「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス12巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会地区予選の決勝戦。
下馬評を覆し、先制点をたたき出したのは、前年覇者の南陽SCではなく、弱小のキッカーズだった。
「力の南陽」と「勢いのキッカーズ」の激しい攻防はさらに熱を帯びるが、地力で勝る南陽SCは前半終了寸前に逆転ゴールを奪う。
南陽SCの勝ち越しゴールを防ごうとして、ゴールポストに激突し負傷したDF学に代わり、キッカーズは後半から太一を投入。
一方の南陽SCは、後半からDFの片山をFWにポジションチェンジし、今までに見せなかったフォーメーションで更なる追加点を狙ってくる。
南陽SCの策は当たり、片山のバナナシュートを絡めた攻撃で、キッカーズとの差を2点に広げる。
そして、片山のバナナシュートを阻もうとした翔と本郷キャプテンが交錯。
衝突した二人は頭を負傷、本郷キャプテンは意識を保っていたが、翔は脳震盪で倒れたまま。
意識のない翔を大会救護班がタンカで運び出そうとするところ、南陽SCの上杉が「目をさませ‼ 今一度かかってこい‼」と呼びかける。
上杉の呼びかけに反応した翔は、グラウンドに復帰するのだった。
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負傷で意識を失った(または朦朧状態)の主人公が、ライバルの檄で再び闘志を燃やし復活する展開といえば、「キャプテン翼」の「中学生編」の南葛中vs東邦学園戦のシーンを思い起こす。
足と肩の負傷の上、決勝までの激闘の疲労から、試合中にも関わらず意識朦朧となった翼くんに、
「翼!
おまえは 本当にここまでなのか!
ここで力つきるのか 翼ァ‼」
と日向くんが叫び、タイガーショットを翼くんに叩き込む。
その結果、翼くんが意識を戻し、復活するシーンである。
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さて、一方「がんばれ!キッカーズ」のシーン。
頭部の負傷で、意識不明になりタンカで運ばれる翔くん。
ライバルの上杉くんが、
「翔!
目をさませ‼
おれたち南陽と最後まで戦うはずじゃなかったのか!
目をさまして もう一度グラウンドへたて!
そして今一度 おれに牙をむいて かかってこい、翔‼」
が叫び、その結果、翔くんが意識を取り戻して、グラウンドに戻ってくる。
ライバルの叫びが、主人公の名前の呼びかけに始まり、主人公の名前でしめる構成なのは似ている。
ただし、上杉くんは言葉だけなのに対し、日向くんは言葉だけでなくコンクリートの壁にめり込む破壊力のタイガーショットを翼くんのどてっ腹にブチ込むというオプションが付いているのが違う。
また、翼くんは意識朦朧としながらも試合中のグラウンドに立っているのに対し、翔くんは意識不明でグラウンド外に運び出される途中なのも異なっている。
ここが似てるぞ!
・決勝戦で、主人公は負傷により、意識不明(意識朦朧)となる。
・主人公は、対戦相手のライバルの檄で意識を取り戻し、復活する。
・ライバルの叫びは、主人公の名前で始まり、主人公の名前で終わる。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:主人公の負傷箇所は足と肩。
キッカーズ:主人公の負傷箇所は頭。
キャプテン翼:主人公は意識朦朧で、グラウンドに立っている。
キッカーズ:主人公は意識不明で、グラウンド外に運び出される途中。
キッカーズ:ライバルの檄は言葉のみ。
次回は、南陽SC戦の決着。