親の所得の差が、子供の学力に影響すると言われている。
一般に高所得な親の方が、子供の学力が高い傾向がある。
児童の学力を左右する「社会的背景」とは?|学研教育総合研究所 (gakken.co.jp)
スポーツにおいても、所得の低い家庭の子供はスポーツをしない傾向がみられるというデータがある。
子どもがスポーツしない理由、世帯年収低い家庭ほど負担大 | リセマム (resemom.jp)
高所得の家庭の方が、子供の勉強やスポーツにお金をかけられるというのが理由のひとつだと思う。
本ブログ記事では、「キャプテン翼」の主要キャラクターを高所得層と低所得層に分けて、どちらがサッカー選手として成功しているかを見ていく。
高所得層の群は、主人公の大空翼と若林源三、低所得層の群は、日向小次郎と岬太郎とした。
地元の名士の息子で豪邸に住む若林が高所得層、小学生のうちからアルバイト生活の日向が低所得層というのは異論がないだろう。
翼については、大金持ちという印象はないものの、父親は大型客船の船長で、翼のブラジルに渡る夢のために、ポルトガル語の家庭教師としてブラジル人を雇ったりしているので、裕福な方だと考える。
岬について、画家の父には個展や渡仏の資金を援助してくれるパトロンはいるようだが、短編「ボクは岬太郎」で岬父子が住んでいたアパートを見ると、あまり裕福とはいえないと判断し、低所得層に入れた。
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それではまず、それぞれの家庭環境を見ていく。
高所得層 |
〇若林源三 |
・江戸時代からの豪商の家系で、明治以降はいくつもの会社を抱える地元の名士の息子 ・小学二年生時の誕生日プレゼントは、世界のサッカービデオ100巻と父が理事長を務め源三の通う修哲小学校にサッカー専用グラウンドの設置 ・小学三年生時の誕生日プレゼントは、自宅にナイター付きの源三専用サッカーコートの設置 ・小学四年生時の誕生日プレゼントは、元・日本代表でメキシコオリンピック銅メダリストの源三専属コーチ |
〇大空翼 |
・父は大型客船の船長 ・翼のサッカーのため、一家で東京から静岡県南葛市に移住 ・南葛市の自宅の部屋は後年、同級生が複数人遊びに来ても余裕のある広さ |
低所得層 |
〇日向小次郎 |
・小学四年生のときにトラック運転手の父が死去(母子家庭) ・母と幼い弟・妹の家計を助けるため、新聞配達、屋台の手伝いと、小学生のうちからアルバイト生活 |
〇岬太郎 |
・幼少のころに両親が離婚、母を知らずに育つ(父子家庭) ・小学生のうちは、放浪画家の父について転校ばかりの日々(狭いアパート暮らし) |
息子のサッカーのために一家で移住をする大空家もたいがいだけど、若林家の息子への支出はケタ違い。
一方の日向と岬は、バイト生活や転校続きで、あまりサッカーに集中する環境とはいえない。
若林の小学生時代については「キャプテン翼 MEMORIES」1巻に記載。
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続いて、小学生時代のそれぞれのサッカー選手としての結果。
高所得層 |
〇若林源三 |
・修哲小で全日本少年サッカー大会優勝(五年生) ・南葛SCで全日本少年サッカー大会優勝(六年生) |
〇大空翼 |
・南葛SCで全日本少年サッカー大会優勝 |
低所得層 |
〇日向小次郎 |
・明和FCで全日本少年サッカー大会準優勝 ・東邦学園に特待生としてスカウト |
〇岬太郎 |
・南葛SCで全日本少年サッカー大会優勝 |
翼、若林、岬は同じ南葛SC所属なので、結果は同じ全国大会優勝。
2位は日向が所属の明和FCで、小学生時代に大きな結果の差はなかった。
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続いて、中学生時代。
高所得層 |
〇若林源三 |
・(西)ドイツでハンブルグに入団し、シュナイダーやカルツとジュニア世代でヨーロッパNo.1のチームとなり、様々な大会を総ナメ ・15歳でプロデビューを果たす |
〇大空翼 |
・三年間、公式戦無敗でV3 ・中学生にして、全日本代表(現在でいうフル代表)に呼ばれる |
低所得層 |
〇日向小次郎 |
・東邦学園で一年生時からレギュラーで大会得点王となるも、三年間ずっと翼に勝てず |
〇岬太郎 |
・放浪画家の父についてフランスに渡り、草サッカーには参加するが特定のチームには所属せず |
日向の一年生のときから、全国大会得点王、二年時にも得点王という結果は充分に輝かしいのだけど、翼の三年間公式戦無敗に比べるとかすんでしまう。
若林にいたっては、ヨーロッパのトップチームの主力として活躍と、世界規模で結果を残している。
そんな中、岬はいつでも日本に戻ることができるよう、フランスで特定のチームに所属せず、フランス国際Jr.ユース以外には公式戦にまったく出ていない。
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次に、ワールドユース編のころ。
高所得層 |
〇若林源三 |
・ハンブルガーSVでプロとして活躍 ・ワールドユース前の試合中に両手を負傷(試合出場可能なレベル) |
〇大空翼 |
・サンパウロFCでプロとして活躍、ブラジル選手権優勝 ・ワールドユース期間中の練習で脇腹を負傷(試合出場可能なレベル) |
低所得層 |
〇日向小次郎 |
・高校卒業後、Jリーグ等には所属せず ・アジアユース期間中に母が頭部負傷で重体 |
〇岬太郎 |
・高校卒業後、Jリーグ等には所属せず ・妹を救おうとして交通事故に遭い、選手生命を危ぶまれる負傷 |
日向と岬は、ワールドユースに集中するため、高校卒業後はJリーグに所属も大学進学もせず。
クラブチームに所属していないので、家計は厳しいはず。
一方、若林と翼はプロサッカー選手として活躍しているので、結構な年俸をもらっている。
(翼は「ワールドユース編」の途中でサンパウロFCを解雇されているのだけど、続編「ROAD TO 2002」ではなぜか解雇はなかったことに)
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ワールドユース編で、翼と若林は負傷をするが、痛み止め等の処置で試合に出場するのは可能なレベル。
一方、岬は選手生命の危機となる脚の負傷、日向の母は生命の危機になる負傷をしている。
負傷はアクシデントなので、所得の差に関係ないはずだが、なぜか低所得層の方が負傷の程度は重い。
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最後にワールドユース編以降。
高所得層 |
〇若林源三 |
・ハンブルガーSVでプロとして活躍するも、監督と衝突し出場機会が減少 |
〇大空翼 |
・FCバルセロナに移籍、リーガ・エスパニョーラ優勝 ・結婚し子宝に恵まれる |
低所得層 |
〇日向小次郎 |
・セリエAのユベントスに移籍するも試合で活躍できず、セリエCのレッジアーナに移籍 |
〇岬太郎 |
・パリ・サンジェルマンFCに入団が決まりかけていたが、ワールドユース前の交通事故の負傷により破談 |
日向と岬は、ヨーロッパ1部リーグでやれそうな機会はあったものの、結局は1部リーグでのプレーはかなわず。
しかし、若林と翼はヨーロッパ1部リーグ。
とはいえ、日向のレッジアーナはセリエCからセリエBに昇格。
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逆に、若林は出場機会に恵まれなくなっているので、必ずしも高所得層の方が成功ばかりといったわけではないようだ。
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全員がプロサッカー選手となった4人だが、それぞれの年俸についても調べてみた。
酒井高徳選手のハンブルガーSV時代が1億6500万円~5億3000万円から推測すると、数億円程度はありそう。
酒井高徳の年俸の推移は?DFの選手の中では高額なの? | 週末世界のFootbool (syumatsusekai-football.com)
FCバルセロナの平均年俸は約15億6000万円という記事があった。
バルセロナの選手年俸平均額が「世界1位」に メッシ契約で急上昇 - ライブドアニュース (livedoor.com)
セリエBは約2000万円という記事があった。
セリエBで選手の年俸制限制度を導入 | サッカービジネス レポートファイル (soccerbiz.info)
数年前にジュビロ磐田は平均年俸2000万円という記事があった。
2017年「ジュビロ磐田」 サッカーJリーグ チーム別年俸ランキング|サカマネ.net (soccer-money.net)
活躍の程度によって選手個人の年俸はもちろん変わるわけだが、翼と若林の年俸は数億円~数十億円の範囲、日向と岬の年俸は数千万円の単位とみて良いのではないかと考える。
結局のところ、高所得層の家庭で育った若林と翼の方が、低所得層の家庭で育った日向と岬よりも高年収であると推測できる。
子供たちの夢を描いた少年マンガの世界も、意外にシビアな現実を描いていた。