「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス6巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会の地区予選、南陽SCと西山SSSが対戦。
水島雄の執念で同点に追いついた西山SSS。
南陽SCは、三羽ガラスの新フォーメーションで勝ち越し点を狙うが、西山SSSはストライカーの水島雄までが守備に回ることで防ぎきる。
互角の攻防の中、南陽SCの上杉のジャンピングキャッチと水島雄のヒールシュートが空中で衝突、水島雄はヒザを痛めてしまう。
水島雄の負傷で、流れは南陽SCに傾くが、西山SSSの残りのメンバーの必死の守備が、チャンスボールを生み出す。
試合時間が残り30秒、ヒザの激痛をこらえてチャンスボールに向かって走り出す水島雄だったが、そのボールに先に追いついたのは、オーバーラップしたキーパーの上杉だった。
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死闘の決着は、まさかの天才キーパー上杉くんのシュートで幕をおろした。
上杉くんが長髪を振り乱しながら走り込んでシュートする姿は、「キャプテン翼」の空手キーパー若島津健がオーバーラップしてシュートし試合を決めた東邦学園vs明和東中戦と重なる。
そういえば、若島津くんは後にキーパーとストライカーの二刀流になるが、「がんばれ!キッカーズ」の上杉くんも中学に進んでからは、キーパーからストライカーに転向しているし、若島津くんも上杉くんもどちらもゴールポストを蹴ってジャンプしているし、似ている点は多い。
上杉くん、1巻の初登場時には、そんなに長髪じゃなくて、どちらかと言えば若林くん路線だったのに、いつの間に若島津くん路線に変わったのか……?
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この南陽SCvs西山SSS戦では、水島雄くんのシュートが上杉くんの帽子に当たってわずかにボールの方向が変わり、得点にならずというシーンがあった。
「キャプテン翼」でも、若林くんの帽子が西ドイツJr.ユースのヘルマン・カルツのシュートを防いだことがあったが、若林くんは帽子を手に持ってボールをはたく、という能動的な帽子の使い方(実際は反則)だったのに対し、上杉くんはたまたま不可抗力で帽子に当たっただけなので、似ているとは言えない。
一方、西山SSSの水島雄くんは、これまでに「キャプテン翼」のストライカー日向小次郎に似ているところが多かった(ラフプレー、弟思い、主人公チームの練習に乱入)が、必殺シュートについてはまったく違う。
日向くんの必殺シュートは、直線的なタイガーショットなのに対し、水島雄くんの必殺シュートは、弧を描くバナナシュートと、空中で一回転しながらカカトで放つヒールシュートだ。
バナナシュートのようにカーブをかけたシュートは、他のサッカーマンガにも登場するが、空中で一回転するヒールシュートは他のマンガでは見たことがない。(少なくともブログ管理人の狭い見識では)
このオリジナリティあふれるシュートは、水島雄くんの魅力のひとつだと思う。
空中で一回転するという、モーションが大きくて、撃つタイミングも蹴るコースもモロバレのシュートの良さがブログ管理人には、最初分からなかったが、上杉くんのキャッチングと水島雄くんのヒールシュートで激突する構図はとてもカッコ良くて、このシーンのためのシュートだったのでは、と思うほどだ。
ここが似てるぞ!
・長髪キーパーのオーバーラップからのシュートが決勝点になる。
・長髪キーパーはゴールポストを蹴って高くジャンプする。
・長髪キーパーは後にストライカーに転向。
・キーパーの帽子が相手のシュートを防ぐ。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:キーパーは自分の帽子を手にもって、ボールをはじく。
キッカーズ:キーパーの帽子に偶然シュートが当たって外れる。
キャプテン翼:敵ストライカーの必殺シュートは直線的なタイガーショット。
キッカーズ:敵ストライカーの必殺シュートは曲がるバナナシュート
次回は、7巻の「藤村三姉妹の巻」から。