「こちら葛飾区亀有公園前派出所」175巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2011年7月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 175【電子書籍】[ 秋本治 ]
|
●愛犬コンビの巻
ストーリー
両さんが本田とファミレスでサボっていると、警官に追われていた男を見かけ逮捕に協力する。男は山田イチローというスリで、現行犯で追われていたのだった。後日、両さんが派出所にいると、見知らぬ犬が現れ、両さんをひと噛みして去っていく。犬は両さんからサイフをスリ取っており、サイフから電器店のポイントカードを出すと、ポイントで買い物をする。ポイントマニアの両さんは200万円以上のポイントを貯めていたが、犬は容赦なく高額な買い物をしていく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
スリの愛犬が両さんに主人の復讐をする話。両さんから奪ったポイントカードを使って、電器店で買い物をするのだが、犬は言葉がしゃべれない。それでも見事なジェスチャーを駆使し、電器店店員とコミュニケーションをとる。商品の送り先に主人の「山田イチロー」の名前を指定する際、野球のイチローのジェスチャーをするのだが、本物のイチローと違い右打ちの振りをしてしまうところがちょっと惜しい。
|
●現代ケータイ事情の巻
ストーリー
15年ほど前の古いガラケーを使っている纏は、友達とメールができないと両さんに相談。両さんは纏を連れて秋葉原に向かう。怪しげな店で買おうとする両さんに不安を覚え、結局、纏は両さんの持っていたiPhoneの一台を無期限で借りることに。数日後、交通課のリカが自身のiPhoneを紛失してしまう。
主な登場人物
両津勘吉、擬宝珠纏、擬宝珠夏春都、早乙女リカ
2011年当時のケータイ事情の分かる回。当時のSIMロックの状況(それがフリーになる可能性に言及されている)、GoogleのNexus Oneが打倒iPhoneの有力候補と思われていたことなどが分かる。ITに疎い纏とは対照的に夏春都は最新のスマホ(Xperia)、PC(VAIO Z)を駆使していた。
交通課のリカは自身のスマホの紛失時に「中を見られたら死ぬ」と取り乱していたが、一体中にはどんな情報が入っていたのだろうか?
My Nexus One【電子書籍】[ Craig James Johnston ]
|
●鑑定師大原部長の巻
ストーリー
骨董好きの部長は特に焼き物に詳しい。両さんの実家から何品も焼き物が出てきたと聞いた部長は、見てもいないのにすべて贋作と決めつける。両さんの反論に、部長が両津家の焼き物を鑑定することに。この様子に中川は、両津家の焼き物の中に中川美術館が所蔵する本物を混ぜるドッキリを思いつく。当日、中川所蔵の高級品が並ぶ中、両津家の焼き物だと思い込んでいる部長はどれもニセモノだと断定する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、大原良子、両津銀次
部長が両津家の焼き物を鑑定する話。両津家の物はどうせニセモノに違いないとの部長の思い込みのせいで、国宝クラスの本物も贋作だと鑑定してしまう。しかし、ニセモノだったとしても、焼き物を机に叩きつける部長の態度は焼き物を愛する者の行動とはとても思えない。
やきものバイリンガルガイド〜Bilingual Guide to Japan JAPANESE POTTERY〜【電子書籍】[ 澤田美恵子 ]
|
●帰還1989-008J
ストーリー
サターンV型ロケットの超合金から、両さんと中川はアポロ計画などの宇宙の話で盛り上がる。その流れで行方不明になった日本の無人探査機「青羽」の話題に。「青羽」は中川企業がプロジェクトに参加していたものだった。1989年に小惑星からの岩石採取を目的として打ち上げられた「青羽」だったが、様々なトラブルにより地球帰還が延期。延期しているうちに総責任者の星谷教授は亡くなったのだった。
主な登場人物
宇宙に打ち上げられた無人探査機の話。2010年に帰還し、小惑星の岩石採取を成し遂げた「はやぶさ」にアイデアの端を発していると思われる。タイトルの「1989-008J」は、探査機「青羽」の国際標識番号。超合金の月着陸船を使い「あの月面シーンの再現だ!」と熱く語りあう両さんと中川を後目に「それのどこが楽しいの?」と麗子は冷たい反応を見せる
【送料無料】【輸送箱入り】大人の超合金 アポロ13号&サターンV型ロケット
|
●みんなでギネスの巻
ストーリー
警視庁より、世界一の記録を持った警察官が日本に存在する事実を作るため、両さんに記録を作る指令が下る。署長、部長のアイデアで過酷なチャレンジをさせられるが、ギネスへの記録要請がなかったことによりすべて不認定。ギネス認定員の疑根巣三朗(ギネスさぶろう)に話を聞いたところ、個人記録より大勢での記録のイベントに呼ばれる場合が多いとのこと。警視庁の警官4万人を動員しての、集団「金八先生」、24時間で500人の断髪からの集団「裸の大将」などに挑戦する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子屯田五目須(署長)、警視総監
警察を挙げてギネス記録に挑戦する話。署長たちの当初のアイデアでは、両さんに危険なことをさせていたが、危険なもの、わいせつなものは認定されないため断念となった。なのに、オチ付近では結局、両さんに身体を張ることを強いる「こち亀」らしい展開に。見開き2ページでの集団「金八先生」はムダに圧巻。
ギネス世界記録2022【電子書籍】[ クレイグ・グレンディ ]
|
●飛び出せ3Dの巻
ストーリー
初物好きの両さんは3Dテレビを購入。両さんは署長に掛け合い、新葛飾署のケーブルテレビを3D化する。水元公園の時期限定のサファリパークを3Dカメラで撮影に行くが、油断した隙にサルにカメラを壊されてしまう。3Dカメラがダメになってしまうも、警視庁のお偉いさん方が3Dテレビが見に来てしまう。両さんは何とか誤魔化そうとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、屯田五目須(署長)
3Dテレビの回。170巻「立体テレビ登場の巻」で中川が3Dテレビを否定したことに対し、「君の予想外に各メーカーが3Dテレビに参入したねぇ…」と嫌味を言う両さん。しかし、現実にはその後、3Dテレビが根付くことはなかったので、中川の考えの方が正しかった。
3D立体映像がやってくる ーテレビ・映画の3D普及はこうなる!ー【電子書籍】[ 石川憲二 ]
|
●プラモの時代の巻
ストーリー
部長が佐倉城のプラモを探しており、中川が捜索を頼まれるが、ネットで探しても全然出てこない。佐倉城プラモはかつて存在していたのだが、作っていた模型会社が倒産したので、もう存在しないのだった。両さんは、荒川区三河島の友人を訪ねる。その友人は、銭湯成金で、近所の模型工場がつぶれると、その金型を買っていたので、様々なプラモの金型を保有していたのだ。両さんは、その金型から佐倉城のプラモを作り出す。
主な登場人物
タイトル通りプラモの回。金型や廃盤となったプラモを集めるコレクターなどのマニアックな情報が語られる。ガンダムプラモが社会現象になった時にブームに乗って作られたパチ物の「これでもいいやロボ」についても語られる。最後はページが足りなくなっても、両さんがプラモについて熱く語り続けるので、明確なオチはなく終わる。
ザ・プロモデラー <プラモデルを作って副収入!>【電子書籍】[ 丈 武琉 ]
|
●ボウリングリフォームの巻
ストーリー
葛飾ボウルの閉鎖の噂を聞き、両さんは町会長たちを集めて、地域をあげて応援のアイデアを考える。カラオケとボウリングゲームの連動、結婚式・葬式での利用、ボウリングにギャンブル要素を追加したスロットボウルなど。最終的には、弱小ボウリング部の少女を主人公にしたスポ根映画を葛飾ボウルで撮影。映画は大ヒットし、葛飾ボウルの集客も増える。
主な登場人物
ボウリング場を盛り上げるアイデアを出す回。結婚式の場合では、ケーキ入刀のように新郎新婦が「投げ初め」をする。葬式の場合では、住職や参列者が投球をし、ストライクを出すと故人の遺影が笑うというアイデア。
部長は自宅にボウリングレーンがあるので、物語冒頭、寝起きのパジャマ姿のままでボウリングをする。
ボウリング パーフェクトコントロール 狙い通りに倒す50のコツ 新装版【電子書籍】[ 川添奨太 ]
|
●鳥の就活の巻
ストーリー
派出所に迷い込んできたヨウムは、人の言葉をしゃべるどころか、謎かけや落語まで達者にこなす。このヨウムは、水元公園に群れで生息し、人間に気に入られることを生きる術として、人語を覚えたのだった。両さんは鳥たちにウケるノウハウを伝授。署の交通安全教室でも活躍するほか、鳥たち自身が路上で漫才をし、投げ銭を稼ぐようになる。
主な登場人物
知能の高いヨウムの群れが漫才などを覚える話。この手のパターンだと、両さんがヨウムを使った商売を始め、こき使った挙句、逆襲される展開が多いが、今回はヨウムたちが自主的に商売を始め、悪だくみをするようになる。
|
「愛犬コンビの巻」ではスリの飼っている犬に
両さんが賢い動物にしてやられてしまうストーリーが2話収録されている巻。
犬には色々と使い込みをされてしまうが、ヨウムの方は現金を一時的に奪われるものの、利子をつけて返却される。