「こちら葛飾区亀有公園前派出所」183巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2012年12月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 183【電子書籍】[ 秋本治 ]
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●1950年代 過去の旅の巻
ストーリー
浅草の実家から両さんの幼稚園時代のスケッチブックが出てくる。当時の両さんは幼稚園を抜け出してベーゴマに興じていたり、ガラの悪い中学生たちから同級生を助けたりと、現在とあまり変わらない幼児期だった。その幼稚園時代のスケッチブックを見ると、当時ではあり得ない光景がそこには描かれていた。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠夏春都、両津銀次、両津よね
両さんの幼稚園時代の回。小学生時代の思い出回は全編過去の話の構成になっていることが多いが、この回は現在の両さんが当時を思い返す構成になっている。幼稚園時代に夏春都と初対面をしていたことが明かされる。しかし、幼稚園に通っていた頃が昭和20年代(1945~1954)、あるいは1950年代との記載になっているが、この回の掲載当時の2011年から考えると、60年くらい前になる。両さんの年齢はいったい……?
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●2046年 未来の旅の巻
ストーリー
連載35周年特別企画で、絵崎教授の作ったタイムマシーンにより35年後の未来へ。2046年の未来で国会中継は現在と変わらず同じようなことをやっていたが、空飛ぶ自動車が実用化されており、地上を走る自動車もハイテクゼンマイ方式のエコな方式に変わっていた。中川や麗子は金持ちのアンチエイジングの効果で現在と変わりない姿だったが、檸檬は大人になっており、料亭の女将になっていた。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、絵崎コロ助、擬宝珠夏春都、擬宝珠檸檬
前回の過去回想から打って変わって未来に行く話。実際に未来に行く前に、絵崎教授のかつての未来予想が明らかにされる。「2012年 車は空を飛ぶ」「人間はチューブの中を移動する」と並んで「腕時計が未来のデバイスとして無線やテレビが付く」という予想を両さんがバカにするものの、この回の掲載から3年後にスマートウォッチが発表されることになる。
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●オンラインサバゲー?の巻
ストーリー
雨のため、予定していたサバイバルゲームが順延となった両さん、本田、残念の三人は、代わりにコールオブデューティをやることに。やりなれている両さんと本田と違い、リアルなサバゲーもTVゲームも未経験の残念は二人についていけない。対戦相手が強敵だと両さんは察するが、それもそのはずジョディーたち現役の海兵隊員だった。さらに両さんの側には部長の孫と署長の息子がいることも判明。部長の孫と署長の息子を保護しながら、アメリカ海兵隊を相手にすることに。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、本田速人、凄苦残念(法条正義)、角田大介、屯田のび太、ジョディー・爆竜・カレン
マンガ内のオリジナルゲームではなく、実在のオンラインゲーム「コールオブデューティ」のプレイ回。部長の孫の大介は姿を現すカットがあるが、署長の息子ののび太の姿は出てこない。大介は「大原大介」と名乗っているが、部長の娘のひろみは角田家に嫁にいっていた気がするのだが……
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●ペンギン大行進の巻
ストーリー
以前に動物の買い付けを手伝った動物園の園長から、水族館用にペンギンの入手を相談された両さん。コウテイペンギンが1羽1200万円と聞き、飛鷹二徹の漁船で早速南極へ。ペンギンのコスプレで仲間のフリをして生け捕りにしようとする。しかし、意外にペンギンの腕っぷしは強く苦戦する。
主な登場人物
182巻の「ポリスアニマルランドの巻」に出てきた動物園の園長が再登場。ペンギンを捕獲しに行く話だが、実際には南極地域の環境の保護に関する法律があり、南極の動植物の捕獲は制限されているので、両さんの行為は違法。作中でも麗子たちに指摘されて止められている。だが、両さんは友達になったペンギンが自分の意志で日本に行きたいと言っている、と言い張る。
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●草野球の星!両津選手の巻
ストーリー
草野球で活躍する両さんにスポーツ用品の会社からスカウトがくる。ユニフォームなどの1チーム分フルセットの注文があったら両さんを助っ人に入れられるキャンペーンを行うのだった。1試合5万円のギャラにつられた両さんは、自ら営業を行い、多数のチームからユニフォームの注文をとることに成功。しかし、その分助っ人の試合も増加していた。両さんは年間1170試合の助っ人をすることに。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
早朝3時からの試合の日、ナイターだけで4試合、チェンジのたびに隣接する河川敷球場を移動で参加、1日30試合の日など、殺人的なスケジュールの助っ人稼業。しかしいくらなんでも、両さんに助っ人をお願いしているチーム同士の対戦はさすがに意味がない気がする。スポンサーが両さんのスケジュール管理にグランドマネージャーをつけるが、なぜか女子高生だった。
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●100均ビル忘年会の巻
ストーリー
家電量販店やカーディーラーで、両さんは店の中でも堂々と立っていることもあり、店員に間違われてしまうことがある。家電や自動車に対しての店員顔負けの知識と巧みな話術で、店員でもないのに売ってしまうのだった。そんな両さんが幹事の忘年会が決定。そこは会費100円でフランス料理食べ放題の謎の店だった。
主な登場人物
前半は纏からの誕生日プレゼントのベストを着用していたため、家電量販店の店員に間違われた話で、後半は100円均一ビルでの忘年会の話と、前半と後半で話が分かれている回。100円均一ビルでの忘年会は、寿司が10貫セットで100円などとあり得ない値段設定なのだが、その仕組みはよく分からないままだった。
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●蝶の旅の巻
ストーリー
小さいころから生き物係をしていた御堂春は、クモもゴキブリも平気。麗子がクモに大騒ぎをしているのに、平然とクモをつかまえる。通天閣署別館に季節外れの迷い蝶が来たことから、春は何かを察知。通天閣署は日本海に船を出す。そこには麻薬の密輸船がいた。渡りをする蝶に中国語の暗号を書き込み、それで密輸の連絡をしていたのだった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、御堂春、芦原レイ、浪花署長
渡りをする蝶を利用し、羽に中国語の暗号をマーキングした密輸団を逮捕する話。日本海の密輸船に対して、大阪の通天閣署と両さんたち警視庁下の派出所勤務警官が、どうして出動しているのか、というのは今更考えるだけ無駄らしい。
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●マリアSOSの巻
ストーリー
過去に泥棒の侵入を許してからというもの、新葛飾署の女子寮は、顔認証、全身スキャン、声紋、筆跡の本人確認を必要とする厳重セキュリティを施していた。マリアの妹、マリリンは日本での映画撮影の合間にマリアに会いに行くのだが、厳重なセキュリティのはずの女子寮なのに部外者のマリリンは難なく潜入できてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、麻里稟、花山理香
女子寮内でのマリアの一人暮らしの様子が描かれる回。部屋中、両さんのポスターとぬいぐるみが溢れており、ちょっと狂気じみている。マリアとマリリンは双子だが、通常はそれでも指紋など細部に違いがあるはず。しかし、魔法使いのじいさんがマリアを男から女に魔法で変えた際にマリリンの身体をコピーしたので、二人は完全一致する身体になっていたのだった。
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●ビデオメガネの巻
ストーリー
中川の会社で、メガネのつるの部分にレンズを仕込んだビルト・イン・カメラを開発。お年寄りの物忘れ対策で開発されたものだが、両さんたちでモニターすることに。アメリカ大統領やスターと出会う日常が記録された中川、高級車でのドライブと美女との女子会の日常の麗子に対し、両さんの日常の記録は大量の飲酒の後、非常識な行動をとっているものだった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、ボルボ西郷、左近寺竜之介、屯田五目須(署長)
左近寺は10時間恋愛シミュレーションゲーム、ボルボは15時間ナイフ磨きの日常がそれぞれ記録されていた。中川がNYで会った友人たちは「レデエガガガのガ」「ジョニーベップ」「デカブリオ」「トム・クルッス」。ボルボ、左近寺、署長は登場するが、姿の映っているカットはない。
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この巻で連載35周年を迎えた。
ということは、この後も連載が5年続いたことになる。
冒頭の2話は、連載35周年特別企画として、1950年代の過去回と2046年の未来を描く回となった。
両方の年代差は約100年。
「こち亀」の幅の広さを感じられる巻となった。