「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス8巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会の地区予選の二回戦、由良崎SCとの試合は時間内に決着がつかずPK戦に突入。
由良崎SC先攻で始まったPK戦、由良崎SCは最初の3人のうち、本郷キャプテンに止められたのは1人だけ、対するキッカーズは健太とデコが外して、一旦は0-2と差をつけられてしまう。
だが、その後につづくきよしと太一が決め、本郷キャプテンのキャッチングの読みも当たり、両チーム4人を終えたところで、2-2の同点に。
最後の5人目、由良崎SCはエースストライカーの中島大海、キッカーズは同じくエースの大地翔。
大海の弾丸シュートを、本郷キャプテンは全身のひねりから繰り出す両手パンチングで撃ち返す。
そして最後のキッカー、翔のシュートは”ゴール前のとび魚”新田の伸ばした手の先を越えて、ゴールに突き刺さるのだった。
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サッカーの試合では、当然発生するPK戦での決着。
しかし、マンガにおいては、あまり頻繁には登場せず、「がんばれ!キッカーズ」でも、この由良崎SC戦の一戦だけだし、「キャプテン翼」でもフランスJr.ユース戦くらいしか登場しない。
サッカーマンガを描くにあたって、PK戦は一回はやっておくべきだけど、何度もやるべき決着法ではない、ということかもしれない。
まぁ、PK戦での決着ばかりをやっているサッカーマンガがあったら、単調な展開が多くてあまり面白くなさそう。
さて、「がんばれ!キッカーズ」の由良崎SC戦と、「キャプテン翼」のフランスJr.ユース戦の両PK戦について比較していく。
相手チーム先攻、主人公チーム後攻なのはどちらも同じ、最後の5人目に相手チームはエースストライカー(キャプテン翼:ルイ・ナポレオン、キッカーズ:中島大海)、主人公チームは主人公を持ってくる展開も同じだ。
しかし、空手キーパー・若島津健がルイ・ナポレオンのキャノンシュートを止めた1本以外は両チーム合わせて9人が決め、5-4の結果だった「キャプテン翼」のフランスJr.ユース戦と、半数のキッカーがシュートを止められ(あるいは外し)、3-2の結果だった「がんばれ!キッカーズ」の由良崎SC戦とは、描き方が違う。
5-4だった「キャプテン翼」は、右手を負傷していたキーパーの若島津くんが相手のシュートを止められるのか、といったところに焦点が当たっており、キッカーは割と淡々とシュートを決めていっている。
対して、「がんばれ!キッカーズ」は焦った健太くんが審判のホイッスルの前に蹴ってしまったり、ゴール枠を外したデコくんが泣いて悔しがったりと、キーパーの本郷キャプテン以外のキッカーに対して様々な描き方をしている。
パターンに陥りがちなPK戦で、これだけ違うので、「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」のPK戦は似ているとはいえないと思う。
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しかし、南陽SCの上杉くんは、他校の生徒なのに、もう当たり前のようにキッカーズ応援団の側で解説役をしているようになったな。
ここが似てるぞ!
・PK戦は相手チーム先攻。
・5人目は、相手チームのエースストライカーと主人公。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:結果は5-4。キーパーはほぼシュートを止められない。
キッカーズ:結果は3-2。キーパーがシュートの約半分を止める。
キャプテン翼:キッカーは誰もゴール枠を外さない。
キッカーズ:デコくんがゴール枠を外す。
キャプテン翼:主人公チームのキーパー中心の描き方。
キッカーズ:主人公のキーパーだけでなく、キッカーにも焦点を当てる描き方。
次回は、エリート学園の弓が浜戦。