4人分なので、両さんは恩着せがましく部長、中川、麗子を招待。
両さんのチケットながら、相撲を楽しもうとする部長。しかし、両さんが何かと話しかけたりするので、肝心の取り組みを見逃してしまう。
イライラを溜めた部長の怒りはついに爆発する。
主な登場人物
升席で大相撲観戦をする話。
部長は舞の海のファン。他には安芸乃島、若花田(後の若乃花)が出ており、結びの一番は貴花田(後の貴乃花)-曙だった。
当時は若貴ブームの時代。
他には、のぼりで水戸泉、琴の若(琴櫻の父)、常の山の名前が確認できる。
せっかくの大相撲観戦ながら、両さんは部長に持ってこさせたレミーマルタンや、升席に付いている弁当などの飲食に夢中で、ほとんど取り組みを観ていなかった。
商店街の福引きは拾った補助券での一発勝負。何のイカサマもなく、運と気合いで特等を引いた。
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●おそ松くんカー!?の巻
ストーリー
漫画のキャラを描くのが得意な両さんは、中川から「おそ松くん」が描けないか訊ねられる。
中川の友人で、大の「おそ松くん」ファンである与野中金太(よのなか かねた)が、自身の総24金張りのロールスロイスのカスタムカーに「おそ松くん」をペイントしてくれる人を探していたのだった。
300以上の顔を描いて欲しい、顔1個につき1万円、という条件に両さんは快諾。全部で3333個の「おそ松くん」をロールスロイスに描き切る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、与野中金太
高級車に「おそ松くん」をペイントする話。
24金張りのロールスロイスは限定だったはずが、人気のため相当の数が作られてしまい、限定の価値がなくなったので、「おそ松くん」を描いて目立つという発想に至ったとの設定。
両さんは「ベルサイユのばら」のオスカルのことはよく知らなくて描けなかったが、昭和30年代の少女漫画なら描くことができた。(牧美也子など)
「おそ松くん」については6つ子をそれぞれ描き分けたが、中川たちには違いを理解されなかった。
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●携帯電話魔!の巻
ストーリー
中川と両さんは映画館に行った帰り、珍しく電車で帰る。電車内では、ビジネスマンたちが携帯電話で会話しており、車内はさながらオフィスになっていた。
派出所の前で、携帯電話の電池が切れてて困っていた老婆を助けたことから、老婆の悩みを聞くことに。大会社の通信課に勤務している彼女の息子が、携帯電話を手放さないので、それを治してほしいとのことだった。
その男・田崎は、仕事の通話はもちろん、食卓で対面に座った妻や息子とも携帯電話越しでしか会話しなかった。
主な登場人物
小型化した携帯電話が普及したころの話。
前半が電車内での光景、後半が携帯電話を手放せない男の話になっている。
映画帰りに珍しく中川と両さんが乗っていたのは山手線外回り。見に行った映画は「劇場版ワイルド7」。
当時は電車内の通話についてのマナーが普及していなかった。
作中、テレビ電話にも言及されていて、顔が見えないのが電話のいいところなので、普及しないのではと言っていた。現在でもあまりテレビ電話がメインではないことを考えると、その予想は慧眼。
この頃、携帯電話の昼間の通話料が1分間100円くらいと説明されている。
価格:880円 |
マリアと両さんの結婚式が勝手に進行する「亀有結婚行進曲の巻(前・後編)」がメインとなる巻。
個人的オススメは155億円を当選した「史上最大の宝クジ!の巻」と、初恋の人と間違えられる「この人は誰でしょう!の巻」。