「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス6巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会の地区予選、南陽SCと西山SSSが対戦。
救急搬送された弟・亮の容態が心配なため、試合に集中できない西山SSSの水島雄。
1点を南陽SCに先制されたことで、さらにあせった水島のプレーの質は低下していく。
一方、水島雄の様子と亮が観戦に来ていないことから事態を察知した翔は病院を訪問し、亮が危篤であることを知る。
ラジオで西山SSSと南陽SCの試合の状況を知った亮は、「めざせ よみうりランド」とメッセージの書かれたマスコットボールを翔に託す。
試合のハーフタイム中に、翔から亮のメッセージを受け取った水島雄は、後半から迷いを吹っ切り、本来のプレーを取り戻す。
天才キーパーの上杉、ストライカーの水島雄、死力を尽くした二人の激突は、互いに額から流血を伴う激しいものに。
二人の対決は、水島雄の執念がわずかに上回り、西山SSSは同点に追いつくのだった。
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南陽SCvs西山SSS戦は、上杉くんと水島雄くんという二人の選手の対決、雄の弟・亮の生命と夢をめぐる物語と、「がんばれ!キッカーズ」の中でも特筆すべきエピソードである。
ブログ管理人も「がんばれ!キッカーズ」のベストゲームはどれかと問われたら、南陽SCvs西山SSS戦をあげる。
とはいえ、他チームの翔くんが、水島亮くんの病院を突然訪問したり、直前まで死に際した緊急オペをされていた患者がマスコットボールを渡したりと、ストーリーの展開にやや強引さを感じないでもない。
試合は、逆サイドをつかれたシュートをセーブするため、必死にダイビングした南陽SCのキーパー上杉くんがゴールポストに激突し、額から出血。
ファインセーブ連発する上杉くんからゴールを奪うため、ダイビングヘッドで跳びこんだ西山SSSの水島雄くんもゴールポストに激突し出血。
このマンガはとにかく、選手がやたらと出血する。
しかし、サッカーでは(他の競技でもだいたいそうだと思うが)、試合中に出血した選手がいた場合には、審判は選手をフィールドの外に出して、止血を確認してからでないと試合に復帰できないようにしなければならない。
なのに、「がんばれ!キッカーズ」では、選手が額から血をダラダラ流しているのに、プレーを続行しているシーンが散見される。
後に出て来る試合でも、血が目に入ってミスをするとか、ボールが血で濡れていたためキーパーがファンブルするとか、流血プレー(?)が何度も出て来るのだ。
血を流しながらのプレーや、泥だらけになってのプレーが、マンガの演出的に必死な感じが出るとながいのりあき先生がお考えだったのかもしれないけど、プレーを止めて止血させない審判は現実には失格である。
「キャプテン翼」でも、プレー中に選手が出血するシーンはいくつもあるけど、流血を放置したままプレーし続けることはない。
ここが似てるぞ!
・ゴールポストに激突で出血。
・全国大会の会場はよみうりランド。
(といっても、1980年代の全国大会は現実によみうりランドだったので、同じになるのは当然である)
ここが違うぞ!
キャプテン翼:試合中に出血した選手が、治療のために一旦、フィールドを離れるシーンがある。
キッカーズ:試合中に出血しても、血を流したまま、プレー続行。
次回は、南陽SCvs西山SSSの決着。