カワズまんが研究所

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【るろうに剣心 最終章 The Final】薫の死体人形は無くても良かったのでは……?

 

映画「るろうに剣心 最終章 The Final」を観てきた。

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原作マンガの「るろうに剣心」は全部読んでいるが、この映画の「最終章」についてはあまり情報収集せずに観に行った。

 

「最終章」は二部作とだけは知っていたので、てっきり前作の「京都大火編」「伝説の最期編」と同じく前・後編の構成なのかと思っていたが、今回の「最終章 The Final」と6月公開予定の「最終章 The Beginning」はそれぞれ別個の作品という構成。

 

なので、今回の「最終章 The Final」では、志々雄真実の戦いの後の時系列で、剣心に復讐を誓う雪代縁との戦いが描かれるのだが、前・後編ではないので、縁との戦いは「最終章 The Final」でちゃんと完結する。

 

早めに観ると前の内容を忘れてしまうから、次の「最終章 The Beginning」の公開が近くなったら「最終章 The Final」を観に行こうと考えている人がいるとしたら、その心配は不要である。

「最終章 The Final」をさっさと観に行って構わないと思う。

(コロナ対策の緊急事態宣言の地域は行きづらいかもしれないけど)

 

・全体的な感想

 

過去3作と同様に、アクションはすさまじい。

せっかく作ったであろう列車や建物などのセットを、惜しげもなく激しいアクションで破壊・爆破していて、大迫力である。

 

ストーリーは、時間の都合もあって一部の改変はあるものの、おおむね原作準拠。

原作の「人誅編」には登場しないのだけど、前作の「京都大火編」「伝説の最期編」に登場した某・人気キャラも登場し、原作ファンの期待には充分応えているのではないだろうか。

 

ただ、原作の要素をアレもコレも取り入れようとした結果、ストーリーは強引なダイジェスト的で、アラが目立つ箇所があった。

 

以降、その気になったアラの部分について書いていく。

(原作、映画ともにネタバレあり)

 

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・薫の死体人形の雑な扱い

 

剣心の幕末の京都時代の“人斬り抜刀斎”の過去を知る、剣心の妻・巴の弟・雪代縁との戦いが、今回の映画「最終章 The Final」のストーリーである。

 

さて、まず原作のマンガの方のストーリーを紹介する。

縁は剣心個人をすぐに殺そうとはせず、剣心と関わりのある人物を次々襲撃、愛する人を奪われる苦しみと、無力感を味わわせるという復讐を行っていく。

 

その究極として、本作のヒロイン・神谷薫を殺害、薫の死体を見た剣心がショックを受け、廃人同然になってしまう。

しかし、この薫の死体は、実は縁の用意した精巧な人形だった。

薫は縁の屋敷に軟禁されており、その事実を知った剣心たちが薫を救出に向かうというのが、原作のストーリーである。

 

今回の映画「最終章 The Final」でも、だいたい上記の流れなんだけど、その描写がすごく雑。

 

原作の縁が薫の精巧な人形を作った理由も理解不能だが、一応、薫の死体人形を登場させたことは、下記の2つの効果があったと考える。

 

①薫が死んだと思わせて、剣心にショックを与える。

 

少年マンガの主人公側の主要人物(特にヒロイン)は、死なないと思っている読者を驚かせる。

 

特に②に関しては、当時トラウマ的な衝撃を覚えた読者も少なくない。

 

次に、今回の映画「最終章 The Final」での薫の死体人形の扱いを考えてみる。

 

上記の①について、原作では剣心は廃人同然になるまで精神的に壊れていくのだけど、今回の映画では時間の都合もあって、廃人になるまで落ち込むことはない。

だから①の効果は得られていない。

 

次に②の観客に「薫が殺された」と驚かせる効果についても、効果的とは思えない。

 

袋詰めにされた薫だか誰だか分かりにくい死体っぽいものが出て来るも、作中の登場人物がそれを見て「薫が殺された!」と騒ぐキャラもいないので、原作を知らない観客はあれが薫の姿をかたどっているものと気づかないのではないだろうか?

 

さらに、死体人形登場のわずか数分後に、元気な薫の姿が登場してしまうので、観客はほぼ驚かないと思う。

 

こんな作中の世界内でも、映画的にも、まったく効果がないのに、精巧な人形をワザワザ用意する縁の行動は、原作以上に支離滅裂である。

 

剣心が廃人同然に落ち込み、そこから立ち直る過程をばっさりカットするなら、薫人形もカットすれば良かったのに。

 

縁、薫を殺そうとする。

 ↓

殺す寸前に惨殺された姉・巴の姿がちらつき、縁は女を手にかけることができない。

 ↓

縁、苦し紛れに薫を拉致する。

 

という流れで充分成り立つと思うんだけど。

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 ・次作「最終章 The Beginning」について

 

6月公開予定の「最終章 The Beginning」は、幕末を舞台に剣心が“人斬り抜刀斎”としていた頃を描き、時系列的にはこれまでの映画シリーズで最も過去のエピソードになる。

 

テレビアニメ版では描かれなかったが、OVAの「追憶編」としてアニメ化されていて、ファンの間でも評価の高いエピソードの実写映画版である。

 

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この剣心の過去については、今回の映画「最終章 The Final」でも回想シーンで少し登場する。

 

「最終章 The Final」で登場した剣心の過去シーンから、以下のことが分かる。

 

“人斬り抜刀斎”として活動していた剣心が飲み屋で巴に出会う。

 ↓

巴は剣心と親密になり、夫婦として二人で暮らす。

 ↓

しかし、実は巴は“人斬り抜刀斎”を付け狙う組織の送り込んだスパイだった。

 ↓

巴は、敵と剣心の間に割って入ったため、剣心に斬り殺されてしまう。

 

「最終章 The Beginning」でやる内容が丸わかりになってしまっている気がするんだけど……

 

ただ、監督いわく、どうして上記の流れに至ったのか、その過程が描かれているそうなので、あらすじを知っていても、おそらく大丈夫という判断なのかもしれない。

 

また、主演の佐藤健が、これまでの映画シリーズの剣心は、“人斬り”を引退した後の剣心だが、「最終章 The Beginning」は現役バリバリの“人斬り”なので、アクションがこれまで以上にキレッキレだと舞台挨拶で語っていたので、そこも見どころなのかも。

 

「最終章 The Beginning」のことはブログ記事にするかどうかは分からないけど、とりあえず公開されたら観に行こうとは思う。