「こちら葛飾区亀有公園前派出所」189巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2014年3月発売)
こちら葛飾区亀有公園前派出所 189【電子書籍】[ 秋本治 ]
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●ボーカロイドの作り方の巻
ストーリー
交通課の新人・保可炉衣土(ほかろ いと)は、声がボーカロイドみたいな上にボカロ曲の歌唱も得意。同じ交通課で作曲のできる雛野と一緒にオリジナルソングをネットにアップすると人気に。しかし、ボカロっぽいが人間の声を使ったニセボカロではないかとの憶測が出て、ネット上で騒ぎになったため、両さんが火消しに中川音楽研究所で保可炉の声を基にしたボーカロイドソフトを開発する。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、早乙女リカ、雛野姫香、保可炉衣土
ボカロ声の婦警の声からボーカロイドソフトを作成する回。ボーカロイドソフトで作曲する様子についても割と詳しく紹介されている。最終的には両さんの声を使った「りょーつっぽいど」が作成される。
楽譜 クリプトン・フューチャー・メディア公認 初音ミク V4X 徹底攻略ガイドブック 調声からDAWでの曲作りまでわ / リットーミュージック
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●メイドロイドの巻
ストーリー
年末年始のハードな社長業で疲れていた麗子は、署の新年会で酔いつぶれてしまい、纏が麗子の家まで送っていく。巨大で豪華な麗子の自宅に圧倒される纏だったが、麗子の世話をしてくれる男性の存在にも驚く。しかし、それは恋人ではなく、中川の会社が開発したメイドロボットの試作品だった。メイドロボットは両さんのプロデュースで、よりアキバっぽい仕様に変わっていく。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、擬宝珠纏、雑学、左近寺竜之介、丸井ヤング館(寺井洋一)、早乙女リカ
メイドのロボット(メイドロイド)がサブタイトルの回だが、それより麗子の自宅の豪華さの方が印象に残る回。麻布の豪華なマンションかと思いきや、建物全体が麗子所有の一戸建て。中にはクルーザーを浮かべることのできる広大な温泉施設がある。
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●金持ちプラモ道の巻
ストーリー
中川が小学生のころにプラモを作った経験があると聞き驚く両さん。しかし、話を聞くと通常のプラモ作りとは違っていた。好きな車を見かけると、開発スタッフがその車を計測、世界に一台だけのプラモ金型を作成し、そのプラモの組み立てや塗装もプロのモデラーが行い、中川は指揮をとるというものだった。それを聞いた両さんは市販のプラモを中川に組み立てさせてみる。
主な登場人物
中川がプラモを作る回。「軽量化した方が速くなるから」という理由で助手席のシートを外すなど、実際に乗車する人目線で組み立てをし、外見にこだわる両さんは貧富の差を見せつけられ落ち込む。「箱庭シリーズ」で有名なプラモメーカー河合商会の倒産が作中で話題にされる。
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●1/3ルールの巻
ストーリー
両さんは、中川の食品会社で、食品が製造日から賞味期限までの1/3を過ぎると納入期限切れとなり廃棄される事実を聞き、納入期限切れの処分品を引き取る。処分品を下町の小学校やお年寄りに配ると、マスコミでも「正義の人」として取り上げられる。新葛飾署も両さんを模範警官として宣伝。両さんのイメージはすっかり「いい人」キャラになってしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
1/3ルールは食品業界で実際にある商習慣。処分品を引き取ると言い出した両さんに、転売しないことの誓約書をすかさず書かせる中川が有能。両さんはこの回で模範警官手当で給料が3倍になったと喜んでいたが、元々とんでもない減俸を喰らっていたことがあるので、どの程度の給料アップだったのかは不明。
【おさらい】食品の「3分の1ルール」とは? ムダに捨てられないよう皆がすぐ出来る事 (aruhi-corp.co.jp)
大量廃棄社会〜アパレルとコンビニの不都合な真実〜【電子書籍】[ 仲村和代 ]
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●家族ロボの巻
ストーリー
ディズニーから超合金のミッキーやドナルドが合体するロボットが発売されると知り驚愕する両さん。そのディズニーの超合金をアイデアに、両さんは「超合金 大原大次郎」を作成する。オート3輪や九九式艦爆に変形する上、奥さんや娘、娘婿、孫の超合金と合体し、巨大「大原家ロボ」になる仕様だ。両さんが開発した「家族ロボ」は大ヒットする。
主な登場人物
超合金のディズニー合体ロボは実際に発売されたおもちゃ。部長の超合金ロボは登場するが、部長本人は登場しない。超合金部長を見ての部長のリアクションが見たかった。
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●男の温泉の巻
ストーリー
テレビの温泉企画などでは、女性二人組のパターンが多い。それと一線を画す企画として、出版社から両さんを使い「男の温泉」を撮ることに。他誌にマネされる前にと、弾丸で日本中の温泉地を巡り撮影をしていく。「男の温泉」は大ヒットする。
主な登場人物
温泉は日本の文化だ、と修正もボカシもなく、両さんの裸が丸見えの写真の温泉本を作る回。大ヒットとなり湯舟に浸かった状態での両さんのサイン会が開かれ、マッチョな男性1000人が集まった様子を見て「男性の温泉ファンって多かったのね」と感想を漏らす麗子に「いや…温泉ファンとは違うと思うよ…」とツッコむ中川。
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●スーパーカーライフの巻
ストーリー
雑誌の「スーパーカーは日常で使えるのか?」の企画に応募し、スーパーカーを3か月間レンタルすることになった残念。スーパーカーを使った日常に苦戦する残念は、編集部の要望で東北の温泉旅行へ。トランクの狭さ、山道の走りづらさに辟易しながら温泉にたどり着くと、そこで急病人が。両さんは警察から緊急車両の許可を受け、スーパーカーの時速300キロで急病人を運ぶ。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、凄苦残念(法条正義)
スーパーカー(マッドマックGTS:架空)に残念と両さんが乗る回。「車は燃費がよくて安い車でいい」「安全第一が基本だ」と言う一方で「車に『夢』を持つ男もいてな」と秋本先生の持論が垣間見える。
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●秘境の温泉の巻
ストーリー
派出所の冬の旅行は秘境の温泉に。しかし、残念がレンタルした車はSUVではなく53馬力しかない初代サニーだったり、芸人スギちゃんのワイルドの恰好だったりと前途多難。途中からは車では行けない険しい道を行かなければならない。ようやくたどり着いた秘境温泉だったが、そこは両さんの地元の銭湯を移築した建物で全然秘境感がなかった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、凄苦残念(法条正義)、麻里愛、雑学
派出所メンバーで秘境の温泉に行く話だが、スーパーマリオみたいに峡谷をジャンプしていかないとならないといった、超過酷な山道。そんな秘境の山頂にも関わらず、卓球場ではなく立派な野球場があったり、ゲームセンターではなく本格的カジノがあったり、豪華な刺身盛りあったり。その立派な設備や豊富な食材を調達するのには、ある秘密が……というのがオチ。
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●カラオケバトルの巻
ストーリー
駅前の激戦区を勝ち抜くべく、あるカラオケ店が、高得点を出せば0円になるキャンペーンをする。両さんは中川や本田らを連れていくが、高得点を出せず、逆に倍の料金を払うはめに。メンバーを変えて何度も挑むがいずれも玉砕。しかし、ボカロ曲が得意な保可炉が、同じカラオケ機で100点を何度も出しているとの情報を得る。両さんは、保可炉の100点をあてに大人数を連れていき、カラオケ店の店長に100点取れれば料金の10倍返金、できなければ10倍料金の勝負を申し出る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、早乙女リカ、保可炉衣土
186巻の「カラオケバトルの巻」の部長と両さんでカラオケの点数を競っていた回では高得点を出していたのに、この回での両さんはそれほどでもない。機械が違うのかもしれない。
カラオケで高得点をたたき出すボイトレ本【電子書籍】[ 高田三郎 ]
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「男の温泉の巻」「スーパーカーライフの巻」「秘境の温泉の巻」と三本連続で温泉が舞台の回が続く。
秋本先生はこの頃、温泉にハマっていたのだろうか?