「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、一度の休載もなく2016年に週刊連載40周年で最終回を迎え、全200巻で完結した。
しかし、週刊連載終了後に不定期に週刊少年ジャンプに新作が掲載された分、週刊連載中に他の媒体で発表されたが、単行本未収録だった分が201巻として発売された。
本記事では、その「こち亀」201巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(2021年10月発売）
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●復活！両さん亀有に帰ってきた！の巻
ストーリー
両さんは、一年間の有給休暇を使ったアフリカへの金鉱探しから派出所に帰還。同じく5年間の有休を取っていた中川と麗子を強制的に呼び出し、部長の誕生日プレゼントの相談をする。プレゼントは中川企業のAIロボ「ペッポーくん」と麗子の会社の人工皮膚技術を使った部長のダミーロボットにすることに。将棋や家事をこなす他、署員への剣道指導など、部長ロボがあまりに有用。両さんはロボの外装を着込んで、部長ロボのふりをして、評判を落とそうとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、雑学、大原良子、屯田五目須（署長）
初出：週刊少年ジャンプ2017年42号。
一年ぶりにジャンプに掲載された。連載中にもあった「ストック扉絵」が余ったため、本編にムリヤリ挿入するギャグを入れたが、実際は新たな描き下ろし。「斉木楠雄のΨ難」に250巻まで連載を続けて「こち亀」の記録越えをして良いと麻生周一先生を激励する。
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●おめでとう50周年！の巻
ストーリー
少年ジャンプの創刊50周年パーティーだが、両さんの姿はない。部長が激怒して呼び出すことに。派出所に戻った両さん、中川、麗子が、バーチャルコインの話題をしていたことから、「両津コイン」を500枚製作する話になる。両さんは「両津コイン」を知り合いに配るが、プラスチックにニセ金メッキで価値のない「両津コイン」は粗略に扱われ、捨てられてしまう。両さんは、中川のフェイク画像を作成して、「両津コイン」が中川グループの会社で価値を持っていると偽造する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、屯田五目須（署長）、海パン刑事、ドルフィン刑事、月光刑事、美茄子刑事、美少女刑事、雑学、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、御堂春、電極＋
初出：週刊少年ジャンプ2018年33号。
物語冒頭はジャンプの50周年パーティー会場を舞台に、「こち亀」は連載終了後もストックがまだ残っている、出だしの時節ネタの数ページさえ差し替えれば、ストックで対応ができる、といった「こち亀」の都市伝説的な自虐ネタが展開される。
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●Ｖチューバー大作戦の巻
ストーリー
両さんは美少女アバターキャラ「白鳥PPMレンピッカ」として、Vチューバーの活動を始める。神田祭でクリアパネルを立てて、Vチューバー歌祭りをプロデュースし、さらに盛り上げる。美少女キャラに脱衣スーパーチャットをさせることで、投げ銭を荒稼ぎする両さん。月3500万円も投げ銭を稼ぐようになり、税務署が動き出したところで、両さんは、Vチューバー活動は大原部長の差し金で、儲けた金も部長の口座に振り込まれていると偽証する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、擬宝珠纏、擬宝珠檸檬、擬宝珠蜜柑、雪丸、ソレイユ、擬宝珠夏春都、大原良子
初出：SJRジャンプリミックス2019年4月発売。
両さんの警官の制服のトーンがスクリーントーンからデジタル彩色になる。物語前半では新元号「令和」を当てるクイズが出され、「美形（イケメン）」「酒遊（しゅゆう）」「新平成ゲートウェイ」などの候補が出されるが、正解は提示されずに終わる。
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●両さんウォーク!!の巻
ストーリー
中川のゲーム会社の「マジカルウォーカー」が世界中で大ヒット。両さんは「ドラクエウォーク」のパクリと文句はつけながらも、「マジカルウォーカー」で遊んでいた。両さんがゲームしていることに、部長は相変わらず苦言を呈するが、孫の桜から「マジカルウォーカー」で代わりにレアアイテムを集めるように頼まれる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、角田（大原）ひろみ、角田桜
初出：SJRジャンプリミックス2019年12月発売。
部長が孫に頼まれ、最新ゲームに挑むという話だが、10ページしかないため、孫から頼まれるところで終わってしまう。
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●号外！紫綬褒章の巻
ストーリー
作者の秋本先生が紫綬褒章を受章。両さんが読者に報告をするが、両さんは紫綬褒章が何か知らない。部長にウソを教えられるものの、両さんが作者に代わって読者へのお礼を述べる。
主な登場人物
初出：週刊少年ジャンプ2020年3号。
4ページの号外として掲載された。読者への報告とお礼の他に、麻生周一先生に「早く新作描けよ！」「可愛い嫁さんもらって落ちつくなよ」と激励する。
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●おーい！元気でいるか！の巻
ストーリー
派出所に両さんが出勤すると、勤務しているのはロボット警官ばかり。交代で出勤してきた中川と麗子はマスク着用、部長はPＣでのリモート勤務と、コロナ禍で生活がすっかり変わってしまっていた。しかし、両さんは、コロナ禍でも遊びまわるし、派出所を訪れた旅行客に親切に道案内するなど、相変わらずの生活だった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須（署長）、桜野クララ（スペース・ダンシング刑事）、開発002号、開発003号、丸出ダメ太郎、度怒り炎の介
初出：週刊少年ジャンプ2021年3・4合併号。
コロナ禍で緊急事態宣言が出る直前に掲載された。
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●今年も元気だぜ！の巻
ストーリー
コロナ禍のため自宅でテレワーク中の部長。PCが動かなくなり、FAXも通じない部長の家に、両さんが書類を届けに行くことに。両さんは千葉県時空が原まで、自身の発明した灯油で飛べるジェットエンジンを搭載した「ジェットスーツ」でひとっ飛びしようとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、大原良子、屯田五目須（署長）
初出：SJRジャンプリミックス2020年12月発売。
わずか4ページの短さだが、両さんの発明品が失敗するというオチまでちゃんとある。
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●40周年の日暮はどこだ!?の巻
ストーリー
2016年リオデジャネイロオリンピックの年。両さんたちは日暮を探しに向かう。前回、イギリスで会った際に中川が4年間バッテリーが持続するGPS時計を渡していたので、それを頼りに捜索すると、GPSが示した場所はアメリカのNASAの敷地内。日暮はイギリスの大学で勉強し、宇宙飛行士になっていた。宇宙に飛び立った日暮を追って、両さん、中川、麗子は宇宙に飛ぶ。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、日暮熟睡男
初出：2016年こち亀ジャンプ。
丸4年間ずっと寝続けるという日暮のキャラ設定はなくなっていて、「今になってキャラを変えるな！」と両さんに怒られる。
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●日暮……登場？の巻
ストーリー
2020年東京オリンピックの予定の年だったが、コロナのため一年延期。延期によって日暮が暴れ出すかもしれないとの懸念から、両さんたちは警察寮の日暮の部屋に様子を見に行くことに。日暮は起きてこそいたが、NETFLIXやHuluのサブスクばかりをテレビで観ていて、ニュースを観ておらず、延期に気付いていなかった。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、日暮熟睡男、屯田五目須（署長）
初出：週刊少年ジャンプ2020年33・34合併号。
5ページの短い話。前回、寝続ける設定が無くなったのに、再び長期間寝続ける設定に戻っていた。2008年に日暮は警察をクビになっていたはずだが、その設定も無くなっている。まぁ、両さんが指名手配オチ・逮捕オチになっても翌週には元通りのギャグマンガだから、今更かもしれない。
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●お待たせ！日暮の巻
ストーリー
2021年東京オリンピックの年が来るも、警察寮の日暮の部屋はもぬけの殻。日暮に埋め込んだGPS発信機を追うと、東京に反応があるが、そこに日暮の姿はない。絵崎教授がスパコンで日暮の行動を算出した結果、テレポートで57年前の東京に行っていると推測された。絵崎教授の洗濯機型タイムマシーンで、両さんと教授は1964年の東京オリンピックの時代へ飛ぶ。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、日暮熟睡男、屯田五目須（署長）、絵崎コロ助
初出：週刊少年ジャンプ2021年33・34合併号。執筆時点では、コロナの影響で中止の可能性など不確定要素があったため、前回の東京オリンピックの時代に飛ぶアイデアとなったそう。過去の東京で、両さんは新人時代の大原部長と遭遇する。
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●重大発表の巻
ストーリー
両さんからの重大発表。それは200巻で完結したはずの「こち亀」に201巻が発売されるというもの。さらに両さんは、ジャンプ以外のあらゆる雑誌で同時連載を行い、夢の300巻プロジェクトをスタートさせると発表する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、屯田五目須（署長）
初出：週刊少年ジャンプ2021年43号。
4ページで201巻が発売されることの宣伝。300巻プロジェクトは当然ながら、フィクション。
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●想い出の巻
ストーリー
部長が休暇から派出所に戻ってくると、両さんの姿がない。中川たちに訊くと、一週間前から不在らしい。いつもは派出所にいなくても、中川や麗子に電話をかけてくるが、今回はスマホも通じない。両さんの机の中を探してみると、カギのかかった箱が出てくる。本田やマリアを訪ね、カギは手に入れるが、箱の中にはさらにダイヤル錠の箱が。一方、その頃、両さんはジョニーと一緒に南の島にいた。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎（部長）、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛、ジョニー（有栖川慧二郎）
初出：2016～2017年「こち亀展」会場展示。
週刊連載最終回の原稿を上げた後に執筆したため、秋本先生にとっては、「これが本当に最後の「こち亀」かもしれない」との思いで描き上げた作品。読者へのメッセージを込めた一編。
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●特別編 こちら葛飾区亀有公園前派出所×BLACK TIGER
ストーリー
ウエスタンスタイルのサバゲーがあると、ウエスタンの恰好で千葉に向かう両さん、中川、麗子。中川の運転する車がスピードを出し過ぎ、なぜか186X年の米国アリゾナにタイムスリップ。サバゲーの会場だと思い込んだ両さんが外国人美女にエアガンを向けると、その相手は凄腕の賞金稼ぎブラックティガーだった。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ブラックティガー、ウエキ
初出：週刊少年ジャンプ2019年4・5合併号。
「こち亀」と「BLACK TIGER」の3ページコラボ。
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●こち亀 300巻予告
フィクションのフェイク広告。
「2076年9月17日ごろ発売か！？」と記載されているが、実現すると連載開始から100年後の発売ということになる。
週刊連載が終了し、200巻で完結したはずが、続いて発売となった201巻。
様々な媒体に掲載された内容を収録したことにより、コロナ禍の話題が2話、日暮回が3話と通常のコミックスではない構成。
また、4ページ、5ページといった短い話も多いのが特徴。
単発の掲載だと、派出所のレギュラーメンバーを中心にした話になるためか、連載中にはあれだけ出ていた超神田寿司はほぼ出てこない。
時事ネタを使えば、ネタには困らないので、300巻はムリでも今後も続刊するかもしれない。
