「こちら葛飾区亀有公園前派出所」86巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1994年4月発売）
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●出現！南国パラダイス（前編）の巻
ストーリー
真夏日の連続で、ついに気温は40度に。両さんは夏休みを望むが、交代で休みを取る警察官は休みが自由に取れず、両さんらの地域課が休みを取得できるのは10月。
我慢ができない両さんは、中川レジャー開発の力で、派出所の裏の亀有公園をビーチにしてしまう。
両さんは部長の目を盗んでは勤務中や勤務終了後に海水浴を楽しむのだった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、麻里愛、ボルボ西郷、戸塚金次
派出所の周りを人工のビーチにする話の前編。
亀有公園は、元々地主の言兵衛さんが東京都に貸していた土地（派出所の部分を含む）。中川不動産で言兵衛さんから坪500万円で土地を買い取った。
両さんだけでなく、麗子、ボルボ、戸塚もビーチを楽しんでいた。戸塚は久々の登場で、入れ墨の背中を堂々と出して日光浴をしていた。
派出所の方にも、この回のラストでクーラーがつく。
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●出現！南国パラダイス（後編）の巻
ストーリー
派出所の周りがビーチになり、敷地内の中川の家に住む両さんはジェットスキーでダイナミックに通勤していた。
「カメアリダイヤモンドビーチ」と名付けたビーチで、両さんは入場料を取ったり、焼きもろこしの露店を出したりと商売につなげようとするも、部長の目があってなかなか自由に商売ができない。
両さんは部長が出張の隙に、よりリゾート開発を進めるべく、派出所の建物を海の底に沈めて隠す策を考える。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
派出所の周りを人工のビーチにする話の後編。
ビーチの入場料を取っていることを部長に咎められるが、本来、中川の私有地のビーチなので、入場料徴取は特に不当なことではない。とはいえ、中川がやるならともかく両さん個人の収入にして良い理屈はないが。
派出所の建物を海の底に沈めている間は、南国の監視タワーのような場所での勤務となる。
ラストでは、住民の要望で公園も派出所も元通りになる。公園の土地の権利がどうなったかは不明。元の地主の言兵衛さんに戻ったのだろうか？
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●絵崎教授の洗車哲学！の巻
ストーリー
マイカーの洗車がレジャーとしてブーム。ワックスだけで何百種類も発売されていた。
そんな中、手洗い感覚で仕上がるスーパー洗車機「全自動くん」を絵崎教授が開発。マシン自体が自走するので、自動車は駐車場に停めたままで洗車が可能。搭載したレンズで車種と車体の汚れを解析し、全自動で洗車できるマシンだった。
マスコミの前で教授がプレゼンしていると、「全自動くん」が周囲を走る自動車を勝手に識別し、暴走してしまう。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ボルボ西郷、絵崎コロ助
全自動の洗車マシンの話。
絵崎教授の愛車のフォード、ボルボのシュビムワーゲンも洗車されるが、屋根のないオープンカーの状態のため、車内がひどい有様になる。
冒頭、本屋で「ガッチャマンの謎」「ポンポン大将の秘密」などの続々出版された秘密本を両さんが立ち読みしている。1992年に東京サザエさん学会が出した「磯野家の謎」が大ヒットし、後続の本が出ていた頃だった。
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●２度目の夏休み！の巻
ストーリー
部長、中川、麗子の三人は夏休みを前に取得したはずだが、余った休みがあったので、海に行っていた。
夏休みなしで勤務している両さんが、そのことを聞くと激怒。勤務を放棄し、ボルボの水陸両用車シュビムワーゲンで千葉の海岸を捜索。
ヨットで海上を楽しむ中川と麗子に、シュビムワーゲンが突撃する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ボルボ西郷、寺井洋一
2度目の夏休みを取得した三人を水陸両用車で突撃する話。
前話「絵崎教授の洗車哲学！の巻」から乗っているシュビムワーゲンは、ボルボのM151ジープの車検が遅れている間の代車。同じく水陸両用車の米軍フォードGPAについても言及されている。
両さんは、中川のフェラーリのキーをこっそり型取りしていたり、車中のキャッシュカードを盗んだり、中川・麗子のヨットの食糧を強奪したりと、ボルボからは「やってる事は海賊だぞ」と言われる。
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●建立！五重の塔の巻
ストーリー
部長の地元の千葉で「飛鳥時代展」が来月開催される。その会場の中央に法隆寺の五重の塔の模型を飾ることになり、町会役員の部長が模型の担当に。
とはいえ、模型を作る技術のない部長は両さんに作製を依頼。
しかし、製作費の5万円以外に、必要経費として酒やマンガなどの費用を部長に請求していく。模型完成までは耐える部長だったが、難しいところが終了してからは、部長一人でも組み立てられることに気づき……
主な登場人物
五重の塔の模型製作を部長の代わりにする話。
両さんは、戦車や戦闘機、帆船の模型は男の血が騒ぐので、模型を作るのも好きだが、五重の塔や正倉院には男のロマンがないと関心を示さない。今回はお金のためと割り切って製作する。
一度、両さんは五重の塔を期日よりだいぶ早く完成させるが、部長の優位に立てなくなることに気づいて、「駄作だ！」と完成品を破壊。また一から作製する。
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●大自然ゴルフ！の巻
ストーリー
国際カントリーゴルフ場を貸し切ったと思ったら個草井（こくさい）カントリーゴルフ場。
「自然のままのゴルフ場が一番いい」とのポリシーのゴルフ場なのだが、敷地に鉄道が通ったり、街ができたりするのも自然の流れと受け入れた結果、住宅街の路地や線路越えのコースになってしまう。OBになると、ヤクザの事務所、銭湯などに飛び込むも、規則でロストボールはなし。一個のボールを打ち続けなければならないルール。
最終ホールは猛獣のいるサファリランドになっている。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、ボルボ西郷
住宅地でゴルフをする話。
タイトルこそ「大自然」だが、街中なので大自然の感じはしない。
都会の中でゴルフをする話は91巻「大都会ゴルフ！の巻」で、本当にハワイの大自然でゴルフをする話は139巻「大自然ゴルフの巻」にそれぞれ収録されている。
オチで、みんなが終えているのに、両さんだけが競技を続けるパターンは多いが、この回ではボルボがオチ担当の珍しいパターン。1ホールに30万1521打はさすがに多すぎる。
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 91【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 139【電子書籍】[ 秋本治 ] 価格:460円 |
●パソコン・モンタージュ！の巻
ストーリー
派出所にもパソコンが導入。地理案内用のソフト、指名手配などの照会用ソフトなども導入される。
他には最新技術の写真合成ソフトも導入され、新しい技術が好きな両さんは熱心に使い方を学ぶ。
使い方をマスターした両さんは、部長の写真を取り込み、機関車やウンコと合成させて遊ぶ。
指名手配のデータ一覧があることを知った両さんは、部長を指名手配としてデータをイタズラで作成するが、トラブルで誤って全国の警察にデータ送信してしまう。
主な登場人物
パソコンでモンタージュ写真を作る話。
ほとんど部長の顔をいじるだけで話が終始している。部長の機嫌を取るための「イケメン部長」が、直前のウンコとの合成のギャップもあり面白い。
オチの激怒する部長の乗るヘリの側面には、ひそかに「ウンコ部長」が描かれている。しかし、ヘリから発射されたミサイルを頭にぶつけても「いて」ですませる両さんも大概。
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●電子手帳ハッカー！の巻
ストーリー
応募した懸賞が当選し電子手帳が届いた両さん。麗子の電子手帳と同型だったため、コード接続し情報を抜き取る。
中川の電子手帳も同じメーカーなことを幸いに、今度は中川からもデータを抜き取る。
中川の予定していた会食に先行して出席しタダ飯を食べ、中川の関連会社からお金を振り込ませようとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
電子手帳を用いて中川と麗子の個人情報を抜き取る話。
二人ともパスワードでロックしてあったのだが、両さんは執念で解読に成功する。麗子のパスワードは携帯電話の下5ケタなので予測も可能な気はするが、中川のパスワードは最近購入した自動車3台（フェラーリF40LM、ジャガーXJ220、マクラーレンF1）の気筒数を足し、それにカムの数をかけてプラグの数を引き、3台のピストンの圧縮比の平均値を求め、消費税3%を足すなどして算出した。この難解なパスワードをどうして解けるのだろうか？
麗子は両さんに貸した85万2315円を、電子手帳にきっちり記録していた。
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●大東京ゴミ事情！の巻
ストーリー
1993年10月1日より条例で東京都のゴミ袋に黒袋は禁止、半透明の規定の袋に記名してゴミを出すルールとなった。
ちゃんと分別していない両さんのゴミは回収されず、部長たちからゴミの出し方について苦言を呈される。
言われっぱなしで悔しい両さんは、麗子のマンションに侵入してゴミをこっそりチェックする。
そんな折、両さんの名前が書かれたゴミ袋が大量に出されるようになり、身に覚えのない両さんがゴミ処分をしなければいけないはめに。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、吉原トメ（白浜カトリーヌ）（寮母）、大原良子
東京23区でゴミ袋が半透明になったときの話。
実際は10月実施のところ、事情により翌年1月に延期になったのだが、本編の原稿は上がっていたので10月に施行されたものとして描かれている。（表紙で両さんがそのことに文句を言っている）
その後、23区推奨ゴミ袋制度は2009年に廃止されている。
終盤の展開は、両さんの名前のゴミを勝手に出されていただけなので、両さんも被害者。
冒頭、ブガッティ110を日本にはまだ1台も走っていない幻のスーパーカーと子供たちに模型屋が説明しているところに、中川と麗子のブガッティが2台も来るシーンが描かれるが、ゴミ袋とは特に関連はない。87巻「絵崎教授の帰省の巻」ではマクラーレンF1で同様のパターンを繰り返す。
東京23区推奨ごみ袋認定制度を廃止します｜葛飾区公式サイト (katsushika.lg.jp)
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●幻の蝶を求めて！の巻
ストーリー
ニューギニアにしかいないはずの世界最大の蝶アレキサンドラトリバネアゲハらしきものが、東京の高尾山で目撃されたとして100万円の賞金がかけられる。
両さんは中川、ボルボと蝶を探しに高尾山に向かう。しかし、現地にはテレビ局などのマスコミの他、採取のプロたちが大挙して押し寄せていた。
大勢のライバルたちをなぎ倒し、両さんはようやく蝶の群生地を見つける。
主な登場人物
幻の蝶を探しに行く話。
アレキサンドラトリバネアゲハは実際に世界最大の蝶と言われている種。
両さんたちはボルボのジープ（「２度目の夏休み！の巻」では車検中だった）で現地に行ったので、ジープに装備してあったロケットランチャー（模擬弾）をテレビ局のヘリに向かって撃つ過激な行動に出る。実際にやったら、マスコミに完璧に叩かれるところ。
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ぜんぶわかる！ アゲハ （しぜんのひみつ写真館 8） [ 新開 孝 ] 価格:2200円 |
「出現！南国パラダイス（前・後編）の巻」「２度目の夏休み！の巻」と夏らしい話が多い巻。
秋本先生の好みなのか、「こち亀」は全般的に冬っぽい話より、夏っぽい話の方が多い気がする。
個人的オススメは、部長の顔写真を合成する「パソコン・モンタージュ！の巻」。
