「こちら葛飾区亀有公園前派出所」87巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1994年6月発売)
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●ボクシング無頼!?の巻
ストーリー
プレイヤーがグローブを装着して動かすと、連動して人形がパンチを繰り出すボクシングゲームを買ってきた両さん。人形の首を部長の顔に挿げ替え殴って遊んでいたところ、部長に見つかって大目玉。
派出所では部長の目があるので、葛飾署内に持ち込んで遊ぶように。賞金1万円をエサに、食券5枚で挑戦者を募り、食事代を稼ぐ両さん。
このゲームに詳しいバーコードおやじから攻略法を聞いた麗子が、両さんに挑戦する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、バーコードおやじ
動きに連動する人形で戦うボクシングゲームの話。
似たようなゲームはトミーから販売されていた。
ゲームに詳しいバーコードおやじは80巻「発見!最強のバーコードの巻」からの再登場。どうして葛飾署内にいたのかは不明。
食券5枚はともかく、現金1万円を賭けるのは、警察官が署内でする遊びとしては危険な気がする。
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●月光刑事はもう結構!?の巻
ストーリー
本庁の特殊刑事課から新たな刑事がやってきて両さんと合同捜査をすることに。
やってきたのは夜間戦闘機「月光」に乗り、ツインテールにセーラー服姿の月光刑事。二人乗りの月光の後部座席には相方の美茄子刑事を同乗させていた。
両さんは第三の戦士・聖羅太郎(せいらたろう)として出撃。二人乗りで座席がないため、胴体下に装備された爆弾の中に詰め込まれることになる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、月光刑事、美茄子刑事
月光刑事初登場の回。
毛深くてゴツい筋肉質のオジさんだが、セーラームーンがモチーフのコスチュームを着用している。
コードネームがあり、月光刑事が聖羅無々(せいらむん)、相方が聖羅美茄子(せいらびーなす)となっている。
ムスタング刑事は戦闘機ながらも地上を走行していたが、月光刑事は普通に上空を飛んでいる。
特殊刑事課としては4番目の登場。ここで、彼らの所属課が特殊刑事課という名前だと明かされる。
月光刑事との合同捜査では、給料が特殊刑事課の人形で支給され、それを販売することで金銭に換えるシステム。1体5000円で50体のノルマだが、全部売っても25万円。そこからいくらが給料の手取りとなるかは不明。
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●迷調教師・両津!の巻
ストーリー
友人の藤田と「馬主ワールド」という馬主になって競走馬を育てるゲームに興じる両さん。
馬の血統だけでなく、調教のステータスも細かく、膨大なデータで遊ぶことができる。両さんの馬は気性が荒くワガママに育っていた。
中川も同じゲームをやっていて、競走馬のデータを持っているので、一緒に遊ぶことに。しかし、中川は豊富な資金で強力な馬を所有していた。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、藤田、バーコードおやじ
競走馬を育てるゲームの話。
「こち亀」に登場するゲームは通常ではできないような、マニアックな要素まで盛り込まれているが、このゲームも同様。相手の馬のエサに薬物を盛ったり、馬主が警察に逮捕されたりと、おかしな要素が搭載されている。
このゲームのハードはスーパーファミコンっぽい。スーファミだと、他人とゲームのデータの共有できないが、このゲームはパスワードを入力すれば、他の人が作った馬のデータを共有して、競争させることができる。
「ボクシング無頼!?の巻」に登場のバーコードおやじは、ここでも登場。
価格:7363円 |
●友情の翼!の巻
ストーリー
勘吉少年たちは、上野の不忍池で近所の模型店が主催する模型飛行機のコンテストで見事な模型機を飛ばす少年・朝比奈隆に出会う。
台東区の勘吉たちと異なり、不忍池を境に反対側の文京区に住む隆だったが、同学年の勘吉たちとすぐに打ち解ける。
航空パイロットの父を持ち、上品な母のいる隆の家庭は、米国のテレビドラマに出てくる家庭のようで、勘吉たちはその生活に憧れる。
しかし、隆の両親は離婚。隆は母の実家の青森に引っ越すことに。
勘吉たちは上野発の列車を追いかける。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、戸田豚平、千田珍吉、両津銀次、両津よね、朝比奈隆
両さんの少年時代、模型飛行機を作る少年との友情話。
勘吉少年たちにとって、ネクタイをしめて職場から帰る父、コーヒーを飲む家庭は、外国の家庭のようだった。
勘吉たちは、親に同じような生活を望むが、つくだ煮屋、提灯職人(珍吉)、寿司屋(豚平)の父たちには理解されなかった。
「知らないよ! 大人の世界の事なんか!」という勘吉のセリフが印象的。
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●両津タウン改造計画!の巻
ストーリー
風邪で寝込んだ町会長のお見舞いに来た両さんは、半分しか集まっていない町会祭りの集金を町会長から頼まれる。
町民から1000円ずつ徴収するだけでは足りないと、町内の銀行からも多額の寄付金を強引に徴収。祭りを大成功させる。
その実績を買われ、両さんは亀有西町会の町会長代理となる。粗大ゴミ焼却の発電システム、町内バザー、トロリーバスの復活、名産を作るべくワイン・日本酒の製造など、次々に政策を打ち出していく。
主な登場人物
両さんが町会長代理として手腕を発揮する話。
周辺の町会まで合併していき、最終的には「亀有西睦 青空銀座 本通り 青戸 南商店街 東すずらん通り 白鳥仲町会」となった。(長いので「さわやか町会」となる)
両さんの町会長代理としての手腕はなかなか見事で商店街の売り上げがアップするなどの実績を作るが、一方で景気の起爆剤となる祭りを毎週末実施し、その度に銀行に寄付を徴収したり、特別町会費を消費税のように上乗せしたりと、強引な点も多々見られた。
なお、この頃の消費税はまだ3%だったことが描かれている。
以降の話では、町会長は今回から登場したキャラで固定になる。
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●夢の巨大ボウリング!の巻
ストーリー
地域課のボウリング大会に向けて、練習のためにボウリング場に行くと、そこは潰れていて解体の真っ最中。
解体途中のレーンとボールを使って、勝手に練習していると、屋上の展示用の巨大なピンとボールが地上に降ろされる。それを見た両さんは、元ボウリング場で解体されずに残っている巨大ピンを10本集めて、「ダイナミックボウリング」を企画。
一方、葛飾署の管内では「世界(ワールド)ロケット博」というテーマパークが開催され、多くのロケットが並べられていた。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、寺井洋一、屯田五目須(署長)
巨大なボウリングの話。
ボウリング場の屋上に良くある巨大なピンを倒すボウリング。素手では投げられないので、クレーンを使って投球する。
通常サイズのボウリングについても、両さんは解体途中のレーンで100本ピンを並べて一発で倒すことに挑戦し、成功していた。
ロケットがボウリングのピンのように並ぶ「ロケット博」の会場が出てきたところで、オチはお察しの通りだが、スプリットになるところが個人的なツボ。
価格:6905円 |
●それ行けベルグマン!の巻
ストーリー
警視庁のエリート警察犬ベルグマン号が国内での研修のため、2週間葛飾署に配属され、両さんが食事などの管理係となる。
捜査に使用するため小型のCCDカメラを装備しているベルグマン。両さんはベルグマンの身体能力とカメラを利用して女湯を覗くことを計画するが、堅物のベルグマンは言う事をきかない。そこで、ベルグマンに酒を飲ませて酔ったベルグマンに女湯を盗撮させる。
女湯の盗撮には成功したものの、翌日のベルグマンは二日酔いでぐったり。
そんなベルグマンと両さんの前に指名手配犯が現れる。犯人を追跡しようとするも、ベルグマンは二日酔いで動けない。
ベルグマンに装備されたカメラで部長たちがモニタリングしているので、両さんは犬のふりをして追跡する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、寺井洋一、屯田五目須(署長)
警察犬のふりをする話。
なお、犬にアルコールを飲ませてはいけない。
物語後半、警察犬を階段でムリヤリ引っ張って行ったり、両さん自身の頭部にCCDカメラをセットして犬のふりを続けるところが面白いところ。
カメラで撮った動画は8ミリビデオで撮影されていた。
終盤、火の中が得意なベルグマンに代わって、火事の中の金庫を取りに飛び込むが、警察犬でも金庫を取ってくるのはムリだろう。
ベルグマンの犬種はドーベルマンピンシャー。
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●世界グルメ大会!?の巻
ストーリー
お金のない両さんは、食べ物を買うこともできず強制的な絶食状態に。
そんな両さんは、賞金獲得と食べ物目当てにテレビ番組「世界の料理 大食い大会」に出場する。
その大会は、巨大な滝から流れてくる麺を捕まえる流し素麺、闘牛場で牛に追われながら食すパエリヤ、絶叫コースターに乗りながらの煮えたぎるフォンデュー、列車の外壁に捕まりながらのパン食い競争、ワニの背中でワサビをすりおろしての刺身など、過酷な条件での料理ばかりの大会だった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、法条正義、板池
過酷な条件下での大食い大会の話。
大食いとは銘打っているが、大食いの量を競うというより、いかに過酷な条件で食事ができるか、といったことが主眼の大会になっている。
スイス料理のフォンデューと言えば、溶かしたチーズを使うチーズ・フォンデューを思い浮かべるが、ここでのフォンデューは、煮えたぎる油でさいの目に切った肉を揚げて食べるフォンデュ・ブルギニョン。
両さんに誘われ、本田、法条、板池のエントリーするも、本田以外の二人の出番はほぼない。
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●絵崎教授の帰省の巻
ストーリー
1993年のクリスマス、絵崎教授は海外に住む大学生の娘4人と過ごすため、日本に帰国していた。
英国のカーマガジン誌から試乗レポートを頼まれているので、幻のスーパーカー、マクラーレンF1に乗って我が家に向かう教授。
しかし、運転がヘタな教授に、500馬力でシビアなセッティングのF1は難易度が高く、雪道で滑ってヤクザの事務所やファストフード店に突っ込んでしまい大騒動。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、絵崎コロ助、絵崎春子、松井貴代
絵崎教授がスーパーカーを運転し雪道を帰宅する話。
ほぼ帰宅までの道中だけでの話になっている。
マクラーレンF1は日本で市販されていない幻のスーパーカーのはずだったが、中川、麗子、絵崎教授と3台のF1が勢ぞろいしていた。(86巻「大東京ゴミ事情!の巻」でブガッティが走っていたシーンのかぶせのパターン)
4人の娘たちはみんな海外に留学しており、春子はアメリカ、夏子はフランス、秋子はイタリア、冬子はドイツと国はバラバラ。教授の妻は通訳の仕事で中国に行っていた。
この回では、妻、娘たちは登場せず、春子だけがビデオレターでわずかに登場する。
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●恩師へのプレゼント!の巻
ストーリー
1994年の正月、本田が和室で目を覚ますと、そこは日本ではなく、中川のプライベート機の中で、カナダに向かう最中だった。
カナダでの学会のため、絵崎教授を送り届けている途中で、中川、両さんも同行しているのだった。
しかし、カナダの学会は絵崎教授を連れだすための口実。中川が恩師の教授にスキー旅行をプレゼントするのが目的だった。
カナダのスキー場にたどり着くと、クリスマスに会えなかった四人の娘の姿があった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、本田速人、絵崎コロ助、絵崎春子、絵崎夏子、絵崎秋子、絵崎冬子、松井貴代
絵崎教授にスキー旅行をプレゼントする話。
ここで教授の四人の娘が登場するので、実質的には前の「絵崎教授の帰省の巻」の続きの話になる。とはいえ、日本から教授をカナダに連れ出したのではなく、いったん英国の教授をヒースロー空港で迎えてカナダに向かっている設定。
うんちくばかりで、運転が下手な絵崎教授だが、スキーも同様。それでも、ダイナミックなスキーを見せる。
本田は両さんの寮の部屋で飲んで寝ていたところを、そのまま連れていかれている。寮に一人置いていくのがかわいそうだから、という理由。本田のパスポートをなぜか両さんが持ってきている。
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個人的なオススメは、町を改造する「両津タウン改造計画!の巻」、警察犬のふりをする「それ行けベルグマン!の巻」。
「絵崎教授の帰省の巻」「恩師へのプレゼント!の巻」で、絵崎教授の中国に行っている妻の話題が出てくるも、以降の話でも教授の妻が登場することはなかった。