「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス20巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会の地区予選決勝戦。
1点差を追いかけるキッカーズは、翔のバナナシュートで反撃ムード。
西山SSSはその反撃ムードを断ち切るように攻撃を仕掛けるが、キッカーズバックスの太一に阻まれる。
今度はキッカーズが攻勢をかけるが、翔の前には真行寺がたちはだかる。
翔と真行寺、清水が丘FCでかつてのチームメイト同士で激突をするが、翔は真行寺のタックルを背面飛びの要領でジャンプでかわし、そのままオーバーヘッドキックでシュートにつなげる。
西山SSSのキーパー不破が翔のシュートをからくもパンチングで弾くが、キッカーズの勢いは止まらず、健太やデコが次々にシュートを撃ち波状攻撃を仕掛ける。
防戦一方の西山SSS、しかし、エースストライカー水島亮の顔面ブロックで雰囲気が一変。
真行寺の強烈タックルでボールを奪取し、西山SSSが速攻を開始。
水島のシュートの曲がりについていくキーパー金時だったが、予想外に急激な落下を見せるボールをつかみ損ね、ファンブルのボールを水島に押し込まれて0-2にされてしまう。
前半終了の時点で、二点差となったキッカーズ。
しかし、勝利をあきらめず後半の20分で死力を尽くすことを誓うのだった。
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日本一のチーム、清水が丘FCでチームメイトだった翔くんと真行寺くんの対決。
こういう主人公のかつてのチームメイトとの対決では、以下の2パターンがみられがちだ。
1.主人公のプレースタイルを知り尽くした敵が、主人公を完封する。
2.敵が主人公と同じ技を使う、または同じスタイルで上位互換。
例えば「アイシールド21」の甲斐谷陸は、2.のパターンに近く、主人公の小早川瀬那と同じく、小柄で俊足のプレースタイルを持っている。
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ところが、この翔くんvs真行寺くんの対決は、1.のパターンにも2.のパターンにも属さない。
お互いどんなプレースタイルなのか、特に知悉している描写はないし、二人のプレースタイルに共通点も特にない。
こうなってくると、二人の過去の回想もなかったし、この二人が元・チームメイトだったという設定は、本当に必要だったんだろうか?
「キャプテン翼」では、元・チームメイト同士の対決といえば、小学生時代に南葛SCでチームメイトだった大友カルテットと南葛中の対決や、ハンブルグJr.でチームメイトだったシュナイダーと、若林・カルツの対決が思い起こさせる。
この二組の対決は、パターンとしては1.に近い。
といっても、大友カルテットと翼くんではレベル差があり過ぎて、主人公を完封できてなかったけど。
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しかしながら、「キャプテン翼」は、長大な作品の割には元・チームメイトが敵同士になる展開が少ないように思う。
今後、そういった展開があるとすれば、チャンピオンズリーグでスペインの翼くんが、イタリアの日向くん、ドイツの若林くん、フランスの岬くんらと対決する展開だ。
2000年に発表された読み切り「MILLENIUM DREAM」では、本編ではハンブルグ所属の若林くんがシュナイダーと同じB・ミュンヘンに移籍になっていたり、本編ではジュビロ磐田所属の岬くんがパリ・サンジェルマンFC所属、本編ではセリアBのレッジアーナ所属の日向くんがセリエAのユベントスFC所属と、チャンピオンズリーグの布石と思われる設定が見られる。
2021年現在では、マドリッドオリンピックが連載で描かれているけど、その次はワールドカップではなく、チャンピオンズリーグを是非やってほしいと個人的には思う。
ワールドカップは連載初期からの主人公・翼くんの目標ではあるけど、いつもと同じメンバーの日本代表が、これまでと同じ顔ぶれの強豪国とやりあっても、あまり盛り上がりそうにないから。
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ここが似てるぞ!
・主人公の元・チームメイトと対決。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:元・チームメイトの大友カルテットは翼のプレーをしっかり研究している。
キッカーズ: 元・チームメイトの真行寺と翔だが、お互いのプレーを特によく知っているわけではない。
次回は、西山SSSとの後半戦。